Volume
4
〇村様
私はどちらかといえば宴会好きである。春先に大阪から神奈川に引越すことになり、友人たちは「壮行会」と称した宴会を催してくれた。というか結局私が催した!?それがこんな悲惨な?宴会になるとは…。ごく最近の話である。 海洋センターの同期が久々に集まって「壮行会」を開いてくれることになった。大学時代、特に夏を中心にほとんど毎日のように会っていたメンバーも社会人となってからそう頻繁に会えるわけでもなかった。だから、私はものすごく楽しみにしていたのである。 平成11年4月某日 集合場所の難波・ロケット広場・ハーゲンダッツ裏(通称:ハゲ裏)。集まってきたメンバーと話をしながら、いつも幹事役になってしまうピテカン氏に尋ねる。 ニャ「なぁ、なぁ、今日の宴会場所はどこなん?」 ピテ「それが決めてないねん、すまん!」 ニャ「いー!? 土曜日やし、はよ決めよ。人数多いしもういつものところでいいか。」 そういって私は携帯電話でとっとと宴会場所を予約した。 店「ハイ!OS百番です!!」 ニャ「あのぉ、今から15分ほどで10人ほどなんですけど」 店「大丈夫ですよ。お名前は?」 ニャ「〇村で、お願いします」 こうして宴会場所も確保して、みんなで「宴会」を楽しんだ。誰も「ニャロメがいなくなって寂しい〜」と泣きはしなかったものの、気持ちはそうだったに違いない、と今でも思っている。そして次の場所へ移動することになった。二次会では後輩のアピ&ダービーが合流。 ニャ「いや〜久々にみんなで集まって楽しいねぇ!…ところでさっきからみんな何笑ってるの?」 や「ん、なんでもないよ〜あとで教えてあげる」 ニャ「へんなの〜、あんた何か知ってる?」 ア「いえ、知りません!」 ニャ「ふーん!!」 素直な私はそのままその場を過ごし、時間も遅くなったので「お開き」にしようということになった。みんなは先に出てしまったので、トイレによっていこうと思った。トイレでは酔いつぶれた女の子が二人で大変そう。その横を通り過ぎる時、ものすごく視線を感じた。 ニャ「なんで?」 それでも気がつかない私はトイレを出て、エレベーターホールでエレベーターを待っていた。お兄さんたちが店先で連れを待っていた。 お兄さん「〇村さん!」 ニャ「はい! えっ!?」(何で名前知ってるんじゃ!) お兄さん「……背中」 ニャ「背中?」 そう。背中にはでかでかと「〇村様」と書かれた紙が貼られていたのだった。 ニャ「!!!!!!(ギョエー)」 お兄さん「よかったなぁ、そのままミナミ歩かんで(爆笑)」 穴があったら入りたかった、とはこういうことを言うのかと思った。みんなの待つ一階に下りて開口一番、 ニャ「なんじゃいこれ!!(怒)」 全員爆笑 「あ、とうとう気がついた!!」 ここから以下、回想〜 OS百番の宴会場所を取ったときの「〇村様」と書かれた紙をみて、やすは「これはつかえる」と思ったらしい。しかし、ニャロメの背中に貼りたいのに笑ってしまって貼れなかったらしい。そこへがちょんがやってきて紙をひょいと取ったかと思うとあたかも何事もなかったかのようにニャロメの背中に貼ってしまったのである。私は背中をたたかれたことは気づいたようであるが、その場はごまかされた、らしい。 そのうちメンバーたちはニャロメの張り紙に気がついたが、あまりにも面白いのでそのままにしておいた。もちろん後輩の二人も気がついたらしい。 今から思えばみんながニヤニヤしていたこと、なぜか二次会では「〇村様」と呼ばれていたこと、トイレの酔っ払い二人組の鋭い視線、などなど思い当たる節はいくらでもあった。 フィーバーの回想によれば、OS百番の店員さんも「この後、どうなるんやろ〜ついていきたいなぁ」と言っていたとか。最後には「〇村様にヨロシク〜」とも言っていた、らしい。 自分の「壮行会」でここまで笑いのネタにされるとは!?と最初はいかっていた?ニャロメであったが一日たつと「愛されるキャラクターはつらいぜ」と納得したのであった。 おしまい。 |