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(2004年5月〜8月)
こんな酒を飲みました2004年



8月28日(土)
宮城県塩釜市・阿部勘酒造店
「純米吟醸 生 於茂多加(おもたか)」
 新酒のしぼりたてを、ずいぶん寝かせておきました。うすにごりの酒の中からたつ香りは、新鮮さを残しつつも、とても穏やか。まるみを帯びた味とうまく絡んで、よい雰囲気。程良い酸味と渋味は、しぼりたての酒を感じさせるには充分で、米のふんわりした余韻が心地よい後味として残る。
 寒い時期に、しぼりたての若々しさを飲むのはもちろんうれしいが、秋の風を感じる頃に、まるくなった味を、しじみじと楽しむのも、また良しといったところか。


8月2日(月)
岩手県久慈市・福来
「三船十段 特別純米酒」
 しっかりした味の中に、かすかに感じる酸味が心地良い。適度に渋味もある。なによりも口に含んでから、喉を過ぎていくまでの過程が、とても清々しい。すっきりとした味なのだが、同時に力強さも感じる。実在した柔道家を酒の名に冠しているところもユニークだが、裏ラベルにその経歴と得意技についての解説が記されており、読んでいるうちに、その技と酒の味がシンクロして不思議な技をかけられているような気持ちになってくる。まさに一本とられました、参りました、といった感じです。





7月31日(土)
福井県小浜市・濱小町酒造
「濱小町 うり割の酒」
 辛口の純米酒。味の中心は、強く感じる米の旨味。まぎれもなく米と水だけで醸された酒という感じ。吟醸酒クラスの精米歩合ながら、きれいになりすぎず、野趣めいた印象もあり、幅の広さが感じられる。水の良さも特筆だろう。勉強不足なので、「うり割」という名の由来には詳しくないが、おそらく地元の名水のことなのだろう。
 Goodです。


7月18日(日)
岩手県一関市・世嬉の一酒造
「世嬉の一 手造り大吟醸」
 穏やかな吟醸香。米の一番良いところを凝縮したような、きれいな旨味がある。仕込水も良いのだろう、美味しい水を飲んだときの爽快感がある。全体から受ける印象は、とてもクリアだが、物足りなさを感じさせないのは、絶妙なアルコール度数のなせる技か?飲み進むうちに造りの良さが、じんわりと伝わってくる。
 野菜や、あっさりした料理と合わせると、とても良い。





6月29日(火)
福島県郡山市・渡辺酒造本店
「雪小町 純米辛口」
 独特な香りがする。米の香りなのだろうが、水の香り?と思わせる不思議さがある。中硬水を仕込水に使用しているとのこと、なるほどミネラル感があり、おもしろい味。ほどよい辛さによって、味が引き締まっている。日本酒にとっての水の役割の大きさというか、水によって酒の個性がこれほどまでに活きてくるということを、実感させてくれる酒。


6月17日(木)
岡山県赤磐郡山陽町・室町酒造
「櫻室町 吟醸 吟冷酒」
 備前雄町米100%で仕込んだ吟醸酒。米の香りがとても良い。はなやかな、いわゆる吟醸香とは少し違う、米のほのかな甘さを感じさせるような、落ち着いた香り。かすかに酸味があり、奥の深い味だが、後味はさわやかですっきり。やわらかいのに、力強いという、一見相反するものが、上手に融合している感じがする。しっかりとした味なので、食中酒としても料理に負けることがない。もちろん、この酒だけを、じっくり楽しんでも良いと思う。米の力が実感できる、素晴らしい酒。


6月6日(日)
山形県東置賜郡高畠町・後藤康太郎酒造店
「錦爛」
 素朴で飾らない雰囲気がある。旨口の味の中に、きりりと引き締まった一本の柱が感じられる。味のバランスが良いので、食中酒として飲めば、どんな料理にでも合いそう。個人的には、ひなびた温泉につかった後で、涼しい風に吹かれながら、地物の新鮮な野菜なんかをつまみながら飲んだら、ぴったりハマるだろうなぁと思う。実に、しみじみします。
 赤い地に金文字のラベルもGoodです。


6月1日(火)
石川県松任市・車多酒造
「天狗舞 しぼりたて」
 買い求めてから、ある程度時間が経ったためか、じぼりたての荒々しさが、程良くまろみを帯びて、独特の味わいになっている。とはいうものの、力強くグイグイ迫ってくる感じは、さすがしぼりたての酒、生のフレッシュさもそのままあって、とても飲み応えがある。日本酒にとっての酸味の重要さというか、しぼりたての酒に特有の、わずかな苦味と共に感じられる酸味が、この酒を活かしていると思う。
 この酒も、コストパフォーマンスとして優れている部類に入るだろう。





5月28日(金)
岡山県津山市・多胡本家酒造場
「加茂五葉 やわらか純米」
 ほんと〜に、やわらかい味。優しいとか穏やかというのではなく、まろやかというよりも、とにかく、やわらかい。
 仕込水のなせる技なのだろうか?精米歩合は、純米酒としての基本である70%。米本来の味を楽しむのなら、この位が良いのだろう。アルコール度数が若干低く、これがやわらかさの正体かな?と思ったら、酒がゆっくりと、うなずいているような、不思議な感覚にとらわれてしまいました。


5月16日(日)
佐賀県小城町・天山酒造
「天山 吟醸 春花秋月」
 とても良い香り。澄んだ味の中に、しっかりとした旨味がある。やや辛口だが、ほのかな甘さがあり、奥ゆかしい。使用米の個性もあるのだろうが、芯が強く、味痩せがない。どちらかといえば、淡い味の食べ物と一緒に飲むと、より美味しいかもしれない。ネーミングも日本酒らしく、風流でとても良し。


5月10日(月)
北海道旭川市・高砂酒造
「国士無双 本醸造」
 口の中で、米の旨味と、ほどよい辛さが、ふわーっと広がる。後味は、すっきりとして、きれいにさばけていく。なによりも飾らない雰囲気が心地よく、気取らずにグイグイ飲める。料理との相性も良く飲み飽きない。飲み進むうちに、ほっとした気持ちに包まれて、仕事の疲れが少しずつ、ほぐれていくようだ。
 晩酌という言葉が、ぴったりハマる酒だと思う。


5月4日(火)
岐阜県各務原市・小町酒造店
「大吟醸 長良川 玉響(たまゆら)」
 口に含むと自然な米の甘さを感じる。加えて適度な酸味が味を引き締めている。枯れたような香りのほのかな余韻が、奥ゆかしく穏やかな雰囲気がある。仕込水も良いのだろう、スーっと飲める。新鮮な山菜が手に入ったので、軽く茹でたものをつまみながら飲んだら、緑色の風が吹き抜けるようなさわやかさがやってきて、とても良かったです。旬の食べ物と合わせて飲むのが、かなり良いと思います。


5月1日(土)
静岡県小笠郡大東町・土井酒造店
「開運 吟醸」
 味の中心は辛さだと思うが、ツンとくる辛さではなく、味わい深い丸みのある辛さ。穏やかだが、吟醸酒らしい香りが全体を包んでおり、飲むほどに造りの良さが伝わってくる。きれいに澄んでいながらも、日本酒らしく米の味がしっかりとしており、旨味がグイグイと押し寄せてきて、力作といった感じがする。
 おいしいです。





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