+2005年11月の週刊少年ジャンプ+

■49号/WJ感想
 

 週遅れにならないうちに簡単に。

●ムヒョとロージーの魔法律相談事務所

 ムヒョがどうしてロージーをパートナーに選んだのか、その理由の片鱗が描かれるであろうこの過去編。今週の話でチラっと入ってるのではリコピンマンの大冒険を話題にしてるシーンだけかなぁ。でもこれだけではまだよく分からず。当然のように一イベント起こったので、その中でさらにロージーを選ぶ理由になるような部分が描かれるのに期待。リコピンマンがもう一度キーに使われるんじゃないかと予想。

●家庭教師ヒットマンREBORN!

 ツナが「あなたはそんな悪い人じゃない」と言う所でリボーンの表情が隠れてるコマがイイです。なんか、ツナのツナなりの良さ、特性をリボーンは分かってて静かに笑ってる感じ。先週も書いたけど、切り札の死ぬ気弾を使っちゃって、素のツナとしてラスボスに挑むという、ツナなりの特性が発揮されそうな燃え展開。次号巻頭カラーでクライマックスです。ラストエピソード的な盛り上がりですな。

●みえるひと

 二人とも霊達が「みえるひと」だったというのが、真・明神と明神との共通点であり、絆の源泉だったわけですが、最後はそこに回帰して自分たちには「みえる」誰か(霊達)のために戦うというのを真・明神から明神が受け継ぐという過去編のラスト。作品のタイトル「みえるひと」に強力にかかってるのがイイ感じ。タイトルを担ってるのは姫乃の側面が強いのかなぁとも思ってましたが、こうして描かれるとやっぱり明神もズバリこのタイトルにハマる主人公なワケですね。
 本当の名前、冬悟はどう使われるのかなぁ。『Waqwaq』の神さまみたいに最後まで本名が明かされないまま終わるというのもアリなんですが、こうして出てきたからには最後は受け継いだ明神という名前よりも、俺は俺、冬悟として戦うみたいな話が描かれるのかなぁ。掲載位置から次の改変期あたりで終了が予想されるんですが、姫乃も含めて冬悟ら「みえるひと」チームが、「みえる」霊達をうたかた荘で守っていく、本当の明神から受け継いだテーマを、今度は自分は自分、冬悟として引き継いで活動していく、そういう所に着地していけば綺麗じゃないかなと思います。霊が「みえるひと」と善良な霊達との関わりを描くのが当初からこの漫画のメインでしたから、そこを守るという所に落ち着いてくれればと。
 
■50号/WJ感想
 

 ボーボボにちょっとウルってきました。

●ONE PIECE

 ロビン物語!

 ロビンの心情は、

 アラバスタにて:もう死にたい(私の夢には敵が多すぎる)←ルフィが強引に救う
 空島にて:歴史をラフテルへという目的を見いだす(生きる気になる)
 現在:またもう死にたいと言っている

 という風に変遷してると思うんですが、空島で目的を見つけて、続くデービーバックファイト編では結構明るかったりしたんですが、今ではまた死にたいなんて言い出してるんですね。青キジの件とか、政府関係者との接触とか、色々な要素はあるんですが、一旦活力を取り戻したのがどうしてまたこういう風になってしまったのか、今の所詳しくは明かされてないと思います。なんで、そろそろロビン過去編が入ると予想。既に「オハラの悪魔達」云々というロビンの過去話への伏線は入ってますし、やっぱり1エピソードやるんじゃないかと。ONE PIECEお得意の感動テイストの過去編のノリでお願いしたいです。

 ロビンの復活は是非とも「夢」に回帰して欲しいなー。ONE PIECEの主要テーマは「夢」と「仲間」なんで、今回のエピソードはさんざん「仲間」については掘り下げて描いてきたんで、もう一つの「夢」にまとまっていって欲しい。生きる気力を無くしてるヤツが取り戻す、生きる原動力としての「夢」。歴史、真実が知りたいと、ロビンの原点は既に何度も描かれてるんで、そういうのに回帰しながら復活して欲しい。ロビン好きです。

●魔人探偵脳噛ネウロ

 弥子が異質な存在であるネウロと出会って、それをきっかけに異質なものを理解していくプロセスを描いてる……というのが一つネウロの物語だと思うんですが、異質なモノを理解するにあたっての「寛容さ」にまつわる話という感じ。自分と異なるモノに理解を示すには大なり小なり寛容さが必要となります。

