+2005年09月の週刊少年ジャンプ+

■40号/WJ感想
 

 体調不良中につき、今週は「みえるひと」と金未来杯作品のみで。

●みえるひと

◇扉絵/サブタイ「ヒメノ入学」
 祝入学って感じの明るさだけを押し出すのじゃなくて、黒色も効果的に使ってるのが今回の話の姫乃の翳りの部分を暗示してるかのよう。

 ……って感じで、姫乃物語の課題が描かれた回。「ひとりだったら…何なんですか?」からの、今までにない険しい表情を見せる姫乃の部分は好き。家庭環境に何かあって、実はひとりな姫乃なんだけど、本人は実はそれを自覚しながらも、どこかでそれを認めたくない……というかなり凝った感じの心情での姫乃課題スタートです。これはどう昇華されていくのかなぁ。「一人でも生きていける」ラストとか、「家族の問題も改善され、仲間との間に居場所も見つかり一人じゃなくなる」ラストとかパっと思いつきますが、今回の明神の語りの締めからすると後者の方向で話が展開していきそうでしょうか。いずれにせよ、バリバリのバトル路線じゃなくて、今回のように1話まるまる使って姫乃の成長物語、姫乃と他者の関係性物語の方の路線も押していくんだというのを示してくれたのは嬉しいです。連載開始当初から言ってますが、「みえるひと」はバトル路線をそこそこにしてそっち路線で頑張ってくれた方が嬉しいと思ってるんで。

 しかし高校入学ってことで、バトルモノ、アパートモノの要素に加えて学園モノの要素もブチ込む気でしょうか。ごちゃまぜ玩具箱状態です。ただ、人間と霊の境界を越えた友情モノの側面があるので、霊ではなく人間の友人キャラも出てきた方が話が深まると思います。なんで、学園という舞台設定はその辺りの点では丁度いいかも。女性希望。ストロベリれるような友人キャラとか出てきて、そのうち「ひとり」ではなくなっていく物語なんかが見たいです。

●魔法使いムク/第2回金未来杯エントリーNo.4

 このページ数の読切で、出会いから始めて友情が成立するまでを描くのはやっぱり難しいと感じた作品。最後、「ニコとの友情」>「魔法へのトラウマ」の図式が成立してムクが覚醒する所がクライマックスなんですが、ムク−ニコ間の友情の成立が駆け足に感じました。ニコ、がっちりムクを助けて「気にすんな、友達だろ?」なんですが、出会って初日で一緒に町回って空飛んだくらいしかイベントがないんで、そこまで崇高な友情が作られてたのを感じさせるにはやや物足りなく感じました。ムクがニコを友達に選んだのも「面白い帽子をかぶってる」というギャグ調の力技でしたし。

 型どおりでやや小物な悪役が、覚醒した主人公にブッ倒されるという王道パターンは少年漫画っぽくてスラスラ読めました。友情・努力・勝利で言うなら、友情がやや駆け足で、実は天才設定だから努力がなくて、だけど勝利はもぎ取った!みたいな流れを感じた作品でした。
 
■41号/WJ感想
 

 今週は次の号が土曜日に出ちゃうので、今回も週遅れになる前にショート感想で。「みえるひと」と金未来杯作品のみ。次号こそ普通に書けるといいな……。

●みえるひと

 アパートものらしく、新キャラの住人登場。徐々にメンバーが増えてきました。先週入れた学園もの要素の方でも新キャラとか入れて、どんどん掘り下げて各キャラ間の人間(霊)関係話を描いていって欲しいです。なんというか、もっと可愛娘ちゃんの新キャラを入れた方がいいような気はしますが。

 引きはじーさんがガクを疑うという謎かけオチですが、普通にミスリードでガク中心の救われ話と予想。ガクが言ってる「無視される悲しみ」が浄化される感じで。もちろんキーは姫乃で。タイトルの「みえるひと」である姫乃がとりあえず「みえる」ってことで無視される悲しみを無化というのは作品のテーマにそっててキレイだと思うんで。

