+2004年08月の週間少年ジャンプ+

■36号/WJ感想
 
●BLEACH
 アニメ化。WJで次にアニメ化するとしたらコレしかないと誰もが思っていたと思うんで、僕的にも驚きはそんなに無し。多分大分前から候補にはされていて、単行本10数冊分話がたまるのを待ってたという感じなんじゃないかと。
 王道のバトルエンタメなんでヒットしそうな気はしますが、漫画は対象年齢がやや高めなんでアニメはその辺りどうターゲットを定めるのかなぁなどと気になります。ワンピースのアニメは幼稚園児から楽しんでると思うけれど、BLEACHは自然もうちょい年齢高めがターゲットになりそう。そこはかとなく哲学チックなことを考え始める年齢あたり。バトルエンタメだけど、思想色が強い話でもあると思うんで。
 本編は卍解が破られて生身の信念だけで突撃するというシチェーションに燃えです。変身ヒーローが、強敵の前に変身の第二段階が解除され、しょうがないんで普通の通常技で突撃する時みたいな、そんな熱さ。視覚的なパワーアップ分、BLEACHなら卍解の分を精神的なもので埋め合わせて特攻というのが熱さを呼び起こすのだと。

●ONE PIECE
 通の見所はゾロ。単行本買ってるような読者は、これまでずーっと所々にゾロが一番ウソップを買っているという描写が積み重ねられていることを知っているので、「…………」と沈黙を保ったままウソップを見つめるゾロのコマが何回も挿入される今週は熱い。
 後は、夢追い型の主人公でひたすら上昇志向でGO!だったルフィに対して、上昇志向のマイナス点をウソップが「誰でもおめェみたいに前ばっか向いて生きて行けるわけじゃねェ!!おれは傷ついた仲間を置き去りにこの先の海へなんて進めねェ!!」とエグってるのが、ワンピースらしからぬ魅力で好感触。上昇志向は、どうしても今ある場所を捨てていく、ついて来れないヤツは置いていくという裏の側面があります。そう言えば昔チラっと、『ワンピース』は夢追い型の上昇志向の物語、『武装錬金』、『BLEACH』あたりは守り型の現実保守の物語なんてことを書いた記憶があります。武装錬金のカズキなんかは、進化みたいな上昇志向を捨ててでも、今ある現実、力なき友人を守る主人公で、それはそれでカッコよくて僕は好き。ルフィもカズキも魅力はあるんだけど、上昇志向型と守り型は結構衝突してしまう、そんなことは昔から思ってました。なんで、ウソップを使ってその点をつっこんだのは、僕的に尾田先生スゴいなーと。ルフィに外的な強さとあんまし関係ない内面の課題を与えたのがめずらしい(というか初めて?)んで好感触。ルフィがどう自分の内面に折り合いをつけるのかがポイント。こんな、内面の課題の克服みたいな話がルフィで描かれるとは思わなんですよホント。

●BULLET TIME!!-ブレットタイム-
 負荷なく読めてそこそこに面白く、今回の金未来杯の漫画はどれもレベル高めだなーと思いました。時々掲載されるホントに面白くない読切は一体なんなんだろう。
 でも、前二作に比べて、テーマ性がほとんど無かった感じ。この読切で最低限コレだけは伝えたいというものが、どうも読んでて感じられなかった。でも、伝えたいことは感じられなかったけど、やりたいことは感じられた。多分、作者の人、ガンアクションが描きたかったんじゃないかと。ガンアクションのバトルシーンにページ数割き過ぎ。コレでもかってくらい割いてるんで、まずコレを描くと決めて、あとは逆算して物語を作ったんじゃなかろうか。とにかく描きてー、というその心意気や良し。

