+2004年12月の週間少年ジャンプ+

■53号/WJ感想
 

 今週は色々と大ゴマ&見開きにやられた感じのある53号です。

●ムヒョとロージーの魔法律相談事務所

 スッゲー、良かった。以下、過剰書きですが。

◇読切から続く、人間に責任の一端を、霊に一抹の救いを与える勧善懲悪ではない話の構成
 読切当時から、この話の型が好きでした。

◇視覚的な見せ方が上手すぎ
 ・冒頭のリエちゃんが扉を開けるシーンでページをめくると、なにやら大仰な開かれた扉の前に立つムヒョとロージーという絵でカラー表紙。扉繋がりの演出がステキ。
 ・タエコちゃんの化け物の登場シーンの大ゴマで最初のインパクトを与えておいて、さらにそこからその大ゴマで登場したタエコ化物さえも飲み込む構図での「冥王の晩餐」の見開き燃え。1話内で、衝撃をインフレさせています。
 ・手を繋ぎたいがために手をいっぱい生やしたタエコ化物が、最後に自ら手を離すシーンの構図が視覚的に凝っててステキ。何かが残留しているような切なさがあります。

◇そしてこれもまた反社会的な物語
 ONE PIECEしかり、BLEACHしかり、DEATH NOTEしかり、既存の社会に何かしら主人公の信念で反逆する話が多い今のWJですが、ムヒョも法の条文が全てみたいな感じに表紙から盛り上げておいて、なんだ、社会の規律(法)を遵守する物語&主人公なのか?と思わせておいて、ラストにリエとタエコの絆を買ったムヒョが主観的に法に背いて減刑しているのがカッコいい。

 予想以上に面白かったです。これは今後も期待。霊に一抹の救いを与えるのがこれまでの話でしたが、本当に救えない霊の話なんかも読みたいかも。

●BLEACH

 良かった。砕蜂を掘り下げるだけの話じゃなく、そんな砕蜂を置き去りにしてまで夜一は行かねばならなかった。そこまでする夜一と喜助の目的、行動原理は何なんだ?と夜一サイドをも掘り下げています。

●D.Gray-man

 エンディングが強烈に良かったので、前回感想で書いたリナリーが口にした「仲間」の言葉が何か唐突だったなーという不満は帳消し。

 このエンディングは美しすぎだろ。閉鎖から開放された街で、自分から引き払うことを決めたアパートで、幸せそうな夫婦とすれ違いながら別方向へと一人歩いていくミランダ。職を転々としていた女が、初めて自分で選ぶ過酷な再就職先。ラストのミランダの表情の絵と、開け放たれた扉から漏れでる陽光の描写が出色。ミランダの表情、よくキャラを崩さないままこれだけカッコよく描けたなー。素直に、良かった。

●武装錬金

 「守りたいものが同じなら きっと必ず戦友になれる」

 物語当初から「守る」を連呼してきたカズキだからこそ重みがある、というかカッコいい台詞です。守れたものや守れなかったものもあったなぁと読者はしみじみ。

 人食い断ちという変化を見せるパピヨンと、ホムンクルス・即・斬の斗貴子さんを組ませることで、斗貴子さんのホムンクルス認識改変エピソードにもなってます。ますます、敵−味方、人間−ホムンクルスの境界をシャッフルしてくる感じ。

●アイシールド21

 高さ勝負で長身が売りの水町と筧は屋上から夜景を見下ろし、背が低い小回り、スピード勝負のセナ、モン太、小結らは地面でネズミ花火……という対比が見事。決戦前の盛り上げ描写としてはこれ以上にない演出だったんじゃないかと。

●テニスの王子様

 これこそ今週の大ゴマにやられた漫画です。やたらめったらの大ゴマ、見開きの連発が凄いです。さらに凄いのは、そんな見開きで突如登場した手塚を普通にカッコいいと思う自分がいたことです。僕、途中から読んでるんでこの手塚という人がどういう人か分からないんですが、なんか、カッコよかった。この感じが、テニスの王子様をカッコいいと感じる人の感覚なんだと思いました。文脈とかいらない。何か知らない人だけど、大仰に登場したんでカッコいい!みたいな。

