2004年07月後半の日々の雑記

2004.07.16.(金)
■雑想
 
 実験成功。

 さ す が オ レ 。(挨拶)

 統計処理した実験数値が自分の立てた理論通りの有意差を示したときは軽くガッツポーズ。僕の理論は僕の妄想じゃなかった。ちゃんと世界の方もそう作られていた。

●漫画

・狂四郎2030次号完結
 マジで!?この状況でどんな結末が……重すぎて語りづらいこともあり、あまりサイト上では話題にしませんでしたが、非常に濃密な中身のある作品で隔週で楽しみにしていました。これ終わったらスーパージャンプ痛いだろうなぁ。

・ドラゴン桜
 単純計算が脳の働きを高めるのにイイというのは、これまでの実験結果を見た感じではホントっぽいです(実は中心になって提唱してるのはウチの大学…)。ただ、僕は、つねづね「でも、それってつまらなくない?」と問題点を挙げていました。いくらボケ防止とか、頭を活性化させるためとはいえ、黙々と計算問題をやり続けるというのはあんまり活動として面白くない。なんで、一般に普及させるのは難しいんじゃないかと……そんなことを考えていただけに、今回の話のようにゲーム形式で楽しみながらやるって視点を導入したのはなるほどと思いました。とにかく楽しみながら頭を鍛えるアイデアをどんどん出していけるといいんじゃないかと思う。僕なりに考えた、子どもの学力低下問題の対抗策がそれ。

 今週はWJが土曜日(明日、更新時すでに今日)ですか。月曜は忙しそうなんで丁度いいかなぁ。
 

2004.07.17.(土)
■34号/WJ感想
 
●ONE PIECE

 色々な可能性を含んだまま話が展開してます。まず1点目、仲間になる船大工は誰なのか。

 可能性1:今描かれているカンパニーの候補から、「コレは!」っていう読者的に驚きの人が仲間になる。
 可能性2:今描かれているのは全てミスリード、本命は空島で船を直した存在の伏線絡みで別にいる。

 これはどっちでも僕的には驚きで楽しめそうなんで、まあ普通に楽しみにしています。もちっと関心が高いのは、2点目の誰が入れ替わりで船を下りるのか?という点。

 可能性1:青キジの台詞や、仮面絡みで別行動中の伏線通り、ロビンが降りる。
 可能性2:ウソップが降りる。

 ストレート読みでは1なのかもしれないけれど、僕的には前ちょっと書いた通りずーっと2だと思っています。この点はここ最近では暗示もちらほら出てきました。とりあえず船大工が仲間になってしまうと、現船大工のウソップの役割が無くなってしまうというのが一点目、そしてウソップが弱い自分を恥じるエピソードが今回描かれているという二点目、でもって三点目にメリー号を直すにしろ、新しいのに買い換えるにしろ、一番メリー号に因縁が深いウソップの話は必ず描かれるだろうということ。僕的には特に2点目がデカい。思うに、昔からのWJ読者用の例えで言うなら、今回『ダイの大冒険』でいうマァムが自分の適職を模索して一次パーティを離脱したような、そんな話なんじゃないの?マァムが僧侶から武道家になって帰ってきたように、ウソップが頼りない男から一人の「砲撃手」になって帰ってくる話を描くんじゃないの?と僕はずーっと思ってたんだが、最近まさにそんな感じの展開に……でも、この予想というか願望の一番の理由は、ロビンに降りてほしくないから。一番好きな学者キャラがしばらく見られないというのはツラい。もう僕の中でかなりロビン>>>ウソップなんで、頼むからロビンは残してくれ、尾田先生って感じですよ。

●BLEACH
 やっぱり巨大化だったんだ!>卍解。
 コレは、ストレートなカッコ良さとしてはどうかという気もするけど、僕的にはメラ燃え。ウルトラマンに戦隊ロボと、パワーアップで巨大化は王道として続く不思議な魅力があります。巨大蛇尾丸可愛いよ!骨チックだよ!
 やばいなー、この感じだともしかして斬月卍解は斬月おじさんが巨大化!?素で人間風味で巨大化してデカい拳で攻撃とかだったら燃える。巨大化した敵の卍解とはっちゃけ巨大化バトル。ジャイアントスイングとかしてソウルソサイアティ半壊とかやってほしい。巨大化ヒーローは街の人々にとっては素で迷惑を地で行って欲しい。

●プルソウル
 面白かったっス。僕的に意外性があったのが良かった。
 「どんな状況でも信念を貫く」というテーマを描く話だと思って普通に読んでたら、それがミスリードで実は「時には信念を捨ててでも守るものがある」という話だったのが意外で好印象。信念捨てるのもアリなんだ、へぇー、みたいな。
 あと熱心に説明してた抜魂刀が、説明されてただけに主人公の武器になるのかと思って読んでたら、普通に敵側の武器だったのも意外性があってよかった。意外性&でも破綻してないってことで、作品としては勝利!って感じ。
 でも、このままではWJで連載はキツイ。理由は勿論、可愛い女の子キャラが出てこないから。男キャラだけの話はマズ過ぎる。女の子キャラで読者のハートを狙わなければキャラのジャンプでは生き残れないかと。

●DEATH NOTE

 混 乱 。(挨拶)

 漫画の内容じゃなくて、僕の頭が。

 「私の初めての友達ですから」はどういう場面なのか?

