外濠公園 ・ 土手の遊歩道
2020年12月
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JR飯田橋駅西口 |
今日の散歩は、JR中央・総武線の飯田橋駅からスタート。今年改装オープンしたばかりの西口駅舎前に、今立っています。 |
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早稲田通り |
駅舎前を走る通りは早稲田通り。そして通りの向こう側の右手に見えている堀が旧江戸城の外濠(そとぼり)で、その外濠と並行して続いている、左手に見える木立の中に今日の主役の外濠公園があるんです。 |
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牛込門跡 |
西口駅舎前の、早稲田通りに沿った歩道に立つと、古めかしい石垣が目に飛び込んできます。これは一体何なんだろう・・・
かつて江戸城の外濠と内濠には、外敵の侵入を防ぐための見附と呼ばれる枡形門が要所に設置されていて、その数は36箇所もあったらしい。そしてここは、かつての牛込見附があった場所で、その門の石垣の一部がまだ残されていたんです。 |
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牛込門の石垣石 |
歩道脇の石垣の下に、ゴロンと無造作に置かれた大きな石。これは地中に設置されていた、牛込門の基礎石なんだって。 |
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早稲田通りを渡る |
それではボチボチ、散歩を始める事にしましょうか。先ずは目の前の交差点の横断歩道で、早稲田通りを渡ります。 |
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通りの向こう側にも石垣が |
早稲田通りの向こう側にも、牛込門の石垣がありました。これを眺めながら、早稲田通りと交差する道をそのまま直進。 |
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外濠公園入り口 |
30m程先の右側に、外濠公園の小さな入り口が見えています。ここから公園へと入って行きましょう。ところで今日のタイトルは「土手の遊歩道」。
その意味はというと・・・ |
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土手の遊歩道 |
外濠公園はその名前の通り、旧江戸城の外濠に沿って整備された公園。だけど、お濠の土手の上を2kmほど断続的に続く細長い公園なので、公園というより遊歩道と言った方がシックリくる感じなんです。 |
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お濠を眺めながら進む |
右手を見下ろすと、外濠に沿って鉄道の線路が敷かれています。これはJRの中央・総武線。散歩をするには上々のロケーションであります。 |
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公園は断続的に続きます |
既述のように、この外濠公園は断続的に続きます。と言う訳で600m余り歩いて来ると、早くも本日最初の遊歩道の中断地点が現れました。とは言えこの中断はごく僅か。前方に見える一般道路を横断歩道で渡れば、またすぐに遊歩道は始まるんですが。 |
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一般道路を越えて再び遊歩道へ |
一般道を渡った先の、再び外濠公園へと入って行く入口で、「東京市」と右から左へ刻まれた銘柱を発見。こういうところに公園の歴史を感じるんだよネ。 |
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テーブル席もあったりします |
この遊歩道の両サイドには沢山のソメイヨシノが植えられていて、シーズン中は満開の桜でビッシリと埋め尽くされるので、外濠公園は都内屈指のお花見スポットとしても大人気。こんなテーブル席もあるので、ランチしながらお花見なんてことも出来ちゃいます。 |
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JR市ヶ谷駅前 |
最初の中断地点から遊歩道を500m余り歩いて行くと、今日2箇所目の中断地点、JR市ヶ谷駅前に到着です。目の前の横断歩道で靖国通りを渡りましょう。 |
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市ヶ谷門の橋台の石 |
この辺りも嘗て、前述の見附(市ヶ谷見附)があったところ。遊歩道がちょうど途切れた辺りで見つけたこの石は、見附の枡形門の橋台として使われていた石垣の石なんだって。 |
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市ヶ谷駅を過ぎたら右へ |
靖国通りを横断して市ヶ谷駅前を通り過ぎ、50mほど進むと右手に分かれる道があるので、これを右折しましょう。 |
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石段を上り遊歩道へ |
静かな通りをそのまま200mほど進んで行くと、右手に小さな石段が見えて来ます。これが遊歩道の入口。ここからJR四ツ谷駅前までのおよそ500mほどの遊歩道歩きが、なにを隠そう自分的には一番のお気に入り区間なのであります。 |
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静かな散歩道を歩く |
この辺り都会のド真ん中でありながら、あの喧騒が一瞬途切れた不思議な空間が続くんです。 |
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ロケーションもgood ! |
更にロケーションも中々good。左手に見えるコンクリート造りのクラシックな洋風の建物は、上皇后陛下の母校としても知られる歴史あるカトリックの女子学校、雙葉学園。この風景、まるで欧州のどこかのプロムナードみたいでしょ。 |
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JR四ツ谷駅前 |
そうこうしているうちに、本日3箇所目にして最後の中断地点、JR四ツ谷駅前に到着。 |
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国道20号線を横断 |
四ツ谷駅前を通り過ぎたら、国道20号線(新宿通り)の広い通りを横断します。通りの向こう側左手には、聖イグナチオ教会の丸い教会堂が見えています。 |
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ソフィア通り |
