<Triq Ir-Repubblika (Republic St.)>

リパブリック通りには雨後の竹の子のように観光客がくり出してきた。


<St.John's Co-Cathedral>


かぶと、武器、マルタ十字などをモチーフにした壁や梁の金箔張りのレリーフをデザインしたのもプレティだそうだ。

圧巻は床に敷き詰められたモザイク大理石の墓石。イムディーナの大聖堂も同様だったが、こちらはさらに大量で375枚もあるのだ。騎士の名、亡くなった日付、功績などが記されているということだが骸骨など描かれている柄が面白いので、ひとつひとつじっくり見入ってしまう。画家、プレティもここに埋葬されている。
左の写真は内陣部分。大理石の欄干で身廊と区分されている。奥の大理石とラピスラズリの祭壇(1688)には等身大を上回る 『キリストの洗礼像』(白大理石)が置かれている。彫刻家Melchiore Gafà (1636-67)が委託されて間もなく他界したため、Giuseppe Mazzuoli(1644-1725)が完成させた。
銀の燭台の左に見える16世紀後期のウォールナット製・聖歌隊席も金箔の彫刻が見事。

天井画はMattia Preti(マッティア・プレティ/イタリア人画家/1613-99)の作。騎士団入団を認められたことを感謝した彼は1662〜67年に無償でこれを描いた。6分割された天井に洗礼者ヨハネの生涯が18シーン。石灰岩に直に油彩で描く珍しい技法を用いているそうで、フレスコ画より強い輝きが出るらしい。言われてみれば暗めな色彩なのにコントラストがくっきりしていて、古くて黒ずんでしまったフレスコ画とは違う。

 
内陣左脇の階段を下りると地下墓地に行くことが出来る。ここにはロードス島からマルタに騎士団を率いてきたPhilippe Villiers de l'Isle Adam(フィリップ・ヴィリエ・ド・リラダン/フランス人/在任1521-34)、ヴァレッタの建設者Jean Parisot de la Valette(ジャン・パリゾン・ド・ラ・ヴァレット/フランス人/在任1557-68)など、12人の騎士団長の石棺がある。唯一、騎士団長以外でここに埋葬されているのはラ・ヴァレットの秘書官だったイギリス人騎士。

鉄柵を隔てて覗きこむことになるが、すぐ横のボタンを押すと電気が点く。これは私の前にいた3人がやっていたため知ったこと。そうでなければ暗闇で必死に目を凝らすところだったかも。

こことは別に各言語のチャペルにも騎士団長の墓がある。カスティーリャ&ポルトガルのチャペルのManuel de Vilhena (ウィルヘーナ/在任1722-36)などがそうだ。



<St.John's Co-Cathedral Museum>
大聖堂の小礼拝堂。祭壇画の 『聖ヨハネの斬首』 は、シロウトの私でもそのドラマチックな描き方に感動させられる。写真では判らないが、血を流して横たわる洗礼者ヨハネの腰にかかった布の赤色が目を引き、光と陰が鬼気迫る場面の迫力を増す。
作者Caravaggio(カラヴァッジョ/本名ミケランジェロ・メリシ/1571,73-1610)もまた騎士団員となる許しを得たことへの謝意として1608年にこの絵を教会に贈ったが、このあと投獄、脱獄‥‥とドラマチックな運命を生きた。
この礼拝堂には他にマッティア・プレティの絵も数点ある。





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