●テニスの王子様
「やっと弱点見つけたよ…『風林火山』」のリョーマの台詞を話の最初に持ってきたのは、「どんな弱点なんだろう?」と謎解きの楽しみを与えてくれて普通にワクワク構成でした。「火に風をぶつける」という解答も僕的には結構意外性があって良かった。でも何か、このアイデアは惜しいと思った。ジャンケンみたいに完全に同時に出し合う設定にすればかなり面白くなりそうなのに……相手は「風」か「火」か、はたまた「山」を使ってくるか?だったらこっちは何を使うか?みたいに相手の手の内を読み合う駆け引きバトルだったらかなり面白かったと思うんですけど。テニスも本来は分身したり覚醒したりすれば勝てるってものじゃなくて、頭脳戦の要素があるスポーツだと思うし。
あとは相変わらず何やってるかは絵を見てても全然分からないですな。「越前は自分から後ろに跳んで威力を吸収し…そしてっ!!」の後が全然分からん。「そしてっ!!」どうなったのか全然分からん。「風」を使ったってのは説明から分かったけど、バックジャンプ状態から一体全体どういう動作を行ったのかをちゃんと絵で描いて欲しかった。
●BLEACH
残念。やちるが場を離脱してやちるのバトルは未だ見られなそうな展開に。されど一角の「ウチじゃ副隊長になれねェからって他隊の誘いに乗った腰ヌケに」の台詞から、少なくとも、射場さん、一角<やちる…という実力図が、見た目とのギャップの実力ってのは燃えるなぁ。
何か剣八さんが負ける気がしねェ。勝つか負けるかハラハラのバトルってのもイイけど、こういうのはこういうので快感です。
●DEATH NOTE
一瞬Bonnie&Clydeみたいな犯罪者カップルの青春劇を夢想して、小畑先生のそんな話も見てーとか思いましたが、ラスト2ページの月の悪人顔を見て、ああ青春とか無さそうだなと思いました。つーか久々の邪悪スマイルいいな。ツボに入ってきた。
それにしても僕的に展開意外でした。しばらく月VSミサVSLと三つ巴状況が続く気がしていたので、こんなにあっさり月、ミサVSLの構図に落ち着くとは思いませんでした。というかLヤバくないか。連載当初から月のターンとLのターンを繰り返しながらトータルでは月が詰め寄られてるような状況だったのに、今回ミサちゃんが利用できるようになったことで一気に月有利に。あとはLの顔さえミサちゃんに見せればチェックメイトってことでしょ?ただまだ連載が終わる気配が無いので、次はL側の対抗策が描かれるハズで、それがまた楽しみ。例によって予想とか全然できないんですが。
●NARUTO
実は読み始めたのがここ1年あまりということで、僕的には滅多に感想も書かない流し読み漫画だったんですが、今やってる過去話は結構好きです。独りの人間が堕ちてゆく様を淡々と描いてるのがイイ。破滅系文学のベクトルです。むしろ堕ちるんだという結末を知っているからこその魅力があります。結末さえ知らなければ、どこでどのように救われるんだろう?という点を楽しみに読んで、そのパターンも勿論楽しいんですけど、もう救われないのを知ってて傍観するのもまた微妙な楽しさがあります。
でも、メイン層の子ども層にはここ数週の過去話はウケ悪そう。やっぱバトルバトルしたエンタメ回が子どもにはウケてると思うんで。その辺りは『武装錬金』3巻の和月氏コメントの「物語の冬になってしまう部分は短く、山を盛り上げ谷を狭くするのが少年誌の基本」って話がまた思い出されました。この過去話は明らかに冬の部分なんで、サクっと短くするか、上手く「山」要素も組み合わせながらやっていかないと子ども層は逃げていくような気がします。その辺りは『武装錬金』になってからの和月先生はあからさまですな。カズキの迷い話、早坂姉弟の過去話とか、物語の冬の部分はあからさまに短くしています。大人の読者は結構冬の部分が好きだという辺りにジレンマを感じる所なんですが、WJは少年誌なんで、まあ和月スタイルの方がイイと思いますよ、私見ですが。