●DEATH NOTE
 一週間で、というか先週のラストから3コマ目にして攻守逆転。先週までLもうダメっぽいと思って読んでたのに……。
 でも少々力業に感じるところも有り。L、携帯スってたって、一体どれほどの技術だよと。月、ミサに加えて、ミサをいつも見ているレムもその場にいたのに、全員の目を盗んでスったって。そんな特殊能力あったなんて聞いてないよみたいな。あと、エラく月が窮地っぽいけど、何かレムが既にLを殺せる事実が忘れられちゃってる点とか。レム、気が変わったことになっちゃったの?レムと月が今話の最後でコンタクトを取った時点で、既にレムがLを操り殺せばいくらでも事態を打開できる状態のような。ミサを助けるためならレムそれくらいやってくれるんじゃないの?どうもレムがLを殺す意志を表明してサプライズ引きだった3週前が無に帰ってるような。あと、「引き出しもただの二重底にした…」の台詞が何気にショック。あのギミック関連はコレで終わり?丸一話かけて仕掛けを描写したのは、いつかコレが破られる描写が来る。どうやって破るのか、読者はそれをワクワクして待つ…ということだと思ったのに、スルーしちゃうのかよ!みたいな。「死神の憑いた人間は不幸になる……本当だったのかもしれない」の所はしっかり伏線回収してくれて良かったんですが。

●家庭教師ヒットマンREBORN!
 最初の数話が僕的に今イチでずっと流し読みしてた漫画なんですが、今週はエラく面白かった。というか完成度の高さに惚れ惚れするくらいだった。冒頭の新キャラハルちゃんラリラリアップでつかみはOK。ちょっとイっちゃってるハルちゃんのキャラ描写で、少女キャラマーケティングにも対応。「なんだありゃあ!?どこぞの鉄砲玉か!!?」などギャグの切れも良し。最後はメインギミックの死ぬ気弾で普通に盛り上げ、オチも惚れちゃったオチで完璧。絵や構図も最初の頃より格段に見やすいし、ちょっとスゴいクオリティーだと思いました。こういうこともあるんだなぁ。天野明の名前を今回で覚えましたよ。

●テニスの王子様

 面白い(^_^;

 概略すると、

 部長:「今回のS1は越前にして頂けませんか?」
 先生:「なんで?」
 部長:「を見たから」

 という会話のキャッチボールです。部長、それ理由になってないよ、みたいな。先生、「おいおい それは本気で言っているのか?」の台詞は、侍発言の後にするべき。それだったら普通の人にも意味が分かります。

 部長:「こんな事言って笑われるかもしれませんが…越前と試合した時奴の中にサムライの様なものを見ました」
 先生:「おいおい それは本気で言っているのか?頭は大丈夫か?」

 これなら意味が通じる。

 次週は、「風」「林」「火」「山」の四つの技を合体させた超必殺技「万華鏡風林火山」で真田皇帝が勝ちます。

●いちご100%
 もの凄く向井さんを応援したくなってます。普通は恋のライバルキャラを使って正ヒロインの方を輝かせるものだと思うんですが、素で、正ヒロインよりも向井さんを応援したい。
 なんつーか、向井さんは分かる。東城も西野も、なんで真中みたいなダメ人間を好きなのかイマイチ僕には伝わってこなかったんだけど、向井さんの場合は男嫌いという縛りから解放される過程にいたのがたまたま真中だったということで、真中に惚れる理由が理解できる。
 もう、この辺りで、この漫画も1対1の関係を基本にした普通の恋愛観念持ち込みましょうよ。日暮さんと西野、天地と東城、真中と向井さんでばっちり纏まるじゃないですか。

●未確認少年ゲドー
 病気の少女の夢を叶えるために、敵だった奴らも仲間になって一つの目的へという流れで、あと数回でキレイにまとまりそうです。1クール目に比べて2クール目は確かに面白さが落ちたように思えるので打ち切りはしょうがないかもしれませんが、様々な種族間の相互理解というテーマを淡々と描ききったという点では好感が持てる漫画でした。種族間の差異を超えて一つの目的へという今週からのラスト展開は、この漫画のラストはコレしかないだろうという感じです。

●シャーマンキング
 「『この星矢!印刷ミスだからとりかえて!!』……前の21巻のことである。何にも印刷されてない、真っ白な頁があるというのだ。しかし、残念ながら(?)この125頁はミスではない・もちろん手ヌキでもない。A・Eによって、シャカが真っ白になって消滅するという、コミックスでしかできない大胆な手法をとったつもりなのだ。だから、日本国中どの本屋さんを探しても、あの頁は真っ白なのだよ」by車田正美

