2004年07月前半の日々の雑記

2004.07.01.(木)
■雑想
 
 昨日の深夜読了、

 今野緒雪『マリア様がみてる いとしき歳月』(前編)

 と、コレを入れて6月の読了は8冊でした。マリみては読みやすいんで必然的にペースアップ。私用時間以外で忙しかったわりには今月はよく読んだ方かと自分で納得。とにかく日中完全燃焼して、寝る前にマリみてのような軽いのを読みながら就寝というのは気分的に良好なサイクルを作れることが分かったんで、まだマリみても読んでない既刊分があるし、7月もこのサイクルは続行したい。

 で、6月終了ということで、2004年度上半期も集計。

 結果、23冊

 年間50冊を目標にしてるんでまあまあかのう。卒論忙しいとか言ってほとんど読了0冊だった去年に比べれば格段の進歩。現在など、卒論よりも数段レベルが上の課題を複数抱えているにもかかわらず、今年はちゃんと趣味用の本を読む時間を創出できている。この辺り、自分のレベルさえアップすれば趣味に使える時間は創出できるんだと再認識。どんどんレベルアップしてどんどん創出したい。

 あとは、一応、年末にやるmot×motベストの途中経過的に、半年分を振り返って私的ベスト3もつけてみる。

 とりあえず、

 3位:ネビル・シュート『渚にて』

 2位:今野緒雪『マリア様がみてる』シリーズ

 1位:三田誠広『デイドリーム・ビリーバー』

 ってな感じかなぁ。『渚にて』は読書欲をがっつり満たしてくれる名作でしたし、『マリみて』は気軽な楽しさを届けてくれて日々の生活の潤滑剤になってくれました。
 でも、『デイドリーム・ビリーバー』はちょっと別格で1位かなぁ。哲学書としても、エンタメ本としても、僕の中ではここ数年で出会った小説の中では飛び抜けてます。あと半年でコレを超える衝撃に出会えるかどうか。

 それと、おまけで漫画もつけてみましょうか。

 とりあえず、

 3位:和月伸宏『武装錬金』、緒方てい『キメラ』、島本和彦『吼えろペン』

 2位:CLAMP『ツバサ』&『×××Holic』

 1位:大場つぐみ&小畑健『DEATH NOTE』

 ってな感じかなぁ。『武装錬金』は早坂姉弟編を頂点に現在平板になってきた感じもしてるんだけど、まだまだ大好き。『キメラ』は物語序盤からずっと好きだったけど、疾風のガラハットが出てきた辺りからさらに加速して面白くなった気がする。よくある異種族理解物語と言えばそれまでだけど、やっぱ好きな型なんでハマる。烈風のタキ燃え。『吼えろペン』はある意味1位なんだけど、これを1位に選ぶと僕の人格が疑われそうなんでとりあえず3位くらいで。
 『ツバサ』&『×××Holic』は去年から引き続き僕好みの話を提供してくれて普通に2位くらい、特にHolicの言葉話は最高だったし。
 されど1位は『DEATH NOTE』かと思う。単行本買ってないんだけど、毎週日曜の夜くらいになると早く続きが読みたくてウズウズしてくる。こういう漫画は稀。あと、自信を持って人に勧められるのが嬉しい。僕の場合、僕は好きだけど人一般はどうかな……ってなことが多いんだけど、コレは自信を持って勧められる。それくらい、哲学とかサスペンスもさることながら、エンターテイメント指数が高い漫画だと思う。

 とりあえず今年度半年分はこんな感じで。
 
■雑想2
 
 『サカ猿2』の後継機、『Manke−II』が仮公開。

 Qウェル復活ッッ!Qウェル復活ッッ!Qウェル復活ッッ!Qウェル復活ッッ!Qウェル復活ッッ!Qウェル復活ッッ!

 と、およそバキを読んでるのかも分からないQウェルさんに対して烈海王ネタで祝ってみました。およそ、普段人の立場に立ってとか、相互理解がどうとか言ってる者のやる所業とは思えん。

 完結漫画応援サイトだそうです。つーかスゲ。垂金かよっ!垂金権造なのかよっ!みたいな。

 本公開となったらリンク張らせて頂くんで>私信。
 

2004.07.02.(金)
■雑想
 
 あー、ようやく一山超えました。また2、3日は気楽モードです。

 本日購入、

 和月伸宏『武装錬金』3巻

 本日はたまりにたまった掲示板のレスをするゆえ、感想は後日。
 

2004.07.03.(土)
■雑想
 
 本日購入、

 今野緒雪『マリア様がみてる チェリーブロッサム』
 今野緒雪『マリア様がみてる レイニーブルー』

 久々の休息DAYってことでつらつらと本屋なんか回ってきたんですが、結局買ったのはこの2冊だけ。今週の寝る前に読む用ですな。
 
■和月伸宏『武装錬金』3巻/WJコミック
 
 表紙のブラボーが何かメタリックでカッチョいい。(挨拶)

 3巻です。本屋では2列に渡って積まれていました。6冊しか入荷してなかった1巻の頃を思い出すと感慨深いです。まあDEATH NOTEは4列でしたが、完全美麗のL表紙に対して、なんだかメタリックな謎の男が表紙でもDEATH NOTEの半分くらいはスペースを取って貰えてるというこの漫画の地味な立ち位置が好きです。かつてはそれこそ美麗キャラで4列級の作品を描いていた漫画家が、何故か今では謎のメタル人間をノリノリで描いているというあたりに燃えるものを感じます。

●和月野ブヒ郎
 もう非道い作者絵です。自虐です。Mです。罵られたがりです。おまけにコメントはパンツとふんどしの話です。もう、色んなことどうでもいいのかもしれない。和月先生。

●キャラクターファイル
 僕の金城=戌威番神のリメイク説がその通りだったことが明らかに(当時のWJ感想参照)。結構当たるものですな。あとは桜花=巴のリメイク説が当たるかどうか。4巻のキャラクターファイルが楽しみです。

●ライナーノート
 斗貴子さんの過去に出てくる西山くんに言及。どうやら打ち切られない限りは描いてくれる模様です。
 あとは、頻繁に「脳汁」という言葉を使う和月氏。コレが出てくるとハッチャけるらしい。パピヨンスーツ登場とか、カズキとブラボーのボケ倒しの回とか、ピューピュー出てたらしい。うむ、友人知人がそんなの出してたらちょっと嫌だが、一読者としては作者の和月先生にはバンバン出して欲しい。

●本編
 カズキの闘い続ける決断、L.X.Eとのバトル、早坂姉弟編序盤の敵とは知らずお互いに関係性を作り上げていく所まで……を収録。
 内容感想は普段のWJ感想で書きまくってるので割愛しますが、とりあえずやっぱカズキはいいねェ。「無償の正義こそがヒーローの真髄と思うけど、いざ描くとなると難しい」なんて和月氏は書いてますが、カズキが闘う理由、カズキの行動原理は様々な場面に散りばめられてちゃんと描かれてると思いますけどねー。それら散りばめられていたものが、『るろうに』の時の「真実」の回みたいに終盤に収束して魅せ場を作ってくれたら最高でしょうな。
 