●未確認少年ゲドー

 い、生き残ったー。(驚きと喜びと)

 フェニックスは個体を超えて種全体を愛することのできる愛に満ちた生物なのです

 この台詞でまとめて最終回でも良かったように思うんですが、何やらラスボスが登場してきました。これ、どうすんの。大ゴマで登場のドラゴンめっちゃ強そうですよ。頭ドリブルとかで太刀打ち出来る相手じゃないですよ。

 催眠が効かない讃良ちゃんがキーになりそう。結局、人間の讃良ちゃんと未確認生物のゲドーくんが出会って、関係性を深めていく話だったと思うんで。

●いちご100%

 ついに東城言ったー。さつきの告白、西野の告白、向井さんの告白と変遷してきて、ついに一番言えなそうな性格の東城が演技のアドリブというフィルターを駆けながら告白。普通に感慨深い。時に温かく、時になま温かくいちご100%を見守ってきた甲斐がありました。そうか、ついに東城がみたいな。これも大ゴマで今週やられました。ラスト見開きの東城、普通に感動した。

●ワークワーク(WaqWaq)

 「じゃ もれはもれの願いのために あなたの戦いを止めるために」

 この話が『仮面ライダー龍騎』に似ているということは第01話の感想から言ってますが、本当に、藤崎先生龍騎見てたんじゃないの?ちょっとオマージュとか入ってるんじゃないの?と思えるほどに似てきました。闘わなければ成就しない相対化された正義、願いの中で、主人公の願いが「闘いを止めること」だという点、だけどそのためには主人公にとって大事な人であるヒロイン(神様、龍騎では由衣)を犠牲にしなければならないという点がまったく同じです。
 この構造に決着をつけた「仮面ライダー龍騎」の49話は衝撃にして感動にして最高でしたが、ワークワークはどうなるのか。龍騎と同じも良し、藤崎先生独自のものでも良し、とにかく、帰結を描ける所まで連載が続いてくれれば良し。

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■01号/WJ感想
 

●DEATH NOTE

 今週の鳥肌場面は以下のライトとLの会話に尽きます。

 「そうだ 裏で操る存在だなんて この本部にそいつがいない限り天からでも一部始終を見てられたくらいの存在になる……<略>」(ライト)

 「やはり私の結論と同じ様です 天から見通せる様な者の存在を認めたらそんな者は捕まえようがないし 私はとっくに殺されているか永遠に手の平の上で遊ばれ続けるかです」(L)

 Lというキャラの特性に、以前、キラ事件の犯人が神である可能性をも論理的に検証したり、死神の存在が示唆された所で椅子から落ちるほど衝撃を受けたりと、何かしら超越的なモノを認めない、そういったモノと対立する……というポジションにいるキャラだという特性があると思います。

 そんなLが最後まで引っかかっていたのが上のような「天から見通せる様な者の存在」が存在する可能性だというのが、Lという男、めちゃめちゃカッコいいですわ。そこまで思考の可能性を煮詰めてから行動に移るんですね。ちょっと惚れそうな思考密度です。

●ONE PIECE

 空島編で見つけたロビンの目的というか願いの一つに「歴史の本文を繋ぐためにラフテルへ」というのがあると思うんですが、どうやらそれとは別の、本人曰くルフィ達と一緒では得られない「願い」があるらしいことが示唆されました。嫌々政府側についてる可能性もあったんですが、どうやらそれなりに強い自分なりの動機で行動している模様。

