+2004年11月の週間少年ジャンプ+

■49号/WJ感想
 

 疲弊中につき簡易版で。

●BLEACH

 「世界の正義」と「自分の正義」(が対立し得る)という話の部分は面白かったです。価値観には普遍的に全世界で共有しなければいけない部分と、多いに個人個人人それぞれでイイ部分があるよなと常日頃から考えたりしてた僕的には示唆に富んだ対話でした。
 ただ、山爺も白哉も、それなりに正しい行動理念が在りそうなのに、肝心な所で「お前に言っても分からん」、「問答無用」でコミュニケーション拒否なのな。
 バトル漫画ゆえにとにもかくにもバトルに突入させるにはそうしておくしかないとも取れますが、話し合い拒否で紛争乱発の現実世界を揶揄ってるようにも取れるような気がします。

 そういう硬い部分よりも、やっぱりルキアと恋次の話の所が良かったなぁ。ルキアのネガティブ思考が氷解していく過程の一つです。この漫画のクライマックス1は明らかにこの前の一護登場でしたが、クライマックス2はルキア復活(斬魄刀解放?)だと思うので、そこにいたるまでのタメが少しづつ描かれています。

●ONE PIECE

 熊が可愛いです。ドアドアの実のしょぼさも加わって可愛いです。そんなラブリー熊、ドアドアの実の能力のしょぼさのワリにルッチとカクを瞬殺。ど、どうやったんだ。

●アイシールド21

 前回、今回と、体格の小ささという小結のコンプレックスで、ポセイドン戦での小結伏線が張られています。
 体格で劣るものがデカキャラを倒すパターンに、

 1、スピード、小回りで凌駕。
 2、小ささなど関係ない、小さいからこそあえてパワー。

 の二通りがあると思うんですが、僕的には2が好きです。

 ジャンプじゃないけど、小林まこと『柔道部物語』の西野とか(つかさちゃんではない)。燃え漫画なんで知らない人は是非ご一読を。

●銀魂

 「こんなもんじゃ俺のは折れねぇよ」

 前回の感想で銀魂の真面目な部分のテーマの比喩として、第01話冒頭の「刀」、前回の「心臓よりも大事な器官」を挙げましたが、それ依然にそれらと同じモノがズバリタイトル『銀魂』なんですね、今週気づきました。銀さんの魂、それが「刀」であり「心臓よりも大事な器官」。カッコいいー。

●テニスの王子様

 面白い試みだと思いました。ジャンプじゃないけど、マガジン読んでた人は『シュート』の最終章の構成を思い出したんじゃないでしょうか。終盤にこれまでの主人公の敵として新たな主人公登場という構成。

 しかしこれ賭けじゃないの?許斐先生、博打打ちです。コレから金太郎の回りに仲間登場させて、リョーマと因縁作ってとやっていくと、その描写の分、これまで築いてきた人気キャラの描写が減ります。金太郎をはじめ、新キャラで人気が取れなきゃ沈没です。ここは、敢えてストーリーの面白さじゃなく、新キャラ人気を狙っていく方向で。

 それにしても、普通だったら天才のリョーマに対して、新主人公には努力型の人を置きそうなものなんですが、何か、この少年も天才系くさいなー。いいのかな、コレで。

●こち亀

 今週エラく面白かった。ディーゼル貨物車に飛び乗らなきゃなんない辺りからずっと爆笑してた。この爆笑度を毎週届けてくれたなら、僕の中でボーボボ、ジャガーさんにつぐギャグ枠に認定できるんですが。寺井が脱落してる所がスゲーウケた。

●ワークワーク(WaqWaq)

 僕が最も楽しみにしてる「ワークワーク」、「武装錬金」、「未確認少年ゲドー」が巻末から三連発。やっぱし僕はもうWJのメイン読者層じゃないんだなーと改めてシミジミ。

 でもワークワーク、今週は繋ぎな感じ。やはり神様がいないと漫画全体の魅力指数が下がりますな、深みのあるテーマとか、元ネタ絡みの楽しみで楽しんでるのもさることながら、単純に神様のキャラ萌えで読んでる自分がいます。

