「……ん?」
そこには誰の姿もなかった。
金髪の少女も、そして子犬のような姿をした大陸最強と呼ばれる種族も。
あたりを見回してみるが、人の気配すらない。
「帰ったのか? ま、遅れたのはこっちだけどな……」
しばらく空なんぞを見上げて待ってみるが、誰かが近づいてくるような気配はなかった。
やがて、終業のチャイムが鳴り響いた。
「……帰るか」
もう一度辺りを見回してから、俺はその場を後にした。