+2005年08月の週刊少年ジャンプ+

■35号/WJ感想
 

 いちご100%フィナーレ。第01話から読んでる長期連載がこのように綺麗に終わるのは感慨深いです。懸垂告白時代からタイムリーに読んでましたよ。一時WJ離れしてた自分がWJに復帰した頃に丁度連載が始まった作品でした。あの頃は自分がこんな沢山WJ感想記事ため込むことになるとは予想してなかった。そして河下先生もこんなエンディングになるとは自分でも予想してなかったに違いない。

●アイシールド21

 「キャッチの最強だけは譲れねぇんだ!」(モン太)

 ラストはやっぱりアイシらしく一点特化VS一点特化の勝負に。足の速さしか取り柄のないセナが、キャッチしか取り柄のないモン太が、アメフトというフィールドに出会って自分の特技一点特化で頑張っていくってのが原点ですからね、アイシは。

 勝ち組負け組とか漠然とした過度の競争意識も、何もしなくてもオンリー1とかの過度の競争排他も僕は好きになれないんですが、こういう自分的に譲れない部分でぶつかった時に相手に勝ちたいという競争意識は非常に共感できるものがあります。こういう気持ちは、人を成長させてくれると思います。

●みえるひと

 めっちゃハマってます。サブタイの「バットとパジャマとサングラス」からしてイイ。霊と人間と案内屋と、そういう異なる者同士が一緒にいる風景という、今話のラストを、そしてこの作品の着地を連想させます。

 姫乃の「……でも、みえるもん」の所は普通に感動。スタンダードな異種族交流モノに一ひねり加えて、お互いに触ることはできないという制約を設定してるんだ……と気づいたのと同時に、それでも「みえる」という切ない関係がタイトル「みえるひと」にかかってるんだと理解しました。この「みえるひと」ってタイトルめっちゃいいですね。最初はバトル要素として明神が霊を「見えるひと」という意味だけで受け取ってたのですが、姫乃視点から、交流したいけど触れられない、でも「みえる」、という意味で「みえるひと」というタイトルにもなってるという。

 内容も二話で姫乃−エージの関係を、お互いの偏見からの不和から、交流を通しての理解へまでを丁寧に描いてるのが好感。姫乃を邪険にしてたエージが「……お前、名前なんていうの」の所まで変わってくる物語というのは、名前を絡めるのは王道ながら好感。その枠をがっつり完遂しながら、ジャンプ読者層向けに前後編話の中にバトルも挟んでいるという。

 これは毎週楽しみな作品が増えましたよ。

●太臓もて王サーガ

 佐渡あいす。サドっ娘キャラというのがメイン読者層へのキャラクターアピールはどうなの?って感じで熱い。たぶんデレないでしょ。ツンのままでしょこのキャラ。かといってあからさまな萌えキャラを出されてもこの作品の作風の場合困るかもしれませんが。可愛いんだけど萌えキャラなんだかよく分からなくなったスピンちゃんの例もあるし。

●D.Gray-man

 アレンここで死にますか。復活、新たなイノセンスを手にして逆襲というのが王道ですが、それは全編を通しての物語のクライマックスででもいいような気もします。現在の物語進行状況がどのくらいなのかが分からないので予想しづらいです。壮大な話ではあるんですが、どどっとバトルになって一気に終われそうな気もしますし。黒、白、グレイのテーマの着地なんかも未だ見えないんで、かなり長期で構想してるんでしょうか。このテーマの着地までは是非見たいと思ってるんですが。

●タカヤ−閃武学園激闘伝−

 一緒に飯でも……の雰囲気は、学生時代の一緒に学食でも……の楽しい雰囲気を思い出させてくれて、閉鎖学園空間を舞台に設定した強みだなぁと思いました。と、思っていたら、その閉鎖学園空間のスケールが閃武学園アンダーワールドの登場で一気にデカくなりました。これ、この漫画、かなり世界観的にスケールアップしていくような予感を覚えました。巨大ロボットくらい出てくる所までいくんじゃないでしょうか。今でこそ地道に肉弾戦やってますが、「気」のようなものを使った必殺技は既に渚ちゃんが使ってるし、そのうちエネルギー波の応酬くらいまではスケールアップしそうです。ドラゴンボールでさえ、序盤は徒手空拳(エネルギー波無し)で戦ってたので、そこからスケールアップしていく可能性はそこそこにアリです。

