+2004年10月の週間少年ジャンプ+

■45号/WJ感想
 
 より、週刊少年ジャンプを楽しむために!

 と、その前に、一昨日は「ガンダムSEED DESTINY」レポの方をなるせさんに補足して頂きありがとうございました。なるせさんはサブカル情報を幅広く扱っていますので、当然ステキなWJ情報にバッタリなんてこともあります(武装錬金とか!)。知らなかった方はコレを期にちょっとのぞいてみるとお得です。

 さて、本日はWJ感想、すなわち週刊少年ジャンプ感想をお届けしますが、新ブログでは第一回目ということで、初見の方、既読の方両方に対して、前情報を箇条書きでちょっとだけ挙げておきます。↓

◇管理人は、これまで「mot×mot」というサイトで2年あまりWJ感想を書いておりました。
◇今回からは、作品数は絞りますが、他所にはない独自の考察、娯楽要素を含んだ情報価値の高い感想を目指します。
◇また一方で今回からは、他所との繋がりも重んじます。他のWJ感想サイト・ブログ様に、積極的に文中リンクを張っていきます(不快な張られ方をしたと感じた方は、気兼ねなくご一報下さい)

 それでは、今週の感想をどうぞ↓。今週はお薦めのWJ感想サイト紹介なんかもいたします!

●Waqwaq/ワークワーク

 現在、ワークワークをより楽しむために必ずチェックしておいた方が良いのが、由さんの「WaqWaqWork 〜フジリュー徹底分析し隊〜」です(10月6日現在トップのENTERをクリックするとすぐ見られます)。

 ワークワークはゾロアスター教を世界観のもとにしているという、ほぼもう客観的な事実を踏まえ、ゾロアスター教関係でキャラの元ネタを予想、考察しながら、元ネタ絡みで漫画を楽しむ楽しみ方のきっかけをステキに届けてくれています。是非ともこの作者とのコミュニケーション、というかフジリューとの闘いを皆さん共有しながらワークワークを楽しみましょう。

 由さんへ:一つ、僕の予想↓

 ゾロアスター教が絡んでいるのだとしたら、ツァラトゥストラが出てくるんじゃないだろうか?(注:ツァラトゥストラ、ゾロアスター教の始祖)

 僕の予想1:黒い影=ツァラトゥストラ説

 この場合、実際のゾロアスター教の教義云々よりも、ニーチェの有名な書物、『ツァラトゥストラはかく語りき』が漫画の内容に関わってくるんじゃないだろうか。すなわち、黒い影の悲願=「『超人』化or永劫回帰」。
 『ツァラトゥストラはかく語りき』は、超人とか強いこと言ってるんだけど、晩年のニーチェを思うになんかしんみりした書物だよなぁなんていうのが僕の印象なんですが、色々と漫画にアレンジできそうな要素が詰まっているのも確かだと思います。ああ、こういう風な漫画の楽しみ方イイですね。でもオタクの楽しみ方なんですかね、こういうの。

 僕の予想2:「神は死んだ!」の台詞が、クライマックスで超重要キーワードとして出てくる。

 ゾロアスター教、ツァラトゥストラと来たら、この台詞しかないでしょう。ああ、もう今から想像して燃え。黒い影に立ち向かう時とか、松田さん死んじゃうのか?とか、想像ふくらみ過ぎです。各自、想像して悶えて下さい。

◇今週の感想
 偏頭痛の彼は悪役じゃなくて、救われるべき対象ですね。悪人顔になる前の美形の設定といい、仲間役に落ち着くと僕は予想します。

●武装錬金

 初見の方へ、僕の今イチオシの漫画作品です。

 魅力の一つをあげるのならば、「精神的な何かしらの負荷」→「その負荷の浄化」→「浄化してくれた人物への恩義」という、人間の尊厳連鎖とでもいうような段階かきっちりと踏まえられて描かれている点なんかを挙げます。「連鎖」というのは、今度は恩義を感じた人物が逆に恩義を感じてる対象を救おう(負荷を浄化しよう)と奔走したりするんですね。