 可能性1:ストレートな意味、月とLは希有な天才同士惹かれあっている。
 可能性2:作者がミスリードを誘っている。あくまでお互いは敵同士、何か裏がある。

 僕としての希望は2の方で、当初の月VSLという縛りの中で物語りを完遂して欲しいと思ってるんだけれど、どうもストレートに読むなら1っぽいんだよなぁ。新死神や第二のキラミサが出てくる展開といい、もしかして作者らはあんまりミステリ的な最初の縛りの中で物語を終わらせることにこだわってない?
 1っぽい理由としては、前回ミサ絡みで月が発言した、「情が移って馬鹿は失敗する」という台詞が、実はLに情が移りかけている月自身に当てはまるという伏線と捉えるとしっくりくるということ。もう一つは、上のL発言を聞いた後の月の表情が一貫してまんざらでも無いように描かれていること(ミスリードだったら一コマくらい微妙な表情が入っても良さそう)。さらにもう少し遡って、僕的に作中最重要台詞と言っている南空ナオミの「あなたにはLに似たもの…近いものを感じました」が、月とLが惹かれ合う伏線だったと捉えられるということ。どうも、この三つから考えると、ストレートに読むならホント1っっぽい。僕としては当時のWJ感想で言ってる通り、南空ナオミの台詞はネガティブなニュアンスに裏返って、「正義も悪もない、Lも月も同じ」という意味になって双方自滅ラスト、死神一人勝ちラストに繋がるんじゃないかなんて考えてたんだけど、それは深読みし過ぎだった?ストレートに「お互い似ているから分かり合えるかもしれない」という暗示と捉えるべきだった?うーむ。

 2の方希望なんて言ったけど、書いててだんだん1でもイイような気がしてきた。この場合、焦点になるのは、昔僕が友人のMネコさんと話していたと書いた、「果たして月は身近な人間(情が移ってる人間)も同じように神の基準で裁ける(殺せる)のか?」という点に焦点が当たりそう。この点は、物語当初から「家族」がサブタイになってピックアップされていたりと、かなりポイントとして暗示はされていた。果たして月は家族や、情が移ってしまったL、ミサらを神の基準で殺すことができるのか?「やっぱり殺せなかった」というなら、それはそれで作品の帰結としてはアリ。「やっぱり人間は神にも死神にもなれない」というラスト。破滅ラスト指向の大人読者にとっては物足りないかもしれないけれど、少年誌の帰結としてはそれでも十二分に最高なクオリティー。

 なんてことを今週は考えた。ちょっと自分文章書きすぎ。DEATH NOTE、色々と考えさせすぎ。

●テニスの王子様
 手塚先輩もを目撃していたという謎の話。ホント謎です。スティール・ボール・ラン以上に謎。マジでなんなの?。リョーマが持ってるスタンドのようなものなんでしょうか。どうやら無我の境地<侍のスタンド…みたいなんで、作中の強さの描写基準がいよいよバトル漫画になってきたのは確かのようです。次の段階はあえてBLEACHの卍解リスペクトで、侍の巨大化だと予想してみる。普通にリョーマがどアップの大コマで、「卍解ッッ!」と叫びそうな、そんな漫画です。それでも普通に観客に「何だアレは!」とか言わせておけばそれで通りそうな、恐ろしい漫画です。

●武装錬金

 斗貴子さんの「私にとっての仲間はキミと戦士長」、カズキの「俺にとっても共に戦う仲間は斗貴子さんとブラボー」のそれぞれの台詞が、おそらく仲間が欠けるor増える展開への暗示、伏線でしょうな。欠ける展開としては欠けるのはブラボーしかいなかったワケですが、あっさり帰ってきたんで、コレは増える方の伏線と予想。

 カズキの変身が「ヴィクター化」という術語で固定されてきてるんですが、ここはもっとカッコいい術語を考えて欲しいところ。というか多分和月先生考えてるだろうけれど。それできっと、「変身!○○○!」みたいなかけ声で変身ポーズ付で描写されるようになるハズ。

 単行本コメントより、鷲尾戦の後あたりでは、作者と担当は「読者はまだカズキに日常を離れて欲しくない」と判断したそうなんですが、今回からの新展開ではどうなるんでしょうか。いきなりカズキと斗貴子さんが街を離れる展開もアリだと思ってたんですが、今回を見るところもう少し和月先生いわく「日常の象徴」であるR.O.Dトリオやまひろとは離れない展開になりそう?

 あとは、サービスショット堪能しました。メインショットよりも、「わ もう一人出てきた!」のコマのまひろが可愛い。
 

2004.07.18.(日)
■第25話「裏切りの疾走」/仮面ライダー剣(ブレイド)感想
 
 「オレ達が理想を忘れなければ いいんだ」(橘)

 仕事をテーマにしてるのに、なんで第01話で組織(ボード)を壊滅させちゃったの?と思ってたんだけど、この辺りの場面でなるほどと思えてきました。こう、組織を離れても仲間はいるし、仲間同士で理想を共有している限りは仕事はできるんだと……そんなことを言いたいのかなと。この場合「仕事」という言葉は、お金を稼ぐためのルーティンワークみたいなだらけた意味じゃなくて、自己実現と結びついてるようなエラくカッコいい意味合いで使われてることになりますけど。

●謎の赤ライダー
 ライダーって仮面ライダーじゃなくて、本当にバイク操者のライダー。エラくカッコいい役所だったんで一瞬新たな仲間キャラの登場シーンかと思ったんですが、公式サイト見たらゲスト出演の本物のプロライダーの方らしいです。日本最速とか。どうりで様になった走りをしていると思いました。無言で力を貸してくれるのがカッコいい。橘さんの「組織はなくても仲間はいる」の台詞にかかってくる場面だったのだと。

●ダブルライダーキック
 二人同時に目がキュピーンって光る所が異様にカッコよかった。OP前、CM前の二人同時変身といい、今回はすっかり剣崎&橘さんがバディで描かれてました。「剣崎ッ!」「ハイッ!」のツーカーの以心伝心で決め技モードに入る辺りがツボ。橘さんが歌うセカンドEDも中々の燃え楽曲に聴こえるようになってきたしで、各話クライマックスの盛り上げ方には最近満足。

●次回
 ブレイド新フォーム登場。ツバサがはえてた形態から判断するに、やっぱしジャックのアンデットの力を借りる形なんだ。必殺技も一緒に変わるのかどうか、その辺りが見所ですな。僕的にはキックのまま希望ですけど。新フォームなりのエフェクトがついたキックがいいなぁー。

