第7話「好奇心は危険がいっぱい!」

 ある日、シルクネットのフリートークに、このようなコメントがUPされた。

<シルクファイブって素敵!>
ねえ、皆さん、シルクファイブって知ってますよね。私、彼等の大ファンです。シルクVの事、もっと知りたい。できれば仲間に入りたい!と、思っています。どなたか、シルクVについて、情報を持っている人、教えて下さい。それから、シルクVファンクラブも設立したい、と思っています。賛同して下さる方、メール下さーい!
コエモンアゼラウヤ

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 シルクファイブの秘密基地では、5人のメンバーと、鈴木博士が集まり、この発言を読んでいた。
「君達も、有名になってきたようだのぉ。」
「僕等の活躍が認められたようで、嬉しいですよね。」
「おいおい、紅、天狗になるなよ。サインの練習なんかしてないだろうな。」
「黒海、何言うんだ!こえもんさんの気持ちに応えて、これからも頑張ろうってことだ!!」
「これこれ、喧嘩はやめるのじゃ。さあ、パトロールの時間だ!」
 彼等は、ネットに敵が出没していないか、パトロールを始めた。
 だが、こえもんの発言に注目したのは、彼等だけではなかったのだ。

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「総帥、ここに、目障りなコメントがございます。」
「・・・・。ほう、シルクファイブに肩入れするとは、気に入らぬな。しかし、この、こえもんとやら、奴等について、詳しいことを知っていそうだ。もしかすると、我々の知らない、シルクファイブの秘密をも知っているかもしれぬ。おびき出して捕まえよ!」
「ははっ!」
 こうして、敵は、こえもんに罠をかけた。

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 こえもんがログインすると、シルクファイブからの招待状が来ていた。
「やったー!私を、秘密基地に、特別に招待してくれるの!シルクV公認のファンクラブにしてくれるなんて!えーと、待ち合わせ場所は・・・。」
 こえもんは、うきうきと、待ち合わせ場所へと、出かけていった。

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 約束の時間より早めに来ていたこえもんの前に、魔神獣が現れた!
「ひっひっひ・・・、シルクファイブじゃなくて、悪かったな。奴等の秘密、総帥に話してもらうぞ。」
「きゃ〜!いやー!誰か助けて〜〜!!」
 彼女を捕らえようとする、魔神獣ユーカイン。
 そこに、シルクファイブがやってきた。
「待て、魔神獣、お前にこえもんさんは渡さないぞ!」
 ユーカインと闘うシルクファイブ。しかし、恐がるこえもんがレッドにしがみつき、思うように技が出せないでいるうちに、隙を見て、ユーカインは逃げてしまった。

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「あ、ありがとう、シルクファイブ。お会いできて光栄です。」
「こえもんさん。怪我はありませんでしたか?我々の敵は、卑劣な奴等なのです。もう、2度と、奴等の誘いには乗らないで下さい。」
「わかりました。気を付けます。あの、サインして下さい!」
 だが、彼女がバッグから色紙を出すうちに、彼等は立ち去ってしまった。

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「ユーカイン!よくも、おめおめと戻ってきたな!覚悟おし!」
 敵の指令本部では、怒る女が、魔神獣を分解しようとしている。総帥は、それを制した。
「もう一度、チャンスをやろう。必ず、シルクファイブの秘密を探ってまいれ。」
「はい!必ず、我が身に換えましても。」

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 こえもんは、再び、シルクファイブから、という、メッセージを受け取った。この前、恐ろしい目に会わせたので、そのお詫びに、彼等のシルクバギーに乗せてくれるというのである。
「これも、罠かもしれないけど、だとしたら、逆に、敵の正体を探って、シルクVのお役に立てるかもしれないわ!」
 こうして、また、彼女は、誘いに乗ったのであった。

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 やはり、敵の罠であった。ユーカインはこえもんを連れ去ろうとする。
「どうして、シルクネットを狙うの?あなた達の目的は何?」
「生意気な!訊問するのは、俺の方だ!こっちへ来やがれ!!」
 麻痺銃を構えるユーカイン。
「やはり、現れたな!魔神獣!」
「ぐ・・シルクファイブめ、また邪魔しに来おって!」
「こんなこともあろうかと、こえもんさんに発信機を付けておいたのだ!ユーカイン、今度こそ、逃がしはしないぞ。覚悟しろ!」
 シルクファイブは、技を繰り出してユーカインを攻撃し、必殺技『スーパーPowerクラッシュ』で、敵を葬り去った。

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「シルクファイブ、2度も助けてくれてありがとう。約束破ってごめんなさい。」
「いいえ、こえもんさんが無事で良かった。しかし、もう危険な真似はしないで下さい。」
「・・・・、わかりました。最後に、教えて。あなた達は、ネットの会員なの?」
「我々は、善良な会員の正義の心から生まれたんです。では、さようなら!」
 颯爽と立ち去るシルクファイブ。彼等を見守るこえもん。
 通信戦隊シルクファイブは、シルクネットの希望の星なのだ!
(第7話おわり)




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