 現在は、命の危機という負荷をカズキに浄化された斗貴子さん、誰にも認識されないという負荷をカズキに浄化されたパピヨン、幼少体験からくる依存という負荷をカズキに浄化された早坂姉弟らが、今度は逆にヴィクター化という負荷にさらされるカズキを助けようと奔走するという熱い展開になっています。

 そして、今週も上記三連鎖が熱い。上の三つのうち、どれか一つでも省略されて描かれてしまうと、読者は唐突な印象を持ってしまうものだと思うんですが、和月先生はそれをしません。
 剛太、生きる目的が見いだせないという負荷を浄化してくれた斗貴子さんへの恩義を胸に、所属に反逆。必要な三段階をみっちり描いてくれている、輝きの1話です。1話挿入の過去篇のお手本みたいだ、と僕は思いました。

●週刊少年ジャンプをより楽しむためのWJ感想サイト紹介

Qウェルさんのサイト

 最近ではステキオリジナルキャラによる対談形式という娯楽指数の高いWJ感想を書いておられます。形式が面白いだけじゃなく、内容も出色です。真面目に考察しようと思えば深い考察ができるし、ネタに走ろうと思えばエンタメできる人なんですが、今は両方をバランスとりながら書いてるという印象を僕は受けます。そのあたりは結構ウチの感想と近いかな、とも。僕も良く言及するサイト様なので、一緒に読んでおくと僕の感想、及びジャンプそのものの楽しみ方のヴァリエーションが増えると思います。お薦め。

はさみ氏のサイト
 三年来のつき合いになる縁深いサイト。本気を出せば考察系だろうとネタ系だろうと、WJ感想サイトのトップサイトになれるだろう聡明な人なんですが、吉良吉影のように生きるのをモットーにしている、普段から70%くらいの力で生きてる人なんで、WJ感想にもいいとこ30%くらいの力しか使ってくれてません。しかし、たまに気まぐれで60%くらいの力を使ってめちゃめちゃ面白いことを書いてくれたりします。
 激しくミステリ読みの方でもあります。で、実は僕の前サイトのリンクページにははさみ氏関連のあるトリックがしかけられていたんですが、気づいてた人います?というか、J−LINKを見てる人全員にフェイクかましてるようなイカした人なんですが(^_^;、詳細は、ヒミツです。

●これからは
 下の「Comments」欄に、閲覧者の皆様からWJ関係のコメントを積極的に頂きたいなと思っております。「Comments」欄だけで一つのコンテンツ価値を生み出す、くらいが理想です。僕の文章の内容に関係なく、広くWJ関係の話題全般のコメントを募集します。まあ、ネタ系コメントを売りにすると、ありさちゃんの所に勝てるわけないので、普通のコメントでイイっスよ!楽しんでいきましょう(ちゅーか、ありさちゃん、もの言わずリンクを張り替えていてくれてとても嬉しかったです。ありさちゃん好みのネタ系じゃないのに……ホントありがとう)  

 ブログによるトラックバックも歓迎しています。それでは今後とも週刊少年ジャンプ話題をよろしくお願いします。  
 
■46号/WJ感想
 
 土曜発売なのに今更更新。先週情報価値の高い感想を目指すなどと言っておいて、時間的に情報価値低め。ほんとすいません。次週はもうちょっと疾いアップを心がけます。

●ONE PIECE

 ワンピースで一番好きなキャラは?

