2日目(バルセロナとジローナ)

・ホテルの入り口には3つの旗が

ホテルの入り口には、スペイン・カタルーニャ・ECの旗が並んで立っている。レシートにもペセタとユーロの表記が並列で印刷されている。着々とECへの統一が進んでいるようだ。一方カタルーニャという地元に対する思い入れも強いものがある。

ホテルの前では、白バイの警官が早朝から駐車違反のキップを切っていた。ここでも駐車するのは大変のようだ。

・ガウディワールドへ(まずはカサミラ)

カサミラ

バスに乗って市内観光、まずは

カサミラへ。ガウディ設計のこの家は曲線に包まれた独特の建物で、装飾も色々ついており、本当にオリジナルという感じ。朝9時ごろについたのだけど、建物の正面に出されている大カレンダーの日付は、まだ前日のままだった。

ツアーの仲間は、1階の両替所(銀行?)でトラベラーズチェックをペセタに替えている。昨日バルセロナに着いたのが夜で、空港の両替所が閉まっていたため、やっと両替が出来たようだ。

・グエル公園には野良猫が一杯

 グエル公園

バルセロナの小高い丘の上にあるグエル公園へ。バルセロナの街と地中海を見ることが出来る。

ここはグエル氏の依頼により、ガウディが設計した住宅分譲用エリアだったけど、工期が長すぎる等の理由で購入したのは、グエル氏とガウディのみだったようだ。やはりここもあらゆる場所で曲線を美しく使っているガウディらしい公園だ。光と影と曲線の素晴らしい組み合わせも随所にある。

公園正面には、タイルで覆ったドラゴンがいる。ドラゴンはカタルーニャ地方の守り神だそうだけど、このドラゴンはどう見てもトカゲにしか見えません。公園内にはいろんな場所でタイルが使われているけど、この地方のタイルは色が鮮やかできれいです。

 グエル公園のドラゴン?

かつてグエル氏が使っていた家は、現在小学校となっている。休み時間には子供たちが元気で運動場で遊んでいた。「オラー」と声をかけると、明るく「オラー」と答えてくれる。どこの国の子供も可愛い。

 旧グエル邸を使った小学校

ところで、ここの公園には野良猫が一杯いた。どこの国の猫も同じ顔をしている(子供と一緒にするとまずいかな?)。野良猫と言っても清潔にしていて、皆きれいな顔をしている。のんびりと日向ぼっこをしたり、じゃれあったり楽しそうだ。

・サグラダ・ファミリアでHはグロッキーに

 サグラダ・ファミリア   

サグラダ・ファミリアに入っていくと、まず受難の門。この門は直線が多くてあまりガウディっぽくない。ガウディの死後、設計に他の人の手が入ったとガイドさんが言っている。反対側(誕生の門)に回ると、すごい.曲線と装飾。圧倒的な存在感だ。ここの彫刻には日本から来ている彫刻家の造ったものも入っている。(帰国してからTVで見ました)

2/3の高さまで塔の中の階段で登れるというので、Hといっしょに登ってみる。狭い階段で、塔の内側をひたすらぐるぐると回りながら登っていく、目が回りそうだと思っていたら、Hは苦しさでグロッキー状態になって怒っている。私が速く歩きすぎて、付いて行くうちにきつくなったようだ。ちょっと休憩して、Hの呼吸が整うのを待つ。なんとか歩いて登れる最頂部までたどり着いたけど、Hはまだご機嫌斜めでくたばっている。

サグラダ・ファミリア(塔の内部)

ここからは、バルセロナの市街が一望できるけど、今地震が来たらどうなるのかと、その心配が頭から離れない。ここでは地震は無いとのことだけど、石を積み上げただけの造りのようなのでやたら心配。早く降りよう。

完成まであと何十年かかるかわからないけど、少なくとも確実に前には進んでいる。資金も厳しいようで、構内に募金箱がある(日本語でも、募金の依頼を書いてある)ので、ささやかではあるけど100ペセタをほんの気持ちに入れておく。かつて日本の企業からの大規模な寄付の申し出があったけど、教会がその企業のものになってしまうという反対があって、受けなかったとのこと。他の古い教会も何百年もかかって建てているのが沢山あるようで、こんなことは普通のことのようだ。どうも大陸の東の端にある小さい島国の、せせこましい人間の考えることとは、メジャーが違うようだ。

・新婚さんごめんなさい

昼食は、ゴシック地区の小さいレストランでイカ墨のリゾットを食べた。今一歩の味でした。

このレストランで同じテーブルについた新婚さんは、なんと私と同じグループの会社に勤めている人。そして職場は私の生まれ故郷である岡山。結婚式を挙げた場所は、私が一年前まで暮らしていた浜田という、やたら関連がある人でした。ごめんな、スペインまで来て仕事のことを思い出させて。

・色が溢れているランブラス通り界隈

 ランブラス通り

レストランに行く途中に大きな

カテドラルがあった。休みの日にはこの前でサルダーナを皆で踊っているらしい。是非その場面を見てみたいものだ(Hは20年近くフォークダンスをやっているので、ひょっとしたら踊れるかな?)

