+2004年09月の週間少年ジャンプ+

■41号/WJ感想
 
 多忙につき3作だけ。

●DEATH NOTE

◇ミステリ風に
 可能性は8人、第三のキラは誰?というのをやる模様。名前出てないヤツが犯人なんじゃん?なんて安易に検証してみたら、ちゃんと8人とも名前出てた。残念。
 探偵役にLと月ということで、敵だったもの同士が協力して犯人を捜すの燃えって感じで、番外編的な物語として楽しめばいいのかというと、そうでもないんでしょうな。月のゴールであるLの本名を知ってLを殺すこと。LのゴールであるDEATH NOTEによる殺人の証拠を挙げること。この二つに関して、一方がゴールに近づけばもう一方もゴールに近づいてしまうというハラハラ感がDEATH NOTEのウリだと思うんですけど、ちゃんとその辺りは踏まえた展開になってると思います。つまりLの方としては、第三のキラを捕まえることでDEATH NOTEの秘密に迫ることができる。一方で月の方に関しては、エラルド=コイルという探偵が絡んできそうなことから、こっちもLの本名に向かって近づける可能性がある。やっぱり、一方がゴールに近づけば、もう一方もゴールに近づく感じ。

●Waqwaq/ワークワーク

 今回も面白い。

「逆に私はこの娘から何か嫌な感じを受けるのだが…」
 神様は機械に好かれ、人間に憎まれるという設定ですが、ヨキ先生が嫌な感じを受けてるのは勿論ヨキ先生が「人間」だから。逆にシオがそういうのを受けず、むしろ好感を持ってるのは、先週言ったようにシオが「人間」と「機械」の両方の特性を持ってるから。
 ここが深読みすると一番熱い。これからの展開として、シオが神様の少女に好意を持つのは、果たしてシオが「機械」の特性を持っているからなのか、もしくは7人しかいない防人だからなのか、それとも、単に個人的に好きなのか。これはきっとたぶん、そういう話になる。

◇名前
 ヒロインである神様少女の名前が未だ明かされないのは演出だと信じたい。神様だったら、呼び名は「神様」で十分。それが「神様」ではなく「名前」で呼ばれる時、それが神から個人への降格(昇格)。そういうギミックを用意していたりしたら、イカす。

◇失猿(ロストエイプ)
 赤い血をした人間一般を指す言葉なのか、この少女を特定で指すものなのか、気になる点がまた一つ。

◇少女の額からドロって血が流れるシーン
 イイ。血の色が作中で特別な意味を持ってるのがスゲー伝わってくる。

◇どうでもいいけど
 ヒロイン少女の言葉づかいに既に惚れた。

 それにしても恐ろしく美麗な絵を描く人ですな、この作者は。

●武装錬金

◇桜花再登場
 発売したばかりの四巻では桜花、秋水の再登場は展開次第なんて書いてましたが、さっそく登場。コレは、打ち切りにさえならなければ秋水も再登場確定ということですな。

◇敵、味方が明らかになってきた回
 早坂姉弟編より、桜花、秋水は味方化。パピヨンはライバル役だろうけどテーマ的には味方。斗貴子さんは言わずもがなで味方。で、多分この好感度から剛太くんも味方化。でも剛太くんはワンクッション必要なんで、多分カズキを認めるイベントが一つ入る(単純に一回戦うのかも)。
 で、気になるブラボーラインだけど、過去の咎を見つめる剣心に犠牲者に手を合わせるカズキ&斗貴子さんと、和月作品では過去との関係性を大事にする人物が作中正義となるので、「武藤少年の死をちゃんと子供達に弔わせてあげたかった 違う?」の辺りから、ブラボーも最終的には正義サイド決定。逆に「まだ引きずっているのか」と軽視する火渡は多分敵サイド。

