12月11日(火)  16:20     体育館裏

 

 

「……ん?」

 そこには誰の姿もなかった。

 金髪の少女も、そして子犬のような姿をした大陸最強と呼ばれる種族も。

 あたりを見回してみるが、人の気配すらない。

「帰ったのか? ま、遅れたのはこっちだけどな……」

 しばらく空なんぞを見上げて待ってみるが、誰かが近づいてくるような気配はなかった。

 やがて、終業のチャイムが鳴り響いた。

「……帰るか」

 もう一度辺りを見回してから、俺はその場を後にした。