 全体としてバイクアクション堪能の満足な話でした。始終画面に疾走感があったっス。
 
■第24話「決戦!プリキュアVSイルクーボ」/ふたりはプリキュア感想
 
 「未来を導く光の王子 ポルンだポポ!」(ポルン)

 変な新キャラきたー。人間じゃない新キャラきたー。

 何と、なぎさとほのかが光の園へ行くという新展開ですか。スゴい動きがある展開で楽しみな反面不安だなぁ。今まで上手い具合に日常の中に非日常の要素が入ってるのが楽しかったのに、この展開だと非日常の要素の方が強くなりそう。学校パートなどの日常描写が減らされるのはちょっとイヤだなぁ。

 プリキュアVSイルクーボの番組前半戦ラストバトルは、キリヤ戦に比べるとかなり物足りない印象。虹色が力を貸してくれるのに、理由付けが欲しかった。キリヤの言う「二人を繋いでいるとてつもない力」が虹色の力のことなんだから、もうちょっとこう、発動するにあたって人との繋がりの強さとか、理解し合おうとする意志とか、そんな感じの描写を入れて欲しかった。ほんと、何の脈略も無く発動したからなぁ。予告にあったほのかの「コレは虹!?」みたいな場を盛り上げる台詞が一つも無かったのも残念。

 エラく回転を加えたライダーキックを二人が放ってたのはかなりツボでしたけど。  
 

2004.07.19.(月)
■雑想
 
 ちょっと詰め込み過ぎだったかもしれん。フラフラ。


 夏に何をやってたかシリーズー(ドラえもんが道具を出すようなノリで)。


●4年前(大学1年)
 自動車免許合宿で長野へ。仮免一回落ちた。がっくし。

●3年前(大学2年)
 超絶哲学小説、埴谷雄高『死霊』全9章を一月がかりで読破。日常を隔絶した暮らしっぷりで社会からの孤立指数が10レベルアップ。がっくし。

●2年前(大学3年)
 スロヴェニアで日本語教師。平均睡眠時間4時間の暮らしでがっくし。がっくしっていうかげっそり。

●1年前(大学4年)
 院試と卒論の勉強。あとガンダムSEEDにハマってた。でも夏明けの試験は落ちた。がっくし。


 案外がっくしばかりしているが、今年はどうなるだろうか。

 多分普通に研究する日々で終わりかなぁ。それが楽しいわけだからまあOKだと自分では思うんだが。
 

2004.07.20.(火)
■雑想
 
 夏休みといえば読書感想文だけれど、僕的に読書感想文の思い出と言えば、高校の時書いた桜井亜美『イノセントワールド』の読書感想文。

 ドラック、レイプ、デストローイのロックな小説なので、「こんなロックな小説で読書感想文を書いてくる高校生はいないだろ」とちょっと自分のロックっぷりに酔っていたんだけど、すぐに自分が井の中の蛙だったことを思い知ることになった。友人のU田が『グラップラー刃牙』で読書感想文書いてきたのだ。負けたと思った。

 「それ漫画じゃん!」みたいな当然のツッこみすらチープに思えるような漢っぷりなセレクトだった。明らかにロック度数はU田>僕。

 まあぶっちゃけ先生の評価は、僕=A、U田=Dだったが、規格内に安寧した国語教師の評価などはU田は超越していたと言って良い。「地上最強を目指して 何が悪い!!!」の最大トーナメント決勝前の板垣先生のシャウトを引用した、実にステキな読書感想文だった。

 今頃何してるのかなー、U田。


 先日読了は、

 今野緒雪『マリア様がみてる 子羊たちの休暇』
 
■今野緒雪『マリア様がみてる 子羊たちの休暇』/コバルト文庫
 
 「この場をぶっ壊してやろうか」(柏木)

 何だよー、柏木イイ奴じゃんかよー。

 それはさておき、本編は淡々と夏休みの休暇描写が描かれます。タイムリーに夏に読んでるんで情景描写への感情移入もひとしお。というかもう、4分の3くらいまるまる淡々とした夏休み描写です。なんの驚きイベントもなく、まじ淡々。しまいには作中で祐巳らが読書感想文を書くために本を読み始めます。作中で読書描写を淡々と描くほど淡々とした休暇描写もめずらしいです。夏目漱石の『こころ』は僕的に一昨年くらいに挫折した経験があり、勝手に祐巳に感情移入して読んでましたが。

 イベントがようやく起こるのは終盤になってから。めずらしく祐巳と祥子さまを罠にハメる敵役が出てきます。コレは登場人物全員を可愛がるマリみてにしてはめずらしい。されどそんな敵役を出した甲斐があったというほどに、敵に打ち勝つクライマックスは爽快。というか祐巳がアカペラで歌うシーンはイイのー。ああ、祐巳ちゃん成長したなー、みたいな。親か?コレは親の視点なのか、自分。

 前巻での成長を得て、祐巳が心理的に余裕を持っているように描かれています。祐巳が成長したんで、むしろあとの話は祥子さまの成長に費やされそうな予感。男嫌いとか柏木さんの話とか、何より祥子さまが祐巳→祥子さま以上に祐巳にべったりという状況など、祥子さま絡みの方が課題が多く残ってます。その辺りは今年の祥子さま卒業話で昇華されるのかな。

 志摩子さんの出番が少ない……次巻に期待しよう……
 

2004.07.21.(水)
■雑想
 
 マリみて読んでたら無性に仏像が見たくなったんで、昼休みにちょいとばかしお寺のサイトを回ってみる。っていうか、お寺のサイトってあるんだ。何か、住職がノリノリで日記つけてるサイトとかもあって新鮮。今更だけど時代の変化を感じた。お寺もアピールのためにはWEBサイトを持たなきゃやってられない時代ですよ。


 あー、夏キツイ。

 期末のレポート&テストまっさかりの学部生とか、頑張るように。
 

2004.07.22.(木)
■雑想
 
 「こんなに若いタレントが自伝……!? いいか!! これからの人生……コイツがこの先何をするかわからんのだぞっ!? なのに自伝なんか書いちゃって……取り返しのつかないことになったら……」

 「何かがたとえその後に起こったりしてもです!その時は『続編』を描けばいいじゃないですかっ!!

