カンカンカンカン……
廊下に足音が響き渡る。
(どっちだ……!)
全身の感覚を研ぎ澄まし、周囲を探る。
(……ここじゃない……?)
あれだけの爆発があったのだ。レキ、もしくはクリーオウと、奴らが接触した可能性がかなり高い。
ならば少なくとも2人以上の人間がいていいはずである。
だというのに、この階には人の気配というものがまるでしない。
(と、なると……)
高等部の教室棟から、特別棟へと続く渡り廊下へと向かい走り出す。
1階と2階は上ってくる際にそれとなく確認したが、人の気配はなかった。
と、なれば3階から続く渡り廊下から、特別棟へと移ったと考えるのが妥当だ。
特別棟とは、いわゆる音楽室とか理科室とか、そーゆー教室がある棟のことです。念の為。