●魔人探偵脳噛ネウロ

 X登場編序盤では剛胆っぷりが描写されてた弥子が、Xとの接触を経て萎縮してるという所から、X編回収回の今話が始まってるのは上手いです。
 アヤの歌も、Xの変化も、「資質と欲望による進化」と、荒木漫画の理論ばりに回収。しかしその進化の中に弥子も含まれて、弥子の進化の行き着く先は、(Xさえも)理解できる力だというのは、何か随分と弥子の潜在能力が高く評価された感じです。やはり弥子は成長キャラのポジションで、今話の伏線の張り方だと、サイの物語を決着させるのは、ネウロよりもむしろ弥子ということになりそうな感じです。「理解する」という弥子と、「自分で自分が分からない」というサイとで、上手く物語上の役割がマッチします。
 この前はネウロが「謎」だけじゃなくネウロが新たに興味を示してるのは広義の「優秀さ」かな?なんて書きましたが、その点がネウロが新たに興味を示してるのは「人間の可能性」と明示されました。最終回に回帰してきそうな部分です。「謎」と「人間の可能性」をミックスさせたラストには期待できそうです。まだラストのことを考えるには早すぎるほど、エンタメエンタメで毎週楽しみに読んでおりますが。

●いちご100%

 そして数年後……という王道で綺麗な最終回。それぞれの時間を過ごした映研メンバー達。いまだに真中を意識してるさつきとか、学生時代のノリの美鈴やちなみとか、というか「ちなみと美鈴 百合」の検索キーワードでウチに来る人多すぎとか、それぞれの登場人物の最終映像が見られて満足でした。「映研メンバーと夢」でまとめていたため、唯と向井さん、天地らのその後だけ描かれてませんが、その辺りは加筆に期待したい所です。そして、唯、向井さん、天地はともかく、もう一人あの娘の今後は描かれないの……?という引っ張り方で、ラストはサプライズ西野エンド。誰ともくっつかない真中独り立ちエンドなのかなと最後の瞬間まで思っていたので、やられました。ギャルゲーテイストをジャンプでがコンセプトにあったと思われるいちご100%(実際ギャルゲー化されましたし)、スタンダードなギャルゲーテイストのラストを崩さず、一人の娘とエンディングを迎えました。頼りなかった真中が、4年の時を経て成長したがゆえに与えられるハッピーエンドということで、綺麗すぎたので文句無しです。西野ファンの方おめでとうございます。
 バカ密着エロシチェーションとパンチラを封印してからの後半クライマックスは本当面白かったです(バカシチェーションはバカシチェーションで大好きでしたが)。河下先生の次回作に期待しております。
 
■36・37号/WJ感想
 

 第2回金未来杯開始号。前回の金未来杯にエントリーしていた『ムヒョ』と『タカヤ』が現在連載してるのを鑑みるに、この中から未来の連載作品が生まれる可能性は高いと思うので、一応全チェックして毎作品感想書いていきたいと思います。
 通常連載陣は『ONE PIECE』が少年バトル漫画的にクライマックスの段階に入ってきた感じ。1万対1とか、昔からある戦力差燃えシチェーションです。

●ONE PIECE

 やっぱ仲間のためにっていう理由のもとに、大局っていうか権威っていうか、そういう大きいものに戦いを挑むのがワンピのバトルパートのキモですな。アラバスタ編ではビビのために七武海っていう権威に挑み、空島編ではひし型のおっさん+サル達(名前失念)のために神に挑み、そしてエニエス・ロビー編ではロビンのために世界政府に戦いを挑むと。熱い反体制ヤロウどもです。
 あと単行本パラパラと見返していて、三十二巻時点での空島編後の一場面に、「言っとくがなおれは!!「狙撃手」だ!!」というウソップの台詞を発見。思えばこの時期からウソップの一次離脱と、ウソップの狙撃手としての職業矜持編、そげキング登場辺りまでは考えられていたのかもしれません。どんどん風呂敷を広げていく形で話を作ってるような気がするんですが、以外と長い伏線はしっかり回収するのがONE PIECEなんで。