 あらたな町での闘いはやはりレオの行動がポイントでしょうか。

●武装錬金

 新生SUNLIGHT HEARTの描写とか、僕はすこぶるシビレましたが、コレはマズい気がする。ここで、バトル続きになるのは一般読者には飽きられる気がする。ブラボー戦ではブラボーが強すぎるゆえに満足に描写できなかった新生SUNLIGHT HEARTの強さをこの辺りで見せてカタルシスをという意図があるのかもしれませんが。

 「最悪の時はちゃんと自分で始末をつける」と言ってるのは蝶野編の時の斗貴子さんと同じですな。タイムリミットとか、所々に蝶野編と絡む要素が入っていて好きです。

 コミックス5巻発売です。アンケートと闘いながら描いたであろうヴィクター編を収録。裏話に期待です。

 せめてコミックス売り上げで打ち切り回避を!みんな、購入購入!

●未確認少年ゲドー

 今回も謎解きに満足。チュパカブラという怪奇の解釈、正体、面白かったです。そして、バトル編に突入。掲載位置から考えるにフィナーレ編ってことなのかなぁ。今までジャンプ漫画にありながらバトル路線に持っていかなかったのに、ここにきてこの決断ということは……残念だなぁ。イイ漫画なんだけどなぁ。

●ここらではっきりさせておきたいこと

 巨乳であるとか貧乳であるとか言うまえに、ここらで僕がどのWJ女性キャラにノックアウトされているのか。

 実は流動的なんですが(←最悪)、最近で3人挙げるとすれば、神様(ワークワーク)、讃良ちゃん(ゲドー)、ハルちゃん(REBORN!)の3人です。

 どうだ!

 宣言してどうとなるものでもないんですが。ぶっちゃけこれらのキャラが出てくるだけで、僕はWJを買い続けます。キャラのジャンプ。その対象に、別に僕も当てはまって無くはない。

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■50号/WJ感想
 

 学会発表準備で多忙につき簡単に。

●アイシールド21

 「日本人だとか関係ねぇじゃねえか 全部自分のせいじゃねぇか せっかく長身って武器を持って生まれたのになにも始めちゃいなかった なんにも分かっちゃいなかった」

 持って生まれた才能がある者も、ない者も、自分の意志で努力して前に進むことが尊いというアイシが繰り返し描いてきたテーマがここにも。
 構成としても、ポセイドン戦のテーマ的な帰結を既に前もってほんわりと提示してる感じで秀逸。長身という才能におごって挫折した筧の過去話がそれ。金髪の人の方は長身におごって小結をバカにしてるふしがあるので、その辺りをつかれて上述のテーマが再確認されると見た。

◇あと

 現在の筧は才能があり、かつ努力もしてるサイドの人物ということで、プレ進的な意味合いも見いだせそうです。進や筧のような、才能と努力を備えた敵がアイシでは尊敬されるべき強敵キャラとして描かれるので。逆に才能におごる傲慢キャラが倒すべき敵役として位置します(阿含)。

◇そして

 本物のアイシールド21の話。前回この話が出てきた時は震えました。偽者のアイシールド21ではなく、その仮面を取ったセナという一人の男として本物のアイシールド21の前にセナが立つのがこの漫画の帰結なのかと想像したりして。