●次週予告
 矢吹先生仕事速ッ。
 
■37・38号/WJ感想
 
●BLEACH
 僕がBLEACHの魅力だと感じる部分は、この話は天才主人公が無敵に上から見下ろして勝ち進んでいく話じゃなく、大きい理想を掲げたんだけど結局守れなかった人間が、それでもどうしても捨てられないモノがあって、泥臭い捨て身の特攻をしかけてる話だという部分。物語序盤の「世界中の人を守るなんてデケーことは言えねぇけど 両手で抱えられるだけの人を守ればそれでいい、なんて言えるほど控えめな人間でもねぇんだ 俺は山ほどの人を守りてえんだ」という大きい理想から始まって、結局ルキア一人守れなかった過酷な現実、それでもどうしても捨てられないモノがあるから捨て身の特攻をしかける、この流れがBLEACHのキモだと思います。そういう意味で、ルキアを助けられなかった→でもどうしても捨てられないから捨て身の特攻をしかける……という流れで白哉に挑む恋次も、一護とシンクロしながらこのキモを担っていた登場人物だと考えられます。だけど、結果はまたしても守れず、過酷な現実再びという展開。これはもうタメにタメています。一護と恋次がシンクロしているので、一護が二度負けたかのようにタメられています。このタメを昇華する、一護がルキアを守った!の部分が描かれる時は相当のカタルシスがキそうです。
 ただ少し思うのは、このタメの昇華は「一護が自分を守ってくれた大事な人を守り返す」のがポイントであって、「朽木白哉を倒す」のがポイントではないのかもしれないという辺り。朽木白哉が最大の障害にして作中悪だったら、それを倒すのが作中一番の「昇華」の部分ってことで分かりやすいんですが、それにしては白哉は憎しみの対象としては描かれなさすぎています。1コマだけ入った謎のルキア似の登場人物、緋真さんの遺影を見つめるシーンがどうにもこうにも重要度が高そうです。実は、上の「ルキアを守る」という作中目的の背景には、単行本3巻でつづられる、「一護は自分を守って死んだ母親を護れなかった」というエピソードがあります(この3巻を読まないとBLEACHのメイン部分は理解できないってくらい重要部分だと思うんですが)。つまり、一護は同じく一護を守ってソウルソサイアティに赴いたルキアに、母親を重ね合わせているとも取れる。母親の時は護れなかったけど、今度は護る!みたいな、実はめちゃくちゃ熱い話です。なんで、もし緋真さんが白哉にとっての護りたかったけど護れなかった対象だとすると、白哉は一護とパラレルに描かれる登場人物となり、作中悪とはとても言い難いポジションにいる人となります。万が一だけど、緋真さんのエピソードを一護の「護れなかった母親」のエピソードと絡めてくれて、母性とか、その辺りを描いてくれたら、かなり、BLEACHは神だなぁ。

●DEATH NOTE
 今週冒頭でレムがどっか行っちゃったんだけど、僕の先週の「既にレムを使ってLを操り殺すことができるのに、しないのは何故か」という疑問に関しては、特に決定的な説明は無し。掲示板なんかで話題に上った通り、今の状態でレムがLを殺すとミサを助けたことになってしまいレムは死んでしまう、命がけでミサを助けるほどにはレムは月を信用していない……ってな辺りで各自補完しておくしかないんでしょうか。月側のゴールがLを殺すことと認識して読んでいただけに、多少違和感を感じる部分なんですが。
 今週も、月のゴールはLを殺すことだと思って読んでたのに、現在の月の目的はLの疑いを晴らすことで、微妙に真のゴール(L殺し)と直結してなくて燃えづらいなーなんて思ったんですが、それはしょうがないという気もしてきた。というのも、月のゴールがLの名前暴いて殺すことなのに対して、Lのゴールは月をキラと同定、かつ犯罪方法を立証という二段階なんだと思ったから。月をキラと同定の時点でゴールのような気がしてたんだけど、Lはそっからが大変なんですね(今週時点で同定までは辿り着いたっぽいし)。なんで、月とL、一方がゴールに近づけば、もう一方もゴールに近づいてしまうというハラハラ感がDEATH NOTEのキモなんで、そのハラハラ感を保つためにも、もともと二段階な分ゴールに遠かったLの分、月がゴールに向けて遠回り(今週からの展開のように、決定的なゴール(L殺し)を目的としない展開)するのはしょうがないかなと。
 月は後一歩でLが殺せる、Lは後一歩でDEATH NOTEによる犯罪方法が立証できる、というお互いのゴールに向けてギリギリに拮抗するであろうラストクライマックスが楽しみですな。