●アイシールド21

 ワイルドガンマンズ戦、幕開けは丁寧にセナVS陸、モン太VS鉄馬、ヒル魔VSキッドに1話づつ当てて対立項を明確に描いていて、その頃から終盤で各対立項が一個づつ消化されるのかなぁなんて書いてたんですが、ズバリ中盤で三タテで泥門が負けた?という描写が入ってからの逆転カタルシスで、先週モン太の勝利、今週セナの勝利が描かれました。あとはヒル魔かな?負けてるようで負けてない感じで既に消化済みのような気もしますが。
 それにしても、モン太のプレーを汲んでセナに繋がる所は熱いです。先週はアイシはそれしか技が無い連中が、一点特化で頑張る話なんて描きましたが、それプラス、アイシにあるのは一点特化同士の協力パワーですね。桜庭の復活なんかもその一点特化同士の協力パワーが描かれていたと思うんですが、今回もココ一番で出るキャッチのモン太とランのセナの協力パワーに燃えました。
 そんな分かってるモン太だからこそ、

 「行けよセナ、お前の行きたい方に……!」(モン太)

 熱いー。

●テニスの王子様

 基本は超人スーパーテニスなんですが、持久力を駆け引きに使った作戦面で決着というあたりは意外と現実的でした。逆さまになったりしてはっちゃけてた向日さんが体力切れというのも非常に現実的でした。やっぱり空中で逆さまになるのは体力の効率悪かった。

●タカヤ−閃武学園激闘伝−

 先週、閃武学園アンダーワールドの登場でスケールがデカくなったなぁなんて書きましたが、引き続き超スケールがデカい空手部なんかが登場して、スケールアップの描写が進行中です。これは、マジで気とかエネルギー波とか出てくるかも。
 本編はバトル野郎と付き合うウチに、タカヤもバトル野郎化しそうな展開。先週の「殴り殴られが楽しい瞬間ってのもあると思うわよ」の渚ちゃんの台詞の伏線もありますし、これは、徐々にタカヤがバトル野郎化していく展開になるような気がします。
 でも、バトル+キャラエンタメは主要読者層には受け入れられてるっぽいですね。前回の新連載組、タカヤのみが掲載位置上位をキープしています。

●みえるひと

 先週の「バットとパジャマとサングラス」も良かったですが、相変わらずサブタイにセンスを感じます。「キリンとエントツ」。作中のアズミママの台詞、「知ってる、アズミ、キリンさんなんかねぇ、本物は空に届いちゃうくらいおっきいんだよ」を受けて、空に届きそうなエントツを疑似妄想キリンにみたててアズミママは取り憑いてるって意味合いなんだよね?切なさ爆発のサブタイですよ。
 ラストは明神バトルパートへ……って感じの引きですが、バトルはバトルで終わってアズミには切ない事後報告というパターンよりも、現在アズミとペアになってる姫乃をも絡めての、生者−死者の心情エピソードを展開して欲しいなと思っております。

●ウサギとカメとストライク/第2回金未来杯エントリーNo.1

 主人公にデフォルト好意のヒロイン(葵ちゃん)に、小憎らしい敵役(山本)、そして今は落ちぶれた元名将の師匠役(ハンプティ)と、型どおりのキャラ配置でしたが、読切としてはまとまってて読みやすいなと思いました。師匠キャラは、『ごっちゃんです!!』の和尚くらいの域に達して欲しかったですが。野球賭博はまだ甘いですよ。
 ちゃんと努力もしてて、無い部分を持ち合わせた持ち味を生かして一点特化でカバーというのは少年スポーツものとして清々しかったです。一点特化のカバーの仕方が頭脳化、理論化って感じなんですが、この辺りは面白いもので、頭脳派、理論派が作戦を駆使して勝ち抜いていくタイプのスポーツ漫画もエンターテイメントしてるし、逆にそういう頭脳派、理論派の敵キャラを根性とか気合いでぶっ倒していくタイプのスポーツ漫画もエンターテイメントとしてはアリなんですよね。僕はそういう括りすらよー分からなくなってる『逆境ナイン』も好きだったりしますが。野球漫画の可能性は幅広いなー。