 コレは使える。僕の人生もこの先何が起こっても全て『続編』だと思うことにしよう。

 つー感じで、

 島本和彦『吼えろペン』11巻、12巻
 森島プチ『シスター・プリンセス〜リピュア〜』

 と購入。

 あと姉から贈られてきた、

 小川洋子『博士の愛した数式』

 を読書予定本としてゲット。

 本日はイジョウ。『吼えろペン』読んで疲れた。相変わらずスゴいなー、島本和彦は。頭の中が。
 

2004.07.23.(金)
■雑想
 
 千影と鈴凛が好きなワケですが。(挨拶)

 いや、なんだ、森嶋プチさんの絵は癒されるなーと、そういう話だ!  


 つーわけで本日読了は、

 小川洋子『博士の愛した数式』

 相変わらず、100%読了済みの人向けに感想書いてるので、話題作だし読んでみようかなーと思ってる人はここから下は読まないのが吉です。
 
■小川洋子『博士の愛した数式』/新潮社
 
 「e^iπ+1=0」

 児童文学のような柔らかい読みやすさと、文芸的なピコ深みを両方備えてる良書だと思いました。私、ルート、博士の穏やかで静かな人間関係の物語を柔らかい読みやすさにまかせて楽しむだけで全然OKですが、せっかくなんで感想は文芸的なピコ深みの方について書きたいと思います。

 数学の完全性について幾度と無く描写されるんですが、これは逆説的に不完全性を見つめているのだと。完全性を見つめれば見つめるほど不完全性が浮き彫りになってくる、だけど、それもいいじゃん。不完全だからこそ、補い合って生きることは素晴らしいんじゃん。それがテーマだと思いました。

 完全性の象徴みたいに数学が扱われてるように見えるんですが、実は、数学ですら完全とは言い切れないかもしれないんですね。作中では言及されてないんですが、ゲーテルの不完全性定理というものがあります。僕も専門家じゃないんで、論理学の入門本をパラパラとめくった程度の知識になりますが、ある数的論理の無矛盾性を証明しようとした場合に、厳密に行なおうとすればするほど不完全なものになってくる、それゆえに数的論理の公理はけっして数的論理の無矛盾性を証明することができないという定理です。コレが何を言ってるかというと、完全な世界であると信じられてきた数学の世界も、完全だと信じる限りにおいてのみ完全な不完全な世界なのかもしれないということを言っているのだと僕は思います。本作に結びつけるなら、博士とペアで描写されている数学も、完全なものではないかもしれない。

 完全なものの象徴である数学の化身であるはずの博士が、驚くほど不完全な登場人物であるのが重要なのかと。80分の記憶制限があるという意味での不完全さは勿論、ルートを前にした各種振る舞いにも、一般人以下の不完全さが見え隠れしています。そして、「私」、「ルート」共に完全な人間とはとても言えない境遇にある登場人物です。そんな不完全な登場人物達は、「完全」な何かの前では取るに足らないものなのか?否、不完全でも、繋がり合い、補い合うことには意味がある。それが完全性と対比されたこの物語の作中の「正しさ」。

 補い合っていた不完全な者達の繋がりが壊されかかった時、博士がこの作品における作中正義、オイラーの公式「e^iπ+1=0」を叩きつけます。柔らかい読みやすさの中に突如投入されたエラく解釈が難解な部分ですが、僕的には対数、虚数、円周率という各々に別な存在が、手を取り合って一つの真実、美しさを描写している公式であるというのがポイントなのだと思います。数学ですら不完全なのかもしれない、でもその不完全な数学は、手を取り合い、補い合うことで一つの真実が生まれることを示唆してくれている。そこが不完全な登場人物達が補い合って幸せを作り上げていた部分に重なります。おそらくは素数の話もそう。それぞれに孤独な素数に関して、博士はそれらを結びつける法則を探し続けていた。これもまた、一つ一つが孤独で完全な数に見える素数に、それらを結びつけるような、相補的に存在できるような関係性を博士は与えてやりたかったという意味でテーマに繋がります。

 自分が、自分が、と、ある意味自分だけの完全世界の構築を描いたモノが文学として評価される世の中で、ハナから逆の方向の美しさを目指したこの話は中々にステキです。賢明な人は気づいているだろうけど、僕はこっちの方向の方が好きなのですよ。
 

2004.07.24.(土)
■雑想
 
 『oricon style』第26巻第29号

 を購入。

 宇多田インタビューと西川貴教VS氷川きよし対談に惹かれて購入。宇多田インタビューはイイのう。これだけうむうむと頷ける話をしてくれる同世代の有名人は他にいない……というか、なんだ、東芝EMIの方のサイトしかチェックしてなかったから、全米盤の発売日&タイトル決まったの知らなかった。Utada全米デビュー・アルバム「EXODUS(エキソドス)」、日本発売9月8日ですか。やたー。タイトルからしてめちゃめちゃカッコいいな。

 そして、

 今野緒雪『マリア様がみてる レディ、GO!』
 今野緒雪『マリア様がみてる バラエティギフト』
 今野緒雪『マリア様がみてる チャオ ソレッラ!』

 と購入。

 相変わらず来週いっぱいの寝る前に読むようですな。ついに既刊の最後まで来ちゃいましたよ。あとちょっとしかないと思うと寂しいですな……というか、やまさん鬼のようなスピードで17冊読了してる!負けたー。

