+2003年12月の555(ファイズ)+

■第44話「最後のメール」

 

 「だって タっくんはタっくんだし 結花さんは結花さんだし」(敬太郎)

 種族じゃなくて個人を見よう。僕は僕、眼鏡は眼鏡。ガンダムSEEDと着地点は重なりますが、555で最初に辿り着いたのは第三ポジションにいた敬太郎でした。前回ラストから今回冒頭の結花を抱きしめての語りまでは敬太郎最大の見せ場です。そこで語られる敬太郎の夢と、無情な現実とが30分で目まぐるしく描かれました。子供の視聴者に結花ファンがいたかは微妙ですが、いたら今回呆然。
 というわけで結花が死んだんですが、澤田が死んだ時点でいかなる理由があろうと大量殺人を犯してる人物にハッピーエンドはない方向なのだろうと感じていたので、僕的にはそれほど驚きはありませんでした。強いて言えばタイミングでしょうか、この話数で初期主要キャラ6人のうち一人が死ぬというのは中々、去年とかと比べると脚本書いてる人のバランス感覚も変わったなぁと。龍騎は主要4人はラスト2まで死にませんでしたからね、最初に死んだの主人公だし。なんかこのタイミングで死んだのは、普通の物語っぽくて僕は良かったと思います。ラスト6話のクライマックスにむけてグっと話がしまった気がします。

巧、敬太郎……人間とオルフェノクの共存を望む。
   真理……巧、敬太郎よりのスタンスだが、オルフェノク化の可能性あり。
   木場……アンチ人間に傾く。
   社長……基本的にアンチ人間だが、人間をはかってるような素振りあり。
  四つ葉……アンチ人間。
   草加……アンチオルフェノク、でも多分自分もオルフェノク化。
 南&警察……強力なアンチオルフェノク。
   海堂……どちらかというと人間よりのポジション。
テルオくん……王?もしかしてコイツが王?
 ヤギの人……不明

 こんな感じで、真理と草加のオルフェノク化物語、社長の真意、テルオくんの謎、そしてヤギの人の謎がまるまる……この辺りがまだ消化してない部分でしょうか。なんかそんなに無いような気がしてきた。コレは、心配してたけどちゃんと終わるのかもしれない。共存物語の達成までは描けるわけがないので、やはりヒーローものらしくラスボスを倒して終わってくれさえすれば満足。誰がラスボスになるのかが見所。今は木場っぽく描かれてるけど、それだと劇場版と同じだからなぁ。なんか急激な変化を用意してそうな気がする。
 

■第45話「王の目覚め」

 

●今回は展開として落ち込みました。初期から理性人だった木場が作中では一番好きだったんですが、今回で理性人の称号は完璧に崩壊。木場くんは向こう側に渡られてしまいました。南が車で突っ込んでくるのを迎え撃つシーンは第一話のリフレインです。第一話も同じようなシーンの後木場は殺人を犯しています。その時のただ怒りのままに人間を憎悪する木場にこの終盤で再び回帰してしまいました。ギリギリ、木場は殺人は第一話でしかやってないのでハッピーエンドもあり得るのかと思ってたんですが、今回の大量殺人でもうバッドエンドは避けられなくなってしまったと考えられます。澤田しかり、結花しかり、いかなる理由があろうと大量殺人者は報われない仕様になっています。また子供向け番組ではそれで正しいと思いますし……「自分が怖い」と言ってた巧を勇気づけてたのが木場なのに、結局心が暴走したのは木場の方だったとは。

●エンタメで気になるのは木場、巧の敵に回るのならなんかパワーアップが必要じゃないかという点。番組的に木場−巧が対立項になると思うんですが、だとしたら巧のファイズブラスターフォームは強すぎるんで、木場くんも少しパワーアップしないと闘いになりません。考えられるのは……1、映画版のように激情体になる。2、映画版のようにオーガドライバーで変身する。3、テレビ版専用の強化パーツが登場。……なんか変身が本当にありそうな気がしてきた。番組前のオーガ、サイガが登場する映像は、去年の龍騎の終盤にも劇場版オンリーのキャラが登場したようにただのファンサービスだと思ってたんですが、555の場合装着者が固定されてないから、新しいライダーを出しても新しい人間を出す必要はない。つまり龍騎だったらあと5話で新ライダー登場=新キャラを掘り下げる時間は無い→あり得ない…だったんですが、555は新ライダー登場=既存のキャラが変身→いきなり新ライダーが登場してもまとめられる…という可能性があるんですよね。ベルトの装着者を固定しないことで「力は使う人次第」というのを少なからず描いてきたと思うので、ラスボスサイドも外的な力を自分の意志で「使う」というのがあった方がいい気がしますし。

