・シェラ・ネバダに抱かれたグラナダの街
ホテルの部屋から、雪が積もって白い
シェラ・ネバダ山脈が良く見える。スキー場へも30分で行けるらしい。ここから出る水で、グラナダは水が豊富だ。・イスラム王の栄華と悲運、いよいよアルハンブラ宮殿だ
アルハンブラ宮殿(獅子のパティオ)
スペイン旅行中のメインイベントと言っても良い
アルハンブラ宮殿に向かう。駐車場から歩いて入り口まで行く。右側にずっと城壁があり、期待感を盛り上げてくれる。入り口の手前にワシントン・アーヴィングの記念碑が立っている。なんで米国人の記念碑があるのか不思議(後で、アルハンブラ宮殿を世界中に紹介した「アルハンブラ物語」の著者だと知る。来る前に読んでおけば良かったけど、帰国してから慌てて読んだ)
入り口は
裁きの門、門の上部に「鍵」と「手」の彫刻がなされている。言い伝えによると、運命の日にこの手が出てきて鍵をつかむそうだ、その時、門が崩れてイスラムの財宝が現れるらしい。中に入ると
カルロス5世宮殿がある。イスラムが退却した後建設されたものだが、やはり違和感がある。これはこれで価値のある建物らしいが、あまり良くないな。アラヤネス(天人花:ツゲ)の中庭
に入る。コマレスの塔があり入り口や、部屋の上部に独特な装飾が緻密になされて、壁にはアラビア語で「勝利はアラーにあり」と刻まれた板が無数に張られている。中庭(パティオ)の周りには王妃(4人)の部屋がそれぞれあって、他の部屋の様子を気にしていたようだ。宮殿内の全てのパティオには池があり、シェラ・ネバダから引かれた水が、尽きない泉のように湧き出ている。獅子のパティオ
では、12頭の獅子が大水盤を支えている。昔は時間に合わせて、交代で獅子の口から水が出ていたらしい。王や王妃の浴室の近くに音楽を奏でる場所があったけど、演奏家は王たちの裸の姿を見ないために、目を潰されたらしい、中国の宦官も同じだけど、優雅な生活をしている人の周りでは、さまざまなことがなされていたのだな、だけどこの人たちはそれにより安定した生活が出来たのだと、複雑な気持ちになる。
天井の装飾
・アルバイシン地区への抜け穴
アルハンブラ宮殿から、最古のアラブ人街である
アルバイシン地区の家並みが良く見える。現地ガイドさん(日本人)によれば、宮殿からアルバイシンにつながる地下道があり、緊急の時はそこを利用することになっていたらしい。日本のお城でも同じ話がありますよね。・洞窟の家が並ぶサクラモンテの丘
洞窟を利用した家が並ぶ
サクラモンテの丘も良く見える。昔ジプシーは定住の場所が無かったが、グラナダでスペイン王がイスラムを攻めた時、ジプシーが活躍し、その功績によりこの丘に定住することが認められたとのことだ。でも現在でもやはりジプシーの暮らしと言うのは安定していない。サクラモンテの丘
・ヘネラリフェ離宮にも野良猫が沢山
ヘネラリフェ離宮
宮殿から歩いて15分ほどで
ヘネラリフェ離宮に着く。ここも豊富に水が使われている。離宮といっても宮殿からあまり離れていないので、ほんの気分転換ぐらいにしかならなかったのではないのかなと思ってしまう。ここでも野良猫(綺麗なやつ)がのんびりと日向ぼっこをしている。呼んでも見向きもしないけど、お菓子の袋をガサガサとすると、足元に擦り寄ってくる。現金なやつだ。
アルハンブラの猫
・コロンブスが新大陸を発見した年は、まだグラナダはイスラム王国だった
グラナダがカソリック両王によって陥落し、イスラム王ボアブディルがアルハンブラ宮殿を開城したのが1492年の新大陸発見の年、そしてその翌年ボアブディルは失意のうちに北アフリカに渡っていく。その後彼らの末裔は定かでないという(「アルハンブラ物語」から)
780年続いたイスラムの時代がスペインから去っていった。6年の間にイスラムに占拠されてしまった国土を、780年もかけて取り戻した。この粘り強さはすごい。そしてスペインは太陽の沈まない国と言う最も華やかな時代を迎えることとなる。
・ドライブインの犬は死んだふり?
コルドバに行く道沿いに、オリーブの木が一杯植えてある。あまり手入れをしなくても良いらしく、今日までバスで走ってきた道沿いにも、至る所にオリーブの木があった。スペインは作付面積は世界一で、収穫高はイタリアが一番らしい。植えっぱなしで、あまり収穫をしないのがその理由とのことだけど、勤勉といえないあのイタリアに負けているというのは、相当なものだ。
途中に寄ったドライブイン(駅を改造したもの)で、サフランの小箱を5個1000ペセタ(800円)で売っていた。Hは安い安いと喜んで買っている。しかしこのサフランは、帰国して約4ヶ月経つけどそのまんま台所にある。何時使うのだろうか。
このドライブインの昔プラットホームだったところに、白い大きな犬が両手両足?をまっすぐ伸ばして横に倒れている。身動き一つしないので、Hが死んでるんじゃないのと心配している。そばに寄って見ると息をしているようだ。変な寝方をする犬だ。
・コルドバの現地ガイド(日本人)はオカンムリ
コルドバの街
に着いて、メスキータを見ることにする。コルドバ到着が予定より遅れていたらしく。現地ガイドさんが待ちくたびれてご機嫌が悪い。恐る恐る後ろについてメスキータに入っていく。中は、無数(850本らしいが)の柱が乱立し、その上にあの赤茶・白ストライプのアーチがそれぞれ乗っかっている。メスキータというのはイスラム教会のモスクのスペイン読み?らしい。これらはイスラム時代のものがそのまま残っており、礼拝所もメッカの方角に向いたものがあるけど、キリスト教の礼拝堂も一緒にあって戸惑ってしまう。
・パラドールでワインとタイタニックと結婚式
今日のホテルは、
ホテル・ラ・アデルファスで、2階建ての瀟洒なつくりのホテルでなかなか良かったけど、すぐ隣にパラドールがあるので、夕食後みんなでワインを飲みに出かけた。パラドールのバーでピアノの生演奏を聞きながら美味しいワイン(リオハ1994年物)を飲んでいると、添乗員のSさんがピアニストに勧められてピアノを弾き始めた、なんと映画タイタニックの主題曲である。すごーい、隠れた才能あり、改めて感心。ホテルのロビーが賑やかになったので覗いてみると、なんとロビーで結婚式の後のパーティをやっている。時間ももう夜の11時だ。やっぱり少し感覚が違うけど、新郎新婦もお客さんも幸せそう。
この夜は少し飲みすぎた。