Volume
3
親の骨かじり
私は大学受験に失敗して浪人した。というか「勉強好き」が私を予備校に通わせたのであった。そんな頃の素晴らしい怪事件。 予備校時代は大変楽しい1年だった。普通は「暗い」イメージになりがちであるが、周りの友人にも恵まれ、「これでもか!」というくらい遊んでいた。しかしそんな楽しい一年も冬が来るとさすがにあせってきた。1年勉強したところで合格できる保証はどこにもなく、やはりここで頼るのは最後の最後は「神頼み」であった。 平成〇年元旦 私は家族で初詣に出かけた。そして「おみくじ」をひく。 P「おみくじひこうっと」 母「何やったん?」 P「……凶やったわ」 母「やめときゃいいのに(笑)。はよくくっとき」 P「そやな、次行こう」 そして私はその後、神社やお寺をはしごしてそのたびに「おみくじ」をひくのだが、次々と繰り出される「凶」の嵐にさすがに不安になってきた。そして四件目…。 P「さ、おみくじひくぞ!!」 母「もうやめとき」 P「ひいてやる〜!!」 父「あ、大吉や」(父は自分のことを言っている) P「……私、大凶……」 家族「……あーあ」 P「もう合格できへんってことかなぁ(ふぇーん)」 今でこそ笑い話だが、その当時は本当につらかった。並べたおみくじは「凶」「凶」「凶」「大凶」。最後の「大凶」に半泣きの私。そこへのんきな父がやってきた。 父「ん?『大凶』か。じゃ、交換してあげよう。お父さんが『大凶』、N子は『大吉』これでよし、くくっておこう。」 P「お父さんありがと〜(涙)」 ああ、なんて素晴らしい親子愛(自分で書くな?)。その後ちゃんとオチがついているとは夢にも思わなかったのである。そして一ヵ月後…。 母「お父さん、ケガしてんて」 P「どうしたん?」 母「福井に出張に行ってて、雪でこけて鎖骨折ったらしいわ」 P「あーあー」 父「あいててて…」 そしてそのまた一ヵ月後…。 |