エアコンレトロフィット化とは
簡単に言えば、旧冷媒を新冷媒に切り替えることです。
レトロフィット化というのは、レトロ車を新型ガスに対応させる工事のことを言います。
MR2のエアコン冷媒はR12とHFc134の2種類が存在しますが、特にR12のガスについて入手は無理です。
(入手可能、しかし高額商品です)
旧車オーナーは、エアコン整備でも苦しめられるわけです。
SW20後期型は新冷媒に対応していると思いますが、初期型、中期型はR12仕様です。
昔は、エアコンというと完全なオプションでした。
僕の記憶では助手席の足元にエアコンではなく、クーラーがついていたことが印象深いです。冷風効果の薄いエアコンユニット(1970年代のトヨタクラウン等がそれです)
今は、オプションで装着なんてありません
エンジンと一体型。
こういう場面が、整備をやりにくくします。
時代の流れで、環境に配慮することは大切ですが、もともとクルマは地球環境を汚すものと思います。
僕は、あまりエアコンに頼ったドライビングはしません。燃費にも大きく影響します。
あくまでこの整備はエアコンが確実に動作しているものについては何も無理にレトロフィット化する必要はないでしょう。
環境問題から考えたら、エアコン冷媒は地球を壊すもの、汚れるものとしてあまりよいものではありません。
新冷媒タイプでもわずかな環境対応策程度。直しても・・大いに疑問です。
しかし、命の問題(熱中症などの生命に直接関わるもの)がありますから、完全に直さないといけないと思います。
ディーラーで、レトロ化を依頼すると金額に多少のバラツキはあるものの10万〜18万円の費用請求があるようです。
これでは、依頼しても金額が高すぎて意味がありません。
自分でできれば、どんなに楽か、と思います。
修理の基本は専用Oリングの交換がメインになります。
エアコンレトロフィット化とは
今回のMR2は整備に入る直前にエアコン不良(冷えない)で一度ディーラーで整備を受けました。
冷媒追加のみで、故障はありませんとそのまま引き渡してきたという経歴がございます。
冷媒追加が原因でコンプレッサーが破損していたわけですが、これに気付かないチェンジニア
ガス充填で直る?わけがありません。
単に、工賃騙し取られたと同じでした。
さすがディーラーチェンジニアです。ここのディーラーチェンジニア「出来損ない」と噂になっています。(店長といっしょにね)
多分、このボケ整備士は近日中に退職するでしょう。
知識認識不足でマニフォールドの見方も分からないまま作業したのでしょう。
もっとも、このエアコン修理が発端となりまして、エアコンもフルオーバーホール、フルチューニングに発展しました。
本当のところはディーラー整備士のミスですから補償対象になるものですが、すでにクレームすらつける気はありません。
ボケ整備士のレベルに合わせても無駄だからです。やつらは言い訳ばかりで現実を変えようとすらしないのですから。
それに、信用できないレベルの低い人間たちに大切なクルマを任せることは大いに間違っていることから
僕が持っている技術と技能をフル活用してできる限りのことはしたいと思い、行動を起こすことにしたのです。
ということで、優先作業として分解洗浄するために作業開始です。
トヨタサクションホースが全て廃盤
フルチューンしたエンジンを車体に載せる前にエアコン修理も一緒に行えばよかったのですが
オーナーさんの「早く乗り出したい」という意向もありましてリビルトコンプレッサーの独自改良型を装着し、ガスは充填前という形で整備を始めることにしました。
何故、そのような形になってしまったかというと、コンプレッサーサクションホースが純正部品で入手できないことが分かり、エアコン修理が出来ない状態で、完全整備までタイムラグが発生してしまったということにあります。。
もし修理前の古い部品を再使用した場合、また同じ不具合でエアコン全体を破損させる危険性が高く
新品ホースの入手を急ぎましたが、通常オーダーによる部品入手は不可能となりまして、完全に作業ストップとなりました。
僕としてもオーナーさんに対してアフターフォローが難しいと判断しまして、コンプレッサのみ装着して慣らし走行をしてもらう形を選択しました。
今回ばかりは入手を諦めようかと思ったところ、かろうじて新品パーツを入手できるルートがありました。
結果、純正価格よりも安く手に入れることができました。日本国内をほぼ全て探し歩いた感じは否めませんでしたが
結果OKでしたのでよかったと思います。
小さなパーツを全て交換します
レシーバー、エキパン他、ケースごと着脱します。
取り外すときは、小物部品類が多いため区別して紛失しないようにします。
エアコンパーツは細かな部品が多く少しでも気を引き締めないと、この部品は何処に使う?となります。
特にガスを扱いますから、やけどにも注意です。
昔、仕事で同期の人間が作業中に冷媒火傷を負ったことがあり、1か月も仕事ができなくなったことがあります。
それくらい作業は慎重に行わなければなりません。
