+2005年10月の週刊少年ジャンプ+

■43〜45号/WJ感想
 

 都合により携帯更新でした。

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■46号/WJ感想
 

 久々に書きます。今週はリボーン、銀魂、ミスフルあたりが面白かったです。

●HUNTER×HUNTER

 タコの“オレでもそこへ行ける”までの心情モノローグが良かったですよ。ハンターハンター、めっちゃスペックが高い登場人物同士の、高みの世界でのめっちゃ高度なバトルが中心の話になってたじゃないですか。初期にはレオリオなんかのスペック的にはそんなに高くないキャラが、そっち側のハンターの世界を目指して頑張る形の話も描かれていたんですが、ゴンとかキルアとかがある程度「達して」しまってからは(基本的に二人とも天才設定のキャラですし)、そのキルア達から見て「こっち」の世界の話が中心になって、そこに憧れて頑張るスペック的にはまだ未熟なキャラとかいなくなってたと思うのですよ。なんで、ここでそういう憧れの世界を目指して踏み出すキャラとしてタコが描かれたのは面白かったです。基本的には、リスクを取ってでも自分の目指す世界を目指すという、ONE PIECEなんかでも描かれてる、普遍的な少年漫画のテーマって感じの、夢追いの決意の話ですし。

 という感じで、キルア−タコ、ゴン−カメレオンの人、王−グンギの少女……と、三面展開で異種族理解物語が展開中。王が入ってるのが面白いです。完全にラスボスの悪役って感じで登場したんですが、冨樫漫画の戸愚呂とか仙水みたいな感じで、悪なりの人間味が少女との交流を通して付与されちゃったりするのかなぁ。

●BLEACH

 井上、序盤は天然ゆえに恋愛に疎いような描写もあったんですが、今では立派に恋愛感情から嫉妬心を抱くまでに成長。成長っていうか心情に機微のあるキャラに。ここまで心理的な課題が描写されると、それを克服した時に描かれるカタルシスに期待が高まります。ソウル・ソサエティに行く前の、たつき絡みでの井上覚醒の所はかなり面白かったんで、井上、第二覚醒に期待。巨乳−巨乳状態だった井上−乱菊の展開にも期待。

 バトルパートはワラワラと敵キャラが出てきました。これにソウル・ソサエティ編で培った仲間の隊長格、副隊長格をぶつけていくだけでもう10巻分くらいはバトル漫画として引っ張れそうです。隊長格がやっぱり強かった!のカタルシスで勝利するのは普通なので、井上、チャド、石田あたりが成長した上で勝った!みたいな話の方が見たいかな。成長編、修行パートすら描かれてないのでまだまだ先っぽいですが。BLEACHなら覚悟一発で戦闘力が上がりそうですが、そこは成長パートを入れてくれる方を希望。

●魔人探偵脳噛ネウロ

 ヒステリアの話の時も感じたんですが、メガネの警視庁警部の一見論理的な推理がネウロの指摘通りにビルが爆発して一発で瓦解したり、今回の一見異文化理解とかいいこと言ってた外人さんが次の瞬間犯人になったり、そういう良さそうなことを言ってた人をネウロが高みからぶった切るシーンでカタルシスを感じさせるのが一つある漫画だと思います。傲慢、高みからの嘲りと紙一重なハズなんですが、何故かネウロは読んでて不快な感じはしない。アヤとかサイとか、本物には敬意を抱いて接してる描写もあるからかな。
 そんな感じで、脳がどうこう言ってる危ない学者キャラもネウロにぶった切られるのではないかと予想。アヤとかサイ並に認められるキャラではなさ気だし。

●大泥棒ポルタ

 前回では信頼を寄せられてたカスケが早速ミス。天才二人コンビの話というよりは、ネウロと弥子、ムヒョとロージー的な、高みにいる一方が牽引してもう一人の成長キャラの方が成長していくタイプのコンビなのかな。

 今回のギミックはあっさり目で印象薄し。ビックリ道具をギミックにしちゃうと、ドラえもん的になんでもアリまでインフレしてしまいそうなので、読者に既に提示されてる既存のモノ、状況、地形とかを生かしてミッションをクリアするタイプの話を希望。

 あとはタカヤで土建屋に乗り込んだ時もですが、お金を悪者が持ってるアイテムとして描きすぎ。成金悪役は一つの型なんでいいんですが、正義サイドのお金持ちの話も読みたいなーなんて思っております。少年漫画では作りづらいのかな。

●家庭教師ヒットマンREBORN!