●魔人探偵脳噛ネウロ

 出だしの弥子の笹塚さんはイイ人評の部分が、ラストのネウロの「我が輩は人の善悪に興味はない」の超越っぷりをアピールする“タメ”になってるのが上手いです。ネウロはハッタリ描写に目がいきがちですが、盛り上げるための情報の提示の仕方なんかは丁寧な印象を受けます(勿論推理モノとしての情報提示の順番では無いです)。
 警察パートでの、上層部と下層部での派閥云々的な話をもってきたのも、本筋の物語というよりは、そういうくだらないことを超越してるネウロの超越っぷりをアピールするための比較対象として持ってきたって感じがします。メガネの警視庁警部とか、アヤやサイと違ってネウロからすれば本当取るに足らない存在でしょうから。

●D.Gray-man

 主人公離脱展開!

 主人公以外のキャラが立ってこないと出来ない技なんで、この作品もここまできたかとしんみり。神田、リナリー、ミランダ、ラビ、クロウリーと、エピソードごとに掘り下げてきた甲斐がありましたね。主人公外のキャラエンタメでやっていけるとの判断だと思います。実際僕なんかもエピソードラストの印象が深いミランダさん再登場なんかは喜びましたからね。

 アレンの方は、王道を行くなら、離脱してる間に修行してパワーアップでしょうかね。そして仲間のピンチに颯爽と駆け付けるという、最近のジャンプで言えば修行してパワーアップしてルキアのピンチに駆け付ける主人公一護!パターンを今から期待しておきます。是非、今話で一番アレンに想いを馳せてたリナリーを守ってやって下さい。  
 
■38号/WJ感想
 

 多忙につき今週は「みえるひと」と金未来杯作品のみで。

●みえるひと

 内容薄めでしたが、アズミママの陰魄が持つ「デカい手」を描写するのに使った1話なんじゃないかと。

 「霊となった時の思いがそのまま形に……?」

 ってことで、なんか不気味に描かれてるし、今の所敵キャラの武器であるこの「デカい手」が、実はアズミへの想いの産物だったと裏返るしんみりした話になると予想。

 先週の希望通り姫乃が合流したのは好感。明神と霊達との絡みを通しての、姫乃の成長物語の側面もある作品だと思うんで、とにもかくにも現場に居合わせるのは大事だと。せっかく居合わせたってことで、何か一役割姫乃が担ってくれたなら満足なエピソードになるかな。

●スマッシングショーネン!/第2回金未来杯エントリーNo.1

 スポーツ漫画としての面白みは感じなかったんですが、バカ漫画としてのセンスは感じた一作でした。スポーツ物とか○○物にこだわらず、この作者には日常バカ漫画を描いて欲しいなと思いました。

 とりあえず、トリ頭→鳥撃退のためのスイング→バトミントンのスマッシュの才能……という無茶なつながりがかなりバカでした。この連鎖に限らず、所々でキーになる「鳥」絡みのシーンはかなりバカでツボでした。最初の「クルッポー クルックー ポー」と鳥がめっちゃ鳴いてるコマとかウケた。頭を隠すのに帽子じゃなくてメットを使ってる辺りの小ネタの笑わせポイントも僕は拾いましたよ。そしてラストのわんさか鳥に囲まれてのクライマックスのスマッシュシーンは、その鳥効果による微妙さが、作者真面目にやってるのか狙ってやってるのかという。勿論狙ってバカやってるんですが。クライマックスのカタルシスの一撃がわんさか鳥に囲まれてという、ちょっとギャグでカタルシスを外してくる辺りにバカセンスを感じました。ラストのコマも鳥オチで、裏主人公は鳥という一作でした。あー、本当、鳥の印象が強い一作だった。