2004.07.04.(日)
■第23話「お前は誰だ?」/仮面ライダー剣(ブレイド)感想
 
 「こうして高い金で売られていく者がいる一方 毎年50万匹の子犬が処分されてるそうですね」(高原)

 イーグルアンデットこと高原という男が結構面白かったです。先週の猿山の前でいきなり語り出したのといい、どうも動物を見ると自分世界に入ってしまうようです。眼鏡も相成って微妙な味に。やっぱ眼鏡キャラや良し。

 そして、そんな高原が、

 「何故人間が空をッ!」

 と狼狽。

 視聴していた僕もビビりました。飛ぶのかよ!みたいな。一昨年はダークウィングと一体化して羽を生やして飛んだり、昨年は科学的にブラスターフォームが推力を背負って飛んでたりしましたが、今回はビジュアル的に何もなく、素で飛んでます。そりゃビビるよ。トンボの力を借りたという理由付けも微妙でナイス。

●始
 ハートのAのカリスとは別人ということが明らかに。「だってカリスはカードに封印されてんじゃないの?」という視聴者の疑問がようやく晴れました。どうやら、始の正体はみゆきが言うところの「封印された者の姿を借りるアンデット」の模様。やっぱりアンデットってことで、死に際の高原から「人間とはいずれ闘う運命」と、いずれ剣崎くんらと始は闘わねばならないという暗示が伝えられます。番組開始当初からキャッチフレーズが「運命と闘う」だったのでこの辺りの物語がどうなるのかは楽しみにしておきたいと思います。「運命の切り札をつかみ取れ!」だから、何かしら打開する切り札があって、切り札って響きからそれがジョーカー絡みなんじゃないかと予想しますが。もはや忘れてましたが、「Double Joker」なんて伏線もあったし。

●今週の橘さん
 「睦月ッ!」と睦月VSみゆきの現場に現れたと思ったら、傷のためか2秒後には倒れ込む橘さん。何しに出てきたんだッ!と視聴者がツッコミを入れそうになったところで、「そのカードじゃダメだ!」と睦月にダメ出し。しかしながらダメ出しの結果みゆきは逃亡し、睦月からは「橘さんが余計なこと言うから!」とダメ出しを出し返されるという素敵な状況に。もう本当この師弟は見てて面白い。

●剣崎くん
 橘さんいわく「俺たちにはない何か」があるってのは、単純にヒーロー性みたいな主人公特性の強さを指しているんでしょうか、それとも今後の剣崎くん単独パワーアップの伏線なんでしょうか。なんか、剣崎くんが1レベル上というよりは、橘さんと睦月が1レベル下なのではないかという疑念もあるんで視聴者的には微妙なんですが。
 
■第22話「ウッソー!忠太郎がママになる!?」 /ふたりはプリキュア感想
 
 「さっきの家と同じ匂いがする」(忠太郎)

 忠太郎しゃべったー!

 一瞬誰の台詞か理解できなくて、状況を把握するのに数瞬かかりました。把握した瞬間爆笑。そういうのアリなんだ。犬しゃべるのアリなんだ。

 飼い主のもとにモコは戻ってきたきたけど、ほのかのもとにキリヤは戻ってこないというしんみりした話でしたが、1話を通しての雰囲気はなぎさとほのかが目的(モコの飼い主を捜す)のために奔走するという行動的なもので、変に視聴者を落ち込ませなかったのが良かったと思います。昨日読んだ『武装錬金』@和月伸宏の作者コメントに、物語の冬になってしまう部分は短く、山を盛り上げ谷を狭くするのが少年誌の基本なんて話が載っていて、少女向けアニメも基本的にそうだろうと思ったんですが、ほのかの喪失感を描くなんていう物語の冬の部分を、完全に谷にしてしまわないで、ふたりの行動アリ、普通にバトルアリのエンタメ回にしたのはイイなーと思いました。それでいてラストのプリキュアダイアリーを通してなぎさから語られるほのかの泣いた話で、冬の部分はちゃんと伝わるという……今回の話は結構好きです。
 

2004.07.05.(月)
■32号/WJ感想
 
●テニスの王子様
 「やっと弱点見つけたよ…『風林火山』」のリョーマの台詞を話の最初に持ってきたのは、「どんな弱点なんだろう?」と謎解きの楽しみを与えてくれて普通にワクワク構成でした。「火に風をぶつける」という解答も僕的には結構意外性があって良かった。でも何か、このアイデアは惜しいと思った。ジャンケンみたいに完全に同時に出し合う設定にすればかなり面白くなりそうなのに……相手は「風」か「火」か、はたまた「山」を使ってくるか?だったらこっちは何を使うか?みたいに相手の手の内を読み合う駆け引きバトルだったらかなり面白かったと思うんですけど。テニスも本来は分身したり覚醒したりすれば勝てるってものじゃなくて、頭脳戦の要素があるスポーツだと思うし。
 あとは相変わらず何やってるかは絵を見てても全然分からないですな。「越前は自分から後ろに跳んで威力を吸収し…そしてっ!!」の後が全然分からん。「そしてっ!!」どうなったのか全然分からん。「風」を使ったってのは説明から分かったけど、バックジャンプ状態から一体全体どういう動作を行ったのかをちゃんと絵で描いて欲しかった。

●BLEACH
 残念。やちるが場を離脱してやちるのバトルは未だ見られなそうな展開に。されど一角の「ウチじゃ副隊長になれねェからって他隊の誘いに乗った腰ヌケに」の台詞から、少なくとも、射場さん、一角<やちる…という実力図が、見た目とのギャップの実力ってのは燃えるなぁ。
 何か剣八さんが負ける気がしねェ。勝つか負けるかハラハラのバトルってのもイイけど、こういうのはこういうので快感です。

●DEATH NOTE
 一瞬Bonnie&Clydeみたいな犯罪者カップルの青春劇を夢想して、小畑先生のそんな話も見てーとか思いましたが、ラスト2ページの月の悪人顔を見て、ああ青春とか無さそうだなと思いました。つーか久々の邪悪スマイルいいな。ツボに入ってきた。
 それにしても僕的に展開意外でした。しばらく月VSミサVSLと三つ巴状況が続く気がしていたので、こんなにあっさり月、ミサVSLの構図に落ち着くとは思いませんでした。というかLヤバくないか。連載当初から月のターンとLのターンを繰り返しながらトータルでは月が詰め寄られてるような状況だったのに、今回ミサちゃんが利用できるようになったことで一気に月有利に。あとはLの顔さえミサちゃんに見せればチェックメイトってことでしょ?ただまだ連載が終わる気配が無いので、次はL側の対抗策が描かれるハズで、それがまた楽しみ。例によって予想とか全然できないんですが。