その先へと延びる静かな道は、ソフィア通り。左手にはさっき見えていた円形の聖イグナチオ教会堂と、その向こうには上智大学の四谷キャンパスがあります。因みにソフィア通りの由来は、上智大学の英語読み、ソフィア・ユニバーシティから来ているらしい。 |
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遊歩道への石段 |
ソフィア通りに入るとすぐ、右手の土手へと上る石段があります。ここから又また遊歩道へと入って行きましょう。 |
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眺めはバッチリ |
ここからの土手の遊歩道は、それ迄と比べて高さがあるので更に眺望が開けます。 |
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迎賓館赤坂離宮 |
そんな訳で右手に目をやると、赤坂迎賓館を発見。少し距離はあるけど冬木立の間から、ベルサイユやバッキンガムの宮殿を参考にしたと言われる荘厳な白い建築物が、肉眼でもはっきりと確認できました。 |
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上智大学真田堀運動場 |
それまで遊歩道の右手に見えていたお濠は、この辺りでは埋め立てられていて見る事が出来ません。代わりに見えているのは、埋め立て地に造られた上智大学のグラウンド。 |
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遊歩道歩きもここまで |
JRの飯田橋駅前をスタートしてから、途切れとぎれに続く遊歩道を歩く事、およそ2.5km。正面は行き止まりとなり、土手から下りる石段が左右に延びているのが見えて来ました。外濠公園もここ迄です。 |
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左側の石段を下りる |
向かって左側の石段で、土手の下へと降りて行きましょう。ここは紀尾井町。その昔、紀州徳川家、尾張徳川家、彦根藩井伊家の武家屋敷がこの辺りにあったので、それぞれの頭文字を取ってこの風雅な町名になったのでした。 |
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正面はホテルニューオータニ |
土手から下りて外濠公園を外れると、何やらビルの屋上に円盤が乗っかった、不思議な建物を前方に発見しました。これはホテルニューオータニ。目の前の横断歩道を渡って、ホテル方向へと進んで行きます。 |
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屋上の円盤はレストラン |
あのUFOの様な円盤はホテルのレストランで、以前は回転レストランとして稼動してたんだけど、現在は回ってません。
ホテルニューオータニを右手に置いて、そのまま通りを進みましょう。 |
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紀尾井坂を下る |
間もなく行く手は長い下り坂になります。紀尾井坂です。 |
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三叉路を右へ |
坂を下りきったあたりに、三叉路の交差点がありました。左手に進むとその先今度は緩やかな上り坂になって、そのまま紀尾井坂が続きます。そして右手に折れると紀尾井坂から外れて、紀尾井町通りとなります。ここは右手の道へ。 |
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清水谷 |
外濠公園の土手を下った後、一気に高度を下げて谷間に下りて来ました。ここは清水谷。昔この辺りに清水が湧き出ていたので、この名前になったらしい。 |
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清水谷公園 |
そして紀尾井町通りの左手に見えて来た公園が清水谷公園。取材時は紅葉真っ盛りで、園内は真っ赤に染まってヒジョーに美しい。 |
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心字池 |
この公園の歴史は古く、開園は明治23年。園内の案内板によるとそれ迄この地は当時の皇族、北白川宮家の邸宅があった場所で、明治23年に東京市に下賜されて公園に整備されたのでした。 |
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大久保公哀悼碑 |
ところで、ここ清水谷の地では嘗て歴史的な暗殺事件が起きています。それは「紀尾井坂の変」。明治11年に当時の明治政府のトップ、初代内務卿の地位に就いていた大久保利通が、その政策に不満を持つ複数の士族によって斬殺された事件。公園内には大久保利通を哀悼して、明治21年に建立された石碑が保存されています。 |
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玉川上水の石枡 |
そして園内には他にもう一つ、大切な文化財が保存されているんです。それがこの、玉川上水の石枡。昭和45年、この付近の麹町三丁目の地中から発見されたもので、江戸時代初期の17世紀中頃に竣工した上水道の施設の一部です。玉川上水は江戸市中に於いては暗渠になっていて、その本管である木製の樋を支えていた基礎石がこの石枡なんです。 |
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紀尾井町通りを進む |
清水谷公園をあとにして、紀尾井町通りをそのまま進んで行きましょう。 |
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弁慶橋 |
間もなく見えて来た橋は、弁慶濠に架かる弁慶橋。弁慶濠は江戸城の外濠の一つです。そして橋を越えた先の賑わいある街は、赤坂見附の街。 |
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弁慶橋フィッシングクラブ |
弁慶橋の袂にあるこのフィッシングクラブでは、生簀の釣り堀の他、ボートに乗って弁慶濠に糸を垂らして、魚釣りを楽しむ事も出来るんだって。 |
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地下鉄永田町駅出入口 |
弁慶橋を渡って左手へ。お濠沿いに進むと今日のゴール、東京メトロの永田町駅出入口に到着です。 |
★交通 |
JR中央・総武線 飯田橋駅下車 |
★歩行距離 |
約 3.5 km |
周辺地図
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