●アイシールド21
実のところ、自分もスポーツやってた経験上から言えば、僕自身は科学的トレーニングか原始的な根性トレーニングかと言われれば、明らかに科学的トレーニング派の人間でした。なんで、思想対決としては実は網乃を応援したくなってる自分がいます。ガリガリ→マッチョ化とか今回は敵として描かれてるけど、描き方次第では主人公サイドのドラマとしてもアリでしょ。その心意気や良しですよ。
あとはライン組に焦点が当たってるってことで、タメてる燃え要素の一つ、「ライン組の奮起」が早速網乃戦で描かれるのかな?だとしたらアイシールド無しで勝利というのもアリですな。
●いちご100%
掲載位置後ろで話もまとめ入ってたようなここ数週とはうらはらに、掲載位置も普通でノリもいつも通りの密室&巨乳路線でした。
サブタイ「RANY見えすぎて」がちょっとヒット。詩的なサブタイとみせかけて、実質はセクハラタイトルという辺りにエロビ風味を感じてこの作品の真髄を見た感じがします。
●こち亀
今話は古き時代のこち亀チックで好き。ボロで200馬力に挑むってのが、近代ビル街と対比される下町ってな感じで、「新」と対比される「旧」の魅力を描くこち亀っぽい。「96年型っていうとVVCも無くてたった118馬力だろ」とかマニアックな車話が入ってるのもこち亀っぽい(僕も車の話はよく分からんがこういうのは好き)。
東京もんVS大阪もんの構図で両さんVSハルで数週引っ張ってきて、最後は東京もんの両さんもハルを応援してるって流れも王道ですが人情風味で好き。
●武装錬金
変身ヒーローの変身とは、変わることではなく、逆説的に変わらないことなのだ、姿を変えることで変わらない心を輝かせるための変身なのだということを再認識。和月先生は本気でヒーローを描きにいってますな。まったくオリジナルなヒーロー像ってわけではなく、アメコミの系譜とか石ノ森章太郎の系譜とか、和月先生が好きなヒーローの系譜を踏まえた上で、コレが本当のヒーローだッッ!ってのを描きにいってるように思えます。敵と同じ能力を使っていること、異形であること、人間からは疎まれる存在であること、それでも人間を守ること、なんてヒーロー項目がひしひしとこの先描かれそうです。なんで、とりあえずはカズキの人間じゃなくなってしまった苦悩の話、人間一般から疎外される話は必ず描かれるハズ(これが辛苦の一つじゃないだろうか)。そして、おそらくカズキに向けられる疎外に、かつて蝶野に向けられていた疎外が絡むハズ。次章からの新展開に俄然期待。
それと、今回はカズキと斗貴子さんのラヴ展開への始まりともとれそう。異形の者を私だけは愛してるっていうの王道だし。カズキと斗貴子さんの帰結も普通にラヴじゃなかろうか。「るろうに」も結局剣心と薫くっついたし、その辺りは和月先生はそんなに凝った変化球を投げる人ではないように思います。
●スティール・ボール・ラン
面白い。アメリカ大陸限定の話だったのが、「ヨーロッパのある国」に話が飛んだのが面白い。今ほど交通、情報が整備されている時代じゃないからこそ、はるばる遠くの国にルーツがある主人公がアメリカでのレースに参加してるってのが熱い。ジャイロに限らず、主要参加者のルーツを徐々に明らかにしていくという手法だったら面白そう。『グラップラー刃牙』の最大トーナメント編の、試合前に各選手のルーツが明らかにされるパターンと同じで、ルーツが分かれば分かるほどに各キャラのバトルに燃えられそう。
今まで時代背景とかあんまし気にしてなかったんだけど、1890年あたりなんだ。パリ万博の翌年くらいですか。実はかなり僕的にツボな時代の話だったんですね。これは、ドイツの参加者の技術とかで魅せて欲しいなぁ。
|