●NARUTO
 実は読み始めたのがここ1年あまりということで、僕的には滅多に感想も書かない流し読み漫画だったんですが、今やってる過去話は結構好きです。独りの人間が堕ちてゆく様を淡々と描いてるのがイイ。破滅系文学のベクトルです。むしろ堕ちるんだという結末を知っているからこその魅力があります。結末さえ知らなければ、どこでどのように救われるんだろう?という点を楽しみに読んで、そのパターンも勿論楽しいんですけど、もう救われないのを知ってて傍観するのもまた微妙な楽しさがあります。
 でも、メイン層の子ども層にはここ数週の過去話はウケ悪そう。やっぱバトルバトルしたエンタメ回が子どもにはウケてると思うんで。その辺りは『武装錬金』3巻の和月氏コメントの「物語の冬になってしまう部分は短く、山を盛り上げ谷を狭くするのが少年誌の基本」って話がまた思い出されました。この過去話は明らかに冬の部分なんで、サクっと短くするか、上手く「山」要素も組み合わせながらやっていかないと子ども層は逃げていくような気がします。その辺りは『武装錬金』になってからの和月先生はあからさまですな。カズキの迷い話、早坂姉弟の過去話とか、物語の冬の部分はあからさまに短くしています。大人の読者は結構冬の部分が好きだという辺りにジレンマを感じる所なんですが、WJは少年誌なんで、まあ和月スタイルの方がイイと思いますよ、私見ですが。

●アイシールド21
 実のところ、自分もスポーツやってた経験上から言えば、僕自身は科学的トレーニングか原始的な根性トレーニングかと言われれば、明らかに科学的トレーニング派の人間でした。なんで、思想対決としては実は網乃を応援したくなってる自分がいます。ガリガリ→マッチョ化とか今回は敵として描かれてるけど、描き方次第では主人公サイドのドラマとしてもアリでしょ。その心意気や良しですよ。
 あとはライン組に焦点が当たってるってことで、タメてる燃え要素の一つ、「ライン組の奮起」が早速網乃戦で描かれるのかな?だとしたらアイシールド無しで勝利というのもアリですな。

●いちご100%
 掲載位置後ろで話もまとめ入ってたようなここ数週とはうらはらに、掲載位置も普通でノリもいつも通りの密室&巨乳路線でした。
 サブタイ「RANY見えすぎて」がちょっとヒット。詩的なサブタイとみせかけて、実質はセクハラタイトルという辺りにエロビ風味を感じてこの作品の真髄を見た感じがします。

●こち亀
 今話は古き時代のこち亀チックで好き。ボロで200馬力に挑むってのが、近代ビル街と対比される下町ってな感じで、「新」と対比される「旧」の魅力を描くこち亀っぽい。「96年型っていうとVVCも無くてたった118馬力だろ」とかマニアックな車話が入ってるのもこち亀っぽい(僕も車の話はよく分からんがこういうのは好き)。
 東京もんVS大阪もんの構図で両さんVSハルで数週引っ張ってきて、最後は東京もんの両さんもハルを応援してるって流れも王道ですが人情風味で好き。

●武装錬金
 変身ヒーローの変身とは、変わることではなく、逆説的に変わらないことなのだ、姿を変えることで変わらない心を輝かせるための変身なのだということを再認識。和月先生は本気でヒーローを描きにいってますな。まったくオリジナルなヒーロー像ってわけではなく、アメコミの系譜とか石ノ森章太郎の系譜とか、和月先生が好きなヒーローの系譜を踏まえた上で、コレが本当のヒーローだッッ!ってのを描きにいってるように思えます。敵と同じ能力を使っていること、異形であること、人間からは疎まれる存在であること、それでも人間を守ること、なんてヒーロー項目がひしひしとこの先描かれそうです。なんで、とりあえずはカズキの人間じゃなくなってしまった苦悩の話、人間一般から疎外される話は必ず描かれるハズ(これが辛苦の一つじゃないだろうか)。そして、おそらくカズキに向けられる疎外に、かつて蝶野に向けられていた疎外が絡むハズ。次章からの新展開に俄然期待。
 それと、今回はカズキと斗貴子さんのラヴ展開への始まりともとれそう。異形の者を私だけは愛してるっていうの王道だし。カズキと斗貴子さんの帰結も普通にラヴじゃなかろうか。「るろうに」も結局剣心と薫くっついたし、その辺りは和月先生はそんなに凝った変化球を投げる人ではないように思います。

●スティール・ボール・ラン
 面白い。アメリカ大陸限定の話だったのが、「ヨーロッパのある国」に話が飛んだのが面白い。今ほど交通、情報が整備されている時代じゃないからこそ、はるばる遠くの国にルーツがある主人公がアメリカでのレースに参加してるってのが熱い。ジャイロに限らず、主要参加者のルーツを徐々に明らかにしていくという手法だったら面白そう。『グラップラー刃牙』の最大トーナメント編の、試合前に各選手のルーツが明らかにされるパターンと同じで、ルーツが分かれば分かるほどに各キャラのバトルに燃えられそう。
 今まで時代背景とかあんまし気にしてなかったんだけど、1890年あたりなんだ。パリ万博の翌年くらいですか。実はかなり僕的にツボな時代の話だったんですね。これは、ドイツの参加者の技術とかで魅せて欲しいなぁ。
 

2004.07.06.(火)
■雑想
 
 最近購入、

 高橋留美子『人魚シリーズ三 夜叉の瞳』
 日本橋ヨヲコ『G戦場へヴンズドア』1〜3巻

 でもって最近読了したのが、

 榛野なな恵『パンテオン』1、2巻
 日本橋ヨヲコ『G戦場へヴンズドア』1〜3巻

 なんというか、スゲー作品を連続で読んでしまって心が飽和状態に。相対的に昨日のWJにはノれなかったのは内緒だ!

 並の活字作品以上に、珠玉のクオリティーを誇る漫画ってのもやっぱあると再認識させられた2作品でした。実力ある大人が大人向けに本気で描いた漫画ってのはやはりスゴい。

●日本橋ヨヲコ『G戦場へヴンズドア』
 これは、さらっと感想が書きづらいほどに濃密だったんで、感想は無しで。今はちょっと読み返す時間がないんですが、いずれ何度か読み返して、言語化できそうだったら感想書くと思います。
 とりあえずは、立ち位置としては都先生に憧れるかなぁ。「人格だよ」のシーンがすこぶるカッコ良かった。こういう位置に立てる人間になりたい。
 
■榛野なな恵『パンテオン』1、2巻/クイーンズコミックス
 
 「お父さんも お母さんも おばあちゃんも みんないつも 少しずつ 自分に都合良く 世界をねじ曲げて話す」

 鬼 作 

 えらく鋭い"切れる"作品です。榛野なな恵の作品はどれもこれも傑作だと思っておりますが、『Papa told me』や『ピエタ』以上に榛野氏の思考が切れてる時にネームが書かれたのではないかと思われる鋭利な作品。最高。

 榛野作品はどれもこれも既存のメジャーな価値観への盲追(もうちょっと詳しくは盲追しながらのその価値観の押しつけ)がネガティブに描かれて、それに対してマイナーな価値観を持つ主人公らが、このメジャーな価値観が支配する世界でどう自分の(マイナーな)価値観を掲げていくか?ってパターンの話がほとんどなんだけど、今作で選ばれたそのマイナーな価値観ってのが、実に「兄への愛」、無論単純な兄妹愛じゃなくて、近親相姦的な意味合いの兄妹愛。