●ONE PIECE

 ロビン話に入ってから、やはり自分はONE PIECEが好きだと再確認。

 ロビン最高。クロコダイルとか今回の世界政府とかが強烈に価値を見出している古代兵器に、ロビン自身はまったく価値を見出していないのが壮絶にカッコいい。ロビンを突き動かす行動原理はアラバスタで涙と共に見せた「ただ、“歴史”を知りたいだけなのに……」の一念のみ。
 ゾロでは「世界一の剣豪を目指す」という行動原理を提示してから鷹の目の話でそれ掘り下げたり、ナミでは「お金最高」という行動原理を提示してからアーロンパークのナミ編でそれを掘り下げたり、最初に各キャラのコアを見せてからそれを裏付けて強固なものにしていくという順番でエピソードを構成して描いていくことが多いです。
 そしてそろそろロビンの番なんですが、ロビンの掘り下げは最終話付近までとっておくのを希望(実際ロビンの最終目的地がラフテルなのでその可能性は多いにある)。それでも「オハラの悪魔達と同じ思想」というロビンの行動原理を掘り下げるキーワードがもう出てきちゃってます。「歴史」という物と繋がりの強いロビンというキャラがそろそろ解体されてきそう。でも、歴史が知りたいのに理由なんかいらないような気もする。登山家に「どうして山に登るのか?」と聞くのに似ているというか。そこに歴史があるから知りたい。その一念で生きるという生き方もカッコいいと思います。

●家庭教師ヒットマンREBORN!

 爆発オチかよ!と突っ込みつつ普通に面白かったです。前に健康的にキャラ受けを狙ってる漫画だなーみたいなことをこの漫画を賞賛して書いたんですが、イーピンもそんな感じ。普通に女性萌えキャラとして男性読者のハートを狙ってくるんじゃなくて、普段は耳無し小型チャイナ人間という、漫画漫画したエラくバカバカしい設定を付加してキャラの味付けにしてるのが好感です。

 そして、ハルちゃんは出てくるだけで大好き。「はひ?」って!
 今年の僕的流行語大賞候補です>「はひ?」

 ハルちゃん同盟

●DEATH NOTE

 対立軸が3つ。

1、月VSL(一応継続中と判断)

2、味方チームVS第三のキラ&ヨツバ(現在の本筋)

3、月、L、ミサ捜査チームVS夜神パパ捜査チーム(今週号より)

 対立軸の拮抗がDEATH NOTEの魅力ですが、3だけ拮抗してない気がする。

●D.Gray-man

 最近面白くなってきましたよ。
 ずっと普通の人より劣っているというミランダさんを描いてきて、今回の超人より劣ってる普通の人間という話。
 劣ってる者は何もできないのか?という所でミランダさん発動。
 普通にカタルシスがありました。

●こち亀

 爆笑。先週と今週は本当に面白い。

 「両さん、鑑識が言うんだ 間違いないよ」

 に笑った。

 一瞬僕も、確かに鑑識が言うんなら確かかなぁ……って気にさせられて、すぐに鑑識能力と球審の能力には別に相関関係無いだろって自分突っ込み入れてた。

●未確認少年ゲドー

 フィナーレに入ってます。未確認生物と人間との相互理解というテーマに辺り、総キャラ総出演で人間の讃良ちゃんと一つの目的へという流れはフィナーレに辺りこれしかありません。
 そして、最後のテーマに選ばれたのは「命」。不死の生命体を通して「命」をテーマに描く、手塚治虫の『火の鳥』以来の普遍的なテーマ&構成です。
 「生物」という存在に対して様々にアカデミックな解体を見せるのが魅力の一つだった本作。フィナーレに、「生物」と「命」に関する岡野先生なりのアカデミックな帰結を用意して欲しい。短期傑作完結の予感。

●武装錬金

 剛太が斗貴子さんのために一時わだかまりを捨ててカズキとタッグ共闘という、それに向けてここ数話で練られてた構成が中々カッコ良く生きました。

 そして、斗貴子さんの衣服のみという絵でサプライズラスト。

 斗貴子さんは早着替えが特技という設定をイカして脱出してるんでしょうか。というか下着or裸体の斗貴子さんを描くんでしょうか。水着描いていっぱいいっぱいになってる和月先生なんで、そんなことしたら和月先生死にます。なんで、それは無さそう。単行本5巻でもまだ死にたくないみたいなこと言ってたし。

●ワークワーク(WaqWaq)

 ギャー。(←掲載位置を見ての悲鳴)