 そんな感じで先日読了は、

 今野緒雪『マリア様がみてる 真夏の一ページ』
 
■今野緒雪『マリア様がみてる 真夏の一ページ』/コバルト文庫
 
 娯 楽 三 編 。

 何か目的のために頑張って頑張って、それを達成した充実感とか、心に負の部分があって、物語が転がって転がった上で浄化されるカタルシスとか、そういうのが微塵もないまったくの脱力娯楽編を三編収録。

 だ が そ れ が イ イ 。

 ときどきピコ文芸的な話が入るんでつい忘れてしまうんですが、違うだろ。マリみては文芸的とかそういうのを目的に読むんじゃないだろ。祐巳ちゃんホワホワとか、祥子さまキュピーンとか、そういう感じで読むんだろ。というかアレだろ、白薔薇姉妹が目当てだろ。志摩子さんはイイなぁ。

●略してOK大作戦(仮)
 祥子さまの男嫌い克服要因として、この辺りからぞろぞろと男キャラが出てきます。花寺の面々の(作者が)ハッチャけた設定っぷりは次巻で詳細になるんでまた今度。柏木とか祐麒とか、こんな感じの男は女性(読者)受けいいんだろうなーとしみじみ。おのれ柏木。

●おじいさんと一緒
 実は、タクヤくんについては『チェリーブロッサム』時点の志摩子パパと知り合いという情報から、このオチは予測していました。なんで初読にも関わらずずーっとオチまでの見せ方を楽しんでた感じ。
 もう少し白薔薇姉妹の場面を増やして欲しかったかなぁ。

●黄薔薇☆絵日記
 支倉令がボケキャラとして定着してきました。ツッコみ難いという真のボケキャラです。
 

2004.07.25.(日)
■第26話「俺を動かす力」/仮面ライダー剣(ブレイド)感想
 
 「貴様がヤツだったのか」(象アンデットの男)

 「ヤツ」呼ばわりで、カリスの正体はアンデットの中でも特殊なヤツという印象を視聴者に後押し。これはもうジョーカーのアンデットって解釈でいいんでしょうか。いろんなカード(アンデット)を演じられるってのもトランプでのジョーカーの役割に重なるし……今回でJのアンデットは全員出てきちゃったから、Qだとやっぱ女っぽいとか考えると、可能性としてはKかジョーカーしかないですし。

●睦月の克服課題は
 まだカテゴリーAの支配で引っ張るのか。この前の「闇からの脱出」で克服したんじゃなかったのか。数話かけて描いた話が無為になってしまったようでちょっとガッカリ。

●嶋
 冒頭の、同じ方向に向かって歩く人間の集団の中で一人だけ逆方向に歩いていく描写は中々カッコ良かった。一発でアンデットだと分かりました。

 チベットからキタ助っ人という設定が熱いです。アメリカとか親しみ度が高い国だとなんだし、ジンバブエとか、低すぎる国でも何だし、で、とりあえずチベット。ほどよく神秘的じゃん?くらいの理由で選んでるような気がします。アクション香港電影で言う、謎の師父(シーフー)のポジションです。

●暴れる象
 車ぶち壊した絵より、ハンマーぶんぶん振り回して柱を破壊してる絵がツボだった、楽しそうだった。

●剣崎くん
 使命感や義務感→人を愛してるから、で闘う(働く)理由を獲得、形態も新フォームへという話だったのだけれど、別にもう、番組開始当初から剣崎くんに関しては子どもや女性を直感的に守る描写ばっかりで、最初から100%人間愛で動いてる人だと視聴者は思っていたような。むしろ、使命感や義務感という言葉が唐突な印象。長い時間をかけて使命感や義務感に依存するマイナス部分を持ってる人物として剣崎くんが描写されていて、それが今回克服されて新フォームへとかだったら分かるのだけれど、特にそんなこともなく、今話だけいきなり使命感や義務感のマイナス部分を挿入した印象が。無理に人間愛と対照させるマイナス部分を入れなくても、そのまま人間愛、人間愛、繰り返しばっかだけどコレしかない、GO、の方が自然で良かった気がする。

●そしてジャックフォーム
 バット持ちで剣をフルスイングして、そのまま遠心力を利用して斬りまくる所メラ燃え。
 新フォーム登場にちゃんとEDをかぶせてくれたのも良かった。何気に龍騎サバイブ登場以来じゃない?去年はアクセルフォーム、ブラスターフォーム共に、初登場時はEDかからなかった気がする。
 
■第25話「いざ光の園へポポ!私たちも!?」/ふたりはプリキュア感想
 
 「我はドツクゾーンの支配者 ジャアクキング!」(ジャアクキング)

 な、なんかごり押しでラスボスの前に連れて行かれて、次回最終決戦っぽいんですけど。26話でちょうど2クールだし、マジ終わるの?って勢いです。本当残り2クールどうするんだろう、コレ。

 次回予告のマッチョな人がジャアクキングでしょうか。あ、熱(暑)い。ラストバトルはマッチョと格闘戦ですか。

●今週のポイント
 ・光の園の住人。ネギ、トマト、タマネギ、キノコです。意味が分かりません。やっつけ系のデザインが熱い。
 ・女王様。デカ過ぎ。

 なんか、光の園の世界観が物足りなかったなぁ。おジャ魔女の時の魔女界なんかと比べて、相対的に。
 

2004.07.26.(月)
■今週のWJ
 
 多忙につき短めで。

●DEATH NOTE

 先週の「私の初めての友達ですから」の台詞に関しては、月→Lでは「話を合わせただけ」とフォローされたけれど、台詞を言った当人のL→月ではどう思ってるのか(本心なのか)は謎のまま。

 そしてサブタイ「賭」で両者賭けに出て話もかなり(生きるか死ぬか)ギリギリの展開に。Lめっちゃピンチじゃん。もう一障害として、ミサ→月で名前が伝わるまでに何か障害がありそうな気はするけれど、そのラインで失敗してもレムにも顔見られちゃってるじゃん(つまり冒頭でレムが殺すのに必要な条件に挙げた「風貌」「居場所」のうち風貌を既にクリア)。レムを使って殺すんなら、あとは居場所さえレムに伝わればいいんでしょ?この圧倒的に不利な状況をLが覆せるだけの大技がLにあるんだろうか。まるで思いつかない。もう、もしかしてこの辺りでL死ぬ?