 実 に 鋭 利 

 『Papa told me』なんかは、父子家庭という主人公らのマイナーな価値観も、時にメジャーな価値観に押しつぶされそうにもなるけれど、まあ何とか二人力を合わせて頑張っていこうよってなワリとホワホワした話だったんだけど、今回は表面はちょっとだけホワホワしてるけど実際はエラく鋭利です。具体的には、「未来なんてないかもしれない」「世界は正しく完成されている 私だけが存在してはいけないものだ」と、彰子(妹)の帰結として、既存の世界の方が変えられないのだったら、自分の世界の方を閉じるしかないと、破壊的な帰結(自殺)があり得ることが早くから提示されています。とりあえず2巻では、破壊的な帰結をもたらす重要アイテムとして、致死量のトランキライザー(精神安定剤)が彰子の手元に存在しているということが明らかにされるまでが描かれています。この鋭さ、ヤバい。

 実際には、破壊的な帰結への暗示だけではなく、作中の救い主としてもう一人の主人公ポジションの桃子ちゃんという、彰子の閉じた世界に割って入ろうとする女友達の存在も描かれているんですが、しかしながら、この作品の鋭利な所は、今のところ彰子の帰結が桃子ちゃんエンドなのか、トランキライザーエンドなのか、現時点ではどちらにも転びそうでハラハラというあたりです。マジでどうなるのかと読者を引きつけます。でもその辺りは、トランキライザーエンドが暗示されるたびに作中ポジティブの桃子ちゃんの輝きが際だつし、逆に桃子ちゃんの輝きが際だつほど、トランキライザーエンドへの破壊的な暗示が重く輝くしで、今のところ双方の魅力を高め合って作品の魅力を作り上げています(トランキライザーエンドの方を"魅力"って言うのは何か違う気もするけど、確かに昔から破滅の魅力を描いた作品ってのはある)。

 まあ桃子ちゃんがホントいい娘なんで、僕的には普通に桃子ちゃんが彰子を助け出す話が見たいわけですが、そうやすやすといかなそうな危険な香りが漂う作品です。ちょっとコレは、帰結も気になれば、所々に埋め込まれた文芸的な深みも無視できないすこぶる"イイ"作品なんで、続きを楽しみにやる気出して読んでいきたいと思います。

●補
 ・兄曰く「後々まで名を残す可能性があるのは 彰子だけだと思う」っていう彰子の文芸の才能は、彰子の閉じた世界が創作で昇華されるという帰結への暗示?救い主の桃子ちゃんが演劇という形で創作に関わっているのも伏線だろうか……
 ・それと、物語冒頭のワリと重要キャラっぽいイズミという少女は何者?未だ本編には出てこないけど、sectionAという謎の始まり方といい、どうも物語は構造的に何か仕込まれているらしい。このあたりもこの作品の魅力。

 

2004.07.07.(水)
■雑想
 
 普通に死ねる暑さです。

 あー、今日はしんどかった。暑さもその一つだけどしんどい要素が三重くらいに重なってしんどかった。寝る。


 最近読了は、

 今野緒雪『マリア様がみてる いとしき歳月』(後編)
 
■今野緒雪『マリア様がみてる いとしき歳月』(前編)(後編)/コバルト文庫
 
 志摩子さんはいつか、卒業という形ではなくリリアンを離れる気かもしれない。離れたいんじゃなくて、離れなければならない事態がいずれ起こりうる。そんな覚悟のようなものが、以前から何度も見え隠れしていた。

 作中重要イベントの薔薇様卒業話ですが、僕的には志摩子さんが気になる。栞さん、蟹名静などと対比されながら、とにかく志摩子さんはいずれ消えてしまう運命にあるような伏線が張られています。そして聖からロザリオを受け取る時の何か「事情」を言いかける描写。果たして志摩子さんが抱えてる事情とは何なのか、作中の暗示です。僕的に、志摩子さんのこの話はじっくりとやって欲しい。消えゆく志摩子さんに祐巳らはどう関わるかみたいな。大きい話でかつテーマとかもあってイイ話になりそうなんで。

●黄薔薇まっしぐら
 三薔薇様の中で今ひとつ描写量が少なめだった黄薔薇様こと鳥居江利子を中心にしたストーリー。この話でようやく黄薔薇様も他二人と並んだ感じ。
 黄薔薇様の援助交際疑惑から始まる謎解きストーリーになっています。本当に援助交際してた!っていう展開も小説の可能性としては大いにあり得るし実際そのパターンの話も読んだことある気がしますが、マリみて読者的には全キャラを可愛がって可愛がりまくるマリみてに限ってそんなパターンがあり得るはずがないというのが前提となるので、自然援助交際というミスリードから、その真相は何か?という謎解きパターンの楽しみ方になります。つーかオチ分からなかった。読み終わればなーんだって感じで十分予想できそうなオチなのに、読んでる間はマジで謎全然分からなかった。マリみてにやられてる僕はまだまだミステリ読者にはなれないっス。

●いと忙し日々
 生徒会で学校行事を成功させるために頑張る。皆で何か一つのイベントを成功させるために頑張る。そういったシチェーションにノスタルジーを感じつつ楽しめました。
 しかしながら、一番のツボは紅薔薇様こと水野蓉子の主観視点で語られる「おまけ」の1年生隠し芸場面。まじ爆笑した。ギャグ漫画読んでる時並に爆笑した。

●一寸一服
 僕も動物園で黄薔薇様みたいな娘と出会いたいです。

●Will
 薔薇様がた遺言話。黄薔薇まっしぐらで黄薔薇様に随分割いたんでとりあえず紅薔薇様と白薔薇様が祐巳に遺言を。されど白薔薇様がメインは持ってっちゃってます。ホント作者に愛されてるなー。つーか祐巳行ったーッ!でもオチ付だったーッ!

●いつしか年も
 薔薇様方ファイナル話。三人それぞれの主観視点に飛びに飛んで三人の過去話、それぞれのそれぞれに対する想いが描写される手法は見事。今回ばかりは祐巳も脇役で三薔薇様が主役です。聖、江利子共に蓉子には敵わないと蓉子リスペクトだったという心情描写が良いです。それだけに三人の関係がすこぶるカッコよく映ります。そんな中で蓉子が答辞に……おそらくここまでの作中最クライマックス。
 三人の別れ際はお互いに濃い台詞を言い合うとかそういう重いものじゃなく、別れが別れじゃないだけの絆が三人にあることを描写するために敢えてあっさりとしたものになっています。その後味や良し。その分、蟹名静の去り際が文字数多めで描写されてカッコ良かった。もう触れられないと思ってたから出てきてくれて嬉しかった。