 と、これまで日本中で幾度と無く発せられたであろう問いに、僕は今ならロビンと答えます(昔はサンジだったんだけどね)。

 ロビン、古代兵器とか、空白の歴史とか、ワンピース中の中心中の中心の伏線を担っている超重要キャラなんだけど、僕的にはずっと心に何かしらの負荷を持った、救われる対象として描かれているのがイイです。ここが、麦わら海賊団の他のメンバーの、翳りないまっすぐな様と比べると、一人だけ違ってます。多分、そこに隠れてるのは、ルフィ達との関わりを通して、ロビンの負荷が取り除かれる、その時本当の仲間になるという物語のプロットなんじゃないかと思います。ナミが本当の仲間になるナミ篇とかアーロン篇とか呼ばれる話がワンピースでは一番好きなんですが、ロビンが本当の仲間になる話、コレも相当の傑作になる予感がして、前から楽しみにしています。

 実はこのロビンが救われていく物語は既に段階を追って描かれています。

 ワンピース長いんで、皆忘れてるかもしれないけれど、ロビン、最初は死ぬ気だった所をルフィに救われているキャラです。自分が追う真の「歴史」というもののあまりの途方の無さに、「この道で生きて行く事にに私は疲れた……ーーただ、“歴史”を知りたいだけなのに……私の夢にはーー敵が多すぎると、クロコダイル篇の時点で諦めて死のうとしている(ワンピースのテーマの一つが「夢」ですが、夢を諦めようとしている)所を、究極の夢追い人であるルフィに「何でおれがお前の言う事聞かなきゃいけねェんだ」と助けられています(アラバスタ篇クライマックスはコンスタントに感動指数が高いので埋もれてしまって忘れられがちですが、ロビン物語の中では最高に泣ける場面、とくに私の夢にはーー敵が多すぎるでロビンが涙を流す所は)。

 と、ここで、死ぬつもりだったので、ロビンの人生はゼロからまた始まることになります。ゼロになった人間が再び歩みはじめる物語ほど燃えるものはありません。ゼロになった人間の如く、ギャグ調のルフィ海賊団とのやりとりの中にも、どこか虚無感を背負った描写がロビンには入ります。そんな虚無感が漂っていたロビンが、再び真の歴史を繋ぐためにラフテルへという、新たな生きる目的を見いだす空島篇のラストは、実はロビン物語の中では感動的な場面で、ロビンファン的には空島篇の最後に見せたロビンの笑顔は、今までのどこか影を引いた笑顔じゃなくて本当の笑顔なんだ、と涙する所だったりしたワケです。

 そんな感じで、ゼロから再び生きる目的を見いだすまでという本人にとってクルーシャルな時期をルフィ達とは共にしているので、仲間かどうかと言われたら、ロビン的には思いっきり仲間のはずです。でもそこに、ロビンの過去という障害(ロビン曰く“闇“)が入ってきた、ただ何事も無いように、仲間としてとどまっているワケにはいかない、そこで今週のお別れ宣言です。

 「こんな私に今まで 良くしてくれてありがとう」

 泣く。

 今までのロビン物語を丁寧に追っていた読者は、その切なさにただ涙。

◇ロビンを救うのに重要な役を担うのは誰か

・ルフィ
 主人公だから当然担うでしょうが、主人公特別ワクなので、とくに言及しません。

・サンジ
 今回一人別行動で期待大。ギャグ調のフェミニストぶりが本気に裏返るというのは燃えます。でも、個人的に、最後にそれがあるとしたら、対象はナミだと思ってる。つまり、カップリングでいったらナミとサンジ……また、一部で問題になりそうな発言を。

・ゾロ
 何気に、本命です。空島上陸時に、「航海や上陸が……冒険だなんて 考えたことなかった」という、今回のロビンの過去に繋がるロビンの吐露を、一人聞いているという事実があります。そうじゃなくても、最初一番ロビンに懐疑的だったゾロが、青キジにロビンが追いつめられた際には真っ先に抜刀してかばうという、変化の過程も見られます。そのゾロが今回ロビンは敵か仲間と切り出しているのがひたすら熱い。つまり、カップリングでいったらロビンとゾロ……また、一部で問題になりそうな発言を。

 ロビン、歴史を尊ぶ人だけあって、自然と過去との繋がり、関連して人との繋がりを尊ぶ(尊びたい)人のはずです。そんなロビンがルフィらと別れるのがつらくないはずがない。今回の物語、僕的にがぜんロビン視点。ウソップ、どっかいってしまった(逆に言えば、ウソップはじめ、船大工の仲間とか、全部の伏線が一度に収束し得るんだろうか、し得たとしたら、尾田先生神)