 これは、「オハラの悪魔達と同じ思想」なんていうキーワードも伏線で出てきてるし、ロビン過去編が入るのかな。過去編も含めて、全てのロビン物語が収束したとき、ロビンの行動原理を仲間になる時に涙と共に見せた「歴史が知りたいだけなのに……」に帰着させて欲しいなというのが僕の希望です。やっぱ、「歴史が知りたいだけ」ってのがこのキャラのめちゃめちゃカッコいい所だと思うんで。

●ムヒョとロージーの魔法律相談事務所

 良いです。また楽しみな連載漫画が一つ増えた感じ。

 01話同様視覚的な見せ方がステキです。寄生された一つ目おばあさんが出てくるシーンの衝撃を盛り上げる魅せ方とかステキ過ぎ。ホラーというと、僕なんかは活字媒体での方が馴染み深い人種なんですが、こういうステキさは漫画みたいな視覚媒体じゃないと味わえないよなーとしみじみ。

 またストーリーがね、今回は霊の方が一方的に悪いようにも思えるんですが、よく考えるとそもそもの発端は無縁仏の墓石を加工したテキトーな業者のせいだったりと、人間に責任の一端を負わせるのを忘れてないし……また墓石を加工するような故人の遺志をないがしろにするネガティブ要因の人間と、おじいさんの意志を引き継いでカレーを作りたいという故人の遺志を尊重するポジティブ要因のおばあさんとが対比されていたり……うん、やっぱムヒョとロージー、中々良いですわ。

●D.Gray-man

 前々話の、アクマと人間の境界に苦悩するアレンというのを引っ張ってきて、中々に繋がってる感がニクイ一話でした。

 こういう、敵の存在と味方である人間の境界の問題というテーマは、よく言えば普遍的、悪く言えば使い古されたテーマで、ぶっちゃけ同誌に掲載している「武装錬金」の方がこのテーマに関しては煮詰めまくってると思いますが、「D.Gray-man」の方はハッタリの効かせ方というか、演出の魅せ方が上手いです。

 「人間を殺すために(エクソシストに)なったんじゃない……」と表面的な言葉では口にするアレンが、実際には目の力を失った途端、人間の中にいるのが怖くなり、実はアクマなんじゃないかと幻視する……なんて下り、見せ方は結構鳥肌もの。

 やっぱし、ステキな漫画になりつつあるんじゃないかと、今後に期待しております。

●銀魂

 ミステリ仕立てで、一つの謎があったワケですが、そのトリックの解体、種明かしが忍者というのがバカバカしくて笑った。

 どんなバカミス(注:バカミステリー)でも、それはないよ、みたいな。

●いちご100%

 就職という選択肢を考えている小宮山とか、普通にノスタルジーを感じてしまい、良いです。就職か、進学か、なんて会話、大人の読者なら誰しも一度は友人とやった会話だと思うんで。

 露天風呂で突如全裸で立ち上がるさつきなど、従来のいちごらしさもアピールしていますが、ここ数話は普通の青春譚としてイイ感じです。先輩との別れに涙する美鈴なんてのもね、これも誰しも経験してきた感覚だと思われ、共感できます。

●未確認少年ゲドー

 涙腺弱くなってる?泣いてしまいましたよ。

 最後、死のフチの不思議世界で、今まで守っていた存在(フェニックス)の声が聞こえてくるっていうシチェーションにやられました。感動の感覚としては、『ダイの大冒険』のラストで、時が止まった不思議な世界でゴメちゃんとの対話が始まった時のような、そんなベクトルの感動。

 また、「ボクと讃良さんの間にはもっと強力な「友情」があるんです!」の「友情」の言葉がちゃんと心に響くのがイイ。前々回のD.Gray-manの感想で、「仲間」の言葉を出すのがちょっと唐突かな?という話をしたのとは逆に、今回のゲドーの「友情」は38話分の讃良ちゃんとゲドーくんの友情構築過程が強力に効いているので、素直にイイ台詞だなーと思えます(やっぱ「友情」だよね、二人の間にあるのは「愛情」ではないよね?)。