 「私は今日も明日もいつもと変わらぬ日常でありたいの」

 カ、カッコイイー。

●片手だけつないで
 もうタイトルだけでこの短編は勝利です。聖と志摩子さんの関係をメラカッコいい一言で表したタイトルです。
 「白き花びら」からの一連の聖ストーリー及びこの短編への流れ、そしてコレからの志摩子さんストーリーは僕的にマリみての核です。基本的には祐巳中心の成長物語、相互理解物語がメインストーリーだと思うんですけど、こっちの白薔薇の流れは裏メインストーリーです。冒頭でも書いた通り、この二つが交錯する濃密な話を是非読みたいなぁ。
 

2004.07.08.(木)
■雑想
 
 本日は友人のA嬢に僕がやってる実験の被験者をやってもらったんだが、その報酬の図書券をA嬢に渡す時の会話↓

ゆいま:「まあこれで『DEATH NOTE』でも買ってくれ」

A嬢:「そうね、手に入れられるもんなら手に入れたいわ」

ゆいま:「うん?」

A嬢:「そして渡辺恒雄って名前書くの

 えーと、その、なんだ、僕的には漫画の単行本の『DEATH NOTE』でも買ってくれってニュアンスで言ったつもりだったんだが、バリバリ本物の方を手に入れる気だよこの人。つーか、なんで巨人のオーナーを殺(ヤ)る気なんだよ。何か恨みあるのかよ。怖ー。


 先日読了は、

 今野緒雪『マリア様がみてる チェリーブロッサム』
 
■今野緒雪『マリア様がみてる チェリーブロッサム』/コバルト文庫
 
 「今度、一緒に仏像でも観にいきましょうか」(志摩子)

 昨日、前巻の感想で志摩子さんの伏線がどうのと書いたばかりでしたが、今巻がまる1巻かけての志摩子さんの伏線消化話でした。というか、小説版の1巻にあたる「マリア様がみてる」よりも、この話の方が先に読み切りの形で雑誌掲載されたものだったんですね。志摩子さんの事情の伏線、タイムリーに雑誌から追いかけてる読者にしてみれば既読の事実だったワケですか。

 志摩子さんの事情、課題が志摩子さんの中で昇華されるまでを描いたものですが、聖なんかの台詞から志摩子さんを救うのに一役買いそうな伏線が張られていた主人公の祐巳が微塵も活躍してないのが熱いです。全ての重要な役所を新キャラの二条乃梨子に持っていかれています。後編で読者の気持ちを代弁するように、既キャラ以外が志摩子さんに深く関わるのを祐巳が寂しく思う描写が出てくるんですが、その辺りヨロシクで旧薔薇様ら既キャラ好きの読者としては聖でも祐巳でもなくポッと出の二条乃梨子に志摩子さん救済の重要どころを担われるのは少々不満を感じたりもするかもしれないんですが、僕的にはその二条乃梨子がすこぶる魅力的だったんで万事OKです。仏像の造形美に魅せられている、頭は切れるが集団からはドロップアウト気味の少女って、なんだその魅力的な設定は。仏像がスゲー、少女と仏像っていうセットの魅力にやられた。中々この組み合わせは思いつかないと思う。設定が思いついたからこういうストーリーになったのか、ストーリーを先に思いついてこういう設定になったのか、その辺りを知りたかったり。

 しかしまあ、今回は出番ゼロの祐巳でしたが、聖の適材適所の話。今回は適役(乃梨子)がいるみたいだけどそのウチ祐巳の出番が来るみたいな話から、いずれ志摩子さん関係で祐巳にしかできない重要な出番が回ってくる話がこの先ありそうです。その話が描かれる頃が志摩子さん物語のもう一つのヤマでしょうか。

●BGN(バックグラウンドノイズ)
 志摩子さん&二条乃梨子ストーリー「銀杏の中の桜」の舞台裏を同時間軸をなぞるように描いた話。多分だけど最初に出された読切ってヤツが「銀杏の中の桜」で、こっちは小説からの祐巳や由乃さんファンのために書き下ろしたのかな?
 相変わらずの祐巳主観視点が普通に楽しいんですが、それよりも何よりも祥子さまがエラく黒くなってきてます。ラスボスです。大マジで志摩子さんをハメてるのが熱い。是非ともこのままの勢いで、よく少年漫画に出てくる邪悪な生徒会長路線に入っていって欲しいです。ヒステリー属性とかの設定もあるし、普通にコエーよ、祥子さま。
 

2004.07.09.(金)
■雑想
 
 本日購入、

 今野緒雪『マリア様がみてる パラソルをさして』
 今野緒雪『マリア様がみてる 子羊たちの休暇』
 今野緒雪『マリア様がみてる 真夏の一ページ』

 相変わらずですが、一週間の寝る前に読む用ですな。

 そして、

 『Newtype』8月号

 何で突然僕がアニメ誌なんか買ってきたかって、そんなことは決まっておる。

 つーわけで……↓

 ガンダムSEED続編、『ガンダムSEED DESTINY』が今秋放映決定。

 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ。

 懐かしいなぁ。一昨年も最初に情報出たの今くらいの季節じゃなかった?僕は丁度その頃研修で海外に行ってて、帰国したらいきなりガンダムの新作をやるってことになってて、ちょっとどーいうこと?って当時のサイトで書きまくってた記憶がある。アレからもう2年ですか。

 その後去年丸一年、全話かかさず見て全話感想を書くという所業を勢いで慣行し、僕的にエラく思い出深いアニメに……あの日々が再びですか。取りあえずTBS系って入ってるから仙台でも見れるよね?前のSEEDも普通に週遅れじゃなく放送してたから問題ないよね?よっしゃー。

 とりあえず、キラとラクスが伏せてあるってのは隠し玉ということでOKなんでしょうか。でもコレはイイと思うや。昔44話感想でラクスを「分かってるサイド」、アスランとカガリを「分かってないけど答えを模索してるサイド」みたいに書いた記憶があるんだけど、やっぱり視聴者の感情移入度が無標で高いのは後者のサイドだと思う。なんで、アスラン、カガリサイドから話を始めるってのはある意味自然。

 あー楽しみ。アスランと言えば回想ですよ。第一話は全編アスランによる前作の回想だったりしてな。

 それはそれで熱い

 何書いてるか分からなくなってきたんでこの辺りにしておきます。

 おーし、微妙にやる気出てきたんで今日は二日分の統計処理を一日でやっちゃうぞー。
 

2004.07.10.(土)
■雑想
 
 眼科行ってきたのだけれど、眼が乾いてると診断され、コンタクト着用時間が制限されてしまった。コレは結構困る。

 そういやこの前、この点に関して「心の渇きと眼の乾きは関係あるか?」というトピックで眼の乾きに関しては先輩の尊敬する姉と小一時間話したんだが、結果的に二人(僕と姉)とも、心は潤っているが眼は乾いていると結論付け、心の渇きと眼の乾き相関関係説は棄却した。

 眼の乾きは眼科に行けばある程度緩和してくれるが、心の渇きは心療内科に行ってもあまり解決してくれないので、逆(眼は潤ってるが、心は渇いている)よりは良かったと思う。