●ムヒョとロージーの魔法律相談事務所
 読者視点がボヤけてちょっと読みづらかったっス。多分ロージー君が読者視点のキャラなんだけど、魔列車を見て「終わった!もう逃げられない…!」とか、微妙に読者の知らない情報をちゃんと持ってるんですよね。逆にカヤちゃんを読者視点と思って読むと、確かに読者の知らない情報は持ってなくて一緒に不思議世界の驚きを味わえるんだけど、こっちはカヤちゃんの本心、本当はノブオくんをどう思ってたのかとかが読者に分からないので、完全に読者視点のキャラとしては感情移入しづらいと言う。
 あと、あんまり怖くなかったんですけど、コレはもう僕が大人になってしまったからでしょうか。子どもの頃に読んだ『アウターゾーン』とか、そりゃもう、夜も眠れなくなるくらい怖かったものですが。

●TRANS BOY
 こっちは、ムヒョとロージーに比べると、読者視点=ソラトくんで分かりやすかった。単純に、読者はソラトくんと一緒に不思議少女がもたらす不思議世界を経験することができます。
 この、読者視点の主人公を置いて、読者は主人公と共に美少女を楽しむという形は、矢吹先生の今後の方向性として正しいという気がしました。もっと練り込んでもう数人読者の心を掴めるような美少女キャラを投入できれば、いちご100%を余裕で抹殺(WJから)できるような気がします。
 ミスリードでタクちゃんが犯人ってことは、あの兄ちゃんはホントにラリッてただけかよ!と読みながら一人ツボに入ってたんですが、ラストにそのことに言及する記述が……惜しい、そこは言及しないで読者の一人ツッコミ用にして欲しかった(無理)。

●テニスの王子様
 爆 笑
 少し前までのこの漫画に対する「ある意味笑える」みたいな感想は、若干の皮肉も入ってたんですが、今では大マジで爆笑してます。本当、最近ボーボボよりも笑っちゃう回数多いんですけど。電車では読めないとか、そういうレベルになってます。僕だけ?他のWJ感想書いてるサイトの人も今では大マジでツボに入ってるんじゃないの?
 「COOLドライブ」の大ゴマが、指6本になってて本当に(許斐先生が)ある意味COOLになってるのがもう、スゴい。審判のお兄さんの表情が、驚愕の表情のハズなんだろうけど、なんとも、非現実的なリョーマの奇行を目の当たりにして呆然としてるような表情に見えてしまうのもまた。そりゃ呆然とするしかないよ、みたいな。

●武装錬金
 前回と今週と、めちゃめちゃイイと思うんですけど。掲載位置上がってるのと、次回巻頭カラーなのはついに一般読者にもこの良さが届いた?それとも単に一周年だから?

 まず、本当だ!前に「最後まで貫き通せた信念に……」の台詞を言ったときと同じ構図なんだ!(Qウェルさんの今号感想より)
 気づかなかった……そしてなんて心ニクイ演出なんだろう。

 今週、カズキという主人公を掘り下げ過ぎ。

 「でも今じゃない! 今はまだ諦めない!!」

 の台詞に、コアな武装錬金読者は、早坂姉弟編ラストの「まだだ!!諦めるな!!」を思い出してグッとキたはず。コレがカズキという主人公なのだと。

 そして、鷲尾戦の「だけどオレも蝶野も人間なんだ だから 死んでもやっちゃいけないコトと 死んでもやらなきゃいけないコトが あるんだ!!」や、結局蝶野編で他人を犠牲にして生きる蝶野に対立したように、カズキは本当に6週間後に人を犠牲にしなければ生きられない存在になってしまったら、(おそらくは)本当に自決するような意志を持ってる主人公だと既に語られているので、この場面は重い。
 僕的に武装錬金の核だと思う、蝶野編がまた絡んでくることになる展開なのがもの凄く熱い。蝶野編で蝶野に対して行ったカズキの説得が、今度はあの時の蝶野と同じ他人を犠牲にしない限り生きられない状況に自分が置かれたことで、全て自分にはね返ってくることになる。
 和月先生と言えばハッピーエンドの化身ですが、コレは悲しいエンドでも傑作だよなぁとまた思う(るろうにも、薫は死んだままでも大人読者には傑作だったのにとずっと思ってるんですが)。蝶野編のラストは、蝶野が死んだ後もカズキだけは蝶野を認識して覚えてるというモノだったので、カズキも死後にも残る関係性、記憶を残して6週後に死ぬというラストでも震えるほどに素晴らしいと思うんだけど。