 や、やっぱり僕が面白いと思ってただけあって一般読者的にはダメだったのか。

 「人間と機械」、「願い」、この2つのテーマだけでも決着をつけてくれれば短期でも名作だと思うんで、区切りつくまでは続けさせてやって欲しいんだけどなー。  

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■51号/WJ感想
 

 武装錬金無しの読切多しということで、簡易版で。

●BLEACH

 一護とルキア、一護と母親ヨロシクで、助けられたから助け返す、護られたから護り返すが基本のBLEACHです。じ丹坊再登場で、じ丹坊が助けられた織姫と、助けた織姫との間でのイベント発生確率が出てきました。
 織姫、石田、チャドの人間界から来た組にもう一イベントづつないとやって来た意味がないよなーと思ってたんですが、織姫の最終イベントはこれかな。織姫はまだ力を使いこなせていないというタメがあるので、覚醒イベントと込みで。
 石田はマユリちゃんともう一イベントありそうですが、チャドは何なんだろうなー、特にもう一イベントありそうな伏線を見つけられない自分がいます。チャドの最終イベントは何?

●ONE PIECE

 「読んでて声を出しそうになるくらいビックリした」と帰省中の僕の姉からコメント頂きました。一般人の反応でコレです。伏線読むのが好きで、最近ミステリ何かも読んでる僕としても、このCP9の正体にはビックリでした。全員が仮面をかぶって正体を隠してるなど、既出キャラであると予想できる人には予想できるような仕込みも今にして思えばあったんですが、まったく予想できなかった。素直に驚けた。ありがとう尾田先生って感じです。

 そして、パウリーの吐露を「……」で聞きながらのルフィの目のアップ。ルフィがその人物を買った時の記号です。ルフィ・パウリー復活戦が今から熱い。

 そして、職長達は欺かれていたという点で彼らの間にあったのは本当の「仲間」の関係ではなかった。じゃあそれと対比されるルフィチームにおいて、はたしてロビンはルフィ達を欺いていたのか?「仲間」をキーワードに徹底的に掘り下げています。やっぱONE PIECEは面白いわ。

●D.Gray-man

 アレンの「ありがとうミランダさん」のあとの、涙目のミランダさんのコマは普通に良い。ダメだダメだと言われ続けた人が受ける初めての肯定の言葉。素直に良い。

 リナリーも復活で次号巻頭カラーでバトルへ。リナリーの適合者玩具としての不幸な過去という張ってあった伏線をここでリナリーに焦点を当ててバトルに掛け合わせてやってくれればもう完璧。

●HUNTER×HUNTER

 幻影旅団だーっ!(歓喜の叫び)

 幻影旅団のメンバーだけ出てきて、この先団長が出てこないハズがない。

 僕、団長大好きなんですよ。もう、ぶっちぎりで僕的HUNTER×HUNTERナンバーワンキャラです。

 団長復活こそがハンターにおける僕的最高の山場。絵の荒れとか休載とかどうでもよくなってきた。また団長の話が読める日が来るならば、いつまでも待ちます。

●ワークワーク(WaqWaq)

 「それは想像を絶する不快さを伴うであろう」

 過去からの願いの引き継ぎは、第01話に父からの引き継ぎで始まったこの物語に関して、テーマ的に一貫しています。
 そして、人間−機械といったカテゴリーの二項対立を無化し、相互理解にたどり着くまでに必要なことこそが、たとえ不快でも思考放棄せずに異なる考え、願いを一旦自分に受け入れるということなので、この描き方は僕的にもう絶賛。

 ただ、やっぱ子ども読者には難しすぎるよ、コレは。イヤ、十代後半〜二十代前半の読者でも理解するのは一苦労なんではなかろうか。哲学的でテーマ性があり、それらの描き方も思慮深く、まったく素晴らしい漫画なんですが、マーケティング的に少年ジャンプという市場の中ではこの掲載位置という現実でしょうがないかなという気がします。

●未確認少年ゲドー

 こちらも打ち切られそうですが、最終回前に各キャラ一人一人に見せ場を作るという少年漫画技法を丁寧に使ってて好感。人間と未確認生物の相互理解というテーマ的にも、未確認生物達と人間達が協力し合って見事に収斂してるんですが、その見せ方もあくまで子ども読者向けに分かりやすく、娯楽性を入れながら見せようとしてるかのような、作者の子ども向け漫画としての作品作りに気を使ってる姿勢にとても好感がもてます。それでも、少年ジャンプという市場で生き残るほどには作者の気遣いは届かなかったということでしょうか、残念。
 次週or次次週、最後の「命」のテーマをやんわりと描いて是非キレイに決着つけて頂きたいものです。この漫画に関しては満足して見送ってやれる自分がいます。