●BLEACH

 前サイトでは、一護復活の際には、ドラゴンボールで言う強さをアピールするための瞬殺要因(ナッパ要因)と、大バトルを繰り広げるための敵役要因(ベジータ要因)が必要だと思うなんて書いてたんですが、今週早速ナッパ要因の副隊長三連弾を瞬殺
 次週からいよいよベジータ要因の白哉隊長との大バトルですよ。激燃えです。
 実際、今の子ども達は、あのはるかな昔、悟空がたどり着いて「コレはヤムチャの分!」とか言ってナッパを殴りまくってた時に僕らが感じたような爽快感、燃えを感じているんじゃないでしょうか。あの時、小学二年生だった僕、大興奮。今の子どもも(きっと)BLEACHで大興奮。

●ワークワーク(Waqwaq)

 ラストの、復讐を復讐で返すギミックは、第02話で出された「戦わないために戦う」というシオのテーマに沿っていて上手いなと思いました。自分から敵を能動的に攻撃する(戦う)んじゃなくて、敵がやってしまったことを敵に自覚させる感じ。

 「お…怒らないでプラちゃん…」のコマがほのぼのして良かった。異世界からの神様と、人間のシオと、機械のプラが一緒にいる光景。コレが作中のゴールの光景の一つでもあるんでしょうな。

●武装錬金

 やっぱりカズキ達のもとに剛太来た!って感じで、この好感度キャラの合流はとても嬉しいです。ただ、カズキ→剛太ではカズキはパピヨンとも関係を結ぶくらいにそれまでの所属、立ち位置とかには捕らわれないキャラなんで問題ないとして、剛太→カズキではまだ剛太はカズキを認めていないので、一イベント入りそう。二人とも「斗貴子さんを守る」という点では共通してるので、共有できるものが少しでもあれば共闘できそうです。
 ただ、恋愛の場合、この共通要素は裏目。思うに、カズキ→斗貴子では一度命がけでカズキは斗貴子さんを救っているということをやってのけてるけど、剛太→斗貴子ではまだ剛太は斗貴子さんに何もできてないんだよね(今週戦ってくれましたが)、逆に斗貴子さんが剛太を導いてくれたというだけで。剛太、不利です。作品構成的にも、作者の思惑的にも、読者の最終的なニーズ的にも、不利です。

●当ブログでは
 「Comments」欄↓にて幅広く閲覧者の皆さんのコメントを募集しています。WJ関連の話題だったらなんでも構わないので、お気軽にどうぞ。トラックバックも積極的に受け付けております。
 
■47号/WJ感想
 

●ONE PIECE

 「信じるも疑うも……どっちかに頭を傾けていたら……真相がその逆だった時 次の瞬間の出足が鈍っちまうからな」

 燃え。

 先週書いた通り、細かな描写からゾロがロビン救済に一役買うことを予想、期待してるので、真相が提示された瞬間に躊躇わずロビンのために抜刀するゾロの絵が浮かんでしまってフライング燃え。

 あとゾロ、吉のパターンと凶のパターンを冷静に想定して考えてるなど、頭脳派な側面も見せています。麦わらパーティーではロビン、ナミらの女性キャラが頭脳キャラなんですが、時、場面の巡り合わせ次第ではゾロもこういう役回りになるんですね。頭脳派としての潜在能力はあるということです。ゾロ燃え。

●REBORN!

