リスクマネジメントの必要性

        

普段から意識されている方はあまり多くありませんが、私たちは法体系の支配する環境で生活しています。多くの場合、私たちが遭遇するトラブルとは法規を根拠に解決すべき利害の衝突であるといえます。
そして、自分が当事者としてその局面に立たざるを得なくなったときに、初めてそのことに気付くものです。

例えば、「担保責任」「悪意」「債務不履行」「損害賠償」等々、多くの法律用語を私たちは一般常識として知っています。
しかし聞き覚えのある言葉でも、その言葉の持つ意味や当事者に与える影響を、正確に理解し自分に有利な展開に活用していくことができるでしょうか。武道の鍛錬を日頃から行なうことで有事に役立つように、高い頻度で起こりうるトラブルの局面を想定して、ある種の法的な思考の訓練を普段から積んでいなければ、咄嗟のときに活用することは難しいでしょう。また、仮に日頃からそれができているとしても、正しく身に付けなければ有効に活用することは難しいでしょう。

大切なことは、将来的にトラブルになり得ると予測される問題や解決を先送りしている問題等を、普段から正確に状況把握して良き相談相手とともに解決の方途を考えておくことです。また、下記のような項目ごとの目的意識を持って、具体的な行動を開始することです。

  • 問題点の精査
  • 関連法規の調査
  • 類似事例の学習
  •             
  • 訴訟リスク回避に向けた合意形成
  •             
  • 訴訟に備えた証憑の作成、収集、確保
その過程で、民法典(解決の方途を指し示す根拠であり私たちの私法上の利害を調整する機能を有する)を深く学ぶことで、今後新たに発生するトラブルの「芽」を発見し対処することができるようになります。つまり、学習することが予防につながるのです。

一方、広い意味でのリスク回避の手法として「訴訟」や「保険」を利用する場合があります。「訴訟」は不幸にしてトラブルに遭遇した場合に蒙るさまざまな損害を金銭賠償の請求として、また「保険」は裁判上 ・ 裁判外を問わず広く金銭賠償リスクに備えるものとして、それぞれ事後に有効に活用されています。(もちろん、事前の証拠収集や保険加入を前提としています。)

しかし、契約などの場合には当事者の利害の相反する状況に陥る場面をあらかじめ想定して契約書を作成しますので、その作成時点で合意内容としてトラブルを予防する条項を埋め込んだり相手方の隠れたる意図を見破り対処するだけで、容易にリスク回避の有効な手法になりうると思います。つまり事前に予防措置として機能させるのです。

これらはいずれも有効な手法です。ただし、具体的な要件 ・ 効果 ・ 時機などを、取り巻く状況から総合的に勘案して判断する必要があります。

それらを行なっても避けきれないトラブルは当然あります。その意味ではおのずから限界はあるのかもしれませんが、だからといって限界のずっと手前でリスク削減への努力を怠るのであれば、事後的手法でも救済は困難になる場合が多いでしょう。


信頼できる相談相手として


リスクを回避するためには上記各項などを常に意識して、予防への努力を継続することが望まれます。
しかし、先述したように問題点に潜む法的論点を正確に見極めることは容易ではなく、専門家に相談することが解決への糸口となる場合がありますが、その場合にも、それらは通常複数の異なる法律専門職の職域に跨っているため何を ・ 誰に相談し、依頼するべきかという新たな問題を生じます。
つまり上記の概念を正確に具現化し、勝てる書類を作成するためには、最初の段階で相談窓口となり、的確に論点を把握し解決への方途を指し示す存在が必要となります。このサイトを問題解決の端緒としてご利用いただければ幸いです。



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last modified: 30th/Dec./2010;