 そして、そんな人間と未確認生物の友情という現象に過敏に怒りを見せるワンヤン。トラウマ伏線が見えます。やっぱし、これは彼にも救いが与えられるラストかなー。

 巻末の岡野先生の「前回より第4部「不思議」編に突入しておりました……」とのコメントから、今クールの生き残りは決定したものと思われます。第3部は本当に良かったので(何編だったかは忘れてしまいましたが)、第4部も同じ密度の良質話を期待しています。

●ワークワーク(WaqWaq)

 カーフが他の防人を撃破と、何やら駆け足の展開になってきて、打ち切りor元々短期完結の予定だった?みたいな疑念が過ぎるようになってきました。
 ただ、カーフは物語序盤にわざわざシオとの因縁作りを挿入したりと、他の防人の中では別格の存在という描かれ方はしていたと思うので、この展開にもそんなには違和感はない感じです。

 「そうだ……シオ君だけは願いよりも私そのものを尊重してくれた 私もがんばらないと」辺りの神様の言葉も普通にステキだし、もうちょっと僕はこの漫画を読み続けたいです。

●武装錬金

 普通に動きのあって、これぞプロの絵という迫力のバトルシーンだなと思いつつ、そういった秀逸さの中で動いてるキャラが変態だというギャップが面白かったです。

 単行本の和月先生コメントでも、WEB上の武装錬金感想でも毎回反応がイマイチなのか?(アンケート人気が落ちるのか?)と話題になる問題のバトルエンタメの回ですが、今回は僕的には結構惹きつけられましたよ。この戦部の反則っぷりの武装錬金特性を、如何にしてパピヨンは破るのか、その点に純粋に興味を引かれました。

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■02号/WJ感想
 

●ONE PIECE

 子ども読者が喜びそうな、技公開(敵のだけど)の1話でした。
 僕の甥(小学生)なんかノリノリでサンジの技の技名全部覚えていたりと、子どもはこういうの好きだと思います。

 ラストの引きはアレ何?ルッチムキムキマッチョ化とかそういうの?だったら、好みなんですが。

●ムヒョとロージーの魔法律相談事務所

 これまで人間に責任の一端を負わせる話ばっかりだったから、ゲストキャラの白鳥綾ちゃんがいつ裏返ってネガティブに描かれるのかとヒャヒヤしながら読んでたんですが、「私はただピアノが好きなだけなのに…!」普通にイイ娘でした。深読みし過ぎて一人サプライズしてた。なんだよー、普通に才能あってお金持ちで可愛くてイイ娘なのかよー。

 一方で三話目にしてムヒョの敵キャラエンチューの存在が明らかに。これはしばらく一話完結の人間掘り下げ話でいって欲しかったなーと期待していたので、ちょっと残念だったり。ゲドーで最初にキチク君が出てきて悪いヤツとの闘い路線に入るのか?とガッカリした時の感触と似てます。ただ、ゲドーも結局キチク君を上手いことキャラ的にも話的にも取り込んだんで杞憂なのかな。今回のムヒョの場合も、普通は凡人主人公に対して天才のネガティブライバルキャラ、それを主人公が努力で克服してカタルシスだろうって所を、敢えて天才の主人公に凡人のネガティブライバルキャラって所がちょっと新鮮だったりするんで、今後の話の転がり方に期待しておきたいと思います。

●BLEACH

 轟!千本桜、粉砕!ってことで、千本桜の攻略は千本ごと吹っ飛ばすような剛の一撃というものでした。実は個人的には千の斬撃で全てたたき落とすという燃え攻略法を夢想していたので、ちょっと残念だなーなんて思ったりしたんですが、このくらいおおざっぱな攻略法の方が一護らしくてイイか。

●D.Gray-man

 自分だけアドバンテージを持ってて、それを失ったがゆえに他の仲間の覚悟に気づくというくだりは中々にいいんですが、別に根本的には何も解決してないのがちょっとハテナ?。

 人間を最初から敵(アクマ)かもしれないと疑うことと、アレンの葛藤の原因だった「実際に本当の人間を敵として撃てるか」はまるで別問題のように思うので、何かを昇華した感が漂う描き方をしてるけれど、別に何の解決にもなってないんじゃん?みたいな。

 まあ、最初のワンステップってことなんでしょうか。

●家庭教師ヒットマンREBORN!