 今週号の感想ではないんですが、この漫画はイイ意味で漫画らしいキャラウケを狙ってるような気がして好感を持っています。対比されるのは露骨に女性層のキャラウケを狙ってる「テニスの王子様」に男性層のキャラウケを狙ってる「いちご100%」なんかですが(僕はこの2つも市場を見据えていて多いにアリだと思ってるけど)、REBORN!の場合はキャラウケを狙うようにキャラを出してるんですが、そのキャラの中に小さい牛が混ざっていたりで、従来の子供が楽しめるような意味での純に楽しさで勝負するキャラウケって感じで、はい、本当に好感を持ってます。

●テニスの王子様

 1コマ目の犬の死んだような眼がツボでした。

●ワークワーク(Waqwaq)

 僕が前に予想した、元ネタ絡みの「黒い影=ツァラトゥストラ説」は、ダイレクトに名前で語られる意味ではハズレちゃったなぁ。影の名前はコトですか。
 つーか、アレだ、「参賢者」も何かしらの古典か哲学であった気がするなぁ。元ネタ絡みの楽しみ方、ちょっと情報を求めます。

◇偏頭痛から解放されるレオ

 神様が自分の指を切って血を分け与える所、普通に泣けました。レオの「偏頭痛」が「機械」と「人間」という括りで分かたれた争いとか、「復讐の連鎖」とか、いろいろなネガティブ要素を表象してるんですが、そんなネガティブ要素を僅かな自己犠牲をかえりみずに、無化する神様。

 「信じがたいけれども……あなたの痛みを少しでもやわらげたい そのために私ができることはこれくらいです」

 イイ・゚・(ノД`)・゚・。この娘は天使です。神様です。

◇補/ステキWaqwaqイラストを掲載しているサイト様紹介

 「ユエ」様

 10月18日現在、ENTERをクリックしたあとのトップにて掲載。DIARY(10月17日)に全体図アリ。
 神様萌え。神様の萌え・゚・(ノД`)・゚・

 「WhiteNote」様

 10月18日現在、トップにて掲載。悶え。シオと神様の関係の良さ(萌えともいう)が凝縮されています。

●こち亀

 二段構成が面白かった。部長に復讐するために、まずデカい習字で反撃(この発想が両津チックで好き)。この時点で失敗して、いつもの両津失敗オチでも十分一話になったのに、そこから二段階目のヘタ字短歌で成功という展開に持っていったのが面白かった、結果として逆転で両津成功オチ。今週はこの二段技で非常に楽しめました。

●武装錬金

 今週の感想というワケではないんですが、こんなに掲載位置が下でもこんなに主観的に好きな理由に、どの男性キャラにも、何かしら感情移入できる自分がいるというのがあります。構成とかテーマとか云々で漫画を読む年頃に自分もなりましたが、主観的にどっぷり愛せる漫画っていうのは、昔と変わらずキャラに感情移入して読める漫画なのかな、などとフと思いました。ひたすら真っ直ぐなカズキ、孤高で上昇志向なパピヨン(変態な部分には感情移入できないが)、少年を見守る大人な視点のブラボー、皆、どこかしら感情移入できる自分がいます。

 その文脈で、剛太も、なんか恋愛に関して分かるなぁという感じ。女性読者はピンとこないかもしれないし、はたまた僕だけの主観かもしれないけれど、何か、男って惚れてしまうと一方的に女性を守りたくなってしまうという側面があるような気がします。例え、この漫画の場合の斗貴子さんのように、惚れた女性が守ってあげる必要のないほど自分より強い女性だったとしても。女性視点から見るとウザッたかったりするのかもしれませんが、とにかく守りたいという願望、どこか男性にはあるような気がします。
 当の惚れられた女性からすると、別に守ってもらわんでも……ってな滑稽さ、現実にもままあるような気がして、ダサ感情移入。それがダサカッコよくなったりすると最高なので、やっぱしこの漫画はやめられません。

●いちご100%

 エロい。僕的には「次は向かい合って」がエロかった。急にガッツり目と目が合う体勢になるというのにエロさを感じます。

●未確認少年ゲドー

 テーマ性と、それを一話で表現し伝える話しの構造の秀逸さ。ゲドーはコレがすばらしくて、非常に僕好みです。
 ここ最近はずっと、「DEATH NOTE」と「武装錬金」を一番の楽しみにWJを読んでたんですが、最近それに「未確認少年ゲドー」と「ワークワーク」が個人的には加わってきた感じです。でもゲドーは掲載位置末尾なんですよね、うーん、素晴らしい漫画なんですが。