 で、今週、弥子は今の吾代がイイと、寛容さを是とすることを言って、一方で今回の吾代は心が広くなる(寛容になる)のは負けを認めることだと、寛容さを非とするようなことを言っているという。その違いが話の起点なんだと思います。

 でも、これ、異文化理解イイじゃん的な弥子語りが何度も入ってるこの作品からすると、作中是は寛容、理解の方だと思うので、吾代は少なくとも弥子とネウロに関しては「認める」方に落ち着いて決着するんじゃないかな。一つ、少年漫画ノリでピンチに駆け付けてちょっとだけ活躍する吾代さんが見たいっス。

●ボボボーボ・ボーボボ

 なんか、ギャグなんだけどちょっぴりホンワカする仲間達の一時別れ話。これ、第2部は燃えパターンの定型の一つである、仲間再集結物語から始まるんだろうか。仲間再集結物語はオヤジ復帰物語とかけ合わさると燃え度倍増という法則があると思うんですが(昔名を馳せたヤツが、今はオヤジになって落ちぶれてて、だけど何らかの目的のために昔の仲間が再び集まってくるうちに復活するパターンの話が好き)、オヤジ化しないかな。数年後から始まって、ビュティもお嬢さん年齢になってたり。まあ、どう始まろうとハジケギャグ漫画なんでなんでもアリなんですが。DEATH NOTE第2部が始まる前に比べて、小出しにする前情報も何も無さそうです。

●ムヒョとロージーの魔法律探偵事務所

 結局ムヒョがロージーを選んだ理由は断片的にしか明かされず。でもまあ、霊を封じた後の会話の場面で一つやんわりと描いてるんでしょうな。一般論ですが、行動動機が純粋、シンプルなヤツというのはやっぱ採用したくなります。そんな感じでコンビ誕生。天才と凡人のコンビです。天才と凡人を題材にした作品はアイシールド21を含めて沢山ありますが、ムヒョとロージーでは乗り越えたり打倒すべき対象としての天才が描かれているわけではなく、仲間として一緒に協力していける存在としての天才がムヒョというキャラで描かれてるように思います。天才、戦うよりも、仲間にいた方が嬉しいです。そんな意味で、なんか仲間パートが安心できる漫画です。

●大泥棒ポルタ

 女性キャラとしてサクライがレギュラー化っぽいです。あとはどれくらいキャクター人気が取れるかどうか。ジャンプで生き残るにはキャラ萌えとバトルが大事だと思うんですが、とりあえず、女性キャラを早めにレギュラーに入れたのはその辺りのキャラクター要素は踏まえてる感じです。一方でバトルの方は、今回あわや横取り屋ジャックとポルタがバトル?という場面がありましたが、ギリギリでバトル漫画ノリにはならず、ポルタが知恵の方を使って回避。人気のためには上手くバトル要素を入れていくのがジャンプの王道だとは思うんですが、この漫画はあえてそっちの方はセーブして突き進んで貰いたい。せっかく第01話からアイデアで勝負する主人公というのを描いているので、是非ともそっちの路線堅持で。人気は出なくても僕はそっち路線を応援します。

●タカヤ−閃武学園激闘伝−

 あんまり目的とか夢とか無かった少年が、自分の本当に大好きなことを見つけるまでの話だったと思うと綺麗にまとまってると思います。バトルする理由が、悲しい過去を原動力にしてとか、強い信念からとかじゃなく、単純にやってると楽しいから、本当に好きでワクワクできるからという、まったりしたモノなのが『タカヤ』らしいです。結構重い理由で戦ってる登場人物が多いジャンプにおいての、ソフトでライト路線のバトル漫画。こういうのも雑誌に一つくらい連載していてイイと思うんですが、掲載位置は後ろになってきました。今のトーナメントの話でラストかなぁ。だったら今回の好きなこと(バトル)発見!でまとめちゃっていいなと思います。
 当初の設定の、閃武学園では、武力以外でも力ならなんでも認められるという要素が薄くなっていったのは個人的にはちょっと残念。武力バトルだけじゃなく、色んな要素のバトルの話なんかも見てみたかった。そう言う意味ではこの前の渚ちゃんのアイドル対決は結構好きでした。料理人志望のお友達をまた出して料理バトルとか、なんでもいいんで、いろんなバトル話を描くという作品も見てみたかったです。