●雑感

 ジャンプ読んでる甥(小学生)を見ていて思ったんですが、やっぱ少年漫画誌としてのジャンプに載ってるバトル漫画のバトルは、大ゴマで必殺技が炸裂という単純さが子どもには喜ばれてるんだと思いました。「ゴムゴムのバズーカ!」とか「螺旋丸!」とか、はたまた「炸裂電磁銃(バーストレールガン)!」とか、バトルごっこで技名を叫んで遊んでるんですよね。大人読者は駆け引きバトルとか心理戦を評価しがちですが、そっちを評価するあまり、対照的な子ども向けの単純バトルに批判的になってしまうのは心が狭いなと改めて思った甥達の遊び風景でした。やはり基本的に子ども向け少年誌ですからね、ジャンプは。
 
■39号/WJ感想
 

 精神的に消耗してるせいか、軽めっていうか刺激が少なめで手軽に読める漫画の良さに気づいた、そんな39号感想です。

●ONE PIECE

 今まで賞金の額くらいしか強さをはかる数値が無かったんですが、「道力」なる値で戦闘力が数値化されました。武器を持った一人の衛兵の強さが10道力。これを出すために1万対1とか、敵(衛兵)の数にフォーカスがあたってたんだと納得。ルフィ、1万人撃破したら単純には10万道力ですがさてはて。「あくまで体技のレベルを測る技」とか「おれにはとっておきの剣がある」(つまり武器を付与した場合の数値は別)とか、体術だけの数値みたいですが(刀持ってるゾロとかは単純に測れないっぽい)、とりあえず麦わらサイドの数値も知りたくなってしまうのが読者のサガです。こういうのは数値が高い敵を低い仲間が協力とか工夫で倒してなんぼだと思うんで、ナミ、そげキング、チョッパーあたりで「数値じゃないんだ!」展開を見たいっス。

●BLEACH

 感情移入の矛先がすでにソウルソサイアティ組にあるので、今から隊長格が破面(アランカル)を圧倒するカタルシスに期待です。『バキ』で地下トーナメント組が死刑囚を圧倒するのを期待するような感じで。ソウルソサイアティ編では今イチスポットが当たらなかったキャラが、実はめっちゃ強かった!みたいな展開を得意のはったり演出で希望。チャド絡みで京楽春水辺りとか。ソウルソサイアティ編では総隊長と一緒に爆発して終わってしまいましたが、チャドを圧倒していた辺りのエピソードを踏まえてとか。今のところヤミー>チャド、京楽>チャドで描写は互角なんで、どうとでも展開できます。

 一護がいきなり卍解ということで、これは隊長格含めての卍解乱舞のインフレバトル、前から予想していた第三次解放なんかが期待できます。もう、BLEACHにはキャラクターアピール+王道インフレバトルで行って欲しい。それにピコっと日番谷物語なんかで「護る」テーマが継承されていくとか、その位のさじ加減を希望。

●アイシールド21

 実際の高校アメフトの大会でも敗者復活戦があるという情報を事前に得ていたのでこの展開もあり得るとは思ってましたが、ムサシ復活までが描かれた試合だったので、やはり意外でした(ムサシ、もう少し後に復活を決断しても良かったのでは?みたいな)。

 ラストの鉄馬のハっとした顔でダッシュしての膝かっくんは、ルールと試合では勝ったけど、キャッチの勝負一点では負けていたということで、モン太に対しての敬意からの行動でしょうか。無表情、何考えてるか分からないという味付けだったキャラが最後にこういう形で感情を見せるというのには地味な熱さがありました。

●みえるひと

 先週じっくり描かれた大きい手、予想に反してネガティブ描写のまま明神に剄楓、剄蘭で排除されてしまいました。もう、それ排除したら元に戻ったってくらいにネガティブ要素の固まりの如く。

 姫乃が重要な部分に何も絡まなかったのがやや残念ですが、普通に救いのある結末は好みです。ムヒョやネウロほど人が死なず(既に死んでる幽霊が登場人物だからですが)、刺激少なめで人間(幽霊)同士の関係を中心に描いてる辺り、疲れてる時には気軽に読めます。是非、おどろおどろしい刺激展開ではなく、今のペースで続けていって欲しい所。

●タカヤ−閃武学園激闘伝−

 冒頭で書いた、手軽に気軽に読めるのっていいなと今週思ったのが、このタカヤ。深く考えないで大ゴマを追っていくだけで読める漫画の良さに目覚めつつあります。昔は同じく大ゴマ連発のテニスの王子様も好きじゃなかったんですが、最近は、あー、深く考えないでパラパラ読むだけの快感っていうのもアリだよなと、見識を改めております(テニスは笑い要素も入れてくれるし)。

