Volume 27

靴下な日々

私は生まれたときから足の形が変である。変というか癖のあるというか、まったくもって父と同じような足の形で、いわゆる「外反母趾」のひどい版である。これを見る限り私は父の子なんだと自覚させられる(笑)。

小学生の頃はいつも靴の横側の出っ張り部分から破けてしまい、いつも靴を買っていたように思う。同様に靴下もよく破れた。破れる場所は決まって親指からで、これは今でも変わらない。

さて。前置きはこれくらい。

私はどうも靴下にまつわる事件が多発する。海洋センターでヨットの活動するときなどは、靴ごとスロープからズブズブと海に入り、帰ってきた後に脱いだ靴下といったらもう言葉では表現できない異様なものであった!

ある日のこと。その日の私の担当はカッターであった(これはスロープから海に入る必要がない)。これに気をよくして?おニューの靴下をはき、私は艇庫前に集合した。一緒にいたのは同期のがちょん&シャーミン。

ニャ「今日も暑いね〜、なぁシャーミン、なんで長袖着てるの?」

シャーミン「お肌が日焼けするからに決まってるやん!」

がちょん「それよりさぁ、ニャロメ」

ニャ「何?」

がちょん「その靴下はどうしたん? ふっ(鼻で笑う)」

ニャ「どうしたんって、そりゃ買ったに決まってるやん!」

がちょん「買ったって、何でまたそんな趣味なん!?」

二人は私の靴下を見て、爆笑していた。そこで私は言い返してみた。

ニャ「これって『KENZO』の靴下やねんで〜」

爆笑はさらに大ボリュームとなってしまった(笑)。ちなみにその『KENZO』の靴下、黒地に大きく真っ赤なバラ、緑の葉がからみ?なかなか情熱的なデザインであった。

ニャ「今回は濡れないから、大奮発してみました!」

***

それからしばらくして、またまた艇庫前。シャーミンとやすと私がいたときのこと。

シャーミン「ニャロメの靴下の趣味の悪さは海洋の一、ニを争うよな〜」

ニャ「うげ!」

やす「ホンマ、『KENZO』の靴下には笑ったよな!」

ニャ「・・・・・・ぶつぶつ。あれって『KENZO』なんだよ〜。でも今日の靴下もなかなかいいよ」

シャーミン「・・・・・・!ニャ、ニャロメ」

ニャ「なんじゃ?」

シャーミン「靴下、裏表逆

ニャ「・・・・・・はい」

その日も確かおニューの靴下をはいていたと思うが、それを自慢する前に自爆(笑)。

***

またまたある日のこと。高校生キャンプの最終日の夜、外での自炊パーティを終えたメンバーは大いに盛り上がり、なぜか?スロープ先のところから海に飛び込むというハチャメチャな行動に出た。

ニャ「みんな海に飛び込んでしまうのか〜私は逃げよ・・・」

そういって逃げられるはずもなく(笑)、あえなく局長(20期♂)につかまえられたまま一緒に海に入るハメに・・・。

夜の海は、ほのかに明るいんですよ(マメ知識)。

ニャ「うげ、おぼれる・・・?」

そして必死の思いで?スロープまでたどりつくと何と靴下が片方ない(涙)。ない、ない。局長に投げられる前にあわてて靴だけは脱いだけど、靴下は間に合わず。しかも飛び込んだときの勢いでどうやら脱げてしまった。

次の日。スロープを覗き込む私に。

やす「ニャロメ、何探してるの?」

ニャ「いや、あのね、昨日飛び込んだやつで靴下片方なくした」

やす「・・・それで探してるの(笑)」

ニャ「うん。でも見つからない」

やす「こうやって環境破壊は進んでいくのか・・・」

ニャ「きれいな靴下だったのに。こんな浅いところなのに。ない、ない」

結局その靴下(きれいな靴下)は海の藻屑となってしまった(笑)。

***

これで終わるはずだった靴下談義。富士山ツアーにて。

山小屋で一泊して山頂を目指すというので、雑魚寝も雑魚寝、ひどい状態で?眠りにつく。そして朝、寝ぼけまなこの私はちょっと高山病チックで少し頭が痛かった。

ニャ「う、朝か。なんか辛い・・・寝る。ぐぅ〜」

皆が用意をしている間も私はゴロゴロ横に回りながら??うつ伏せになっていたとき、なんだか足元がすっとした。

ニャ「?」

そこには昨日とはうってかわって元気なやすが私の鼻先に何かをぶら下げて笑っている・・・ってぎょえぇ〜それ私の靴下!!

やす「ニャロメぇ〜起きたぁ??(爆笑)」

ニャ「ひぇ〜くさい。やめろぉ」

鼻先には一晩中はきつづけた靴下がぶら下がっていた。それを見たファンキー。

ファンキー「お前はいつまでたっても変わらんなぁ〜」

といいながらその次の瞬間には私のもう片方の靴下を素早く脱がせて、同じように鼻先にぶら下げてくれました・・・。

おしまい。