 仲間パワーで逆転!王道ながらやっぱりイイですよ。友情・努力・勝利の友情の部分です。特にファミリーをキーワードに色んなキャラ同士の関わりを中心に描いてきたリボーンなので(ギャグチックにですが)、こういうバトル編でその辺りが生きるのは面白かったです。「仲間」に「ファミリー」とふってる最後のリボーンの台詞にちょっとグっときたり。普段コメディーの漫画にときおり入るイイ話系の話には弱いなぁ。

●銀魂

 こっちも仲間パワーで逆転!剣ならまだあるぜ、ということで新八の剣で状況打破。とっておきの「剣」は、第1話から入ってる「決して折れない刀」と同じ、銀魂のシリアスパートのテーマを担ってるキーワードだと思うので、その剣が新八の剣だったってことで、この漫画も大事なモノは孤高のモノじゃなくて仲間の力って辺りに着地しそうです。シリアスパートの話は大抵銀さん一味の絆が強まってまとまることが多いですし。
 しかし、ギャグパートの話は毎回楽しいんだけど、感想はシリアスパートの話の方が書きやすい漫画です。

●Mr.FULLSWING

 仲悪かった男同士が、拳で語り合ってお互いを認めるパターンのこれまた王道話です。仲間パワーで逆転とか、ぶつかってみて相手を理解とか、王道のパターンに今週はやられてます。もうこれは、もともと力はある者同士が認め合わないがゆえに力を発揮できず、理解過程を経て認め合った瞬間に強力になって強敵を打破というのは今まで何回も見てきた感じだけど燃えるパターンです。これ一戦一戦丁寧にやるのかな。もう、一番いい所は描いてくれた感じなんで、スカっと倒しちゃって次に進めて欲しいです。

●タカヤ−閃武学園激闘伝−

 今思えば、「激闘伝」ってついてるから最初からバトル路線でいくつもりの漫画だったのかもしれません。
 されど、なんかそんなバトル路線から一歩引いてギャルギャルしい話に突入。主人公が複数の女性にモテモテというギャルゲーチックな話に入るのか!?と思いきや、いきなり女同士でバトルになるのはちょっと面白かった。普通のラブコメではいきなりバトったりはしません(いちご100%でいきなり東城と西野がバトル!?みたいな)。
 でもこっちの路線の方を歓迎。がっつりシリアスにバトルって感じよりもコメディー色が強くなった方が僕的には読みやすいです。
 
■47号/WJ感想
 

 とりあえず6作品だけー。リボーンが面白かったです。

●大泥棒ポルタ

 「作戦会議開始」と、「時としてひとかけらのアイデアは千発もの銃弾を凌駕する!」って毎回やるんだ。主人公の特性(アイデアで勝負する主人公)を表明するかのような決め台詞が毎回入るというのは燃えます。この決め台詞が毎回出てくるのからも示唆される通り、能力バトルものに移行するんじゃなくて、あくまで主人公らがアイデアで勝負するミッションものでいってくれるみたいで嬉しいです(HUNTER×HUNTERも念が出てきたの途中からだから油断はできませんが)。なんか、バトルものが多いジャンプなんでこういう路線は気分が変わって読んでてスゴく楽しいですよ。『べしゃり暮らし』と合わせて今回の新連載2本は両方バトルものじゃない面白さで好き(森田先生もろくでなしブルースみたいなバトルあり漫画もかけたハズなのに、あえて「笑い」がキーなんていう変化球できたのも好感)。ポルタは後はキャラ人気出るくらいの魅力的なキャラクターが出てきて、ポルタらとの楽しい絡みなんかが入ってくれば受け入れられるんじゃないかなぁ。僕的にもそういう展開を希望。

●テニスの王子様

 雷の描写が入った所は、一瞬樺地に落ちて、雷パワーを樺地が吸収したのかと思いました。ラケットを持ってる手が常にスパークしてるという、激しくエネルギーに満ちた百錬自得の極みバトルだったのでうっかり誤読。

 実はこのバトルはかなり好きでした。樺地が百錬自得の極みまでコピーして次回に続くとなった時は色んな意味で次回がワクワクで気になりました。オチは天候によるアクシデントオチという、この微妙にスカっとしないオチがむしろテニスの王子様では新鮮というのがイカしてます。コピー不能な新たなる手塚の必殺技でも出るのかと思ってましたよ。

●家庭教師ヒットマンREBORN!