●タカヤ−おとなりさんパニック!!−

 今日は、キーワード「タカヤおとなりさんパニック」で検索してウチのサイトにやって来る人多すぎ。なんだ、多分それくらい渚ちゃんに心を鷲づかみにされた連中が多かったということだ!

 もう何というか、渚ちゃんの存在だけで金未来杯の一位はこれになりそうな予感。先週の「プルソウル」も面白かったんだけど、いや、やっぱ渚ちゃんだろ、みたいな。どんなに構成が優れていても、キレイにまとまっていても、一人の萌えキャラに全てをくつがえされることもあると言う。漫画って怖い。

 ラスト、渚ちゃんを殴打した外道キャラに主人公が打撃で向かっていったのは作者の良心です。僕はてっきりフォークを使うのかと思った。アブドル・ザ・ブッチャー並にフォークでシャクシャク攻撃するのかと思った。冨樫先生バリに修正入るのかと思った。それくらいやってくれちゃっても良かった。

●HUNTER×HUNTER
 イカれてるけどステキ。イルミの洗脳針があったっていうのは結果であって、キルアは予測してたワケじゃない。その過程として、友達のために、「逃ゲロ」って声を黙らせるために自分の頭に指を入れちゃうキルアにかなりゾクッときた。修正入るほど血みどろでイカれてるけど、すげー美しい。

●武装錬金
 メタルコートでブラボーの表情が隠れてるのが上手いっス。この段階ではブラボーがどういう心情でいるか読者に伝わらないという。
 六週間、夏の終わりまでと物語が区切られました。コレは、以前一週間と区切られて最高のエンディングを描いた蝶野編があるので、期待したいです。
 

2004.07.27.(火)
■雑想
 
 週末遊びに行くために黙々と論文を執筆。ジャーナルに出すヤツではないんだけど、微妙に手を抜けない……なんで、今週は激しくやっつけ更新となります。そして予告だけど、週末は学部時代の友達に会いに茨城に行くんで、更新は滞ります。皆さん、また来週。

 気になるニュース二点。

ガンダムSEED DESTINYの主題歌にT.M.Revolution

 な、なんだってー。

 や、やる気だ、西川さん(と福田監督)。

 去年パラパラとWEB巡回してて思ったのは、単純にTMファンだから見てみるかーと見始めてSEEDを見続けた人も結構いたっぽいこと。逆(ガンダム→TM経由)もまたしかり。これは望ましい。

 僕のように元からガンダムファンかつTMファンの人に関してはそれこそ、なんだってー、と喜ぶしかない状況だったワケですが。

●藤原カムイ氏が今冬より新創刊誌「ヤングガンガン」で『ロトの紋章』の続編を連載開始。

 こちらはガンガンYG参号からの情報。うわー、コレも楽しみだなぁ。僕の小、中学時代と共に合った漫画です。めちゃ好きだった記憶が。右手からメラゾーマ、左手からベギラゴン、合体魔法、メゾラゴンッッ!なんだそりゃ!みたいな。


 つー感じで、最近読了は、

 今野緒雪『マリア様がみてる 涼風さつさつ』
 
■今野緒雪『マリア様がみてる 涼風さつさつ』/コバルト文庫
 
 「あの、双子でいらっしゃるんですか」

 恐る恐る由乃さんが尋ねた。

 「そうです」
 「そうです」


 爆 笑 。

 花寺の男達のはっちゃけ設定っぷりが熱い。名前がニッコウ先輩、ガッコウ先輩ですよ。男塾に出てきて双子拳法を使いそうなくらい熱い。こんな、少年漫画バリのやっつけ設定でいいんだ。コバルト文庫とWJあたりの少年漫画の領域が一瞬重なって見えました。

 そして、今巻はクライマックスのパンダオチが熱い。こんな、パンダをギミックに使って感動させる気満々になってるとは、今野先生は熱い。ちょいとばかし、今回はうらぶれたパンダ好きには必読の一冊ですぜ?

 はっちゃけ具合満載ですが、本筋はいたってマリみてらしく、人間間の相互理解物語になっています。祐巳−(新キャラの)可南子、祐巳−祐麒、祐巳−祥子さまで、みっちりと人間関係が描かれます。可南子は今巻だけ見るとまったくもって逆切れの困ったちゃんですが、最終的には否定的には描かれなさそう(マリみては基本的にそうだけど)。祐巳との関係は続巻へ持ち越しで、破綻した関係をどう修復していくか、その形、みたいなテーマを描く一翼を担うキャラになる予感。祐麒関係も祐麒→祐巳視点で祐巳の成長に気づいてしまったり、祐巳→祐麒視点で祐麒の生徒会長としての意外な一面が見えてきたりと面白いんですが、最後のパンダオチで祐麒は祥子さまを際だたせる対比要因になっちゃった感じ。祥子さま>祐麒。なんだ、祥子さま、祐巳べったりなだけじゃなくてちゃんとしてんじゃん、みたいな。そんなオチ。
 

2004.07.28.(水)
■雑想
 
 明後日までなんだけど、論文終わるかな…終わるよ、きっと終わるはず、終わるよね?

