その後、レキはチャイルドマン先生らにより保護された。結局、犠牲者は学生会執行部の人間だけで済んだものの、事件を起こしたことには変わりはない。それなりに事後処理というものがある。
今回はクリーオウも立ち会って、レキを保護結界へと移した。力を使いすぎたのか、レキはぐったり……というか、ぐっすりと眠り込んでいた。
クリーオウは強化された結界の中で眠るレキに一晩中ついていると言い出したが、親御さんが心配しているだろう、というチャイルドマン先生の一言であえなく却下された。
そして、いつかのように、俺がクリーオウを家まで送り届けた。
先ほど泣いていた為に少々腫れ気味の目を気にして、少し遠回りで帰りたい等と言い出したが、俺はそれを却下した。これ以上、ティシティニーさんたちに心配をかけるわけにはいかない。
そんなクリーオウをどうにかなだめすかすために、いつもの倍くらいの時間をかけて(結局遠回りしたのとほぼ同じことになってしまった)彼女の家に着いた俺は、事情を話せる範囲で説明した。ティシティニーさんは難色を示すことなくあっさりと、「娘を助けていただきありがとうございました」と深々と頭を下げた。
助けられたのはむしろ俺たちの方なのだが……俺は何も言わず、深く頭を下げた。