 面白い!第01話から出てて、一応作品のメインギミックのハズだった「死ぬ気弾」を、使えるのは一発のみという状況でどこで使うかというハラハラ状況。しかも真・骸の口からツナの謎伏線が。

 「神の采配とうたわれ、人を見抜く力に優れているボンゴレ9代目が後継者に選んだのは、僕の予想をはるかに超えて、弱く小さな男だった…何なんだろうね彼は」(骸)

 ボンゴレ9代目が見抜くほどの何かツナなりの力がツナには隠されているということですよ。ダメツナというニックネームに象徴されるように、周囲からもダメ人間と呼ばれてたがゆえに、セルフイメージが低かった少年が、何かしら自分の中の力を発見するというシチェーションは燃えシチェーションです。これ、だから風太が近くにいるんじゃないの?風太のランキングで、なんらかのランキングにツナは1位で記されているという展開を予想。誰にでも良いところ、その人なりの得意な能力があると、世間でも言われているイイ意味での人それぞれ価値観にもマッチしますし。ゆえに、死ぬ気弾は偽・骸で使用、真・骸はツナの独自の力で撃破展開を希望。だったら熱いと思うんだけどなぁ。

●魔人探偵脳噛ネウロ

 ネウロ定番の小物犯罪者が松井ビジュアル化する回。犯人と暴かれてからの、松井ビジュアルでの変身っぷりが心地よいです。ギャグと取るなら取ってくれい!くらいのエンターテイメント精神を感じます。

 真相が暴かれてから犯人が変身してバトル編に突入というのもお約束になってきました。ドーピングコンソメスープ以来、小物は悪意のビジュアル化&バトル編の敵の如く襲ってくるというパターンが確立。推理モノの雰囲気とバトルモノの雰囲気と一粒で二度美味しいといえば美味しい。

 そういう小物がいる一方で、アヤとかサイとかの大物は、真相が暴かれてからの反応もまた違っているというのが大物感を際だたせます。大物の方はむしろネウロや弥子に敬意を示す感じ。小物はネウロと一緒に見下す感じで、大物は敬意のやりとりを共有する感じで、そういう楽しみ方が一つの楽しみ方かなぁ。

●タカヤ−閃武学園激闘伝−

 渚ちゃん登場見開きかよ!真極・螺煌旋炸裂シーンと同じ扱いです。破壊力のベクトルが違いますが。
 渚ちゃんはワリと完璧超人の学園内でもアイドルキャラということが判明。そんなアイドルが僕のことを好きなんて…というホクホク感でせめる模様です。逆にライバルキャラがアイドルで、だけど僕は完璧でもなんでもない身近な幼なじみが好き……みたいなホクホクでせめる場合もあると思うんですがタカヤは前者の模様。
 このままユートピア漫画でいって欲しいかな。女の子はみな主人公に好意を持っていて、主人公は頑張り屋で、闘った相手とは友情を深めて、でもって時々出てくるイヤな悪キャラに対しては皆が仲間パワーで対抗という。ディープな軋轢とかすれ違い話で見せるよりもそっちの方がいい。なんて心配するまでもなくタカヤは最初からべりーライト路線ですが。

●みえるひと

 うう、残念ながら掲載位置からして生き残れないっぽい。この掲載位置にして過去編というのがまた打ち切られそうな感じに拍車をかけます。過去編、姫乃が出てこられないのがイタイです。
 好きだったんだけど、主に姫乃の魅力と、姫乃に関わる霊との関係を描く話が好きだったゆえんでした。なので、最近のバトル要素を押し出すようになってからの展開は僕的にもいまいちノれませんでした。姫乃の入学話が一番ピークで面白かったんで、明神の謎を掘り下げるよりは先に姫乃の謎の方を掘り下げて、視点キャラの姫乃の重要度をもっと上げてくれてればまた面白かったんじゃないかなーなどと思うんですが。本物の明神が激しくオッサンでビジュアル人気取る気がさらさらない辺りは面白かったです。
 
■48号/WJ感想
 

 久々に月曜のうちに読み終わりました。リボーンの今の話が好きです。普通に先週、今週とワクワクして読めました。

●ONE PIECE

 「「ギア」「2(セカンド)」」(ルフィ)

 突然のパワーアップ!ルフィは修行パートとか無しでいきなりパワーアップするタイプの主人公でしたか。ゾロなんかは結構修行してる描写が入る漫画なんですが、今回のルフィはそのあたり一切不明のままのパワーアップ。次回が気になる引きです。

 「信じがたい身体能力だ」とブルーノが言ってたあとにこのパワーアップなので、この辺りで身体能力を数値化してた「道力」なんかが絡んできてルフィの強さが示されるのかなぁ。2があったら普通に3もありそうですが、シュシュ、ドクンドクンという描写が体に悪そうなので、無難に強くなるけど体に負担がかかる設定と予想。

●BLEACH

 こちらもいきなりのルキアの斬魄刀解放。袖白雪(そでのしらゆき)。ルキアの斬魄刀は、本誌内のいつかのBLEACH特集でも謎として取り上げられてたファンの間ではデフォルトの謎だったんですが、普通にもっとタメのイベントが入ってから大々的に登場となるのかと思ってた。恋次らに抱いてた劣等感とか、てっきりその辺りの精神的な課題が克服された時に合わせて登場するものだと。白哉との課題が一区切りついて、とりあえずの居場所を見つけて、ひとまず色々と克服されたゆえにここでの登場でしょうか。これは、もう一段階何か精神的なものが克服された時に合わせての卍解登場を期待します。今のノリならルキアの卍解までいきそうだし。氷結系だったのは雰囲気にマッチしててクールでした。

