まずは、エンジン内部を覗いてみます。

エンジンを分解する前にどの程度の修復と加工が必要か検討します。ファイバーでシリンダー内部を見ることしました。

答えは、やはり駄目。

最初から分かってはいましたが、直せるだろうという望みを持つために自分の目で確かめてみました。

ディーラー整備で修理を行う場合は、最初から自分の求める理想のエンジンはできないと思った方がよいでしょう。

無駄な時間を使うよりも新しいクルマを勧めた方が楽でしょうし、営業さんもサラリーマンですので安易な考え方しかもっていません。

できる整備士?そんなもの一人もいません。僕は最初から諦めています。

理由は、最初から僕がエンジンを直すと決めていたからです。

その分経験値が人とは違うレベルにあるからです。

終わっているエンジンに命を吹き込むことは最終的な仕上がりを考慮すると、やはりエンジンは再起動困難だろうなと感じるでしょう。

しかし見た目判断でいきなり結果を見出そうとすると痛い目をみることになります。

後になって、修理、修復できたとなれば、無駄な金を払ってノーマルエンジン止まりでは意味がない。

自分ひとりの力で直していけば、数ヵ月後には実際に新品同様になって動き出す3SGTEエンジンを見ることになります。

いかにヤマハエンジンの設計と技術力が優れていたか実証できる絶好の機会です。

カーボンやオイルスラッジなども大量に残留していまして、大いにやりがいのあるエンジンにめぐりあったと思ったのも事実です。確実に整備し修理し、加工していくことで走り出すイメージを作っていくこと、これが大切。

さらに分解し実測測定すれば、もっと細かな状態が明らかになりますし、さらに方向性が見えてきます。

クルマを完全に復活させること。僕は絶対に諦めません。

そのクルマのオーナーが直して欲しいというならば、最後まで付き合う覚悟です。

余分な経費が発生するか否かは、状況を判断すればよいわけです。


  大量消費時代=そんなものは最初から僕の経済学にはありません

少々昔の経済学のお話を一つ。

自動車に限らず商品を生産しようとしたとき

日本の資本主義体制で行われてきた大量生産、大量消費の時代は僕にとっては、一切なかったと思っています。

大量生産、大量消費の一労働者としてみてきた結果言えることです。

一部の資本家だけが潤っているだけです。

何をバカ言っているんだ?と思うでしょう。世の中裕福になったからそれでいい?

そんなわけないでしょう

歴史経済として考えた場合、大量消費はあったと過程できるのでしょうけれど

世の中の有名人、著名の方々を眺めていると、無駄な購入、投資に見合った購買は行われていません。

いざとなると、資産として残した品物自体が気に入って最初に買ったものよりも格段にチープになっていることに気付かない。

常々見る新車は、よりまして見た目だけといってよいです。

品物を大切に扱うという点を考慮した時、整備して好きな車を末永く乗る。

品物を大切にする考えこそ、本来の姿。

自虐的な考え方とは分かっていますが、だからこそ僕の仕事が成り立っているわけで、時代に逆行していると思われがちですが、やはり品物ひとつをとってみても僕には部品一つ無駄にできません。

単なるケチ精神なのかと思いますが、これは違います。

乗りたいクルマが存在しないとき、該当しないとき、これから登場する斬新なクルマ技術を搭載した車両が出るまでの大切な資産として考える。

鉄板一枚でも、地球上にある有限資源です。一つの無駄がどこかで再利用できればよいですが、完全リサイクルはない。

だからこそ、整備力の応用としてプロ意識が必要になってきます。

車のシャーシ、エンジン他、全てが消耗品の構成物として成立しているものですから、磨耗もしますし、交換も必要になります。大量消費とは単なる世の中の結果です。

その時(つまり過去)行われた産業活動としてみた場合、その瞬間が大量消費、大量生産だとは思っていません。

金の流出を抑えて、消費を抑える。本来消費が加速すれば景気も加速するでしょう。

金の流速も加速すれば、景気も向上する。

しませんよ。もとの金の量がすでに商品全体価格を上回っているのですから。

捨てられた分は算入されていないし、リサイクルに回る分も資産扱いしていない

コンビニの決算報告書のように廃棄分まで考慮していないから、正確な資産、負債分が分からんのですよ。

一部の消費活動と生産活動が行われている部分にのみ経済活動と称した金回りだけを見て判断しているのですから

本当の景気は一切見えないのです。それをわざわざ公務員連中が架空の数字を作って政治力として国民に対して影響力を発生させているに過ぎない。

ですが、無駄な金の流出は、市場にある金(商品)の量を大幅に増加させて・・・後はわかるでしょう?