洗浄はできる限りケミカル剤に頼った方がよいでしょう。
再使用したときに、カビの発生を少しでも抑えられます。
もともと、外車では標準となっている外部フィルター仕様ではありませんから異物がレシーバーに付着してエアコン効率を大幅に低下させる原因になりますから、汚れるものと考えて、細かく洗浄しなくてはなりません。
しっかり乾燥もしなければ、やはりカビの発生は防げませんので特に組立てまでは気を使います。
本組立
Oリング交換がメインになりますが気を抜かずに新品部品に交換していきます。
フロントマスク下のOリング交換が少しばかり面倒ですが、規定トルクでしっかり固定します。
オーバートルクの場合は、ほぼネジを破損します。
ボルトナット類はともかく専用部品は入手できませんから、慎重に作業しなければなりません。
後は専用ガスチャージのみとなります。
真空ポンプがないと、ガスチャージは難しいでしょう。
しっかりと作業できていればガス漏れはない。
ガスチャージ工具を買う必要はないと思います。対費用効果を考えるとチャージのみ業者に依頼すれば良いと思います。
配管関連、大型部品のレトロ化工事は、それ相当な費用工賃を請求されます。それだけ大工事になるから仕方のないところ。
実勢価格を調べた上で業者依頼することをお勧めいたします。
これを一人で全て行えば、部品代だけで済みます。10分の1の価格で済むかもしれません。
さらにコンプレッサー及びエバポレーター他大型耐久パーツが破損なく再使用できる環境であれば
部品代は極限に安く抑えられます。Oリングなんて安いものです。
古い車は、皆このようなすさまじい状態です。埃、ゴミ、カビのオンパレード
フィルター装着車であれば少しは違うかもしれません。今回もカビ臭いエアが出ないように洗浄し確実に組み上げてあります。
今後は臭い匂い、カビを一切撒き散らすことはないでしょう。ガスチャージに関しては、2時間あれば作業完了します。大体サービスガス缶2本くらいです。
古い車のエアコンレトロ化は作業上、苦労する人も多いと思います。
車体全部を上げないとパイプ関連が外せません。しかし一つ一つコツコツと分解し部品を交換すれば、簡単にレトロ化することができます。そして快適性を得ることができます。
電装品関連の交換、ベースアップ作業は僕にとってはとても楽しい作業です。
細かい部品交換もありますので面倒かもしれませんが、確実に対費用効果が出せます。
暑い夏をしっかりと乗り切ることが可能になります(熱中症対策も含めて)
ある意味燃費向上も可能なのです。
これで、ひととおりエアコン関連の整備はおしまいです。
冷え方は、旧ガスの方がよいでしょう。しかし環境配慮の面から考えたら正しい選択なのでしょう。
地球環境を考えたら、エアコンを使うか、それともスイッチを切るか、そんなレベルでは問題は語れませんでしょう。
ガソリン、ジーゼル自動車そのものが、地球にとっては悪です。
環境破壊ゼロであればいいんですが、人間の価値観で全てヨシにするというのは、どうも・・・
だから、僕は自転車をなるべく使う生活に切り替えています。
遠出は、さすがにクルマをつかいますが、どこまでが悪か?
僕には分らない。というより環境破壊ガスをどれだけ排出を少なくできるかが、鍵です。中和作業も当然行わねばなりません。
ドライブテクニックもそうです。環境に少しだけ配慮することができます。
クルマを使うとき路面から入力してくる振動や荷重変動を細かく分析できるように考えるよう走るようにしています。ある人が言っていたことを常に実践する。
きっと自動車ドライビング技術は、自転車でも、バイクでも同じこと。受け取る人間の感覚は形が変わっても同じということに気が付く。
環境については、出来るだけ、僕の全能力を使って少しでも汚れないように行動、配慮するしかできません。
一人の力でも、地球を壊さない為の貢献ができると思いつつ
単なる自己満足でもやらないよりはやった方がごくわずかかもしれませんがマシというものです。
品物を末永く大切に使う。こうした気持ちも、エコに繋がる。二酸化炭素排出を抑えることができる
微妙な、絶妙なアクセル操作ができれば、これもエコにつながる、環境に配慮することができます。
心底、少しずつ壊れていく地球環境は手にとるように分かります。
だからこそ、現実が改善に向かう小さな努力をしているわけです。
ドライビングももっと上手になりたい。上手くなれば環境にも優しくなる
そして自分自身でクルマを全て整備修理することが、走るセンスを磨くことがさらに環境保護に寄与できると思うから
行動を起こせるのだと思っています。
エアコンレトロフィット化
僕が修理するSW20のエアコン冷媒はR12
旧来タイプですので、新規格に合わせます。
問題は細かな部品が全部揃うかどうかです。
いわゆるレトロフィット化を実施することになりました。
SW20シリーズは現存する弾数も少ないですし
新冷媒型ならガス追加でOKですが
そうそうレトロ化する人も少ないでしょう。
−速攻スポーツカー製作記−