●ムヒョとロージーの魔法律相談事務所

 ロージー修行編に。こっちは突然ギアが入ってパワーアップではなく、地味にムヒョと離れての修行編を経てのパワーアップになりそうです。突然型はサプライズがありますが、地味な修行型は積み重ねの時間をキャラに感情移入しながら味わえる良さがあります。

 ムヒョが何故ロージーを選んだのか?という一つの謎で引っ張ってるんですが、その謎の片鱗を過去編の出会い編で明かそうというのが凝ってる構成で好みです。実に、意味のある過去編。現代でもロージーはムヒョの考えてることが分からなかったり、成熟したパートナー同士ではないんですよね、それゆえに、それ以前の過去ではどうだったのか、今以上にお互い距離があった中で、ムヒョはロージーに何を見たのか、すごい気になる展開なので楽しみです。魔法律バトルよりもこういう話の方が好きです。

●べしゃり暮らし

 普通に、圭右の自分が一番面白いという不遜な部分が薄れて、純粋に人を笑わせたい、楽しませたいという所に回帰していく話なんじゃないかと思っております。少なくとも、最終回は、オレが一番のお笑い芸人だ!という優劣の中での終わり方ではないような雰囲気を今から感じてます。
 辻本くんとは普通に最初つっかかって対立して、後に二人の方がなお面白いと笑いのために認め合っていく方向じゃないかなぁ。今後の展開の重要イベントに校長のヅラが使われると予想。クライマックスで、ヅラ。

●大泥棒ポルタ

 釣り鐘だから中に入っちゃえば……といのは少々バカっぽいながらもなるほどと思いました。毎回こういうヒネリがワンポイント入ってると嬉しいです。
 最後、おじいちゃんのもう一つの本当の想いを直接サクライに言葉では伝えずに、彫像だけ取り返して去っていくというのは結構じーんときました。ムヒョなんかもですが、孤高な感じのキャラがときおり見せる人情的な側面というのには弱いです。イイ話じゃん、これ。

●家庭教師ヒットマンREBORN!

 「死ぬ気になるのは、今しかねーぞ」(リボーン)

 読切で初めて死ぬ気弾の設定見た時に、自分もたまには死ぬ気になるのも大事だよなーとしみじみ思ったのを思い出しました。そんな昔を思い出してしみじみしちゃうくらいに、過去最高に盛り上がる感じでの死ぬ気弾使用(弾数一発のみという制約がやっぱり盛り上がります)。仲間の窮地にギリギリで主人公到着はバトル漫画の王道ですが燃えます。普段コメディーの漫画ががやるバトル編。バトル嫌だなと思う時もあるんですが、今回のリボーンはすげー楽しめてます。色々、王道の燃え要素をつぎ込んでるからかなぁ。
 予想通り死ぬ気弾は偽・骸戦にて使用。残る生身のツナでの真・骸との対峙を楽しみにしますよ。

●魔人探偵脳噛ネウロ

 このエピソードの序盤に描かれた弥子とネウロの良質な(ギャグチックでしたが)異文化理解観と、外人の人の歪んだ異文化理解観とを対比させたエピソードだったってことですかね。異文化理解をどう回収するのか楽しみだったわけですが、歪みを含んだ敵キャラをぶっ飛ばすという分かりやすい形だったので満足。
 一方脳の方のトピックは持ち越し。作品タイトルに脳噛ってついてるくらいだから結構ひっぱるのかも。怪しい教授の人は気になります。実は小物でネウロに一蹴されるのかとも思ってましたが、次の登場に引っ張ってるあたりそうでもなさそう?ビジュアルがカッコいい系ではないんでアヤやサイ並にカッコよく描かれるということは無いとは思うんですが。どちらかというと邪悪なポジションでの再登場を希望かなぁ。

●みえるひと

 本当の明神と明神との絆ができあがるまでを描いていて、そのバックグラウンドにあるのはお互いに「みえるひと」であるというエンパシーだというのは丁寧で過去編としてはかなりステキだと思うんですが、如何せん本当の明神がオヤジなのが(笑)。『るろうに』に『BLACK CAT』にとWJでは使い古されてる感があるとはいえ、やっぱり主人公過去編では王道に、守れなかった女性の話を見たかったなぁとも思ったり。守れなかったオヤジの話ですよ、『みえるひと』は。オヤジ好きな人にはたまらない話かもしれません。オヤジ好きマーケティングって!
 

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