鎌倉アルプス
2006年4月
鎌倉は、南には相模湾があり、他の3方向は山に囲まれているため、天然の要塞の様になっています。この事は、平家の大軍を迎え撃つことになるかも知れない源頼朝が、鎌倉を永住の地と決めた経緯にもなりました。この鎌倉の丘陵地帯は別名鎌倉アルプスと呼ばれ、市街を中心としてこれを東から北へ(或いは北から東へ)歩くハイキングコースが天園ハイキングコースです。アルプスとは言え、標高159mの大平山を中心とした高低差の少ない、4km足らずの山道を歩くハイクなのですが。 |
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鎌倉駅前ロータリー |
ハイキングコースの入り口まではバスを利用すると便利です。JR鎌倉駅前のロータリーから大塔宮(鎌倉宮)行きの京急バスに乗り、終点の大塔宮まで行きます。
ところで、今日のこの空はどんより曇り空。朝、出発前にチェックしてきた天気予報によると、天気はこのまま下り坂で一時雨降りになるけれども間もなく一転、その後は晴天になるという目まぐるしい空模様。ともかく太陽が出て来ることを信じて、スタートする事にしましょう。 |
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鎌倉宮 |
乗車して僅か10分程で、大塔宮(鎌倉宮)停留所に到着。折角なので、バス停の目の前にある鎌倉宮へ寄って行くことにしましょう。 |
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護良親王幽閉の土牢 |
鎌倉宮に祀られているのは、大塔宮護良親王(だいとうのみやもりながしんのう)。鎌倉幕府を倒した中心的人物、後醍醐天皇の皇子です。護良親王自身この地に幽閉されていたと言われ、足利尊氏の弟、直義の命によって1335年に暗殺されました。 |
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御構廟(おかまえどころ) |
境内には、護良親王が幽閉されていたと言われている土牢や、暗殺後の首を置いたとされる御構廟(おかまえどころ)などが残されています。拝観料300円。 |
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住宅地を進む |
鎌倉宮を後にして、いよいよ鎌倉アルプスへ向かいます。鎌倉宮の鳥居を出たら指導標に従い、瑞泉寺を目指して左方向へ歩いて行きます。以降は、緑に囲まれた住宅地を道なりに進みましょう。
天気予報通り、空からはぽつぽつと冷たいものが降って来ました。 |
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道が分かれてもそのまま真っ直ぐに |
しばらく歩くと道が三本に分かれますが、正面に木の門が見える中央の道を、そのまま真っ直ぐに進みます。 |
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木の門をくぐり抜け、瑞泉寺の手前を右へ。 |
木の門をくぐり抜けた先には瑞泉寺がありますが、今日は立ち寄らずに右へと分かれる道に入りましょう。 |
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天園ハイキングコース入口 |
右へ折れるとすぐ左側に、天園ハイキングコースの入口があります。「こんな所がハイキングコースのスタートなの?」と言う様な意外な場所にあるので、指道標を見落とさない様に!
ここまで、鎌倉宮を後にして約15分です。 |
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意外に険しい場所も |
細道の石段を登ると、それまでの住宅地から風景が一変し、木々の生い茂った山道になります。ここからは尾根を目指して、アルプス?をひたすら登って行きます。 |
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貝吹地蔵 |
薄暗い山中にお地蔵さんが座っていました。首もとには何故か、ペイズリー柄の真っ赤なバンダナが! |
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峠の茶屋 |
ポツポツと降り始めた雨が、いよいよ本降りに。ハイキングコース途中の六国峠にある、2軒の茶屋の内の1軒で雨宿り。今日は平日のうえに天気も悪いとあって、休業の様です。 |
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六国峠より相模湾を望む |
雨が小降りになってきました。もう少し待っていればあがりそうな気配。正面には小雨に煙る相模湾が映ります。 |
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ゴルフ場の脇を進む |
天気予報を信じて雨が上がるのを待っていたら、やっぱりその通りになりました。雨が上がって陽も差し始めて来たので、この辺りで峠の茶屋をあとにして、先へと進む事にしましょう。
右手にゴルフ場を見ながら歩いて行きます。 |
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大平山山頂 |
正面に見える急斜面を登るとついに鎌倉アルプスの最高峰、標高159mの大平山山頂です。 |
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大平山山頂からの眺め |
斜面をよじ登って振り返ると、天気も良くなって、山頂からの眺めも格別です。 |
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分かれ道では建長寺方面へ |
山頂でしばし小休止のあと、再出発。大平山のピークを過ぎて、緩やかに下って行きます。分かれ道があったら指導標に従って、建長寺方面へと進みましょう。 |
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十王岩へ |
ハイキングコース中、見晴らしの素晴らしさではピカイチなのが、ここ十王岩の展望所です。 |
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十王岩からの展望 |
この場所は、鶴岡八幡宮のちょうど真裏にあたります。正面中央には、相模湾へと真っ直ぐに続く鶴岡八幡宮の参道、若宮大路がはっきりと見えています。参道を中心にして、向かって左側が材木座海岸、右側が由比ヶ浜です。 |
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これより先、建長寺境内。 |
十王岩をあとにして少し歩いて行くと、左手に「これより先、建長寺境内」の案内板が。ハイキングコースもいよいよ大詰め、建長寺に到着です。 |
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展望台より建長寺境内を望む |
ここは広い建長寺で最も奥の、且つ最も高い部分にあたります。そして、境内に入ってすぐの場所に設けられた展望台からは、建長寺の全景がひと目で見渡せます。 |
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半僧坊 |
長い石段を下りて行きましょう。この辺りは半僧坊。建長寺の鎮守である半僧坊大権現が祀られています。 |
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仏殿(重文・国) |
建長寺は1253年の創建。鎌倉幕府五代執権の北条時頼により建立されました。 |
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1255年鋳造の梵鐘(国宝) |
天園ハイキングコースから分かれて建長寺境内に入り、ひたすら山を下りて来ましたが、約25分程で表側の門である総門に到着です。いわば裏口から入って来たので、あと先逆になりますがここで拝観料300円を支払って、建長寺をあとにします。 |
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北鎌倉駅前 |
建長寺の総門を出て、右方向にしばらく歩いて行くと、JR北鎌倉駅前に到着。のんびり歩いて5時間余りのハイキングでした。 |
周辺地図

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