●スティール・ボール・ラン
 ムヒョとロージーよりも今週のコレの方が僕的に精神的にクるものがあったんですが。悪意とか敵意が動機ではないのに、殺すための技術を修練しているというのがメチャメチャ怖い。苦痛ではなく、死ぬ前の「穏やかさ」のための鉄球というのも怖い。穏やかになっても、死ぬんじゃん、みたいな。あー、怖い。覆面したお父さん超怖い。子どもの時読んでたら、間違いなく夢に出てきた。

●シャーマンキング
 先週は、武井先生、車田正美リスペクトみたいなことを書きましたが、実際、もういっちょリスペクトして、このラストシリーズは聖闘士星矢冥界編みたいにした方がいいんじゃないだろうか。現在の展開は一つ一つのプラントを突破していくという聖闘士星矢十二宮編の流れですが、いかんせん既に終了までの尺が決められてるっぽいので、一回一回のバトルに深みを与えるほどに描けていません(普通一バトル一テーマくらいあるものなのに、そういうのがほとんど無い)。なんで、聖闘士星矢冥界編みたいになんやかやでいきなり主人公だけ最終目的地にたどり着く展開にして、最後だけじっくり描いた方がいいように思えます(冥界編は、星矢と瞬だけ特殊イベントで一気にコキュートスまで移動する展開だった。氷河と紫龍だけ全部のバトルポイントを突破して来たことになってるけど、上手い感じに省略されてた。あと一騎はもとから別枠)。このままだと、肝心のハオとのイベントが数週でブツ切れとか、ヒドイことになりそうで怖いです。
 
■39号/WJ感想
 
●武装錬金
 一周年。パピヨンが弾けた辺りから面白くなったという人が多そうだけど、去年の自分のWJ感想読むまでもなく僕は第01話目から好きでしたな。とりあえず和月氏の描く漫画が好きだったんで(るろうに大好きだし、GBWも当時WJ離れしていたにも関わらずコレだけは立ち読んでたほどには好きだった)。ストーリーの話ばかりしてるような気がしますが、絵も好き。バトル時の構図とかがスゲー好き。今週もチャージ時の三段コマ割とかスゲー好み。

 人気投票は、単行本の和月氏コメントから推測、そのコメント掲載時から特に順位が変動しそうなイベントは作中で起こってないってことで、斗貴子さんの圧勝のような気がしますが。というかホムンクルス蛙井とか、ギャグ以外で入れるヤツいないだろ。

 本編は、これまた単行本での和月氏コメント、「ブラボーは主人公のいつか乗り越えなければならない対象としての大人キャラに再チャレンジしたもの」って辺りが滲み出てる話ですな。届け→ブラボーの笑顔が入って→届けェェ、とか、深読みすると深いのかも。

●藤崎竜先生次号から新連載
 僕としては『PSYCHO+』(面白かった)しか読んだことがない漫画家さんだったりします。普通の人は『封神演義』、通な人は『サクラテツ対話篇』を挙げそうですが、どっちも読んだこと無し。『PSYCHO+』だけって我ながらヒドイな。なんでかなー。丁度その頃WJ離れしてたんですな。なんで、がっつり読むのは初めての藤竜作品になります。地味に楽しみ。予告絵見る限りはオーラ(面白そうな)あるよね。

●ONE PIECE
 オオ、ルフィがメンタルなイベントで泣いている。
 ラスト2ページの台詞の役回りはゾロしかいない感じ。やっぱゾロだけ仲間ウチでも重要度のヒエラルキー(階層)が高い模様。要所要所でのルフィが一番信を置いてる描写とか、今回のこういう役回りとか。