 そんな、心だけ潤ってる僕から、心が渇いてるあなたへ潤いを贈りたいと思います。贈らねえよ。自分で何とかしてくれ。

●明日
 ライダー、プリキュア見た後速攻で研究室行って色々打ち合わせや作業をしなければならない&選挙とかもあるってことで、朝の番組の感想は遅れるかもだ。
 

2004.07.11.(日)
■第24話「謎のハンター」/仮面ライダー剣(ブレイド)感想
 
 「戦いは キライなんだ」(象アンデットの男)

 象っぷりがヒット。水場にいるし。戦いキライだし。でも戦うと強いし。そしていつも寝てるし。象です。この男はホント象。「象のような男」と言った場合一般的には悪口になりそうです。「ような」っていうか、この男はまんま象ですが。

 無駄に「大きさ」や「パワフルさ」に惹かれるので、本日のもう一つのヒットはみゆきが車に轢かれそうになって、それをパワーで押し返した所。一応今の所子どもには正義サイドとして映ってるであろうアンデッドハンターの方々が大マジで轢き殺し作戦というダーティーな作戦を取ってるのもかなり熱いんですが、それ以上になんのテクニックもなくパワーで押し返すみゆきが熱い。一瞬、冷蔵庫をパワーで持ち上げた栞と対比させてるのかと思いましたが、そんなワケない。対比させる意味が分からない。つーか片方は冷蔵庫だし。この後みゆきと栞がパワフルさを伏線に繋がったりしたら脚本家を神として崇めますが。

●バイク
 バイク作りに皆で精を出してる絵は、「仕事」してるなーって雰囲気で良かったです。「仕事」をテーマにしてると言いながら、実際は剣崎、橘さん、栞、虎太郎の小事務所でやってるような状態なので、もっと一般の多くの組織人が共感できるように、その他大勢の同僚を登場させて共同作業に打ち込む様を描くなんてことがもっとあっても良さそう。残念なことにアンデットハンターの方々は一話でやられてしまいましたが。

●バイクに乗る怪人
 これはカッコいいと思った。ここまでやってくれたからには、次回は仮面ライダーVS怪人ライダーのバイクバトルアクションを期待していいんでしょうか。コレは楽しみ。555と違って剣はバイクバトルにあんましCG使わないから、エラく硬派なバイクバトルが見られそう。
 
■第23話「危うし!夏合宿の悪夢」/ふたりはプリキュア感想
 
 「平等とは一握りの優れた支配者のために生きる残りの者達によって作られた言葉だ つまりその者達の生命エネルギーは全てジャアクキング様のためにあるのだ」(イルクーボ)

 憎たらしい。悪役これに極まりです。何が憎たらしいか子どもには分からないんじゃないかというほど憎たらしい。相互理解を排して自分の色だけが世界を統べる基準だと信じ込み、それを力で押しつけてくるヤツほど憎たらしいヤツはいない。

 そんな闇色の押しつけに次回、多様性の容認と相互理解の象徴の虹色が反乱するんですな。次回予告めちゃめちゃ熱い。ほのかの「コレは虹?」がめちゃめちゃ熱い。虹色の覚醒は最終回前のラストバトルでやると思ってたのに、もうやっちゃうらしい。次回がラストバトルで、その次エンディングの2クールアニメでも十分名作としてまとまりそうな勢いです。でも普通に4クールアニメなんだよね?残り2クールは一体どうなるのだろうか。
 

2004.07.12.(月)
■33号/WJ感想
 
●BLEACH
 BLEACHクライマックスのルキア救出編は、メキシコのプロレスリスペクトの「ヒーローは遅れて現れる」型の構造を考えているんじゃないかと。いや、メキシコのプロレスとかそんなルチャな分かりづらい例えじゃなく、WJ関係で言えばドラゴンボールのナッパ、ベジータと戦った時みたいな感じで。仲間サイドの戦いをある程度先に描いて、ほんでもって仲間サイドが絶体絶命のピンチになって、そこに修行を終えた悟空(一護)が現れる!みたいな。ポイントとしては現れた悟空(一護)用に、瞬殺要因(ナッパ)と、大バトルを繰り広げる要因(ベジータ)が必要という辺り。一護のパワーアップっぷりをアピールするための瞬殺要因の方は、死神は沢山いるんでまあある程度強いヤツなら誰でもイイと思うんですが、ベジータ役の方はある程度一護と因縁のあるヤツじゃないと盛り上がりません。そう考えると適切な役は今のところ朽木白哉しかいないかなと。なんで、恋次好きなんだけど今回は負けるかなと。先に卍解を出してしまったのも負ける予想に繋がる要因です。やっぱ先に切り札(カード)を出してしまった方が後出しにくつがえされるというのが少年バトル漫画の法則のように思うんで。
 あと思うのは、ルキア救出達成後も、もう一クライマックスあるんですよね。白哉みたいな暫定的な敵役じゃなく、作中の真の悪で黒幕で大ボスの存在とのバトル編があるはず。色々と何かが暗躍してる描写の伏線があるのも予想の理由ですが、とりあえずルキアの斬魄刀解放というイベントがこの先あるハズなんで、そのイベントはルキアが救出された後に起こると考えるのが無難、つまりはルキア救出後にもう一バトルあると考えるのが無難と、そういう理由もあります。様々な燃え要素をまだ温存してる漫画なんですが、僕的にはこのルキアの斬魄刀解放を一番のクライマックスに持ってきて欲しいなぁ。物理的にルキアを救出するだけじゃなく、さんざん描かれている自己否定傾向のルキアの心の方の救済がクライマックスでは描かれるハズなんで、その時に斬魄刀解放シーンが重なったりしたら、心の浄化と戦う力の発現が同時に!って感じで大燃えだと思うんですけど。

●NARUTO
 先週も言ったけど、今まで流し読みしてた漫画なんですが、この過去話は結構好きです。
 普通の少年漫画としては、「父に認められる」という作中の目標を最初に設定して、あとはそれに向かってひたすら努力。様々な障害を乗り越えた後に遂に達成。読者が感じる達成感と共にめでたしめでたしというパターンだと思うんだけど、今回は火遁の術が成功して「父に認められる」という目標を達成した場面にも関わらず、爽快感とか達成感が微塵も感じられないように描かれているのがイイ。むしろ暗い場面になっちゃってるのがイイ。破滅系の結末になってしまうことを読者が知っているだけに、何が起こってもじとじとした気分で読み進められるのが気持ちイイ。少年層にはウケ悪そうですが、僕的にはこのままじとじと落ちていく話を書き続けて欲しいです。多分、書き続けると掲載位置も落ちていくとは思いますが。