●みえるひと

 掲載位置的に終了が近そうですが、ラストバトル前に明神と姫乃の絆をもってきたのは良かったです。というか、短いのが惜しいですが、綺麗にまとまりそうじゃないですか。姫乃もラストバトル地に行くということで、最後に姫乃の語りモードのシーンを入れれば、姫乃が両親と疎遠な辺りの謎なんかも回収可能なように思えます。
 境界モノの王道のクライマックスです。赤い血の人間と黒い血の人間(Waqwaq)、人間と未確認生物(未確認少年ゲドー)って感じの異なるモノ同士が物語を経て絆を深め、最後に一緒になって強敵に立ち向かうという王道。そのノリで、人間と霊が混ざってラスボスに立ち向かうという、本当王道に王道な最後の「どう思う?“ガクリン”」「そう思います」のラストシーンです。
 でもWaqwaqもゲドーも打ち切られて、みえるひとも今終わりそうなんですよね。境界モノはジャンプ読者にはウケが悪いのかなー。僕は好きなんですが(武装錬金も人間とホムンクルスの境界要素が入ってましたね)。
 
■51号/WJ感想
 

 「みえるひと」がバトルオンリーだったせいか、今週は感想書くモチベーションが上がらなかったんですが、とりあえずONE PIECEとムヒョロジだけは今回なんかしんみりと思う所があったんで書きます。ONE PIECEの最後の仲間勢揃いの見開きは普通に揺さぶられるものがありました。ウォーターセブン編で今までの仲間がバラバラになるエピソードを長期にわたって描いていて、バラバラゆえ、迷いゆえに一度は敗北、そこから物語を経て目的が一致して全員集結というのが熱すぎ。ワンピ、ここ数巻単行本買うの後回しにしてたけど、またまとめて買ってこよう。長期エピソードのクライマックスは尋常ならざる盛り上がりをみせる漫画です。

●ムヒョとロージーの魔法律相談事務所&ONE PIECE

 どっちもロージー、ロビン、それぞれが心理的にボロボロの所にいて、これから復活……という所の話ですよね。

 まずロージーの方は、

 「僕が今するべき事は――僕の事を知る事なんだ…!!」

 ってことで、自分を見つめ直すことで復活していくプロセスを描く話になりそうです。これ、自分の特性を探したりする作業、現実では就活の直前に必要にかられてやってみた経験が……なんて人が多いと思うんですが、ダウン気味、逆境気味の時にやってみると少し復活できるというのは個人的に経験があります。特に自分のやりたいことを再確認したりして少し気力が復活した経験が。なんで、ちょびっと今のロージーに共感。共感できると読むのが面白くなります。もともとロージーは読者視点キャラってのもありますし、素直にノって読めます。

 で、ワンピのロビンの方は、死にたいとか言ってるんで、ロージーよりももうちょっと重傷っていうか、かなりボロボロっでダウンな状態。ここまで来ると、自分を見つめ直すとか独力で復活は大変。自分を知ること……なんて辺りは通過した上でのボロボロって感じです。こういう人を復活させるのには、やっぱり今回のように有無をいわせずダウン気味の場所から引っ張り出してくれる仲間の存在っていうのがやっぱ大事なんだと思いました。本当、こういう仲間が欲しい。基本的にはアラバスタで生きる希望を失ってたロビンをルフィが強引に連れ出したのと同じく、ロビンの言い分を聞かないくらいにロビンがピンチの時には陽の方向に引っ張っていってくれる仲間が……というシーンですよ。ちょっとじんと来る仲間の絆が描かれたシーンでした。

 予告をあんまり信じるのもアレですが、目次の次週予告に、次号はONE PIECE巻頭カラーで、「ロビンの過去が……!?」という文字があるんで、予想通りロビン過去編が入りそうで楽しみです。ロビンの過去、内面が描かれた上で、仲間達が強引にロビンをネガティブな場所から救い出す。そしてロビンも復活する。そういう話を読みたいです。ロビン復活回もカタルシス大きそうです。今から期待。
 
■52号/WJ感想
 

 ONE PIECEついにロビンの過去編始まったー!と一人喜びしてた52号。ONE PIECEだけは月曜の朝のうちに読んでいて、その日は朝からテンション上がっておりましたよ。