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■52号/WJ感想
 

●D.Gray-man

 かなり良かったんですが、その分ちょっと惜しいのではないかという気持ちも。もう一押しで、1レベル上の号泣感動話にもなったんじゃないかと。

 兄が現れるまではイノセンス適合者としての価値のみで非人間的に扱われていたリナリーは孤独だった。だからこそ「仲間」という存在に価値を見出しているというのが分かりづらかった。もう一、二描写その辺りを入れておいて欲しかった。そういった伏線を生かしながら、リナリーがアレンを「仲間」として認識していくor認識した描写がもう一押し欲しかった。それがあれば、「仲間だからに決まってるでしょ…!!」の部分の感動レベルがかなり上がったんじゃないかと。「仲間」がやや唐突なのが惜しい。同誌でONE PIECEが今「仲間」をキーワードに徹底的に掘り下げているだけになおさら。

 ただ、兵器は人を殺すものという話をこの前先に描いておいて、アクマ=兵器、アレンの左手=兵器で同類項、だけどアレンの方は人間(ロード)を撃てないというのは良かった。人気も出てきて長い物語が描けそうって所で、ちょうど良く主人公に精神的な課題が出来た感じ。最終的にどういう昇華になるのか全然分かりませんが。

●BLEACH

 弐撃決殺。

 イヤ、もうちょっとやる気出して一撃必殺の技開発しとこうよと。

 卍解したら参撃決殺になったりしてな。

 イヤ、それ弱くなってるだろみたいな。

●よしっ!!

 どことない地味さに「サラブレッドと呼ばないで」を思い出しました。すなわち、僕的にはかなり好きな地味さということです。高校で新たな部活、最初は雑用から始まって、諸々の経緯の後に最初に矢を射った時の感動(ここは初めて人を投げたとか、シュートが決まったとか、何に置き換えてもいいんですが)とか大人読者としてはいい感じのノスタルジーです。

 ただ連載を狙うとしたら、弓道もわりかしマイナーな題材なんで、ヒカ碁やアイシのようにその競技を詳しく分からなくても面白い漫画にできるかどうか。僕は弓道やったことあるんで、いきなり的に当てたということのスゴさが分かりましたが、やったことない人にはイマイチピンとこなかったかも。

●アイシールド21

 相撲部員の人の目はつの丸リスペクトってことでいいんですよね?

●銀魂

 定期的に入る定春オチは好きです。

 定春オチ、読める人は読めるみたいなんだけど、僕は読めないんだよなー。「定春もいないヨ キノコの回以来見てないヨ」の時点で読める人には読めたんでしょうが。

 ただまあ、この台詞で一つ布石を打ってるからこそ最後の定春オチで笑えるってのはやっぱ上手いよね。

●DEATH NOTE

 僕の前サイトの8月頃のDEATH NOTE感想以来ひっかかっていた、「既に殺せる条件は整ってるのにどうしてレムはLを殺さないのか」という点にようやく作中説明が。レムが月に好感を抱きつつあるので、今殺すと寿命を延ばすように助けてはいけないという死神の掟に抵触するという説明。この説明だと、第三のキラと接触して相対評価で月のことに好感を持ち始める前、すなわちノートを第三のキラに届けるまでの間にどうしてLを殺さなかったのかという点が説明できないんで、微妙に説明仕切ってないんですが、黒ライトの所行が微妙に肯定的に裏返り始めてるという展開がステキなんでとりあえず良し。