●DEATH NOTE
 ちゃんと監禁中に報道された犯罪者も死んだ事実を説明する可能性は、

 1:誰かを操って(DEATH NOTEの断片を持たせて)殺させている。
 2:レムが直接、あるいは第三者にノートを渡して殺している。

 の二つが考えられそう。でも、1は、単行本公開の設定で「第三者を巻き込んで殺すようには操れない」というのがあるらしいので、無さそう。
 なんで、僕は2の可能性を予想します。コレは検証可能な予想なんで次号を楽しみに。ハズレても何もしませんが。

 「凄いことになってきたな」の三分割モニターがちょっとウケた。トリプル監禁かよ。

●切法師
 読みやすいし良くまとまってるけれど、この読切でこれだけはアピールしておきたい!っていう作者のコアが感じられなかった感じ。『プルソウル』は信念以上に大事なものもあるかもしれないぜ?ってなメッセージ性、『タカヤ−おとなりさんパニック!!−』は渚ちゃんハァハァ!(コレは作者の意図と違うかもしれぬが)、『BULLET TIME!!』はガンアクション!、『ムヒョとロージー』は(被害者を)全肯定しない怪奇譚、とこれまではそれぞれコアがあったように思えるんですが。

 とりあえず金未来杯、僕的に一つ挙げるなら『タカヤ』かなぁ。魅力的なヒロインが存在したというその一点だけで。でも、どれも高水準で読める漫画ばかりだったんだけど、連載で読みたいと思うほどのは無かった。やはり、新連載は遠藤先生の『PMG-0』が掲載された付近の読切から出して欲しいってのが今んとこの本音。

●BLEACH
 何度も書いてますが、ルキアのメンタルな課題の部分はタメにタメてます(今回でも)。ルキア救出プラス、このルキアのメンタルな課題の昇華の部分がこの漫画のクライマックスです。

●こち亀
 今週エラく面白かった。一般人になじみのないネタ(スポーツ、おもちゃ、メカ、仕事、なんでも)を上手く紹介しながらネタにするパターンのステキな一話。裸のパラシューターオチの下界の反応が笑えたっス。

●スティール・ボール・ラン
 さりげなく、僕的に非常にスティール・ボール・ランが好きになった一話。ジャイロの行動背景が「納得するため」っていうのが、なんだか非常に共感できた。うん、やっぱし自分にとって大事なことに関しては納得して行動したい。

●ぷーやん、シャーマンキング、ミスフル
 僕の主観的面白さ度数では、この三作がぶっちぎりで現在のWJの中では低いので、この三作が掲載位置ラスト3を独占というのは非常に納得できるものがあります。でも打ち切りとなると、シャーマンキングはまとまるまで続けさせてあげたかったり。ぷーやんより先にシャーマンキングが終わるってのはちょっとなぁ。今回の改変期の新連載は藤崎先生だけなのだろうか?少し、今回は変則で読みづらい。ぷーやんが終了して、交代で藤崎先生ってのならかなり僕的には理想かなぁ。

●ジャガーさん
 ハマーは、コイツよりは自分はマシ…って感じで優越感に浸って楽しむには危険なキャラです。読者が自分と比べるにしては、ハマー、底辺にいすぎるんで。
 
■40号/WJ感想
 
●ワークワーク

 も の 凄 い 面 白 い と 思 い ま し た 。

◇二種族相克と正義の相対化

 少しWJを離れた話から入るので、WJオンリー読者には分かりづらいかもしれないんですけど、僕がここ二年あまり好きになり、かつ世間的にもヒットした映像作品の物語の型に、「二種族相克型」と「正義の相対化型」の二つがあります。前者の「二種族相克型」の代表例は『ガンダムSEED』と『仮面ライダー555』、後者の「正義の相対化型」の代表例は『仮面ライダー龍騎』。

 「二種族相克型」の大まかな物語の形は、相反する二つの種族(ナチュラルとコーディネーター、人間とオルフェノク)が存在し、それらがお互いに争い合っている図式から物語りが始まり、主人公が両種族をシャッフルさせた立ち位置に立って物語が展開し(コーディネーターなのにナチュラル陣営に属するキラ、オルフェノクなのに人間のために戦う巧)、最終的に二つの種族を分かつカテゴリーを無化する形で帰着していく(ガンダムSEED第3クール、仮面ライダー555ラスト)……という形の物語。