カテドラル

サン・ジョセップ市場

の中を通ったけど、食材がすごく豊富で、色彩も豊富。やっぱりカタルーニャ地方は原色が一杯で、ふとミロを思い出してしまう。

ランブラス通り

は、花屋さんが軒を連ねており、ここも色が溢れており、一帯が明るい。通りには兵隊とかの銅像が何体も立っている、と思ったら人間が衣装をつけて顔とかにも色を塗り、じっと動かずに立っているものだった。瞬きもせずに本当にすごいパフォーマンスだ(なんと呼ぶのかわからないけど)。

・はらはらドキドキのジローナまでの道のり

午後は、自由時間だ。

日本にいるときに、インターネットのスペイン関連広場で教えてもらったジローナに二人だけで向かう。電車で片道1時間半かかるけど、今日中に帰ってこないといけないので、ちょっとハードなスケジュール。

RENFEのPASSEIG DE GRACIA駅

まで、早足で向かう。やっぱりHは歩くのが早すぎると息を切らせている。申し訳ないけど頑張ってもらう。

途中の

CITY BANKに寄って日本で準備したWORLD CASH CARDを使ってペセタをATMから引き出す。両替の手間がかからず、直接ペセタを引き出せるから結構便利である。ここのCITY BANKのATMを使う時はディスプレイに日本語表示が出てきてやっぱり嬉しい(ほかの銀行のATMでは日本語は表示されなかった)。

駅のキップ売り場(窓口)で、スペイン語会話手帳を見ながらたどたどしいスペイン語を使って切符を買う。駅員が「

………リターン?」と言っている。どうやら今日帰ってくるのか?」と聞いている雰囲気だ。「イエス」と言うと往復の切符をくれた。小さい時刻表も渡してくれた。親切な駅員の方だ、スペインに対する印象が更に向上。スペイン語と英語が混ざっていたが何とかキップを入手できた。心臓がドキドキしている。

改札口が無く、駅員さんに出発ホームを聞くことも出来ない、取りあえずホームに降りる。どちらのホームがジローナ行きなのか表示を見てもまったくわからない。どうも心配になってきたので、ホームにいるおじさんに聞いてみた。スペインでは英語は通用しないと聞いていたのだけど、スペイン語はまるでだめなので、英語(これも相当怪しいものだけど)で聞いてみる。反対側のホームのようで、慌てて反対側に移る。また走らしてごめんなH。すぐに電車が到着、やっぱりこっちのホームだった。

電車は地下からすぐ地上に出て、バルセロナから北東に向かって走る。住宅地から田舎の風景へと変わってくる。Hは日本から持ってきた梅味のキャンディを食べ始めた。向かいに座っている老夫婦に勧めたけど、遠慮したようだ。梅味のキャンディを口に入れた時の顔を見てみたかった。多分スペインにはこの味(梅の酸っぱさ)のキャンディは無いだろうな。駅に止まるたびに標識をしっかり見る。乗り過ごすとまたややこしいことになってしまう。何とか無事にジローナ到着。

・趣のある素敵な街ジローナ

   

   

ジローナ(ヘローナ)

駅に着いたのが16時50分、目的のカテドラルは18時閉館。急いでいかなくてはと、駅前のタクシーに滑り込む。

「カテドラル ポルファボール」と言うと、運転手さんが何やらスペイン語で言いながら、手で「近い」と「歩く」という仕草を繰り返す。近いから歩いていけって言っているのかな、歩くにはちょっと距離があるので参ったなと思いながら降りかけると、ノーノーと言う、どうも近くまでは行けるけど、入り口まではいけないのでそこから先は歩いてくれと言っているようだ。助かった!さあ出発。

  カテドラル

タクシーを降りて川を越え、

カテドラルまで歩く。遠くから見ると場所がわかるけれど、近くまで来ると道が入り組んでいてカテドラルがなかなか見つからない。なんとかたどり着くと今度は入り口(キップ売り場)がまるで見つからずに、周りをめぐりながら、エイヤッと適当に入り口の扉を押して入ってみる。中は暗く巨大なスペースそして教会やお寺独特の何か不気味な雰囲気が比較的怖がりの私(ホラー映画も大嫌い)としては、あまり愉快ではない。でも奥のほうにほのかに灯りが点いているので、そこまで行くとやっと入場券売り場が見つかった。

展示物は、教会の色んな行事に使われるものや昔の貴重な装飾品等であった。立派なものが多く、昔の貧しい社会でも教会は相当な権力を持っていて財産を築き上げたのだろうなということが良くわかる。一番奥に

天地創造のタペストリーがあったけど、暗くてよく見えないし、ここにいるのも我々二人きりで何となく不気味なので早く出てきた。お土産売り場には人が居たので一息つく、Hはジローナの絵葉書を買っている。いい絵葉書が多いようだ。中庭に出ると外は相当暗くなっている。やっぱり夜のお寺や教会はどうでもいいや。

カテドラルを出ると、日本の女の子が一人でリュックを背負いながら旅行しているのに出会った。気をつけて旅行を続けて欲しいな。

駅までは、ジローナの街をゆっくり歩きながら向かった。照明がやさしく狭い路地で、大変趣のある古い街並みで気持ちが良い。川と街並みと月との組み合わせも美しい。途中のおもちゃ屋で、ポケモンのポスターを貼ってあった。ヨーロッパでも人気があるようだ。案内所で、インターネットのスペインの広場の方に教えてもらっていたレストランの場所と開店時間を聞くと、開店は21時頃とのことだ。帰りの最終電車は21時29分なのでとても間に合わない。もう一つ聞いていたバルのバル・ストップの場所を聞くと駅のすぐそばのようなので、そこで夕食を取ることとする。

バル・ストップ

は、お兄さんが一人でやっている店だった。スペイン語会話手帳のメニューのページを開いて、そこに載っている活字を指差して食べ物を注文する。この方法は楽でいいや。ハモン・セラーノ(生ハム)と野菜サラダとワインと頼む。生ハムはすごくおいしい。トイレもすごく清潔。

満足してバルセロナに帰る。

ジローナ(夜景)

                       

←ヨーロッパ各地を歩いている様子を中心にアップしています。