+2005年06月の週刊少年ジャンプ+

■27号/WJ感想
 

 管理人多忙につき、今週号の感想はお休みさせていただきます。

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◇ピコ感想

・BLEACH

 第56話の、雨に打たれながらの、

 「俺は また 護られた――…!」(一護)

 のシーンと対になる形での、

 「やっと雨は 止みそうだ」(一護)

 のエンディング。キレイです。

 母親に命と引き替えに護られて、今度は自分が護る側に回ろうと思ったのに、また護られてしまったという自責の念が雨に象徴されて描かれていたのですが、今度こそルキアを護り返したということで雨は止みそうと、美しくまとめてきました。

 テーマ的にはもうコレで最終回で納得です。流れ上バトルエンタメ路線で続いていきそうですが、僕はこの、必ずしも「護る」という理想を貫けなかった男が色々と捨てきれずに泥臭い突撃を慣行というソウルソサイアティ編の話の型が好きでBLEACHが好きになったクチなので、その辺りがうまく収まった後の新展開でも引き続きBLEACH好きでいられるかは久保先生が次に提示する新展開の型次第です。魅力的な新しいテーマを掲げてくれると嬉しいんですが。

・魔人探偵脳噛ネウロ

 アヤ・エイジア編、美しく完結。

 前々回の、

 「あなたがそばにいても…私は歌えるもの」(アヤ)

 が動機の側面からの推理材料だったワケですが、今回動機部分の解明は弥子が担当。ネウロ、始まった当初は動機パートをドン無視というのが特徴だったのですが、弥子の成長物語も一つの話の軸にするのに伴って、ネウロがドン無視していた動機パートを弥子が担当という感じでパターンに広がりが出て来ました。読者の視点はネウロよりも弥子にあるので、自然読者は弥子と共に動機面からの推理を……という形になります。物理トリックの方はもともと論理的な推理用という感じの描き方じゃなく、実際ネウロの捜査も魔界の力を使用というはったり重視のものだけに、推理的な楽しみ方をしたい読者は弥子の動機パートから……というのは上手く棲み分けができてていいんじゃないかと思いました。今回の話の形はかなり好きでした。  
 
■28号/WJ感想
 

 今週もまとまって書く時間が取れませんでした。

 『武装錬金』、『Waqwaq』が終わった辺りから中々感想を書くモチベーションが上がらなくなってきたので、とりあえず1、2作品の簡易感想は毎週書いて、気持ちがノってきた時だけ6~8作品の感想を書く……というスタイルでこれからは一つ。

◇ピコ感想

・タカヤ-閃武学園激闘伝-

 最初はじゃんじゃん女性キャラの師匠キャラとかライバルキャラとかを出してキャラクターエンタメ路線で行くのかな?というか行った方がいいんじゃないかな、なんて感想に書いてたんですが、今の所のごくごく普通の努力・修行モノのパターンも嫌いじゃないです。好きな娘がいて、その娘のために最初は弱弱な主人公が修行して少しづつ強くなっていくと。少年漫画の王道中の王道のパターンのような気がするんですが、意外と今のジャンプのバトルモノには無いパターンだと思います。

 あと、視界を封印しておいて、封印を解いた瞬間にパワーアップ!っていうのはリアル的にはどうなのかな(笑)。川原正敏『修羅の刻』でも柳生十兵衛と天斗が片目を閉ざして力を封印し、解放と同時にパワーアップ!というのをやってましたが。みんな、『聖闘士星矢』のシャカばりに視界を閉ざすことで小宇宙(コスモ)を高めてたんでしょうか。

・テニスの王子様

 「百練自得の極み」にはクラクラきました。『ダイの大冒険』でダイが行った「竜の紋章を拳に移す行為」に相当してます。体全体のパワー消費を押さえつつ、一撃の攻撃力をアップ。次の試合では手塚の竜魔人体が出ます。

・魔人探偵脳噛ネウロ

 事務所開設パートは興味深い。運営者の知名度を上げることに伴う、運営者のプライバシーが侵害されるリスク、経営規模拡大に伴う、人材(スタッフ)集めパート、興味本位の薄い顧客ではなく、どのように濃い顧客のリストを獲得するか、さらには露出を増やせば増やすほどに増える、逆恨みのリスク、全部実際のビジネスでも考えなければならないトピックです(とくに弥子の事務所のようにWEBサイトで集客するビジネスの場合は)。こういう現実的な状況を使いつつも、ちゃんと漫画漫画した話を作ってるのは中々渋いと思うんだがどうか。  
 
■29号/WJ感想
 

●ONE PIECE

 長めに話数を取ってチマチマと闘ってるサンジVSワンゼは、対比させて今週のすれ違いざまの一瞬で決着させたゾロVSTボーン大佐の爽快感を強く出すためなんじゃないかと思いました。瞬間の決着燃え。

 『ムヒョとロージーの魔法律相談事務所』の第1話なんかでも使われてたのを覚えてるんですが、1話内で強さをインフレさせる手法は燃えます。最初の「羅生門」で列車ぶった斬る所だけでもヤマ一つになってるんですが、そこから二刀流→三刀流にチェンジ&本気の記号のバンダナ巻き……で「牛鬼 勇爪」が炸裂と強さをゾロ内で一人インフレさせて最初のヤマより大きいヤマをもう一ヤマ作ってます。