 一方、「正義の相対化型」の大まかな物語の形は、何かしら絶対的な「願いを叶える力」が一つだけ存在し、その一つの力をめぐって、それぞれに正しい正義をかかげる複数の主人公がお互いに争い合うという形で物語が展開する……という形の物語(龍騎だけじゃなく、僕は未プレイですが、今年ヒットした、『空の境界』の奈須きのこ氏脚本のTYPE-MOONゲーム、『Fate/stay night』もあらすじを見る限りはこの型の物語っぽいです。もっともこっちはSEEDや龍騎に比べてそもそも18禁ということもあり、マーケット対象が大人オタク層に偏ってるかもしれないけれど)。着地点は、とりあえず、正義が相対的だとしても、だからこそ、「個人的に」叶えたいと願う願いは尊い……というような帰着。

 で、ワークワークを読んで何が面白いと思ったかといったら、藤崎竜先生、このエンタメ指数が高い二つの物語の型を、今回二つ一気に入れてきたんじゃないかということ

 まず、「二種族相克型」の方ですが、すぐ分かる通り、このワークワークでは「人間」と「機械」の二種族が相反する形で争っている物語構図なのが見て取れます。で、「二種族相克型」のキモは主人公が「両種族にまたがる特性」を持っているという部分なんですが(両方の特性を持ってるがゆえに、立ち位置が一方の種族に固定されない)、その点もばっちり「人間」であるアル(受け継がれてシオ)が、防人の武器としてアールマティという「機械」の力を使っている点で、既に燃える形で両種族にまたがる特性を持っている図式となっております(さらに、既に人間でありながら「人間」のカテゴリを絶対視しない主人公を描くが如く、機械に対しても黙祷を捧げるシオなんて描写が入っている)。
 これだけで既に二種族相克型の鋳型を踏まえた燃える序盤なんですが、さっきも言った通り、それに加えて「正義の相対化型」の構図も同時に絡み合わせて入れてきてるのが期待感を加速させます。

 「此処においておまえは全能 そしてその全能の力を得るため世界に七人いる防人たちが神(おまえ)の奪い合いをするだろう」

 の部分から、もろストレートに「正義の相対化型」の構図も絡んできてるのが見て取れます。

 今回の「正義の相対化型」の何が熱いかっていったら、奪い合う対象となる「力」が、(ヒロインらしき)少女という点じゃないかと思います。もう、これは、第一回から大胆に帰結を予想してしまえば、さっきも言った通り「正義の相対化型」の物語の帰結は相対的な正義を超克した形での「個人的な」願いを描くというものなので、少女と関係性を結んだシオが、万能の力云々を無視して、「個人的に」少女を守るというのがこの物語の正義の相対化部分のテーマの帰結なんじゃないかと思います。

◇箱庭世界における世界のあらましの謎

 で、もう一つの軸として面白いと思ったのは、「そもそもこの世界とは何なのか?」という謎解きの要素が濃密に入っている部分。
 これ、少女は神様じゃないんだよね?

 「さぁ 醜く争うがよい わが子らよ」

 の辺りから、本当の意味で神的なポジションにいてこの世界を掌握しているのは、この黒い影の方。どうにも、この世界そのものが黒い影の人が作った箱庭世界の如き雰囲気を第一話から出しているのが非常に燃えます。少女から見て未来にあたるというこの世界は何なのか?黒い影はなんなのか?この世界のあらましは何なのか(この辺りが人間−機械の二種族相克にも関わってくると思われる)?そういった惹きつける謎が第一話から散りばめられています。さらに熱いことに、この神的なポジションの黒い影が、邪悪な感じに描写されているのが熱い。もう、また第一話から展開に期待しちゃえば、箱庭世界の物語のラストは、やっぱし箱庭を統べる創造者に対しての反抗じゃん?なんて今から燃えてしまうんですけど。

 という感じで、『サイコ+』以来久々に藤竜作品を読んだんですが、第一話目は非常にツボでした。どういう漫画家さんなのか全然知らないんですが、これは、実質月1掲載とか、ブツ切れ最終回とかにはならずに、真摯に続けて欲しい漫画だなぁと思いました。