 閃新会なるバトル展開。これもグラップラー刃牙の最大トーナメントのような、譲れない背景を持ったもの同士が闘い、残酷に訪れる勝者と敗者の境……みたいな思想と思想のぶつかり合い的な重いものじゃなく、バトル野郎(に目覚めつつある)タカヤの成長物語程度にライトに読める話を期待。その点で新入生に限定しないで全学のバトル編にしちゃった方がキャラクターエンタメになって楽しそうかな、なんては思いましたが。お兄ちゃんとか出てこれなくなるじゃん(渚ちゃんはタカヤと同い年なんでしたっけ?)。

 ちなみにタカヤとは逆に最近個人的に読むのが大変になってきたのが実はDEATH NOTE。ポンポン人死んじゃうのが刺激が強すぎてじっくりとは読めず、毎回一読だけさらっとしているうちに、話がよく分からなくなってきてしまったという。キラは正しいの?みたいな物語序盤の話に回帰してる辺り面白くなってるんですが、読むのに非常に頭を使うというのが、漫画を読んだりするのは頭を使わないで休める気楽な娯楽時間と位置づけてる私的スタンスとブツかるようになってきてしまいました。頭使って読むぞー!と思えば面白いのは分かってるんですが、なんか、その手の心意気が退化してきております。

●バカ in the CITY/第2回金未来杯エントリーNo.3

 ギャグ漫画なんで感想書きづらいんですが、上の文脈で頭使わずに気軽に笑えた一作。読んでるうちに何回かクスリ……みたいな。ラストの編集コメント(作者コメント?)の「俺…あのギャグ漫画、意外と嫌いじゃなかったぜ…」がちょうどそのまんま僕の感想な感じ。

●テニスの王子様

 樺地ゾーンは爆笑でした。前の氷帝戦を僕は知らないんですが、これはどう決着するんだろう。最近のミスフルでやってた通り、「コピーはオリジナルには勝てない」が王道だとは思うんですが。

 樺地がコピーできないようなさらなるビックリ技を手塚が披露する展開を希望。

●魔人探偵脳噛ネウロ

 食物連鎖のピラミッドの絵が面白かったです(頂点にいるやる気ない神様とか、めっちゃランク低い弥子とか)。

 こういう、序列、差を描く話、裏返して平等主義に着地する場合が多い気がしますが、ネウロの場合は序列?順序?関係ない、我輩が興味あるのは謎の味だけ……って感じに着地する予感。

●D.Gray-man

 ミランダの能力は一時的。致命傷を負っちゃうと解除すると死んでしまうというのが酷いです。葛藤のすえにミランダが力尽きて致命傷を負った仲間が死亡なんていう過酷展開がありそうで怖いです。この作品も、僕の中で刺激強めの作品です。

●切法師

 今まで感想書いてこなかったんですが、先週、今週の疎開話なんかは地味な話ながら倫太郎の「いい人」っぷりに回帰していてほんわかと好きな話でした。作中でも「法師さまのお人好しはもはや何でもアリだな…」と突っ込まれてますけど、倫太郎の人の良さが際だつ作品です。「この務めが本当に誇らしいことなのだと…心底そう思うことができたのだ!!」のシーンの瞳が印象的で、本当「輝いてる」絵は好き。

●カイン

 本当にただ「悲しい」というだけの話だったのが残念。悲劇のカタルシスってのは一般的にも確かにあると思うんですが、僕は救いエンド嗜好なんで。一応最後に兄のこと思い出しましたけど、もう少し明確に救われるのを希望でした。

 でもとりあえず、第01話でカインがメイファの笑顔を取り戻す……という話から始まった物語が、今度は逆に仲間らがカインの笑顔を取り戻す……という話でまとめて着地しそうなのは構成がスゴい綺麗だと思います。

●どうでもいいけど

 巻末裏表紙の、「グラビア嬢と添い寝しちゃおう!」抱き枕広告が衝撃。ジャンプに載せて注文来るのかなぁ。
 

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