●DEATH NOTE
 なるほどと思った。「死神の殺し方」の設定はこういう風に使うんだ。今話だと一方的にミサ&レム、特にレムに月の命が握られてて月が一方的に不利なように思えるんだけど、「死神の殺し方」を知ってるという点で、月にもレムに対抗する武器があると。パワーバランスは保たれていると。普通の漫画だとジェラスとミサの話で「死神の殺し方」の話が出てきたのは単にロマンチックな話を描きたかったからなんて場合もあって、それでロマンが描ければそれで十分だったりもするんですが、DEATH NOTEの場合はそこからさらに次に繋げてきます。恐ろしい。
 あとはパワーバランス関係でLの方の武器がまだ描かれてませんな。月&ミサ有利になってきた状況でL側の策はなんなのか。Lの本名への興味も相成ってしばらくはLサイドに注目でしょうか。
 そういや少し話ずれるけど、Lの本名関係で、Lの名が明らかにされるのは、読者に対して明らかにされるのと、月がLの名を知るのは同時ではないような気がするんだよな。月がLの名を知る前に、読者にだけ明らかにされた方が二度楽しめるんで、話作る人ならそうしそう。となると、Lの名が明らかになるのはミサの眼を通してだと仮定すると、ミサの眼でミサと読者にLの名が明らかになってから、その名が月に伝わるまでに一物語あるということでしょうか。ミサのノートも月が持ってる(ミサは名を知ってもすぐには殺せない)って辺りにそんな物語を想像してしまいます。まあ、この漫画は強く予想しないことにしてますけど。

●いちご100%
 アニメは、どういう層を狙ってるんでしょうか。他のアニメのように小中学生の少年層を狙ってるワケではないよね?もっと大人の男のハァハァ層を狙ってるんでしょうか。数週前までこのままフェードアウトして打ち切られるんじゃないかなんて思ってたんですが、エラく躍進してきました。でも、コレは大人の男層の支持が結構あなどれないんですよ、多分。ウチのサイトも、「東城 エロ」とか「西野 18禁」とか、そういうキーワードで流れてくる人結構いるのですよ。「帰れ」って内心思ってるんですが。
 センターカラーの表紙よりもその裏の「いちご注意報」の所に載ってるイラストの方が好みかな。唯が可愛いです。こういう絵の魅力はさすが河下先生というところ。
 本編は、日暮さんって、こんなヴァーリ・トゥードに出てそうなイカつい顔してる人だったっけ?次週、バトル大好きのWJだし、日暮さんのバトルが見たいです。パティシエなんで、普通に包丁とか武器に使えますよ。つかさのヒーロー、帰ってきた日暮はブタ箱行きへ。

●アイシールド21
 先週はアイシールド無しで勝つのもイイなぁとか言ってたんですけど、あの後パラパラと他の感想サイト見て思ったのは、網野が「アイシールド封じ」を用意してるなんて言ってる描写がそういえばあったので、それをアイシールドが破るという展開が必然的に挿入されそうですな。なんでやっぱアイシールド無しはなさそうかも。冨樫先生などはこういう伏線チックなのをミスリードにして投げたりするんですが、稲垣先生は前置きで出したのはこまめに回収するタイプのように思うんで、セナは間に合うっぽい。
 ラストのコマのボイイイイイン!っていう喜び方が微笑ましかった。三兄弟とかも一緒にやってるし。

●機動球児山田〜めぐりあい稲木〜
 好きだったとだけ記しておきます。スリーパーで稲木に勝ってるとことか好きだった。

●テニスの王子様
 爆 笑 
 「何だ……今のは!?」
 マジで、しばらく息できなかった。この前の「フハハハハハハハハ」の皇帝笑いといい、真田戦の爆笑度合いはヤバい。侍の眼がヤバい。白眼だよ。
 「未知のモノと遭遇する」ってシチェーションは今週はスティール・ボール・ランなんかでも描かれてたと思うんだけど、僕的にテニスの王子様の方が(ある意味)上。鉄が体に集まってくるっていう未知っぷりより、テニスコート上に侍がいるって未知っぷりの方が熱い。熱いっていうか狂ってる。
 「何だ……今のは!?」
 ダメだ、何度見ても笑える。何で見開きなんだよ。何でめちゃくちゃ日本刀持ってるんだよ。
 あー、許斐先生スゲー。

●武装錬金
 今話に出てきた登場人物はパピヨン含めて作品全体としてはカズキの味方って感じでしょうな(ムーンフェイス除く)。味方同士でギャグありで夢のような1話。ヴィクターの去り際の「辛苦」の台詞などから暗示される、この先の過酷展開の前置きとしてのL.X.E編完結の大団円話。
 あとは少し先に描かれるであろう、人間でなくなったカズキにまつわる苦悩、摩擦話に期待。技ありの心情描写を期待します。でもまあ、様々な苦悩、摩擦の末に描かれるであろう答えは、もう既にやる気出して読んでる人には伝わってる感がありますが。その辺りは物語の進行に合わせていずれ感想書きたいなと思ってます。

●Mr.FULLSWING
 今週の笑いポイントその2(1は無論テニスの王子様の侍だ!)。
 「水責めの始まりじゃ」「ゲホッガホッ」「く…苦しい」「ガハッガハッ」「ブハァアアア」に爆笑。
 なんでそんなに責められてんのかワケ分からん。野球の特訓なのに水責めっていうのがワケ分からん。ゴールキーパーの特訓に百人組み手やってくる若島津君(古い)並にワケ分からん。

●金未来杯
 予告絵ではあまり期待感あおられず。読切、新連載予告含めて、もう随分予告絵で期待感あおられた記憶が無いなぁ。つの丸の「ごっちゃんです!!」予告絵の時くらいかな、期待したのは。あの予告絵、めちゃめちゃ嘘だったし。つっぱり学生漫画かと思ったらバリバリ相撲漫画だったし。
 強いて言えば第二弾の「タカヤ-おとなりさんパニック!!-」だけちょっと期待。理由は、予告絵に唯一女の子が描いてあったから。
 

2004.07.13.(火)
■雑想
 
 一日中Excelと戯れていました。(挨拶)

 絶対もっと効率良く処理するやり方がある気がするんだよなー。統計のプロから見たら「何そんな効率悪いことやってんの?」ってツッこまれるレベルのことをやってるような気がする。電卓を併用しながら作業してるって辺りが怪しい。でも回りの人何も言わないしなー。ハブられてるのかなー。

 しかしハブられてない証に、今日も研究室の韓国の人とコミュニケーションを取った。

Kさん:「ゆいまさん」

ゆいま:「はい」

Kさん:「研究室に、網戸ありますよね」

ゆいま:「はい」

Kさん:「隣の研究室の人が、網戸が必要だと言ってきたので」

ゆいま:「え?」

Kさん:「あげちゃいました」

 あげちゃったのかよ!

 どうりで何か虫が入ってくるなーとか思ってたんだよ!