 対峙前の数ページでTボーン大佐の正義を語っていたのも一瞬の攻防の燃え度を上げました。ゾロサイドはウォーターセブン編全編で十全に描かれていたように勿論、Tボーン大佐にも負けられない理由がある、されど勝負は一瞬にして決して勝者と敗者に分かれる現実がステキ。ラストのゾロの台詞もこの前の特集記事で一味きってのリアリストと書かれていたゾロっぽくて良いです。

●アイシールド21

 印象的に何度も出てくるポールの絵の効果が良かったです。ムサシが来る前の「ゴールライン、まだあんなに遠いのか……」の部分では敗北への不安の象徴のような「暗」な雰囲気で描かれていて、ムサシ登場でムサシビフォア(ヒゲ)、ムサシアフター(男前)に対応するように、そのシーンからはポールの描写もポールアフターって感じで希望へ繋がる「明」な雰囲気に描かれるようにチェンジしているという。そんな感じでポールが描かれてたからこそ、ラストのポールを貫いていくボール……というアップ絵にはグっとくるものがありました。長い間タメてたムサシ復帰話ここに完了。素直にカタルシスありました。

●テニスの王子様

 「全く大袈裟に倒れて同情を引こうなんてさ…」

 人が倒れてる1ページ絵を見たとき、「同情を引こうとしている」という考えが素で浮かばなかった。普通にいつものドラゴンボール的な必殺技を受けてダメージで倒れてるんだと思った。

●魔人探偵脳噛ネウロ

 前回のカメラ君を噛ませ犬にして、扱いが大きい敵キャラ登場?って所で引きです。一応推理モノがベースだとすると、この敵キャラとは謎VS推理でのバトルになるハズなんですが、このキャラの登場の仕方、及び最近ドーピングコンソメスープの人とバトってたのとかを見てると、普通に魔界の力で肉弾バトルな展開でも違和感が無いのが熱いです。

●BLEACH

 新展開の一般的な型に準じて新キャラ投入です。ソウルソサイアティ編で丸々味方サイドが増えてるんで、バランスから考えて敵サイドっぽい?
 たつきの霊力伏線もその辺りのバランスが考慮されそう。味方要員として覚醒か、ちょっと霊力があるがゆえに巻き込まれての守られ要員化かの2パターンが概ね考えられるんですが、味方サイドはソウルソサイアティの人達を入れると多過ぎる、ルキアが守られ要員から脱してテーマ的に「護られ」要員のワクが空いてる……との理由から、守られ要員化ではないかと予想します。

●タカヤ-閃武学園激闘伝-

 陸奥園明流牙斬!(牙斬は小指ですが)。リアルにはともかく、作中で視界が強化されてるのがタカヤのアドバンテージとして描写されてたので、親指が狙えるほどに目が効くという展開は自然でした。正拳突きとか、けっこう地味な武道の基本的な所から描いてるのがワリと好感。最初からなんとか流の後継者でビックリ技をデフォルト実装してる人が主人公の漫画も多いし、それも面白いんですが、コツコツ基本から主人公が努力して学んでいく漫画も好きです。あまりにコツコツし過ぎて受け身から柔道を描いてた『サラブレッドと呼ばないで』はがっつり打ち切り食らってたんであんまり悠長にもやってられないのかもしれませんが(やっぱ早めに必殺技の一つくらい身につけた方が子ども読者にはウケるんじゃないかと)。

●銀魂

 全編にわたって爆笑でした。でもギャグ編の銀魂は爆笑だけど感想が書きづらい。ツボに入った台詞列挙とかしかできない。今週は「そんな地球に厳しいリサイクルきいたことないからね」とかツボだった。感想書くのはストーリー編の方が楽だけど、個人的にはギャグメインの時の方が気軽に読めて好き。

●ムヒョとロージーの魔法律相談事務所

 仲間同士の不和がタメとして描かれていた今回のソフィー編なんですが、その不和の昇華パートとして「上級魔法律」の時間稼ぎのために協力……という展開になりそうな感じです。それプラス、札が上手く使えない……と落とされてたロージーの復活も合わせて見せてくれれば普通にカタルシスがありそうです。

 ロッカーの中の視点から見えるソフィーの絵は普通に怖い。

●HUNTER×HUNTER

 伏線の鬼の冨樫漫画のことなので、多分今回のゲームにまつわる王の語りがVS王のバトルの伏線描写なんではないだろうか。王の勝利の方程式は「相手の呼吸を知り、相手の呼吸を乱すこと」。これが実際の王とのバトルにもかかってきて、一番簡単には呼吸を読ませない戦略を取るとか、そんな感じでバトルにかかっていくんじゃないかと。メレオロンなんかが出て来て、VSネフェルピトー、VS王あたりはギミック、騙し戦になりそうな雰囲気が出て来たんで期待です。

●ユート

 雄斗、透が仲間ながらに意識してる描写がチラホラと積み重ねられて、いざ共にレースという場に立ってモロにお互いを意識してる絵で引き。この、同じ練習場所に属してお互い友人としてつき合いながらも、勝負の場ではライバルになる……という微妙な関係は『ヒカルの碁』のヒカルと和谷の関係なんかを思い出しますね。このまま輝きを増してくる雄斗に、それを複雑な想いで見つめる透……という構図にシフトしていったら、とりあえずヒカルと和谷の関係リフレインってことで、ほった先生はこういう人間関係を描くのが好きなんだなってことで。
 

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