 今回も、親と子の関係で一番大事なのは「愛」というテーマを語るのに(一番の台詞をチョイ役の屋台のオヤジに喋らせてる時点でひたすら熱いんですが)、親子愛螺旋構造を取ってます。すなわち、讃良ちゃん→フクちゃんの親子愛と、讃良パパ(&ママ)→讃良ちゃんの親子愛が、パラレルに螺旋を描きながら描かれているという。讃良ちゃんがフクちゃんに対して感じた子育ての大変さや喜び、それを同じように体験しながらパパママも讃良ちゃんを育てたんだよ、みたいな。それでいてフクちゃんの親離れ、讃良ちゃんの親離れが、ギャグ調を含みながらガシっと手をニギってオチになってます。本当見事。イイ漫画だよなぁ。

●当ブログでは
 「Comments」欄↓にて幅広く閲覧者の皆さんのコメントを募集しています。僕の感想と関係なくてもWJ関連の話題だったらなんでも構わないので、お気軽にどうぞ。トラックバックも積極的に受け付けております。
 
■48号/WJ感想
 

●アイシールド21

 ヒル魔と葉柱の対比ですが、同じ暴力で屈服させるやり方でも、ヒル魔の方はヒル魔の暴力で最初は嫌々やってたハァハァ三兄弟が自分の意思で参戦してくる様が既に描かれていたりしたので、やっぱ葉柱の仲間とヒル魔の仲間は違うよなという事実を読者はすんなり受け入れられます。
 それとは別に、対比に使われるヒル魔ですが、実はあんまり背景が語られていないキャラだというのがあります。背景が語られていないので、直接的に葉柱とヒル魔を別つ要素はこの時点では分からない。これは伏線とも言えるんでしょうか。どこかでヒル魔というキャラの背景、バックボーンが語られる回が入るんじゃないかと僕は踏んでるんですが。その時になるとまたこのシーンも別な味わいが出てくる、みたいな。

●銀魂

 普通に感動。

 ギャグ部分じゃなくて、真面目部分での銀魂のテーマには、第01話冒頭の「刀」という言葉に象徴される何かを、銀時を通して新八が見つけ出す、というか、その「刀」を銀時を通して描くというのがあるんですが、今回それがガチっと銀時の台詞で語られていた感じ。良すぎるんでそのまま引用。

 「俺にはなァ 心臓より大事な器官があるんだよ そいつァ見えねーが確かに俺のどタマから股間をまっすぐブチ抜いて俺の中に存在する そいつがあるから 俺ァまっすぐ立っていられる フラフラしてもまっすぐ歩いていける ここで立ち止まったらそいつが折れちまうのさ」

 「心臓より大事な器官」が、第01話の「刀」と同じものだと考えられます(折れる物という点でも比喩として共通)。
 そしてそれを持つ銀時に、ギャグ調で続く神楽に新八。この前描かれた新八の成長エピソードが、ここでの新八の参戦を自然なものにしています。というか、最終回級のノリだと思います。次週の最後の闘いで、新八が第01話で銀時の中に見た「刀」を再確認すれば、傑作として完結です。って今の人気で完結はあり得ませんが、それくらい今週良かった。

 銀魂であんまり真面目語りするのもなんですが、最近社会的に鬱病、犯罪が多いのは、価値観が多様化する中で自分の中の「確かなもの」を持てないからだとする分析があります(容易な批判で自分がぐらついてしまうために、気分が沈むベクトルに行ったり、キレるベクトルに行ったりする)。
 そんな時代の中にある主人公の「確かなもの」を、「刀」や「心臓よりも大事な器官」という言葉に象徴させて描いているのだとしたら、ギャグ調ながら、中々に銀魂は熱い漫画ですね。