 オチのワケ分からなさっぷりがちょっとツボでした。

 それにしても大増ページでキャラ大登場と、少年漫画的に漫画漫画したキャラクターエンターテイメントって感じで楽しかったです。

 やっぱハルちゃんが出てきたからね。久々に出てきたと思ったら、登場ゴマから顔にどよよーんの縦線入ってるのが可愛い。

 ハルちゃん同盟

●テニスの王子様

 手塚ゾーン!?ゴゴゴゴゴが面白かったです。

 この前書いた通り途中から読んでるためこの手塚さんがどういう人かよく分からないんですが、何、この人もこういう技使う人なの?

●武装錬金

 「こんなもの喰わずともホレ 来るべき武藤との決着の時を想像すれば うっとり

 人食い断ちしてるパピヨンVSホムンクルスを食らう戦部、全てがこの前の剛太の「どっちが本当の化け物だ…」からテーマ的に繋がってます。最近の武装錬金は本当スゴイな。

 戦部の武装錬金特性の攻略法は、「高速・自動修復」につけ込むというものだったのですが、「高速・自動」の部分が前回では明かされてなかったので、前回時点で謎解きモノとして楽しむことは出来なかったことになります。でもまあ。そもそも謎解き漫画じゃないし、頭使ってるっぷりも見れたパピヨンがカッコいいんで全てヨシ。ラストの破壊ゴマがカッコいいんでヨシ。か、カッコイイよね?変態格好だけどカッコいいよね?何か感覚麻痺してきてる?

●いちご100%

 東西南北そろい踏みでイベントとというのはちょっと事件なんじゃないでしょうか。最後のコマとか普通に楽しそうで和んだ。いつもの哲学を感じるエロさの方向性もイイけど、こういう話もエンタメ回としてイイよね。別に重要エピドードにしなくてもいいから、ボーナスコメディ回にしてほしい。次回結構楽しみ。

●未確認少年ゲドー

 「しかしそれでも私はあなたとの絆を信じたいのです 私はもう何千年も生きてきました そして数多くの生き物たちと友達になりました しかし彼らの寿命は私ほど長くない…みんな私より先に死んでしまう その孤独…悲しみにいくど死ねないわが身を呪ったか… しかしあるとき気付いたのです 彼らは個体としての寿命は短いけれど その命は…仲間や子供達に受け継がれていく… ならばその子供達や仲間たちを彼ら自身と思い… 友情の絆をもちつづけていこう…と! だから私にとってはあなたはやはり 友だちなのですよ」

 「生命というのはね頭脚人間さん 森羅万象すべてのものに宿っているのですよ その中でたまたまDNAを持った有機物に宿った生命だけを… 人間が勝手に「生物」と読んでいるのにすぎないのです」

 大感動

 寿命差がある者同士の存在に絆はあり得るのか?というテーマを掲げた創作作品の帰結は、やはりこの解答しかないです。

 「人間」という括りに固執しているワンヤンの思想、そんなちゃちな括りを無化して「生命」という括りで全ての存在を見ているフェニックスの思想(異種族融和というゲドーくん、讃良ちゃん路線の考え方の究極系)の前に完全敗北。

 そして、生命が次世代へ命を繋いでいくように、フェニックスの最後の心残り(密売組織の存在)を汲んだゲドーくん達のラストバトル編が始まるワケですね。感動。

 3クール打ち切り完結だったとしたら、最終話に持ってくるつもりだったであろう衒学を今回に持ってきたんじゃないかという印象を受けます。3週間前まで、こういう最終回をこの漫画に期待している自分がいたのでした。裏切られなかった、嬉しい。そしてまだゲドーは続いてます。嬉しい。