 最近読了は、

 今野緒雪『マリア様がみてる レイニーブルー』
 
■今野緒雪『マリア様がみてる レイニーブルー』/コバルト文庫
 
 「私、一つ解決方法知っている」(乃梨子)

 乃梨子はこんな高一はいないだろうというほど完成されています。色々なことが「分かってる」ポジションから、志摩子さんを救っちゃったりしています。とりわけ有能で、かつ余裕も持ってるってことで、僕的に作中で一番こういう立ち位置に立ちたいと思えるキャラかなぁ。

 なんというかね、もう、志摩子−乃梨子の新白薔薇姉妹はめちゃくちゃ「イイ」わ。ちょっとクラクラきてます。この二人の関係のカッコ良さは尋常じゃない。白薔薇の伝統の片手だけ繋いでるような関係がイイ。祐巳と祥子さまとか、由乃と令とか、あるいは祐巳と由乃とか、ペアでの人間関係が面白いマリみてですが、僕的に志摩子−乃梨子の白薔薇姉妹はちょっと他のペアと比べて別格。この姉妹の行く末を見届けるのを第一目的にマリみて読み続ける感じですわ。

 つーかこの「ロザリオの滴」の良さはなんなのか。志摩子さんの微細な心情を描きすぎ。64Pの短い話なのに、ラストの雨のシーンで普通に感動した。志摩子さん主観視点で書かれてたってのが大きいのかもしれない。マリみては祐巳視点で書かれる話が多いんですが、祐巳よりも志摩子さん視点の方が僕的にシンクロできたのかもしれない。
 あとは、「ロザリオの滴」では蔦子さんがニクイですな。志摩子さんほどの人間の悩みともなるとアドバイスできる人員も限られてくると。そんな強者人員の中に余裕で入ってるのが熱い。卒業エピソード時の蟹名静をシャッターを切らずに見送る描写とか、この人も実はカッコいいポジションで描かれてる人ですな。

●黄薔薇注意報
 「革命」とか「まっしぐら」とか「注意報」とか、黄薔薇関係はサブタイが面白いですな。片手だけ繋ぐことすら中々大変な白薔薇姉妹の物語を描いたのが「ロザリオの滴」だとすれば、こっちはどっぷり両手を繋いでしまってるからこそ起こる軋轢(この言葉はちょっと大げさ)の物語を描いている感じでしょうか。令も由乃も、乃梨子や蔦子さんのような達人級の人間ではないので、普通の人の等身大の悩みや心情描写が初々しく読めます。
 あとは、相変わらずの構造上の遊びというか、本巻収録の「ロザリオの滴」「黄薔薇注意報」「レイニーブルー」は同時間軸の出来事をそれぞれ志摩子さん視点、由乃視点、祐巳視点で描いたものなんで、あのシーンで由乃はこう思ってたのか、祐巳はこう思ってたのか……と読者が発見できる楽しみがありますな。同時間軸の話を飽きずに読ませてくれたのは良かった。

●レイニーブルー
 初めての「次回へ続く」で終わるお話。祐巳ボロボロ状態で次巻へ続く終わり方となっています。この時点で話を切られると、どっぷり登場人物にハマって読んでる中高生の読者は「祥子さま非道い」、「瞳子ムカツク」といきり立って次巻を待つことになりそうです。一方僕のようなある程度の本読みになると、祥子さまの事情は何なのか?ボロボロの祐巳を立ち直らせる役割を担うのは誰なのか?と、一歩引いたあたりから謎解き風味の楽しみ方で続きを待つことになります。というかこの文章書いてる現在もう次の巻読んで結末知っちゃってるんで、詳しくは次巻の感想で。後者の問いの方の解答が、上手いなーと思えるものだったので僕的に満足。
 

2004.07.14.(水)
■雑想
 
 Izmiっチのコンビニの事務所でブルーベリージャムパンを御馳走になりつつ終電で帰宅。(挨拶)

 今日もせわしい一日だった。学部生用に統計の講義をする予定だった研究室の先輩が音信不通になり、かつ次の機会まで待ってはとても発表日時に間に合わないということで、急遽僕が講義した。

 つーか僕なんかがやっていいのかなー。僕も統計の勉強始めて二ヶ月だから、ぶっちゃけ学部生と互角のキャリアなんだが……詐欺っぽいなー。


 本日購入は、

 今野緒雪『マリア様がみてる 涼風さつさつ』
 榛野なな恵『パンテオン』3巻
 日本橋ヨヲコ『プラスチック解体高校』1、2巻。

 読むのは激しく先になりそうですが……


 あと、最近読了は、

 『マリア様がみてる パラソルをさして』
 
■今野緒雪『マリア様がみてる パラソルをさして』/コバルト文庫
 
 「がんばりなさい。紅薔薇のつぼみ(ロサ・キネンシス・アン・ブウトン)」(青田先生)

 す ば ら し い 。

 というワケで、昨日の前巻感想で書いた、「ボロボロの祐巳を立ち直らせる役割を担うのは誰なのか?」という問いの解答は、ズバリ「傘」。

 もちろん物理的に傘が立ち直らせてくれたというワケではなく、青木先生を始め、見知らぬ他者の善意によって祐巳のもとに戻ってきた傘の物語から、世界は祥子さまだけで構成されているワケではなく、様々な人ととの関わりで出来ているんだということに祐巳が気づいたという意味。前巻から色々と「傘」に象徴性を持たせていた作者の手腕がニクイ。いまさらですが、作者の今野先生という方、ただのキャラ萌え小説書きではないなと再認識。

 祥子さまとのすれ違いで祐巳がボロボロになった大本に、前巻の祐麒の「祥子さまに依存してるんじゃ…」ってな台詞があるんですな。なんで、今回の話の大まかな形は祐巳の祥子さま依存克服物語になっているという。その克服の過程を、祐巳ボロボロ→復活の流れで描いているのが本巻。復活の過程を順を追って丁寧に描いているのが素晴らしい。聖と加東さんに癒される場面、弓子さんとの会話の場面と、段階を追って祥子さま以外の人との関わりに開眼してゆく祐巳を描いておいて、十分に前フリが積み上がった所で上述の象徴性の高い「傘」返還イベントを持ってくるのがニクイ。傘返還イベント後の、祐巳視点の「もっと視野を広げなきゃ、ってわかったのだ」の一文には祐巳の成長にじみ出ていて、いい感じの快感を感じました。等身大の主人公が成長していく型の物語の醍醐味を味あわせて貰った感じです。

 あー、今回でかなり祐巳好きになったわ。中々に魅力的な主人公です。あとは、祥子さまが祐巳の中に見いだした、また志摩子さんが「祐巳にしかないもの」と評価する、超優秀な薔薇さま方の中に入っても色あせない祐巳だけが持ってる魅力ってヤツが全面に押し出される話が読みたいですな。その辺りに焦点が当たった話が描かれるのはシリーズも終幕間近になってからという気はしますが。
 

2004.07.15.(木)
■雑想
 
 昨日の更新の後、二時間ほど仮眠を取って明け方に再び研究室へ。

 終わらないなー、データ処理……。


 イラスト中心のマリみてサイトをパラパラと回ってみる。

 皆、絵上手いなー。ときおりぐわしっと心を鷲づかみにされる絵に出会います。描いてる人は趣味かつ無償でそういうの描いてくれてるワケだから、イイ時代になったものだと思うワ。

 そういう感じなんで、素敵絵のマリみてサイトを知っていたら紹介してくれると嬉しい。新しい方の白薔薇姉妹の絵とかあると最高。癒されようとしてるので、百合百合しいのやエロいのじゃなく、純粋にホワホワしてるのとかカッコいいのとかがイイなー。

 ここ一ヶ月あまりの過去ログ読むと、ただのマリみてFANサイトです、ここ。
 


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