Volume 2

ブーツとクリームソーダ

私はいつも「田舎者」呼ばわりされていた。見た目は洗練されてナイスバディなのに?住んでいるところが「田舎」だというのである。これはそんなレッテルを覆そうとして失敗してしまった話である。

高校は地元の公立高校に進んだ。先輩には橋田寿賀子先生や沢口靖子さんが出た、「女の子はかわいい!」と評判の学校である。今はどうなってるのか知らないけど。その中で私は毎日電車通勤をしていた。多くの学生は電車通勤だったが、仲良しの二人(ゆみちゃん&たつた)は学校まで自転車で通える距離のいわゆる「都会者」であった。

入学した年の冬、私は引越しをした。

Y「Pのとこって、もっと田舎に引っ越したん?」

P「田舎じゃないよ! ニュータウンと言ってや」

Y「T市ってS市よりもっともっと南なんやろ、すごいよなぁ〜」

P「あんまりこことかわらへんって」

そんなある日、朝起きると雪が積もっていた。いつもよりも少し早めに出ようと家の玄関を出たとたん、ズボ!という音とともにスニーカーは雪に埋もれてしまった。

P「あちゃ〜、これ歩かれへんなぁ…」

母「それやったらブーツ履いていったら。こけへんし。」

P「そやな〜」

私はスニーカーからブーツに履き替え、何事もなかったかのように電車に乗り学校へと向かったが…!!

なんと最寄駅についてみると雪なんてどこにもないではないですかぁ〜!!

Y「なぁ…(笑)、なんでブーツ履いてきたん?」

P「あれ? 雪積もってなかった??」

Y「どこに?」

P「だから、朝、雪が積もってて、靴埋もれて、ブーツにしたんやけど…」

Y「靴埋もれた!?

P「あれ? 雪は? 雪…(しくしく)」

こうして雪の積もる田舎T市に住む私はますます「田舎者」としての市民権を獲得した…。しかもブーツは靴箱には入らなかったので、靴箱の上に置いていたためにますます目立った。その日確か体育の授業があって、ブーツしかない私は非常に困ったことを覚えている。上履きで頑張ったのか、他人の靴を拝借したのか…?(忘れた)

おしまい。

(余談)

クリームソーダが好きな私にものすごく「プレッシャー」を与えた事件が同じ頃起こった。

ちょうど一年生のクラスで何かの打ち上げと称して喫茶店「花と蝶」でお茶していた時である。いつものようにクリームソーダを頼み、他愛もない話に夢中になっていたので何気なく口に含んだはずのストローの感触が最初なんだかよくわからなかった。

P「………!?」

吸っていたストローの正体は実はスプーンであった!!

P「☆▲?♪◎□!★〇?」

周りを見回してみる…、よかった。誰も気づいていない。そう思ったとき、目の前のTがいなくなっている…、いないと思ったら、お腹を抱えて笑い転げていたのであった…。

その後、もちろんTによってみんなに公表されたのは言うまでもない。

今でもクリームソーダを頼むと、いちいちストローとスプーンを確認してからでないと飲めない。つまらないトラウマである。でもこの後、もう一度同じ失敗を繰り返した。でもその時は誰にも気づかれなかったのさ。