Volume
13
インド、再び
ロンドンであんなひどい目にあったにもかかわらず!私は海外旅行にハマってしまった。旅のトラブルは後から思い出せばなかなかいいもんだ、などと楽しめるようになってしまったからである。そしてあっという間に一年近くたった。
平成〇年8月 また夏休みがやってくる。やはり一週間の休みである。会社の一年のサイクルというのは本当に単純明快で、一年前と何ら変わることはなかった。ただ変わったといえば、 「今年もどっか行くの?(爆笑)」 と社内、社外の人々に鋭いツッコミを入れられることであった(笑)。こうなってはどこへ行くにしても秘密に出来るわけはない。「今年はちゃんと公表して出かけよう」と決意新たに?私は旅行に行くことにした。 しかしここでまた問題が発生した。日程のあう友人がいないのである(またか!)。それをメールフレンド「さいちゃん」に何気に書いてみた。 ・・・今年はネパール・インドで一週間くらい行きたいのに、またまた連れがいないんだなぁ〜 (返信)・・・いいねぇ!行こう行こう! アジアン大好きさいちゃんが即、一緒に行こうと言ってくれたので苦労せずして連れが見つかったのである。やはり旅好きの類友である。 さて、ここでネパール・インドのはちゃめちゃ旅行記などを紹介したいところだが、またまた話の都合上?割愛させていただくことにする。でもほんの少しの少しだけ。 <集合>もちろん?現地集合。成田と関空からそれぞれ勝手に飛行機に乗ってインドのホテルで待ち合わせた。 <ネパールにて>ヒマラヤ遊覧飛行にて本物のチョモランマを見ることが出来た。感激する。 <インドにて>頭の上に冷蔵庫を載せて運んでいるおばさんを発見。驚愕する。 そしてやはりあっという間の帰国日。 またもやいつものドラムバック一つで身軽な旅行である。そしてもちろん帰国日は日曜日。でも前回の教訓を活かして?お昼頃の帰国にしていた。 ニャ「あーネパールもインドも楽しかったね〜。いろんなところに遊びに行けたしね。これでちゃんと帰れたらいうことなしだよね〜」 さい「ホント、ロンドンじゃビックリしたよね(笑)」 今回は怪しい?アジア旅行ということもあって、空港まで現地ガイドの人が送迎してくれるように先に手配をしてあったのであった。 ガイド「デハ、シュッコクテツヅキシマ〜ス!」 ニャ「おおきに、おおきに」 当然ながら帰りの便も別々である!私は関空へ、さいちゃんは成田へ帰る・・・のである。 ニャ「どっちかの便しか飛ばなかったりして〜」 さい「どっちが『不幸の根源』かわかるね〜」 二人「わっはっは!!(爆笑)」 そうして時は過ぎた・・・。出国手続きをすると言ってカウンターに消えたガイドはなかなか帰ってこない。パスポートを預けているのでなんだか不安になってきた。 ニャ「遅いなぁ〜」 それからほどなく、彼は帰ってきた。しかしパスポートは持っているが航空券は持っていない。 ガイド「ヒコウキ、ノレマセン。コマリマシタ!」 二人「なぬ!?」 ガイド「ヒコウキ、セキガアリマセン・・・。」 さい「飛行機の席がないって・・・どこ行き?」 ガイド「ナリタ、デス!」 ニャ「でたぁ〜!!!」 さい「やられた〜」 ガイド「モウイチド、キイテミマス・・・」 成田行きの便はなんとオーバーブッキングであった。お盆休みと重なり、帰国ラッシュのためどの便も定員いっぱいである。しかし、実際の席よりも多くの予約を取ってしまってはいけないじゃないか!インド航空・・・。 またまたかなりの時間待たされた。ちょうどその前にチェックインした人はちゃんと成田行きに乗れるようである。ということは目の前で席がなくなってしまったわけで^^; ニャ「・・・これで前回のロンドンの一件も誰が『諸悪の根源』であるかがはっきりしましたなぁ(笑)」 さい「ええ〜!? 違う違う。私じゃないって、これも偶然の不幸な出来事でしょ!!」 ニャ「・・・(ニヤニヤ)」 さい「日本に返せ〜!(怒)」 その願いが通じたのか? しばらくするとガイドは帰ってきた。 ガイド「フタリトモ、オオサカイキネ!」 さい「ええー!? 冗談でしょう?」 ニャ「とりあえず日本には帰れるんやん、さっき『日本に返せ〜』って言ってたことだし(笑)」 さい「うわぁ〜、初めての関西だよ!!」 インドで集合&解散のつもりだったのに、今度は日本まで共にすることになってしまった。しかもさいちゃんにとっては初めての関西進出である。記念すべき?初上陸。 空路7時間、関空行きは予定通りに大阪に着く。 ニャ「おお〜帰ってきました!」 さい「ここは・・・どこ、成田はどこ?(笑)」 ニャ「これから新大阪まで行ってやね〜、そっから新幹線に乗ってやね〜、長い旅路やね」 予定通りに到着したものの、帰国日はお盆休みと重なって東京方面へ帰るUターンラッシュがピークであった。関空の「みどりの窓口」でとりあえず切符を買わなければ。 さい「・・・お金、足りない」 ニャ「そやね、そやね。新幹線に乗るなんて思ってなかったもんね(爆笑)。」 なんとか切符を購入し、私は彼女を見送ることにした。 さい「『新大阪』の駅ってこの電車に乗ったら着くの?(ものすごく不安)」 ニャ「そや!困ったことがあったら駅員さんに何でも聞くんやで〜」 まるで子供を『はじめてのおつかい』に出す気分であった。右も左もわからない大阪、周りの人の関西弁にさいちゃんはさぞかし不安だろうと。そんな彼女をホームで見送った。 そして私は彼女のことを『やはりただものではなかった!』と思わずにはいられなかったのである。 おしまい。 オマケ)彼女はやはりラッシュの新幹線に乗る羽目になり、ほとんど立ったまま東京まで帰ってしまったそうだ。何とも涙を誘う!?話である(笑)。 |