 そんな感じでちょっと味方多め。今後敵が何人か新登場するとみた。じゃないと、秋水とか、来ても戦う相手がいないし。

●梅澤先生がヤングジャンプ、つの丸がスーパージャンプで新連載
 尾玉なみえ先生が青年誌に移ってスパークしてるので(ちょっと間違った方向に)、期待したいです。
 
■42号/WJ感想
 
 コミックス、初版のランキングはこんな感じなんですね。
 ワリと納得の順位です。ミスフルがオチ気味なあたりが最近の僕の主観とも合致します。武装錬金も、ジャンプ内でこそ後ろの方ですが、美味しんぼやあずみと同じ土俵にいると思うと、雑誌の括り無しなら一線の漫画なんじゃと思えてきます。

●BLEACH
 あー、狛村たんイイ。めちゃめちゃ和んだ。卍解が「黒縄天譴明王」とか物々しかったのが残念。もっとこう、「悶絶肉球」とかほのぼのした名前が良かった。肉球で斬魄刀が握れない狛村たんとか。あ、それかなり癒し系。

●Waqwaq/ワークワーク
 「赤き血の者はこちらでは神」と、とりあえず「あちら」もある、そしてヨキ様はそれを知ってるっぽいのが明らかに。なんなんだろう、やっぱし「こちら」は作られた世界みたいな感じ。
 あと仮面ライダー龍騎的な物語は、それぞれの願いが明かされる回と、明かされた後の闘いがまた面白いんで楽しみ。あと5人、何人かでガッチリキャラ人気を掴めば、この漫画勝利。
 最後のヨロポコ〜ヨロポコ〜連打がなんかウケた。

●DEATH NOTE
 今更だけど、犯罪者をガンガン殺してしまうというのは、やっぱし飛ばし過ぎなように思う。できるものならば、物事はもうちょっと漸進的に進めた方がいいように思う。とりあえず、「デスノート」じゃなくて「アフロノート」くらいでも犯罪抑止には効果がありそう。報道された犯罪者は、軒並みヘアースタイルがアフロ化、みたいな。目立つので犯人が逃走中の場合は逮捕が容易になるし、なんとなく、悪いことをするとシンボルとして身体に変化が起こるというのは精神的な負荷になり、抑制効果があるような気がする。まあ、元からアフロの人にとっては甚だ迷惑だという問題点は残るだろうけど、コレ、全然今週号の感想じゃない。
 今週号の感想:あ、何か分かる>推理がフリダシに戻ったときのやる気の出無さ

●秘密兵器ハットリ
 実はグラナダが好きだったので、比べると今回はちょいイマイチ。僕自身のスポーツ歴でも外部の人に助っ人を頼んで団体戦に出場という経験はアリますが、助っ人の人と仲良くなった記憶は無し。なんで、短期間のつき合いで「かけがえのない仲間だった」ってのにあんまし感情移入できず。部活漫画だと部活内部での絆の発展とかを描くのがポイントになるのに、あくまで助っ人だとそれが描きづらい、強引に絆を作っちゃうと嘘くさくなるってのがありそう。むしろ敵の大将をトイレに閉じこめるとか、女の子の勝つための戦略実行っぷりが面白かったんで、ギャグ半分、スポーツ半分の今回みたいなのにするより、弱小部を如何に勝たせるかの戦略で楽しませる話とかだった方が楽しめたかも。
 補:そう考えると、アイシールド21は弱小アメフト部を如何に強化していくかという、戦略型部活おこし漫画として楽しめる側面もありますね。その場合の主人公はヒル魔ですが。

●ディー・グレイマン
 ほとんど感想書いてないことから自分で察するにスルー気味の漫画だったんですが(キライというほどではない)、今週の主人公の新武器は普通にカッコいいと思った。多弾道式、イカす。

●武装錬金
 あ、何か分かる>「生憎俺は他人を利用するのは大好きだが利用されるのは大嫌いなんでね」
 ラヴラヴなカズキ−斗貴子コンビよりもこっちの利用しつつされつつのパピヨン−桜花コンビの方が見てて面白いかも。どっちも腹黒でかつちょっと見方を変えるとたちまちギャグキャラになる辺りが。まあ、丁度蝶野編の時と立場が逆になってるラヴラヴ組も好きですが。「キミのコト 少し気に入った」から始まって、今週ではお互いにここまで言わせる仲になってるという。そこに至るまでの関係を丁寧に描いてきたので、唐突な感じがせずちゃんと納得できるあたりが、やっぱ和月先生良い。

