12月11日(火)  20:45     高等部校舎 2階

 

 

 すたん。

「……ふぅ」

 と、息つく暇もなく、雨よけの上に降り立った俺は2階の廊下に面している窓に向かって――

「我は放つ光の白刃っ!」

 どがしゃぁぁん!!!

 派手な音をたてて窓ガラス(というより窓一帯)が吹き飛ぶ。

 もちろん、威力はセーブした。……つもりだ。

 というか、この非常時にそんなことは構っていられない。人一人の命――いや、この学園、下手をすれば街全体の存続に関わることだ。

 破壊した窓から校内に侵入する……というと聞こえが悪いが、それも構ってはいられない。

 とにかく、これでだいぶショートカットができたはずだ。

 人の気配を探り――

「あっちか?!」

 俺はそのまま走り出した。