●ONE PIECE

 冒頭で書いた通り、ついにロビンの過去編始まったーっ!と一人盛り上がりな今回。切なくパンかじって家事こなしてる所から、オハラ図書館で考古学者達に迎え入れられて破顔する流れまでで大満足です。まじ、数年くらいこの過去編を待ってたんじゃないだろうか。挿入されるタイミングも文句ないんで、是非ワンピらしい密度があって最終的には泣かせる過去編にして欲しいです。

 地図の上から眺めるような世界の見方をロビンが非してましたが、世界を地図から眺めるように俯瞰して見るか、実際に現場に立ってフィールドワーク的に見るかの対立がバックに。ロビンは勿論フィールドワークタイプの学者であることが今まで描写されています。っていうかONE PIECE自体がフィールドワーク的な面白さを是とする漫画です。新しい島につくと、必ずその島独特の風土、環境をルフィ達が体感して、フィールドワーク的な面白さを表現してくれます。上からごちゃごちゃ言うよりも、実体験していこうという漫画です。

●アイシールド21

 昔ハァハァ三兄弟絡みのシーンで、TVからオンリー1万歳の歌がちょっぴり(作中的に)批判的な感じで流れてるカットが入ったのとか、しつこく描いている凡才の努力とか、無条件で得られるということに関しては厳しいメッセージを発してる漫画です。なんで、瀧、無条件で神様から愛されてるというのが否定されて、自分の力、努力による高みへという1話。ラスト2ページはすこぶる熱いです。

 アイシールド21は時代のエースナンバーで複数人いると謎が判明。でも時代に一人だから、セナのこの時代の本物はやっぱり一人いるわけで、その一人が今後どこかで出てくるのかな。まだ、本物アイシールド21が明らかになる!というサプライズ回が入る余地は残ってます。

●べしゃり暮らし

 バトル漫画で勝つか負けるかハラハラして過程を読む感じで、圭右のギャグがウケるのかスベるのかでハラハラしながら過程を読める漫画です。圭右と辻本はやっぱり理解しあってコンビになっていく感じ。辻本側からの歩み寄りイベントが次あたり起こりそう。

 ヒロインの女の子が、最初下ネタの圭右に対しては非する感じだったのに、校長の横暴というイベントを得て、今回のラストでは「グッジョブ」と圭右支持に裏返ってるのが面白いです。体張って自分支持に巻き込んでいく圭右は少年漫画の主人公の王道を行ってます。

●BLEACH

 一角なんてサブキャラでこんなに話数引っ張って魅せてるのが凄いです。長くやったソウル・ソサエティ編のキャラクター紹介作業が花開いてます。一角でこれだと、ソウル・ソサエティ編の隊長格全員に見せ場つくったらどれだけ続くのかという感じです。バトル漫画であと数年はやれます。でも、BLEACHはもうバトル漫画路線と定めたようなのでこれでヨシ。

●ムヒョトロージーの魔法律相談事務所

 本格的にムヒョなし、ロージーだけパートが開始。天才ムヒョが魔法律で霊を倒すカタルシス抜きで、ロージーの頑張りとか努力の描写でも読者を引っ張っていけるとの判断でしょうか。

 ムヒョの変わりに最低限ロージーの仲間になるキャラが出てこないと話が展開しづらいと思うんですが、今井さんがそのポジションに収まるのかと思ったら、どうもこの辺りで一時ロージーとは離れるっぽいです。となると、今回出てきたリリー・マリル兄妹がそのポジションかなぁ。

 リリー・マリル兄妹にめっちゃカップルにされてましたが、ロージーと今井さんのペアはかなり好き。今井さんカムバックぷりーず。

●タカヤ−閃武学園激闘伝−

 ツライ時に「頑張れ!」って言ってくれる彼女か、「休んで!」って言ってくれる彼女か。どっちもありがたい言葉なんで優劣は無いと思うんですが、渚ちゃんは前者。バトル野郎になってきたタカヤとは相性が良いです。もう一人ヒロインがいて、そっちは「休んで!」て叫ぶとか、対比になるとまた面白かったかも……とちょっと思いましたが、この前ヒロイン勝負とか見ても、タカヤのヒロインはイケイケタイプの人が多いんでそれは無いかな。あんまり負の感情、後ろ向きな感情が出てこないのがタカヤの魅力なんで、やっぱり渚ちゃんが「頑張れ」って叫んで少年主人公たるタカヤが根性で復活……で良いのか、やっぱ。
 

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