●ワークワーク(WaqWaq)

 ノール、「大切な人を失ってしまう」の台詞から、「願い」は恋人の命でしょうか。散々似てると言ってきた『仮面ライダー龍騎』では、最終的に最終回に願いが叶ったのは、実はこの願いでした(蓮)。果たしてワークワークでは。しかし、これで「自分の命」が願いの防人(北岡さん)が出てきたら、本当龍騎ですな。僕としてはむしろ出てきて欲しいんですが。
 しかしノール男ですか。神様が積極的に物語りに関わってこれない作りにしてしまった以上、女性防人でもサブヒロインで出した方が人気は出そうな気がしますが。

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■03・04号/WJ感想
 

●アイシールド21

 アイシはずっとテーマが一貫しててイイですな。天才VS凡才というテーマがあるんですが、もうこのテーマの解答は今までの話で少しづつだけど確実に描かれてるんだと思います。すなわち、凡才が天才に立ち向かうには、努力(積み重ね)&仲間の力&特技一点特化。

 今回の話もそれが良く出ててアイシっぽかった。小結の努力(荷物運んでる所より、バーベル上げてる絵の方が積み重ねって感じで良かった)、すかさずランでフォローに入るセナらの仲間、そして「力」への特技一点特化。まさにアイシ的攻略って感じ。

 あとはこうやって少しづつ描いてきた解答に、最後のクライマックス(多分阿含戦?)で回帰するのなんかを想像すると燃えますな。解答は描き済みだった!みたいな。「るろうに」で、何度も所々に描かれていた「身近な人を守るために」っていう解答にラストに回帰した感じで。これまでのシーンをフラッシュバックさせる演出とかで盛り上げて欲しい。って、そんなクライマックスはアイシ的にまだまだ先でしょうが。

●NARUTO

 うー、やっぱ死者の想いを形にして受け継ぐっていう話には弱いな、自分。感動してしまった。故人の遺志を汲んで眼を受け継ぐってのはBLACK CATで描かれていたロイド→スヴェンと同じなんですが、僕的には今回のNARUTOの話の方が数段上かなぁ。泣き虫忍者の設定とか、プレゼントの伏線とか、諸々の要素を使っての今話までの盛り上げ方が上手すぎ。最後の敵の「来な 泣き虫!」の所とか熱い。その泣き虫忍者の眼を受け継いでオレは闘うんだよ!みたいな。

●BLEACH

 「卍解後出しが勝つ!」みたいな後期ドラゴンボールの「後でパワーアップした方が勝つ!」的なノリになってきましたが、少年バトル漫画らしいんでヨシ。

 謎の枠組み全体が何も明かされていない状態での因縁の敵(白哉)との決着っぽいですが、逆に白哉の今後が見れそうで僕的には良かった。緋真さん等の伏線を消化した後に、味方サイド化しても十分間に合うだけの物語の尺がまだ残ってます。

●ONE PIECE

 タメが熱いよー。強敵の前に各個撃破される麦わら一味。バラバラになってしまった一味。そして今回の(っていうかONE PIECE全体のでもあるけど)テーマは「仲間」。再び麦わら一味の仲間が集うシーンがクライマックスになるんじゃなかろうか。強敵を仲間の力で撃破でばっちりまとまるじゃん。一市民でも仲間がいれば……みたいな感じで。

●ボーボボ

 無理でした。個人差もあるんでしょうが、メガネかけても目がチカチカして読むのに耐えられなかった。

 今年最後の感想なんでちらっと言及してますが、僕のような伏線とか構成とかを気にしながら感想を書く人にとっては、一年を通して感想書きづらい漫画でした。伏線とか構成とか、ないし。ノリだし。