●こち亀
 絵崎教授登場から、レッツオープンの所までスゲー面白かった。「つまり 心のオープンという事です」が意味分かんなくて笑った。

●いちご100%
 二人っきりの逃避行的なシチェーションは、今後の武装錬金のカズ−斗貴にも重なります。和月先生にも夜とか布団とか、その辺りを描かせて下さい。水着でイッパイイッパイになってる和月先生、死ぬかも。

●未確認少年ゲドー
 今京極夏彦の京極堂シリーズ読んでるんだけど、ちょっぴり話の構造が似てると思った。ある怪異に対して、主人公がその現象を解体していく辺りが。ゲドーの場合、全て未確認生物の所業として解体されていくワケですが。
 なんか今週の讃良ちゃんは可愛いのう。

●ジャガーさん
 ドラマなんかの重病告白シーンをパロった健康告白シーンに笑った。ホンっと社会に出たくなさそうな辺りとか。
 
■43号/WJ感想
 
●BLEACH
 やちる燃え。彼女絶対強いだろ。副隊長でも雛森、イヅル辺りよりは1ランク上の描かれ方をしてるように思える。「剣ちゃんが戦ってるんだからジャマしないで」の時のオーラが剣八のものだったのかやちる本人のものだったのかというのがあるんですが、やっぱしやちるのモノだったような気がしてきた。
 剣八組が二隊相手にしてるせいか、味方やや多め?味方組絶対絶命の所に一護到着だと思ってたんだけど、次週から二週連続巻頭ってことは、もしや一護登場までやってしまうんだろうか。作中オールを通してのクライマックスその1になると思うんで、やるなら入魂の登場シーンをやって欲しいなぁ。

●DEATH NOTE
 夜神パパ、模木、相沢、松田と、何やら味方陣営の掘り下げ話に。結束する味方陣営、敵は8人、みたいな。なんか、そう考えるとWJバトル漫画みたいだ。
 もういっそ肉弾戦で。夜神パパの大型車両特攻で5人くらいはヤれるんで、残りの3人を模木、相沢、松田が倒す、みたいな。

 構図が逆転したのが刺激的。今まではL&警察秩序=体制VSキラ=反体制だったのに、第三のキラが政治に接触し始めたことで、キラ=体制VSL派警察=反体制の構図に逆転。それだけでも面白いんですが、これら一連の話が体制も反体制もなく、全てホンモノの邪悪月の手のひらの上だったという解答編があると信じますよ?

●ワークワーク(WaqWaq)

◇防人レオ・エディアール
 「偏頭痛を治めるため」という闘う理由がステキです。龍騎の浅倉の「イライラするから」並に非道い。でも魅力的。偏頭痛さえ治まってくれれば仲間ポジションになる可能性もあるし。偏頭痛さえって。

◇メール
 「コニチハ」が面白かった。異世界なのにメールが送られてきたっていうミステリーな状況なのに、送られてきたメッセージが至って普通だったのが。
 でも、機械とメールを通して会話は面白いと思った。盛り上がった所で、めちゃカッコいい台詞がメールで送られてくる展開とかありあそう。ビートエックスの「懺悔したいことがあるので…至急こっちにきてくれ」の時みたいな。

◇神様の血は
 「人間だから」神様を襲うとか、「機械だから」人間を襲うとか、そういう括り依存から解放する力がある模様。重要そう。偏頭痛も治る?

 なんか、ほのぼのギャグ描写が好きになってきました。携帯の入力音が「しぽしぽ」なのとかツボだった。アールマティーが可愛いのもポイント高いです。

●家庭教師ヒットマンREBORN!

