カンカンカンカン……
(さっきの爆発なら、誰かが気付いたはずだ)
先程大学の方へクリーオウを探しにいった時、先生は会議でもあったのか教室にはいなかったが、学科準備室の助手の人間に教授陣への伝言を頼んである。
会議が終わっているにしろいないにしろ、助手の人間が何かしら、非常時のための準備はしているはずだ。
(……つまり、奴らにとっちゃ、もう時間はないってことだ)
そして奴らは、先ほど俺の姿を確認してしまっているから、こちら側が動いていることは程なく理解しただろう。
それにより、奴らが、自分自身が追い詰められていると感じ、無茶な行動を取ってもおかしくはなかった。元々狂信者的なところがあるし、不安を煽られて何もしないでいるとは思い難い。
(急がなきゃならねぇってことには変わりないってことか……)
スピードを速めて校舎を目指す。
そういえば、先程別れたハーティアはどうなったのだろう。いいかげんこちらの前に姿を現してもいいと思うのだが。
(ま、応援を期待するより、自分の限界に挑戦する方が先みたいだけどな)
と――、何かが視界の隅で光ったような気がした。
目をやると、高等部の校舎で何かが動いている。
クリーオウなのか、それとも先程走り去った(元)黒づくめなのかはわからない。
(どっちにしたって止めなきゃならねぇことに変わりはねぇしな)
とはいえ、このまま走っていった所で追いつけるわけはない。あれがその場に留まっていてくれるのならともかく。
(あそこは……2階か。……なら!)
おもむろに渡り廊下の窓の一つを開け、窓枠に足をかけ――
「我は飛ぶ――」
何事も無かったかのように静かに広がる夜空へ、構成を展開する。
「天の銀嶺っ!!」
ふわりと、自分にかかっていた重さが減少する。
俺は2階の校舎からせり出ている、1階の非常通路用の雨よけへと落ちていった。
……わかりづらくて申し訳ない……背景のビジュアルが欲しいところ。