●NARUTO

 ネガティブ思考だった人間が、自分の適性を見極めて立ち上がるというのは好きな話です。ナルトとの対面の描写が結構良かったので、防衛規制の逃げじゃなくて、覚悟を決めて医療忍者になろうとしてるのが伝わってきます。影が薄いヒロインでしたが、今週は良かった。

●テニスの王子様

 全国大会まであと6日……とか日数を区切ってるんですが、特に6日以内にさしせまってこれだけは達成しなきゃならない課題とかが提示されていないので、今ひとつ飾りの日数カウントという感じがします。武装錬金の日数カウントなんかは深刻な重みがあるんですが。

●ワークワーク(Waqwaq)

 ああ、やっぱ先週良かった。一カットだけ入った神様が血を分け与えるシーンの回想だけでまた感動。

 レオは「人間」−「機械」の括りから解き放たれたキャラとして重要だと思います。とりあえず今回機械と通信できる神様の携帯電話を拾いました。

 予想:今後、レオと機械との共闘が描かれる。

 それでこそこの漫画のテーマの一つが生きてくると思うので。そしてそのきっかけを作った神様の萌え度がまた上がると。
 つーかさらわれちゃってますけど神様!ちょっと、このまま捕らわれの姫様ポジションになるよりは、もう少し味方サイドで色々動いてくれた方が好みの展開なんですが。

●D.Gray-man

 最近面白くなってきました。
 リナリーの兄妹話挿入は、この話だけ見ると唐突ですが、多分後々の伏線ですよコレ。第01話とか、家族間をはじめ人間間の愛憎劇を「アクマ」を絡めて描いていくのがこの漫画の基本構成だと思うので、愛憎劇の中のポジティブ要素としての兄妹愛だったりするなら感動しそうです。
 つーかリナリーたんビジュアル的にかなり好きです。

●武装錬金

 明確な作中悪を置かないまま、謎解き要素で読者を惹きつけているという印象です。ヴィクターも完全悪とは言いづらいし、錬金戦団にも言い分はあるしで、ドラゴンボールで言うフリーザやセルみたいな完全な敵はいない感じ。
 でも、武装錬金は非常に特撮ヒーロー物的なので、それも分かるかという感じ。善悪の境界シャッフルこそが最近の特撮なんじゃないかと思うんで。

 それはそうと、逃避行に、それを追う特殊能力を持つ集団という図には、古典的な燃えを感じます。山風忍法帖的というか、もっとライトに伊賀の影丸的というか、そんな感じのエンタメを期待。

●未確認少年ゲドー

 今週も文句無い素晴らしさです。

 初めに月星熊という怪奇を提示し、その現象を瀬音のオッサンやその娘の論理で解釈。でもそれが誤謬気味で、最後は探偵役(解説役)のゲドーくんが「人間の理屈は動物には通じない」と解体する。
 この「怪奇」→「人間の一般的な解釈(誤謬気味)」→「主人公が解体、再構築」という流れに、僕は前から「京極堂」シリーズの流れを感じていて、ゲドーはライトライトした「京極堂」なんじゃ?なんてまで思ったりもしてるんですが、これはちょっとばかり高評価し過ぎでしょうか。

 それにしてもこの掲載位置、打ち切りは免れないかなぁ。

 皆さん、是非コミックスを買って、短期を駆け抜けた良作少年漫画として語り継いで行きましょう(2クール目はややイマイチかなと個人的には思ってるけど)。

●当ブログでは

 「Comments」欄↓にて幅広く閲覧者の皆さんのコメントを募集しています。僕の感想と関係なくてもWJ関連の話題だったらなんでも構わないので、お気軽にどうぞ。トラックバックも積極的に受け付けております。

●補

 金未来杯の結果については、「下手の考え休むに似たる」さんの言及に完全に同意(ジャンプ48号感想内)。「タカヤ」だけが、読者が接種しやすいファーストフードだった。凝った料理は素晴らしいですが、数を売るなら食べやすさです。
 

前へ 次へ
TOPへ