 「この勢いならいずれ過半数だろう!」

 爆笑した。斬新な発想です。僕も実験の時やってみたい。最初の2、3人の被験者の結果だけ見て、「この勢いならいずれ有意差出るだろう!」って言ってそのまま発表してみたい。

●テニスの王子様

 今週号のベストシーン、

 第1位:ゾンビ復活オチのワケ分からなさ

 ホント意味分からん。

●鬼より申す!
 負荷なく読める構図の流れに色んなアングルで描いてる絵なんかは、新人の人らしからぬ熟練度を感じました。話も、既存の桃太郎−鬼観の解体、作品内の再構築、誤認オチと良くできてるなーと思いました。でもコレ、楽しむのにはメタ的な視点が要求される作品ですな。こういう、鬼(敵)−桃太郎サイド(味方)的な王道をやると思わせといて、それらを元ネタにして、ある意味そういう王道をバカにする感じで解体して娯楽にしてるという。ストレートにハマって読んじゃうと面白くもなんともないという。一歩引いて読まないと。最初のマジ「っぽい」始まり方も「放たれたとさー」の軽い結びなんかから、マジっぽいと見せかけた娯楽をやりますと匂わせてる感じ。ある意味面白い楽しみ方で楽しめる人用。マジな読み方(登場人物に感情移入して読むとか、タメを昇華する爽快感を求めて読むとか)をしちゃうと全然面白くないという。
 既存の桃太郎観破壊は結構面白かったですよ。漫☆画太郎ほどは破壊してませんでしたが。

●未確認少年ゲドー

 珠 玉 一 篇 。

 主観、評価、判断、価値観、というか認識さえも個人差アリキのモノということを、とてもほのぼのと漫画漫画した話で描いてくれた、良作も良作の一話。子どものウチは世の中、社会とはこの「個人差」の総体でしかないということに中々気づかないものなので(あんまし学校では教えてくれない、そのせいか最近では大人になっても気づいてない人も多い)、こういう子ども向けの媒体でこういうテーマを分かりやすく描くというのは、とてもイイ仕事だと思う(それが子どもに伝わるかどうかはともかく)。バトルバトル路線で刺激の強い漫画が多いWJで、一つこういう寓話チックな話を描いてる岡野先生、中々素敵です。

◇補足
 少し補足しておけば、余談コーナーの「こういう感じ方の違いは人種間で顕著」というのは、少し誤解を招きやすい。人種間というよりは、文化間で違うとした方が無難。遺伝子に生得的に人種間に違いが刻まれている要因よりも(コレもあるんだけど)、色彩認知に関しては後天的に文化で規定される側面の方が大きい。日本人に同じ「ら行の音」に聞こえる音が、英語話者には「r」と「l」で異なって聞こえるように、日本人には同じ色でも、ある文化圏の人には違いが識別できてしまう。これは後天的な要素が大きい。人種的に日本人でも、ゼロ歳からその文化圏で育てば、その色が識別できるようになるんで。

◇それにしても
 今回は素晴らしいなぁ。序盤の「視覚の個人差」の話が話の起点にして伏線、で、次に今まで主観的に個人の視点からゲドーくんを変な顔に見てた讃良ちゃんが、自分を他人の視点から見たら……と自分を客観的な視点から見つめ直す、これが讃良ちゃんの一つの成長(自分を客観化できるというのは、高校生として素晴らしい成長)、で、最後は「視覚の個人差」なんていう物理的な個人差について言及しておいた伏線を、「何に一生懸命になるか」なんていう「価値観の個人差」にまで引っ張ってきて、「他人にとってはくだらなくても私にとっては大切なことだってあるのよ! 私は私が正しいと思うことをすればいい!! どうせ物の見方なんて人によって千差万別なんだから…他人にどう見られてるかなんて気にするだけバカげてる!!」の台詞を讃良ちゃんに言わせてると、それが途中で自分を客観化するという作業を行った、讃良ちゃんの成長をも踏まえていると。出来すぎ。

◇オチも
 完璧。普通に、讃良ちゃんとシンクロして変な顔のゲドーくんに戻って良かったと思える自分がいました。今週号の一オシ。

●ジャガーさん
 ジャガーさんと高菜さんの想像力の加速ぶりが面白かった。「スリ足で歩く事にしようか?」とか爆笑。
 
■44号/WJ感想
 
 都合のため感想は休みました。
 

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