 そして、金曜の午後から3日ほど完全オフなのだ。その希望によりかかるようにあと2日間頑張りますよ。あー超楽しみ。金曜の午後は茨城行く電車の中で読む本を買おう。本屋に一時間くらい居座って選ぼう。


 本日購入は、

 宇多田ヒカル『ヒカルの5-Utada Hikaru in budokan 2004-』/DVD

 うむ、早く観たいんだけど、論文終わるまでおあずけ。


 あと借りてきたのが、

 T.M.Revolution『Web of Night』/シングル

 まだ、ザっとしか聴いてないけど、カッコいいな。始まり方が燃え。


 でもって最近読んだのが、

 日本橋ヨヲコ『プラスチック解体高校』

 これも最高だったんだけど、『G戦場ヘヴンズドア』と同じく言語化できねぇ。何者なんだ日本橋ヨヲコ。
 取りあえずヘヴンズドアの最後の「望んだというよりはそう生きるしかなかった それこそが『人格』だよ」の台詞は、都先生が言うからこそ深く光るのだと言うことが分かりました。


 ラストに、昨日の読了は、

 今野緒雪『マリア様がみてる レディ、GO!』
 
■今野緒雪『マリア様がみてる レディ、GO!』/コバルト文庫
 
 けれど、志摩子さんはいつでも祐巳の二歩も三歩も先を歩いていて、とてもじゃないが容易に追いつけそうもないのだった。

 当の志摩子さんが余裕で籠娘になって由乃さんに追いかけられたり、流されて藤娘になってたりするのが熱い。ノリノリで借り物競走に参加してるのが熱い。

 いや、違う、違うんだ。そんな斜めに燃える所じゃないんだ。普通に、同世代の視点からして遙か遠い先を歩いている立ち位置にいる志摩子さんがカッコいい。


 本編は前巻で予想された通りの祐巳と可南子の和解話でした。オチから逆算するに、祐巳が思い切って可南子と直接対話した所で、実質可南子の気持ちは決まってたってことなんですよね。和解に必要なのは誠意ある対話ということですか。そのいざ直接対話にいこうって所までの心情描写での盛り上げ方が相変わらずステキだったっス。


 少し気になったのは、さらっとだけど、祥子さまパパが随分好印象キャラとして登場したこと。正妻の他に女をかこって祥子さまのトラウマを作った悪いヤツポジションにいるハズの人だったんだけど、やけに好印象。結局この人も肯定されるように描かれちゃうんだろうか。マリみては百合百合しい意味での性倒錯はしてるんだけど、1対多数で男女の関係性を結んでしまうような方向では性倒錯しない、むしろそういうのは悪いくらいの勢いで描いてるものだと思ってたので、やや意外。なんつーか、ここまで読んできて思うのは、女−女のペアでちょっと普通じゃない絆を描いてるのは、逆説的だけど、普通じゃない、あたりまえじゃない絆を描くことで、普通の、当たり前の1対1の絆の良さを際だたせてるような気がする。祐巳が祥子さまに一途なのから始まって、基本的に登場人物みんな、相手が1なら自分も1で真摯に向き合って人間関係を発展させ、絆を作っていってます。そういうのがイイんじゃん?って言ってる話のような気がする。『いちご100%』の真中みたいな1対多数で不真摯にフラフラ意識が拡散してるヤツはダメじゃん?みたいな。
 なんで、祥子さまパパについては、今回の紳士っぷりが裏返ってやっぱり真中みたいなダメベクトルのキャラだったと明らかになるか、実は女の人を囲ってるのも誤解、あるいは真摯に相手と向き合ってるようなやんごとなき理由があると明らかになるか、どっちかじゃないだろうか。完結までに祥子さまパパにスポットが当たるのかどうかも分からないまま言ってますが。
 

2004.07.29.(木)
■雑想
 
 今日は所属してる大学のオープンキャンパスでした。フレッシュな高校生達が「ごきげんよう」って感じで大学中に溢れていました。けれどウチの研究室には1人も訪ねてきませんでした。一応歓迎ムードの張り紙も張ってあったんだけどなー。まあ、高校生の時から認知科学やります!なんて決めてるヤツは、普通はいないってことですか。

 高校時代のフレッシュさを忘れないように、色々と人とコミュニケーションを取るように心がけている。研究室の韓国の人とコミュニケーションを取ったりしてる。


Kさん:「あー、空から沢山のお金が降ってこないかなぁ」

ゆいま:「無理」


 なんか、夏期休業モードでここ数日研究室に僕とKさんしかいないんだよなぁ。


 そんな感じで、何とか論文は終わったんで、明後日は茨城に行って来ます。何をしに行くかというと、級友のボブ・サップのモノマネを見に行きます。ネットごしに本人は自信あるらしいことが伝わってきてるので、スゲー楽しみです。でも、98%くらい似てないだろう心持ちで見に行きます。ヤツのモノマネが似ているはずがないんで。


 本日読了は、

 今野緒雪『マリア様がみてる バラエティギフト』
 
■今野緒雪『マリア様がみてる バラエティギフト』/コバルト文庫
 
 雑誌に短編で書き下ろされたモノを単行本用に再構成したものの模様。なんで、いつもと大分かってが違う感じ。主要メンバーほとんど出てこないし。

●降誕祭の奇跡
 短編4つ収録ですが、コレが一番かなぁ。病院に入院中に夢うつつのまま交わした姉妹(スール)の約束を胸にリリアン女学園にやってきた少女の物語。オチはクリスマス用短編ってことで奇跡オチ。夢うつつの世界を経験する舞台に病院を選んだってのが上手いよねぇ。その辺の道ばたで出会ったとかより、よっぽど幻想性が高く感じられました。僕も入院した経験から思い起こすに、なんとなく非現実の趣がありますよ、入院中の病院の病室、特に夜ともなれば。