近代経済学等々も今後の将来なんて予測すらできていないのが現実だということです。

意外にケチ根性というのも、経済発展に寄与するということが明らかになります。

現実、商品を無駄にするか、大切に使い続けるかの違いだけだろうと思っていますが

現在の新車を見ていると何か物足りないと思うのは、何故でしょうか。

金型、新規技術も搭載されているものの、確実に何かが不足しています。

心「マインド」がないのです。

コンピュータ化しすぎて、心の接触がないのです。

つまり現代のクルマはチープ化、コストダウンしすぎたクルマになってしまったともいえます。

コストダウンしても、買ってよかったと思わせるクルマ、現代のクルマには「何も」ありません。

  パーツ洗浄

ものづくり現場の話は一時中断しまして、本題の3Sエンジンのパーツをひとつひとつ部品をエンジンから切り離していきます。

そしてその場ですぐ洗浄に入らず、内部状態を細かに分析していきます。

走行距離を重ねたエンジンで、しかも大した整備も受けない、ぼろぼろのエンジンですからとても機械好きには貴重な体験ができます。

ヘッドを眺めたら最初に新たらしい発見がありました。

下の写真がそれです。

多分洗浄液も数回、新しいものに交換しなくてはならないでしょう。

ここまでくると、酷いレベルを超え学会で発表できる「芸術」それ以上です。

フルード類、エンジンオイルをケチって交換を怠った結果です。

今後の整備メニューとしては、高精度に組み上げられたエンジンにします。

ある意味、ヤケクソと感じますが、直せます。

最悪の状態から最終目標は乗りやすい仕様に設定を変更させます。

たかが第一段階としてのパーツ洗浄かもしれませんが、パーツ洗浄が全ての鍵を握っているともいえるでしょう。




相当汚れたヘッドカバー内部です。

これは、酷すぎます。この汚れを落とす作業はかなり大変です。

洗浄液である程度は落とせるでしょう。

しかし、細部までは無理でしょう。

ちなみに、本来のアルミ素材の色は黒ではございません。

一見して、最初は何らかのコーティングがされているのかと思いましたが、このコーティングは「ヨゴレコーティング」

壊れたエンジンを復活させるには、かなりの遠回りをしそうです。

洗浄液だけではこの汚れを落とすことは難しいでしょう。

でも、こうした遠回りが楽しいと思えるのは、僕自身が変態?ではなく落とし方を知っているからなのかもしれません。

普通は、全体工数をとして考えたら、新品部品や中古部品を用意してポイっと捨ててしまうでしょう。

この部品も駄目、あのパーツも使用できない。リストアップしていくと交換用の部品数だけで数百点に及びました。

しかし、どんなに再使用不能の部品をリストアップできたとしても捨てません。直していきます。

簡単に言えばエンジンガスケットキット程度導入では直せません。


  
  フルオーバホール前      調律後(写真では伝わらず)

  交換部品点数は数百点

仕上がったエンジンの写真をみて青いガムテープ貼り付けただけではありません。

リビルトエンジンで写真を差し替えたわけでもなく、パーツ全て僕の手の入った全くの別物です。

単なる部品交換とか洗浄で済むとしたら簡単なのですが、大幅な加工修正を織り込んでありまして、20万km走行したエンジンとは思えない仕上がりです。

普通は、捨てるエンジンでしょう。

ブロックも、ヘッドも余計なものを全てクリーニングした後、調律して組み上げました。

車体に搭載されて、エンジンが本始動するまでは気が抜けません。

  チューニングの先にあるもの

今回製作したエンジンも超長期使用前提に考えています。

交換重整備が発生する頃には、さらに供給部品はなくなっていることでしょう

安全性、乗りやすさを追求したエンジン特性を求めるには、一切妥協する気はありません。

レース仕様のエンジンを組むよりもシビアに組み上げてあります。

一機のエンジンにこだわり続けることがセミプロとして、車好きとして成立するのではないだろうかと思っています。

僕にとって、特に多くの時間をかけてシリンダーブロックやヘッドにダメージを受けたエンジンに対して行う特別な整備と修理加工は本気で得意分野です。

リビルトエンジンを使用する方法もありですが(リビルトの方が安上がりです)

しかし、ドライバーさんが前提とするシビアな考え方を汲みとってみますと、結局一番手間のかかるフルオーバーホールを実施します。「その車が好きだ」という気持ちがそうさせるのだと思います。

実際の作業になりますと地道で何一つ面白くない現実がそこにあります、だけどそれを積み重ねることで結果に結びつく

消耗品の部分を全て交換することになるわけですから、出来る限り再使用可能なところは性能の一部を分けてもらい、等価交換して、新品状態以上の性能を与えた上で整備と修理をした方が、結果安上がりとなります。

結局自分次第ってことです。

新品のエンジン交換もありですが、補記類も新調して購入することになります。リビルトエンジンは補記類なしも存在しますし、メーカーエンジンの場合はタービン関連は別と考えてよいでしょう。そもそも今回のパターンではパーシャルエンジンそのものが廃盤でした。

補記類を再使用する場合、当然各部消耗品の交換や、不具合を取り除いておかなければなりません。

不具合を抱えたまま、部品再使用を実施してしまうと新品エンジンもリビルトエンジンも壊してしまうことになりかねません。

そこは、自身の技術と技能がなければ不可能なことでしょう。

 特性と性能

レース仕様とは異なり扱いやすいエンジン特性に仕上げています。(コンピューターセッティングも含みます)