●武装錬金

 カズキが作中で最ポジティブに描かれる立ち位置になりましたな。主人公自体は立ち位置としては未熟で、道を模索しながら成長、主人公が最ポジティブの立ち位置にたどり着くのは最後という物語も多いんですが、カズキは既にたどり着いてる感じ。しかしながら、これまで十分にカズキはそういうヤツで、そういう位置に行くまでに成長してるということが描写されているので、違和感はまったく無し。
 そして、カズキがすでにたどり着いた感がある分、道の模索者としてある意味読者視点キャラに選ばれたのが剛太。ラストの「どっちが本当の化け物だ…」の剛太の問いは、それこそ読者に考えて欲しいこの作品のテーマの一つじゃないかと。
 そして、この手のテーマは単行本コメントなどから察するに和月氏が意識して書いているだろう仮面ライダーを初めとする等身大ヒーローの物語に付き物のテーマです。この前の「仮面ライダー555」では同じテーマに関して、このような表面的な「仲間−敵」、「人間−ホムンクルス(555ではオルフェノク)」という括りを打ち破って、広義の「仲間」、「人間らしさ」を守る主人公を描くという帰結を取ってましたが、この武装錬金はどうなるのでしょうか。今話のラストの剛太で、さらに楽しみ度が加速してきました。打ち切りなんてあり得ない。

◇どうでもいいですが

 「大丈夫!なんとかする!!」の所の、言葉の裏でパピヨンと桜花の性質を一瞬で適格に分析する斗貴子さんはステキ。

●未確認少年ゲドー

 「不死」の力は人間の限界を超えるものだった。どことなく人間の傲慢を戒める話が多かったゲドーらしい締めだと思います。

 そして、死なないはずの不死鳥が死ぬ?という所で、次回「命」のテーマについて帰結をつけてくれて良い最終回を飾ってくれそうです。

 今週のジジイがフェニックスの不死性を説明してる所のアカデミックな説明っぷりはそこはかとなく「生物学」を語ってくれていたこの作品らしくて良いです。しかも、ラストということでこれまで子ども向けに抑えていた学問的語りをもうちょっと上のレベルまで解放してるような印象も受けます。次週のラストもアカデミックな解体、帰結に期待。

●ワークワーク(WaqWaq)

 最 高 。

 先週の、様々な他者の願いを自分の中に受け入れることについての、

 「それは想像を絶する不快さを伴うであろう」

 というアシャの台詞が全てです。

 他者の願い、思想、価値観を一旦でも自分の中に引き受けるのは不快、それでもそれをやるのが異なる他者との相互理解の第一歩。

 例え不快でも受け入れたシオと、自分さえよけりゃいいと排他するドレクセル。

 ここまでの対比なら最近のいくつかの同テーマの創作作品で見てきたけど、そこからシオの方のみが父とレオ(アシャ)の力を使えるという展開が新鮮にして感動にして燃え。

 そうか、不快でも受け入れたからこそ他者の力を使えるのか。

 「排他独善」VS「相互理解」の話は沢山見てきましたが、こういう形で相互理解側の強さを描いてくれたのは新鮮でした。確かに障害は多いのだけれど、もしも理解し合えたなら、自分も他者の力を借りることができる。だから強い。

 カッコイイ。この漫画も打ち切りなんてあり得ない。

●次週から「ムヒョとロージーの魔法律相談事務所」

 上で打ち切りなんてあり得ない!とか書いてますが、新連載発表がこれ一本だったことを受けての強気発言です。新連載一本づつが続いてますね。何か、システムが変わったんでしょうか。
 ムヒョとロージーの魔法律相談事務所、怪奇を全否定、人間を全肯定しない描き方など、金未来杯の中では好きな方でした。一位だった「タカヤ」はどうなったんだというのがありますが、とりあえず期待です。

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■52号・補遺/WJ感想
 

●「仲間」をキーに今週のD.Gray-manとONE PIECEについて

 下の今週のD.Gray-man感想で、前振り不十分なゆえにリナリーの口から出る「仲間」という言葉が唐突な感じがしてしまうのが惜しいなんてことを書いたのだけれど、そういうこと考えるとやっぱONE PIECEはスゴい。

 尾田先生がいくつかの場でONE PIECEのテーマの一つは「仲間」と言明してるんで、それをテーマに描き続けてスーパービックタイトルとして長期にわたり君臨しているONE PIECEと、新人、新規連載で始まったばかりのD.Gray-manを比べているんであたり前と言えばあたり前なんだけど、やはりONE PIECEはスゴい。