 でも、実は絶望くんが大好きなことを告白しておきます。

●DEATH NOTE

 火口が死神の目を持ったことで、ハラハラ感が増しましたな。どっちが勝つか分からない!っていうハラハラ感がこの漫画の魅力の一つだと思うんですが、先週まではL&月サイドが有利過ぎてこのハラハラ感が薄かったです。L&月が直接死ぬかもというハラハラ感はありませんが、松田さんが死ぬかもしれないというハラハラ感でひっぱります。松田さんが死ぬか、火口が確保されるか、その間でのハラハラ。読ませます。

●MP0 エムピーゼロ

 魔法学園モノ。やっぱしハリーポッター強しで、まだまだ市場に受ける分野だと判断されてるんでしょうか。

 でも、主人公は魔法使えないって設定が結構新鮮で楽しかったです。魔法学園で敢えて肘鉄かましてる辺りが面白かった。

 あとは、プリフェの時も「実は男」という制約で話を作って読ませてた叶先生ですが、今回も「実は魔法使えない」っていう制約で色々話を作っていけそうです。制約を使った話作りが上手いですな。

●いちご100%

 表紙のクリスマス4人絵なんぞ見るに、僕が先週期待した通りのクリスマス特番4人勢揃いコメディ回だったと思いました。でも「あたしは…走れないから」などの意味深な台詞もありーで、お、やっぱストーリー的にも重要回かななんて思わされたんですが、最後のすべり台オチで全てが吹き飛びました。久々にいちごらしい強引な密着状況が見れて満足。どの胸がどうなってんのかを把握するためにしばらく絵を注視してしまったっス。

●武装錬金

 前回、戦部は大仰に登場したわりにはやられキャラだったのかなーなんて思ってたんですが、今回そうでもないあたりが描写されてました。一応、1レベル上の重要度のキャラなんだ。

 そして、ブラボー登場ですよ。まったく予想してなかったんで(絶対火渡戦の後だと思ってた)、純粋に見開きでの登場に驚き&燃えました。

 これどうなるんだろう。ブラボーは和月先生の単行本コメント曰く超えるべき大人キャラなんですが、この前のバトルからカズキ側にプラス要因があるとすれば今回は斗貴子さんと剛太という仲間がいるという位ですよ。でも仲間と力を合わせて撃破じゃ一人の人間として超えたことにはならないっぽいし……。本当どうなるんだろう。

●こち亀

 一言だけ、

 「講義聞いといてよかった 江戸サンタ中心の問題だったな」

 に爆笑した。

●未確認少年ゲドー

 讃良ちゃんとキチクくんの仲直りのコマが微笑ましい。

 そんな感じで人間と未確認生物との絆を描写するイベントとして、共闘してバトルという流れのようなんだけど、コロシアムバトルはどうなのか。これ、第一回戦、「矢番くんVS○○(敵未確認生物)」とか、そんなノリなの?それはやめてほしいなー。あまりにこれまでのゲドーの(良い)雰囲気とかけ離れてる。

 なんで、バトルコロシアムはサクっとスルーして、今回傷つくドラゴンに涙するワンヤンで伏線が張られているような、ワンヤンくんの救いの話の方に焦点が早めにあたっていく展開を希望。

●今回最後は

 宣伝告知です。

 12月31日22時〜1月1日2時までの4時間、「有無」のムーさんと「SnowSwallow」のYukimiさんがネットラジオで対談するそうです。4時間ぶっ続けでWJの話題で年越しという、くるった(褒め言葉)企画を実行に移す模様です(^_^;

 『年越しネットラジオ“スノウムレイディオ”』(公式サイト)

 

 残念ながら僕は聴けないっぽいんですが、WJ感想サイト同士の交流を深める意図もあるというのは素晴らしいと思うので応援させて頂きます。ディープなWJ感想サイトジャンキー(そんな人いるのか?)の方は、是非ご参加を。

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