●BLEACH

 「鈴虫終式 閻魔蟋蟀」

 あー、大げさでカッチョいい。良く考えるなぁ作者。

 知覚を剥奪されるというのは、聖闘士星矢のシャカ戦、サガ戦辺りの「第4感剥奪!」とかを思い出しましたな。となると、攻略方法としては「セブンセンシズに目覚める」が有効かな。

 と思ったら、何に目覚めるでもなく剣八さん攻略してるし……剣八さん強っ。

●DEATH NOTE
 検証可能な予測検証。先週の感想での予測どおり、監禁中に報道された犯罪者が死んでいた理由は、レム絡みでした。レムがこのままフェードアウトはおかしいなぁとずっと思ってたので、個人的に満足。
 というか、もう面白過ぎる。このキラキラ純真な目をした月が、再びノートを手にして邪悪スマイルを復活させるという絵に、今から燃えてしまう。

●シャーマンキング(最終回)
 エーッ!と驚きました。こういうの、アリなんだ、みたいな。

 アニメ化もされたんでファンは多数なはず。今でも決着を信じて単行本を楽しみに買い続けている読者が多数いるであろう作品を、こうやってブツ切れにするの作者&編集者的にアリなんだ、みたいな。

 むしろ、そういうことをできる立場にいる人達に憧れる感じ。何千人楽しみにしてる人がいようが、オレが終わりっていったら終わりなの!みたいな。そういうこと、一度くらいやってみたいわ。

 なまじ、今回の最終回が結構まとまってて普通に面白いだけにファンの人悔しそう。ハオが倒すべき対象じゃなくて救済すべき対象だっていうテーマの帰結は、もう十分想起させられるだけに描いていたから、確かに終わりって言えば終わりなんだけど、やっぱし実際に救済にいたる過程と救済後のエンディング絵を見せて欲しかったよなぁ。

 まあ、普通に打ち切りなのでしょう。改めてWJ怖いと思ったわ。僕が好きな武装錬金だろうがDEATH NOTEだろうが、アンケートが取れなきゃきっとこういう風にブツ切られるんですね。怖……。

●テニスの王子様
 仕合い中ほどの爆笑度数はなくなった感じだけど、「むろん王座を奪回する為に!!」→「イエッサー!!」の辺りは面白かった。「むろん〜」の所は今更だけど、中学生の顔じゃないだろって感じで、あと武士なのに「イエッサー!!」かよ、みたいな。

●リボーン
 「普段から死ぬ気の人には死ぬ気弾が効かない」っていう理屈は面白かった。もの凄い死ぬ気になる、とかじゃなくて、効かないんだ(^_^;

●いちご100%
 これ、ほんとスゴいな。前半まるまる使った向井さんの告白が、微塵も後半に繋がるということなく、ラストは西野と逃避行というのが本当スゴい。ラストの西野の笑顔が、河下先生の頭の中を想像しながら読んだらなんだか不気味に見えた。

●武装錬金
 石ノ森章太郎の系譜リスペクトの武装錬金からすると、十中八九「たった一つの命を捨てて 生まれ変わった不死身の体」のデビルマン展開じゃないかと思いますが。簡単には死ねない辺りの悲哀も入れてくる可能性があります。
 あんまり大きな展開はありませんでしたが、新キャラの剛太くんが魅力的になってきた感じ。編集さんとの間で、「そろそろ変態じゃない男キャラでも人気取って欲しいんですが」→「うん」みたいなやり取りがあったんじゃないかと想像。

●未確認少年ゲドー
 今週良かった。大好きだった1クール目以上にイイ話だった。「ボクたち未確認生物に理解と友情を示してくれる 大切な友だちなんです!」からゲドーくんと讃良ちゃんの会話への5ページ余りじーんとキた。巻末コメントより打ち切り回避したみたいなんで、これからもたまにこういうイイ話を入れていって欲しい。

 新連載予告がないんですけど、ぷーやん終わらないんだろうか。それだと、ぷーやんの代わりにシャーマンキング切ったみたいで体裁が悪いと思うんですけど。
 

前へ 次へ
TOPへ