すたん。
「……ふぅ」
と、息つく暇もなく、雨よけの上に降り立った俺は2階の廊下に面している窓に向かって――
「我は放つ光の白刃っ!」
どがしゃぁぁん!!!
派手な音をたてて窓ガラス(というより窓一帯)が吹き飛ぶ。
もちろん、威力はセーブした。……つもりだ。
というか、この非常時にそんなことは構っていられない。人一人の命――いや、この学園、下手をすれば街全体の存続に関わることだ。
破壊した窓から校内に侵入する……というと聞こえが悪いが、それも構ってはいられない。
とにかく、これでだいぶショートカットができたはずだ。
人の気配を探り――
「あっちか?!」
俺はそのまま走り出した。