(……ここにもいないか)
高等部の校舎内を、一階から順にしらみつぶしに調べていく。
時間がかかるが、思い当たるところをちょこちょこ調べていくより、こちらの方がはるかに効率がいい。
もし、クリーオウがレキを奴らから逃れる為に連れ出したというなら、闇雲に校内を逃げ回るよりも一箇所に留まってかくまう方法をとると思ったからだ。
一般常識はどこか外れていながらもそこらへんは妙に聡い。クリーオウとは、そんな少女だ。
(……もし、既に奴らに捕まってたら)
嫌な想像が頭に広がる。
ぶんぶんと頭を振り、それを打ち消す。
今はそんなことを考えている場合じゃない。
(無事でいろよ、クリーオウ!)
俺はさらに足を速めていった。