 アラバスタ編のクライマックスとか、「自分の目的のためには仲間の一人や二人は切り捨てるものだ」というクロコダイルの主張に対して、ルフィが答えた場面とか激燃え。

 「……だからお前はわかってねェって言ったんだ…ビビは…あいつは人には死ぬなって言うクセに…自分は一番に命を捨てて人を助けようとするんだ……放っといたら死ぬんだよ お前らに殺されちまう!!」(ルフィ)

 「――わからねェ奴だ…だからその厄介者を見捨てちまえばいいとおれは…」(クロコダイル)

 死なせたくねェから "仲間"だろうが!!!」(ルフィ)

 表面的な言葉の列、意味合いは今週のD.Gray-manのリナリーの「仲間だからに決まってるでしょ…!!」と同じだけど、ONE PIECEの方は十全にいくつものイベントでビビというキャラが描写されており、それを見ているルフィというのが描かれていた。そこで十分にタメにタメておいて、クライマックスにて初めてルフィがビビをどういう風に思っているかを明示的に語らせるという演出。そこで飛び出す「仲間」という言葉。

 やはり同じ「仲間」という言葉で感動を演出していても、そこまで持っていく伏線の張り方、タメの置き方、最後に「仲間」の言葉を出すシチェーションの演出、その辺りを丁寧にするだけで、言葉の重み、その言葉から読者が受ける感動指数がだいぶ違ってくるなと思いました。

 とにもかくにも、ONE PIECEはやっぱスゴいなと、そういう話です。

●DEATH NOTE

 ライトのDEATH NOTE所有権放棄以来、読者の一つの楽しみに、果たしてライトはノートが再びライトのもとに戻るように計算づくで動いているのか、それとも素で白ライトになってしまったのか、一体どっちだハラハラというのがあったと思うんですが、今週号でレムの口から意外にもあっさりとライトはノートが戻ってくるように計算していたことが明らかに。そこんとこは最後の最後まで伏せておいて、黒ライト復活時に実は計算づくでした、ババーンみたいなミステリのサプライズラストみたいなのを見せてくれるのかなーというのを期待していた僕としては少々残念だったり。

 というか、改めてこの漫画にミステリ的な楽しみをあんまし求めちゃいけないと再確認。頭脳戦のバトルエンタメなんだよな。ミステリ的サプライズラストとかは特に狙わず、今後も計算ずくのライトが勝つか?計算外の行動(手錠とか)などでLが勝つか?といった拮抗したバトル視点で楽しめるバトルエンタメを描いていってくれるみたいです。それはそれで楽しいんで全然OKなんですが、黒ライト復活サプライズ見たかったなーと未練がましく……(確かにあまりに美しく黒ライト復活しちゃうと黒ライトの完全勝利でこの漫画終わっちゃうんですが)。サプライズっていうほど急激にではなく、徐々に黒ライトに戻るまでのプロセスを小分けにエンタメ演出で見せていく形になるのかなー。

●ムヒョとロージーの魔法律相談事務所

 実は期待しています。
 欲を言えば「未確認少年ゲドー」に残って欲しかった所ですが、「ムヒョとロージーの魔法律相談事務所」も、最初にネガティブに描かれていた幽霊が実は結構純粋なヤツだったり、逆に良さ気だったヒロインに責任の一部があったりと、最初に誤認された怪奇を描いておいて、それを主人公が解体していくタイプの、ゲドーと似た物語です(幽霊の怪奇の部分が、ゲドーでは未確認生物の怪奇にあたる)。
 WJ的人気ばかりを狙っていくと全てのWJ漫画がバトルものになってしまいそうな中で、敢えてこういうタイプの話を描いていたというのもゲドーが好きだった理由の一つなので、同タイプ(多分1話完結型という点も同タイプ)の「ムヒョとロージーの魔法律相談事務所」には素直に期待しておきたいと思います。ポストゲドーなるかなぁ……。
 

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