最終目標は高速巡航での安定性が最高値になるように組み上げてあります。

超ハイパワーなエンジン特性とはしません。街乗りではあまりにもパワーを上げた車では、連続するクラッチ操作だけでも疲労感倍増です。

こんな仕様はいつでもつくれますが、時には狼になる車両特性に仕上げてこそ、本物のチューナーです。

一般的な整備士は1/100の範囲

僕は1/1000単位で組み上げてあります。

こうした話をすると大体の人間は、ウソだろうと思うでしょう。ですがこれも今までの経験と実績です。測定計測、その後の修正加工を行うにしても最低限度の予算は必要になります。

こうした見えない投資が末永く乗るための秘訣なのかもしれません。

真面目に取り組んでおられる老舗チューニング屋さんでは一部とはいえ、実施されていることです。(最近は知りません)

速さと耐久性のバランスはとても大切なのです。

両立は大変難しい。

また、独りで全て組み上げることの難しさはこの辺にあるのかもしれません。

まして車を触ったことの無い人、ディーラー任せの人がいきなり整備をやってみて答えを出したいという人は特に難しいと思います。

最近はホームセンターでも特殊な製品を取り扱うようになり、材料入手も簡単になりましたが、それでも自動車整備、修理を行うにはたいへん不足気味です。


  トヨタに対して要望すること

MR2は古い車です。平成13年くらいまでは製造していた車かと思いますがで、3Sパーシャルエンジンやエアコン、カム系の部品入手困難品が多かったことには問題ありと判断します。

いくら古いからといって、廃盤にして中古部品で補えばよい。古ければ新車を買うように促せるという考えは捨てるべきです。
MR2は名車です。僕の知っている範囲では今もMR2を大切に乗り続けているドライバーが数多くいます。

トヨタとしての考え方、一部は容認しなければならないのは理解していますが、それでも不満の量が多すぎる点

これはいけないでしょう。

最近は利益ばかり追求して、ユーザーの気持ちが蚊帳の外ではないでしょうか?

おかげで部品流用することが多々ありました。

市場流通量の多い3Sエンジン、しかも共通化されてるにもかかわらずパーシャルが廃盤というのは・・・

部品課の検索ミスなのでしょうか?

MR2だけに限らず、スポーツカー氷河期の現状は昔の車を大切に長く乗り続けている方が多いのも事実なのです。

車は消耗品なのは分かっていますが作り手、供給者が、MR2オーナーの本来の現状把握をしなければならないのでは?

MR2は市販車の中ではNSXやFD3Sのような価値観を持った車に属しているものだと思います。

トヨタが本気でスポーツカーとして取り組んできた特別な車であることもあるはずです。スープラも同じはず。

もう、時代の変化とともに走るマインド忘れてしまいましたか。

時代の変化で新しい車が絶え間なく登場してきておりますが、「マインド」のないクルマでは売れません。

F1だけではないのです。世の中に走っているスポーツカー好きなドライバー、中年ドライバーは。

30代の年齢層のクルマ好きに聞いて御覧なさい。

エコカー開発に取り組む姿勢も大切ですが、今までトヨタ車を愛してきたユーザーさんの思いを忘れないで欲しいものです。

僕は今までの結果から、今後トヨタ車を選択することしか考えていません。

今までの自身の技術と技能を追い求めた結果なのですが。

購入して10年以上経過すれば、廃盤品を増やしても良いという考え方は間違っています。

どんなに売れなかろうが、登録台数が少なかろうが、発売した責任を果たす。

クルマは走るもの。命を載せているものですから。

クルマ=20万キロくらいなんてことない

しかし、この数字はあくまで最低限度の整備を実施したクルマの場合です

生産、量産品の品質保証としてパーツ保管8年という時間は高い製品品質レベルからみても合致しないのでは?

クルマを売る、買うという意味では捨てられているオーナーさんが数多くいることに気付いてほしいのです。

次回のトヨタ車の買い手になりうる可能性を秘めた人たちだということをわかって欲しいと思います。

一言で言えば、トヨタってヘビーユーザーの気持ちは分かってないんでしょうね・・・(トヨタ以外は、さらに分かってない)

クソ三菱は完全除外して他メーカーよりは格段に良いことは分かります

そんな気持ちを含めても、トヨタ車を選ぶ価値はとても高いのではないでしょうか。(株主優先ではねぇ)
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「3SGTEエンジン加工」
フルチューンといっても、パワー重視ではなく。部品単体レベルでのフルチューンという意味でとらえてもらえるとありがたい。

扱いやすい仕様こそがMR2の資質だと僕は考えています。

再起不能状態のエンジンですから「終わっています」が
ブロック修正も含めて細かな作業工数を見込んでいます。

相当数の交換部品が発生しますが、闇雲に何でも交換は必要なくて
厳しい判断基準を迫られそうですがここは僕の腕の見せ所です。

写真をみても、まあ〜、汚い!

カーボン、オイルスラッジ利息付の山盛り状態
−速攻スポーツカー製作記−