●ナックモエ/第2回金未来杯エントリーNo.5

 「金のニオイがしだしたネ……!」

 このコマの悪人チックな主人公の顔が最高です。

 主人公が最後まで金金言ってるのがよかった。こういうのは金金言ってるけど実は……って感じで最後は慈善的にまとめるパターンが多いんですが(『ブラックジャック』パターン)、この作品は主人公が最後までマネーで押し切ってるのが良いです。

 バトル面も迫力アリで、せいぜいミドルキック→一番の見せ場(KOシーン)でハイキックという地味さがツボです。最近ではユートしかりで、こういうスポーツ(バトル)シーンが現実志向のスポーツ(バトル)作品は最近のジャンプでは流行らない傾向があるんですが(大仰な必殺技が炸裂のはったりバトルの方が受け入れられやすい)、ユート打ち切りの時にも書いたとおり、バランスとして雑誌に一つくらい現実路線の漫画があった方が、雑誌一冊で色々な味を楽しめる楽しさがあるよなと僕なんかは思ってるんで、そういう意味ではアリな作品でした。今回の金未来杯ではとりあえず僕はコレを一番におします。

 基本的には悪役を主人公がぶっ飛ばすという単純な話も読みやすくて良し。体罰教師を、マネー重視の格闘家が打倒と、なんかどっちにも潔白さとかが感じられない辺りがツボでした。
 
■42号/WJ感想
 

 今週も軽く。「BLEACH」、金未来杯作品、「みえるひと」のみ軽く。修論終わるくらいまで、WJ感想に限らず感想記事は軽めになっちゃうかもです。J-LINKSには上がらないようにしておきますんで、一つヨロシク。

●BLEACH

 日番谷きたーということに限ります。スゲー好きなキャラなんでこれは嬉しい。ソウル・ソサエティに向かう前の一護と同じで、一度は守れなかった(雛森を)というのを背負ってる辺りが、今の日番谷の燃えポイントです。この前の隊首会の時に一人だけ扱いが大きかったのもあるんで、これから焦点あたって活躍していく展開を期待です。

 本編は、主人公が落ち込んでる時に仲間と再会というのはやっぱイイですね。最後のページの「苦悩の日に――光の再会」というフレーズがぴたりな感じです。なんでルキアだけ窓から入ってくるのー!というのはバックに光を背負ってる絵がカッチョ良かったんでOKです。

●ワン・オクロック/第2回金未来杯エントリーNo.6

 すいません、先週で金未来杯終わりだと勝手に思ってたんですが、まだありました。

 本編は、夢は信じれば叶う!の少年漫画テイストバリバリの前向きさをテーマにしてるのかと思って最初読んでたので、ラストがやたら悲しい感じだったのが意外でした(後から考えれば主人公の設定からして悲しい感じを秘めて終わるのは予想できたようなものなんですが)。つーかコレは悲しすぎ、主人公が本当に救われる所まで一区切り見れないとすっきりしないよ!主人公が明るいだけにギャップで悲しいです。あー、本当に悲しい、コレは切ないと思いながら読めたので、話に引き込む力はあった作品だったと思います。

●みえるひと

 姫乃が高校に入学して、学園モノテイスト入るの?と思わせられたり、アパートの新住人登場でアパートモノテイスト押していくの?とも思わされたりしたんですが、今週はがっつりバトルモノテイスト(サブタイ入ってる見開きページなんてモロにバトルもののそれです)。色んな要素を混ぜ混ぜにしてる作品ですよね。個人的には姫乃中心の日常モノ路線を押していって欲しいんですが、どうしてもバトル要素は入れていくみたいです。

 最初バトルしてた明神とガクが今度はタッグを組んで陰魄と戦うという王道の燃え展開ですが、明神とガクの関係がまだそんなに掘り下げて描かれてない感じなんで燃え度は今イチかな。バトルの最中に何かしら描かれるのかもしれませんが。

 されど、やっぱり今週の一番の見所は、「う…つい言ってしまった」の姫乃とガクの絡みの所。やっぱり姫乃絡みの人間関係、人間と霊の関係の部分が面白いよー。
 

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