●ヨルダンの旅3日目

 

 

さて、待望のペトラ遺跡探訪。朝食はビュッフェ形式。昨夜、眠気が勝って食事を摂ってない分、しっかりと詰め込む。

遺跡への入り口は、ホテルからほんの数分。入場料は20ヨルダンディナール。事前に払い込んでいた分に含まれているので改めて痛さはないが、日本円3000円に相当するから、結構な額である。ガイドブックやあちこちの旅行ホームページによると、これだけの高額になったのは最近だそうだ。

入り口から左右に奇岩(に、私には見える。岩の形はスペイン・バルセロナの聖家族教会みたいな感じ)を見ながら砂利道を歩く。ガイドのアズジャムさんが「馬に乗っていくか」と聞いてくるが、まあ元気みなぎっているし、馬子に2ドル必要だし、乗ってみるのは帰りでもいいかと、遠慮する。約1.5キロ歩いて、いよいよシークと呼ばれる細い道が始まる入り口に。ここで再びチケットのチェック。

シークは、両側に崖が迫り(ガイドブックによると高さ60−100メートル)、道幅も5メートルから、広くてもせいぜい10メートルであろうか。崖の岩の色は鮮やかなローズピンクが主。道はくねくねと曲がっていく。路面は砂利であったり、砂であったり、舗装した石畳ようであったり。砂はやはり感動的な薔薇色。石畳は紀元前の往時のものが部分的には残っているそうだ。また、シークの途中には、近年発見された御者の彫刻なども残されている。

 

道をうねうねと進む。やがてアスジャムさんが「ここにたってご覧」と道の左端を指し示す。いわれるとおりそこに立って前を見ると、岩の裂け目からペトラのエル・ハズネ(神殿)が見えた。感動は本当に突然に。「やっとペトラにやってきた」ことを実感。

エル・ハズネは、崖をくりぬいて作られていたことは十分過ぎるほど知っていたが、こうして改めて見ると大変な労力だったと思われる。その高さは約30メートル、紀元前1−後2世紀の建造とか。2層構造になっているようで、屋根というべきか、その部分にも細かい細かい彫刻が施されている。繰り返しになるが、岩の色がきれいなバラ色だけに、その神秘性がさらに増していると思われる。中をのぞいてみるが、空洞で何もないよう。映画インディ・ジョーンズ 最後の聖戦ではこの中に財宝がザックザックとあるはずなのだが。エル・ハズネの前は広場になっていて、多くが欧米からあろう、観光客が思い思いに記念写真などを撮っている(もちろん日本人ツアーもいくつかいました)。真ん中あたりには、2頭のらくだが寝そべり、観光客に乗ってもらうのを待っていた。



 





ここでしばし堪能したあと、エル・ハズネの向かって右の崖の切れ間からさらに進み、当時のナパタイ人の都市へと向かう。まず、左手にローマ円形劇場。脇の道を上がっていけば犠牲祭壇へと続くらしい。そして右側の山すその岩は多くがくりぬかれていて、この当たりが王家の墓。もう、暑いぐらいになってきて、茶屋で飲み物を求め一休み。さらに進むと柱廊通りに入り、このあたりに往時は市が建ち並び、にぎわったらしい。寺院・教会跡なども並ぶが、もうどれがどれやら分からない。凱旋門をくぐり、アスジャムさんは「ここで博物館が2つあるので見ておいで」。これからエド・ディルに登るに当たって彼はその間、お休みということらしい。博物館のうちのひとつ、岩肌をくりぬいて作ったエル・ハビス博物館(無料)に坂を登って行ってみる。入り口にが小さすぎてわからないほどで、行き過ぎて岩の上でしばし吹かれて涼む。展示自体は、説明文がわかりっこないので何ともいえないが、ああなるほどねえ、という感じ。

もうひとつの、レストラン内にある博物館は後でみることにして、エド・ディルに向けて出発。目ざとく見つけて寄ってくる子供たちがヤギに乗ることを勧めるが、まあ、自分の足で登れる若さがあるのだから、と断る。最初、坂はたいしたことないように思えていたが、曲がりくねってずうっと続くわけだから、次第に息が切れ、暑さも手伝って、途中何度も水が欲しくなってくる。登り初めて15分くらいだったろうか、何度か来ているはずのアスジャムさんもさすがに疲れたか、10分ほど休憩。私もまだバテたというほどではなかったが、ガイドブックを見ると、登るのは約1時間と書いてあったから「ええーっ、この先、このしんどさをあと2度ぐらいは経験しないとたどり着けないのかよ」とちょっとげんなり。

再び出発。ヤギに乗ることのを断ったのを悔い始めたが後の祭り。途中、現地の子供やおばあさんがたむろしているところもあったが、これはヤギが登れる最終地点らしく、飲み物などは売っていなかった。しかししかし休憩から10分もいかぬまま、急に視界が開け、ぐるーっとまわる感じで、なんとエド・ディルの前に出た。ここで終わりかよ、助かったーというのが実感。登り初めておよそ30分。道のり1時間というのは、まあまあ、だれにでも納得してもらえる記述ということかも知れない。

たどりついてしまえば元気百倍。エド・ディル(修道院跡)は高さ45メートルと、エル・ハズネよりもまだ一回り大きい。中はやはり空洞。しかし、エル・ハズネが周りを崖に取り囲まれたところにあるのに比べ、山肌にあるので今ひとつ神秘性にかけるという感じ。岩の色も、それ自体が悪いわけではないのだが、エル・ハズネに比べるとちょっと地味か。それでもエド・ディル前の崖には見事な縞模様の巨石が並び壮観。帰り道で余裕ができて初めて気がついたが、遠くには凱旋門などの都市が見渡せた。

 

 

 

【この項、まだまだ続く】

 

 

 

 

 

 

http://www.medianetjapan.com/2/15/internet_computer/linkdas/jordan/PETRA02.htm

 

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