点検して発見した故障や破損箇所(多すぎて紹介しきれません)
@エンジンは終わっている(すでに小規模噴火している)
Aゴムパーツは使用継続可でもすでに終わっている
B走行性に問題ありで、タイヤの消耗が激しい
Cエアコンもすでに終わっている。
Dドライブシャフト動力伝達系、電装系、その他全部駄目
Eマフラーも終わっている
Fシャーシも全くダメ
結局ディーラでは面倒見てくれるところなんてございません
金出せば直せますが、終わったエンジン整備を弄るだけディーラは赤字、普通のユーザーさんは直すくらいなら新しいのを買う時代。だけどマインドと思いは捨てる。それでは困ります。
これでは消費者、つまりはオーナーさんが中心にいないのです。これではクルマの楽しさは求められません。
ディーラーの見積り
ディーラーは作業工賃も必要以上に高いということです。
見積もりとはいえ、今回はフルレストアが必要ですから一体いくら予算が必要なのか不明確+不安でした。
見積り査定まで数日必要とのことでして、待つことにしました。
見積額を見たら、びっくりしました。
250万は軽く超え、新しい車買った方が安いですわ
オーナーさんの落胆ぶりはすさまじく、これは高すぎです。
一発めのエンジン整備見積りだけで100万円を超えました(作業工賃は別らしい)
パーシャルエンジン買った方が安くないか?
ところが年式が古くなってくると自動的にパーシャルも廃盤になってました。
カルディナのエンジンでも載せますか?
ですが、僕は驚きません
自分で全部直す覚悟ができているからです。
中古も用いず、主要部品は全て再使用、修正を実施して走り出すことが可能、可能の域までもっていくことができるからです。
この気持ちがオーナーさんに通じたのか「そんな見積り必要ないです」と言葉一つディーラーに放り投げて帰ってきてしまいました。
そのMR2に思う
作業場に帰り、作成見積書を眺めつつ、早速ながらカンコーヒーを片手にどこから分解していくか検討していました。
整備解説書も手元にあります(今はオークションというものがありますので有効活用しました)足りない分は後で用意することにします。
部品調達の件は数週間かけて検索、流用可能なものもリストアップしていきました。
廃盤部品も多数ありますが、流用することで何とかSW20の部品、消耗品パーツ交換が可能なようです。
やれるところまで整備実施して復活させて差し上げましょう。
パーシャルエンジンがあれば原動機は簡単に作業が終わったかもしれません。
かといって、パーシャルや中古エンジンでは信頼性に欠けてしまいます。
自分自身の手を加えることで軽いフィールで回るエンジンに仕上げたい気持ちがあるからこそ
また、リビルトというと今まで使ってきたエンジン復活とは到底言えないものなのです。
探しても無い部品は僕が作ります。
作業で先回り可能なものは、流用も視野に入れておき、加工が必要なものは都度作成していくことにします
業者に頼る必要はないと思います
自力で整備するそしてチューニングするメリットは
全て直して走り出した時の感動がとても大きいということです。
確かに人に頼ることも必要ですが、できる技術と技能があるだけで余裕。
必要以上に経費が一切かからないというのは最大の武器です。
まだ、エンジンやクルマ本体を細部にわたって開けてみないと分らないところもありますが
MR2のボディは結構強くて錆びにくい構造であり塗装レベルも高い。(特に防錆力が違うのです)
つまり品質の高さ、トヨタの強みをそのまま具現化しているのがMR2ではないか思っています。
特定の部品入手困難品はありますが、それでもまだトヨタは部品そのものの入手は簡単なレベルですし
優秀な部品メーカーとの繋がりが強いトヨタだけに信頼性もあります。
チェンジニア集団にクルマを任せれば、間違いなくノーマル以下の整備で帰ってくる。
ボケ(失礼)に任せるのならば、自分で直したほうが圧倒的に絶対的に楽です。
そして責任の在り方も自分のみなのですから。
トヨタの考え方
今の整備士連中を見ていると、みんなダレています。これは事実でしょう。
それを管理する者も、もうどうしてよいか分からない環境に陥っている
自由度のない、マニュアルどおりの人ばかりです。
トヨタはディーラーひとつひとつ格差があって、最高のディーラーと最低最悪のディーラーが完全に二分しています。
この辺のことが分かっていないのが自動車メーカーなのでしょう。(どこの会社も一緒です)
トヨタは全体的に良い会社なんですが、大人数社員に付け加えてホンダ化してしまっているのがいけないのではないでしょうか。
ホンダ=宇宙人の集まり(何人の人間からも「宇宙人」という言葉をききました)
特定のコレがいけないなんていいません。良いところも悪いところもありますが
クソ三菱のように言い逃れしかしない、しかもクソ弁と通謀して客イジメなんて日常茶飯事です。
僕は整備士でも特別な人間でもありませんが、整備やものづくりに対する姿勢と精神他は絶対に妥協しない。
人間第一に考えた時、命を載せて走る車があるということが前提になっているわけですから良質な整備が全てを物語るからです。
僕の考え方としては、エンジンは最後に手を加える方式というのが一番クルマに優しいと思います。
今回のMR2はある意味、今までと手順が違いますが、すでに終わってしまっているエンジンです
シャーシリカバリーに対する緊急性が高かったということも付け加えておきます。
ノーマル以上に臭い排ガスを出した状態では、何が起きているか、地球環境を汚しているか分かるでしょう
クルマは地球環境を汚すもの。だからなるべく汚さないようにすることを考えて整備修理する。
とはいっても本音と建前は常につきまとう。
本音をいうことは、仕事がなくなる?
いいえ、そんなことはありません。
楽しければ、それでいい?
それは、まずいです。
貴重な資源、時間を使って整備するのですから、自分が考える完璧に近い状態を求めるのは当然の権利です。
そうでもしないと、良いクルマは生まれない。
見た目はぼろい。だけど直すのです
今回MR2に積まれていたヤマハ3SGTEエンジンは相当範囲に渡って壊れています。
ホントにコレ直せるのだろうか?
と悩むところが数多くありましたが、それはそれです。
気持ちに余裕があるからこそ出てくる言葉でありますし、直せないのならHPにも載せられません。
僕は、MR2ユーザーさんの力、影の力になれればそれだけでうれしいのです。
世の中にはMR2命で乗っている方が、たくさんおられます。
どんなにボロくても乗り続けたいと思っている方がおられます。
その気持ちに応えたいだけなのです。
クルマ全体を手直していくことで、また長期間乗り続けられるのならば直したほうが良いに決まっています。
トヨタの考え方、設計思想、品質管理の厳しさを考えたら、そう簡単にMR2を捨てるなんてできないのです。
古い車体に手を加えるのであれば、調律も同時に実施した方が安上がりです。
見た目は古くても、僕の手によって中身は一新されて扱いやすいパワーとトルクを両立させ燃費もノーマルより良くしたいと思います。
今まで以上に優れた価値観をMR2+3SGTEに注ぎ込んでいきます。
−速攻スポーツカー製作記−
「整備前のMR2」
分解中の3SGTE
極一般的なノーマルエンジンです
状況はひとつも良くありません
これを全て解決していきます
今となっては、MR2 SW20も貴重なスポーツカーです
操縦する楽しさをたくさん秘めた一台なのですから
MR2の最初の整備はエンジンフルオーバーホールから始めることにします