Volume
8
UFOを呼ぶ…
私は大学四年間海洋センターでボランティアリーダーとして活動した(「プロフィール」参照)。その中の一つに野外活動がある。子供たちと一緒にキャンプファイヤーをしたり、飯盒炊飯をしたりするのだが、ファイヤーゲームのバリエーションは本当にいろいろある。その中の一つに「UFO」というゲームがある。 平成〇年7月某日 ニャ「盛り上げのゲームは『UFO』にしよう。楽しいし。」 フィ「オレ、やるわ。十八番やもんな〜」 ニャ「オッケー。じゃ、7時半開始でよろしく〜」 残念ながらそのときのメンバーが誰だったのかはイマイチ思い出せないのだが確か後輩も含めて5人くらいはいたと思う。 そして7時半すぎ。キャンプファイヤーは始まった。火が燃えだし、最高に盛り上がったところでフィーバーの登場である。 フィ「みんな、知ってるか?ここの場所で円陣を組んである踊りをすると、UFOがくるという噂がある」 小学生「えー知らない〜。ホンマにくるん?」 フィ「ためしにここでやってみたいと思う。みんなオレのまねをして歌いながら踊ろう!」 〜♪皿型円盤!!卵型円盤!!便器型円盤!!やってきた!!えらいこっちゃ、えらいこっちゃ、えらいこっちゃ!!♪〜 これを輪になって踊るのである…。小学生はほとんど信じていないのだが(笑)テンションがあがっているので張り切って踊っている。ここで少々気になることがあった。海洋センターの敷地外の土手の上で花火をしているグループがある。しかもどうやらロケット花火を手に持って打ち合いをしているらしい。 ニャ(何や〜あのグループ。かなり目障りやなぁ。ちょっと注意しに行こうかなぁ…) 真面目な話、別の場所でワイワイと騒がれると(特に花火なんか)小学生などはキャンプファイヤーの火に集中しなくなってしまうのである。はっと現実に戻ってしまうこともありうる。しかし、なぜか途中からそのグループは静かになったようなので注意をしにいかないままファイヤーは無事終了した。 ニャ「みんなお疲れ様〜しかしあの花火目障りやったなぁ」 フィ「ほんまやな〜」 ニャ「やっぱりみんなもそう思ってたんや〜」 このようなファイヤーは夏休みの二ヶ月間ほとんど毎日行われているのだが、この日のファイヤーとあのドンパチ騒ぎだけなぜかよく覚えていたのである。 話は変わって、平成〇年8月15日 この日は毎年S陽高校野球部のOB会と親睦野球がある。私はたまたまこの日出かけることになった(今までこの1回しか行ったことがないけど)。2学年下の後輩たちがちょうど3年生最後の夏を終えたところだった。 京「あ、先輩!久しぶりです〜」 ニャ「京ちゃん、元気にしてた?どうやった夏の大会?」 京「負けちゃいましたね〜もう終わったなぁ」 ニャ「そういえば恒例のキャンプは行ったの?」 京「行きましたよ〜、テントもって泊りがけで行きました」 毎年三年生は夏の大会が終わるとその次の日にみんなで海に出かけたのである。余談だが私が現役のときは、補習授業があるにもかかわらず野球部全員でさぼって海に遊びに行ったので、あとでこっぴどくしかられた。 ニャ「楽しかった?」 京「楽しかったですよ〜ロケット花火の打ち合いとかしたんです、えへ」 ニャ「……ふーん。それって淡輪に行ったの?」 京「そうなんですけどね、先輩。あそこにキャンプ場みたいなのがあるじゃないですか、びっくりしましたよ」 ニャ「なにが?」 京「『UFO』呼んでたんですよ〜」 ニャ「……!?!?!?」 京「みんなでね、『お!UFO呼んでるぞ!!』って見てたんですよ、上から」 ニャ「それっていつの話?」 京「試合に負けた次の日ですから7月22日だったかな〜?」 ニャ「……それ、私や!!」 京「!!!!!」 ニャ「あのやかましいグループはあんたらやったんか!!」 京「なんですか?なんですか??」 そう、やかましいと思ったメンバーはなんとS陽高校野球部の面々だったのである!!もし注意をしにいっていたら、と想像するだけで笑ってしまう。しかしOB会に出ていなかったなら、この現実を知ることはなかったであろう。おかしなものである。 京「先輩って『UFO』呼んでるんですか…(笑)」 ニャ「いやいやいや…。それだけじゃないで、言っとくけど。あのさぁ、『UFO』呼んでたの見て、どう思った?」 京「新しい宗教だと思いましたよ〜」 ニャ「なるほど(納得)」 これ以来しばらくは「〇村先輩はUFOを呼んでいるらしい…」と噂になったとか。もう少し別のゲームにすればよかったのか…?でもどっちにしろ笑いのネタになっていたであろう(笑)。 おしまい。 |