●で、ラスボスも分からないんだが、最終勢力図も分かりません。混沌。とりあえずくくれるのは[巧、敬太郎、真理]と[木場、ヤギの人]くらいです。他はどのようにまとまっていくのか本当分からない。エビの人とムカデの人は社長とまとまりそうなもんですが、前に「村上くんとは敵になるかも…」みたいなエビの人の台詞があったんでやはり分かりません。敬太郎とも木場とも友情がある海堂は?巧的な考えをしつつもヤギの人がお父さんな三原はどうするのか?何より「王」がどの陣営につくのか分かりません。草加は、次週の巧とのサイドバッシャー共闘燃えなんですが、すんなり仲間になるとは思えないし……このまま、混沌としたまま乱戦になるのかなぁ。

●しかしながら、木場がこんなことになってしまった中、巧がカッコいいです。やっぱり何だかんだ言って主人公好きです僕は。「ジレンマは終わらない♪」的な立ち位置で、去年の真司をちょいとばかし感じさせるスタンスになってきました。これは去年同様、ラスト2辺りで信念を宣言してくれたら最高だなぁ。夢無し、主体性無し、自分に自信無しで始まった巧の最後に描かれる決意というはちょっとカッコ良すぎる展開です。
 

■第46話「新社長誕生」

 

 「乗れ!」(巧)

 バッシャー運転するタッくん燃え。ここはBGM的に「Dead or Alive」がハマりそうでした。
 されど数分後には「どけ!」と草加に足蹴にされるタッくん。草加イカス。なんばワイのバッシャーたん運転しとっちょわいやーという感じでしょうか。

 ヤギの人=オルフェノクは運命を受け入れて滅びるべき。薔薇社長=王の力で人間ブっ殺してオルフェノクは生き延びるべし……と、ようやく二大親玉の立ち位置が明らかになりました。ただ木場は今週一言も喋らなかったんで、未だヤギの人と組んでる真意が不明。先週はむしろ人間ブっ殺しの勢いだったんですが、オルフェノクは滅ぶべき派のヤギの人と組んで新社長になってます。
 ただ巧のテルオくんは守る宣言で大分勢力図ははっきりしたように思います。テルオくん=王は危険な存在なんだけど、巧一派はテルオくんを守りたい。ジレンマは終わらないJustiφ's展開とみた。

 どうでもいいけど次週予告ライオトルーパー出たー!ヤギ→木場で「これを使いなさい」の台詞も出たー!これはオーガドライバー出るだろ。去年の龍騎の時もそうだけど、劇場版と繋がっていく展開っていうのは両方見てる人には刺激的だなー。この感覚、丁度一年前と同じだ。龍騎でTV版にもシアゴーストや教会のシーンが出てきたときと同じ感覚。ラスト4話でテンション上がりめです。

 今週のロック:野球のときは強気な三原

 バトル時は慎重に背後からルシファーズハンマーを仕掛ける彼ですが、ベースボールの時は強気です。しまっていこー。
 
■第47話「王の出現」
 
 「だから どんな世の中になっても"小さな幸せ"ってやつを俺は守ろうと思ってる」(添野刑事)

 脇役の添野刑事の口から言わせていますけど、コレが作中正義というか、この作品の正しさの部分なんでしょうね……果たして巧は小さな幸せを守ることができるのか。

●さよなら社長
 澤田といい結花といい、555はしっかりと時間を取って主要キャラの死を描いてくれるのがイイです。去年の龍騎は北岡さん、浅倉あたりの死に様は丸々一話使ってやって欲しいなーと思ってたので。この分だと草加辺りも期待出来ます……と思ったら次週「草加、散華」ギャー。
 ……えー、というわけで一部の視聴者の皆さんにとっては次週が最終回です。うわ、既に泣きそう。散華っぷりによっては「夢の守り人」を超えるベストエピソードになるな…次週予告に漂う悲壮感がたまらん。

●補
 王はアレですよね?たぶんゴールディングの『蠅の王』にかけているんですよね?あー、ちょっと結末が予想できるかも。
 

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