●ショコラとポートレート
 実の姉妹間での思想の違い、だけど最後はちょっぴり仲良く、みたいな話ですが、実際の姉妹とリリアンの姉妹(スール)制度の姉妹を地味に対比させたりしてたのだと考えてみたりすると面白かったかな。
 そんなに本編については語れないんで、ときたま挿入されるマリみてで自分語りですが、この話のお姉さんみたいに超マジで自分の中の優先順位の一番をつけて大学受験めざして恒常的に勉強に打ち込んでる人って世の中にはホントにいるんですよね。田舎から関東圏の大学に行って出会った人の過去話を聞いて、そのことに驚いた記憶があります。小学生から塾に通ってたとか、そういう人ホントにいるんだ、みたいな。僕はそういうのは無かったなぁ。受験目指した勉強は短期間しかしなかった。どっちが幸せかとかどっちが優れてるかとかは良く分かりませんが。

●羊が一匹さく超えて
 とりあえず乃梨子ちゃんの魅力満載で。白薔薇姉妹の片割れは、やっぱしイイなぁ。

●毒入りリンゴ
 由乃さんの妹絡みの物語が11月までと期限が区切られました。単行本にしたらあとどれくらい先なんでしょうか。5冊くらいでしょうか。今の時点では由乃さんの妹に関してはイメージが沸かない。祐巳の方はなんとなく補い合っていくような妹を作るんだろうなとかイメージありますが、由乃さん、一人でもこのままいけそうじゃん。
 

2004.07.30.(金)
■雑想
 
 予定通り小旅行に行ってくるんで、3日ほど更新空きます。また来週。


 『oricon style』第26巻第30号
 奈須きのこ『空の境界』上・下

 と、購入。

 旅行用読書本。専門書も一冊買ったので金銭的にピンチかもだ。


 でもって、本日読了の、

 今野緒雪『マリア様がみてる チャオ ソレッラ!』

 を入れて、今月の読了は11冊でした。

 『博士の愛した数式』以外は全部読みやすいマリみてってことで、我ながらスゴいペース。年間50冊目標、今年は余裕で到達できそう。
 
■今野緒雪『マリア様がみてる チャオ ソレッラ!』/コバルト文庫
 
 今まで自分たちが知り得なかった世界を知り、まずは受け入れてみる。それは難しいことだけれど、とても大切なことなんだって思えてきたから。

 マリみてがイライラせずに読めるのは主人公のこういった姿勢によるところが大きいです。僕は随分とマリみては相互理解の話だなぁということを言ってますけど、この辺りの姿勢が相互理解の基本かと。自分と異なる考え、価値観、大きく言えば異なる世界の存在を認めることができるかどうかが初歩の初歩だけど最も基本。『最後の審判』の絵画を見て涙を流して感動する志摩子さんと、「太ったイエズス様だ」と評価する由乃さんという両極端な二人に対して、それでも二人とも大切な友人なのだと祐巳が述懐する場面が象徴的。様々な主観、評価があるのは当たり前。それを違えたからといって、大マジの対立になることなどバカバカしい。違う世界の存在を認められる人にとってはその辺りは余裕。小説やら漫画やらに関して自分と異なる評価を目にするや否や排他的に否定に走る幼稚な人々なんかと比べると、作者は遙かな高みにいます。

 本編は、旅行気分を届けてくれた点では楽しかったけど、随分と物語に起伏がない感じ。タメの部分とヤマの部分とか、伏線を張っておいてそれをちょっと意外性をもって消化とか、そういうのが全然無し。淡々とした旅行記といった趣。イタリアこそ直接行ったことはないものの、近隣諸国に行ったことがあるので僕は楽しめましたけど。

 あとは、イタリアと聞いた瞬間から出るか出るかと思ってた蟹名静が出てきたのはファンサービスを分かってらっしゃるという感じで満足。なんだってこの人はこんなにカッコいいんだ。白薔薇姉妹と蟹名静さまで、マリみてのカッコいい成分の大部分を担ってます。
 

2004.07.31.(土)
■雑想
 
 大学時代の友人と会合。

 ボブ・サップのモノマネは予想通り期待ハズレでした。予想どおりな点で、ある意味期待通りでした。

牛久大仏に行ってきた

 身長100mでギネスブックに登録されているそうです。現地の各所に奈良の大仏との比較パネルが展示されていたのがヒット。奈良の大仏は15mほど。牛久大仏は100m。奈良の大仏上等です。暴力的に牛久大仏の方が勝ってます。聖武天皇の時代の人々の努力を、近代科学の粋を集めて蹂躙しています。全体的に勝者の貫禄、というかふてぶてしさが滲み出ている大仏様でした。燃え!

 (大仏様の)中に入れるんで、せっかくだから入ってきたんですが、入り口で強制的に説法を聞かされるという仕様が僕の心を鷲づかみに。

 (大仏様の)入り口に入ったら、ガイドさんがとことことやってきて、突然入り口の門が閉鎖。なおかつ部屋全体が暗転。前に進む扉も開かないので、どうしようもありません。

ガイドさん:「1分間ほど、お話を聞いていただいた後に入場という運びとなります」

 一時的とはいえ、22年間生きてきて、初めて強制的に身柄を拘束されるという経験を味わいました。人権侵害風味の仕打ちに俄然僕の心は燃えてきます。

 また、そこでスピーカーから聞こえてきたお話、っていうか説法の内容が熱い。

 要約すると、

 「あなた達は(大仏様のような)大いなる存在によって生かされているので、そのことをわきまえて謙虚に生きろ」

 余計なお世話です

 いや、僕は自分の力で生きてるぞ!と反論したい気分になりましたが、ガイドさんに反論してもしょうがない、というか、スピーカーの向こうで喋ってるのは(たぶん)大仏様なので、人間の僕としては反論しようがありません。僕にできるのはひたすら笑いをこらえるだけ。笑っちゃガイドさんに悪いと思ってマジ必死でした。

 いやー、マジで素晴らしかった。一夏の爆笑体験に飢えているチャレンジャーなあなたは是非。ホントお薦め。入場料金800円取られましたが、帰りの車の中でぐったり爆睡するほどに笑えました。多分コレが、僕のこの夏一番の思い出になると思います。
 


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