12月11日(火)  20:20     高等部校舎 特別棟 絵画広間

 

 

 スピードを殺さないように足でグリップをきかせながら、廊下の角を壁すれすれで曲がる。

 何か悪い予感がしていた。

 それは、そこに近づくにつれどんどんと膨らんでいく。

(……ち……間に合えよ!)

 予感が膨れ上がり、破裂寸前になった瞬間――

 それが、視界に飛び込んできた。

 俺はその光景の意味を理解するのもままならないまま、反射的に叫ぶ。

「やめろっ!!!」

 次の瞬間、本能――これまで培ってきた全ての能力――が即座に行動を起こしていた。

「我は紡ぐ――」

 広間に向かい全力で走り込みながら、編み上げた構成を解き放つ。

「光輪の鎧!!」

 

 そして、広間は光に包まれた。