更新作業の必要性
芝生の通常管理作業を続けると、様々な不具合が生じてきます。芝草の健康を維持するために、
問題点を解消する作業を総称して「更新作業」といいます。
不具合の内容は、芝草固体の適正刈り高さの調整(茎徒長による茎刈り防止)。サッチ(表土に集積するか刈り草などの未分解の有機物)堆積、管理機械や踏圧により土壌表面が固結化し,通気性や透水性悪化を引き起こします。それにより、根の生育が悪化し養分の吸収しづらくなり、衰退してきます。
芝生の健康状態を維持するためには、いずれ必ずぶつかる問題で、人為的に手を加えなければ、美しい芝生は維持出来ません。
ゴルフ場FW 目土風景
コアリング
目土(目砂)
ゴルフ場グリーン
スパイキング(バーチ・ドレイン使用)
ナイフ状の刃や、ムクの杭状のタインを芝生表層に打ち込み通気性・透水性の改善、また根を切る事により新根の発生を促進させる効果が狙いです。透水性・通気性の改善は、コアリングより効果では低いが、芝生表層のダメージの回復は早い。
鉄製のストロー状になったタインを芝生表層に直角に突き刺し、コアを抜き取ります。
主な目的は、透水性、通気性の確保です。高温時の夜間など微生物の活性が活発な時期は、土壌中の炭酸ガス濃度が増加、メタンガス・水素ガスを生成し、育成障害・病害の発生がしやすくなるので、空気交換(エアーレーション)の効果を上げるためコアリングします。
目砂は、通常グリーンでは、表層に堆積したサッチなどを分解するための微生物の補給する目的(焼き砂を冷やした後、微生物資材を混合)、ルートマットの層が出来ないように砂を咬ませる、刈り高を維持(下げ)する為、芝草茎徒長による刈り込みストレス軽減などを目的に行います。
一般の庭芝管理において、芝草が瀕死の重傷や、スケスケのポヤポヤの状態のときに目砂(目土)をすると元気が良くなり、密度が上がる・・・どっかの悪徳宗教団体みたいに「目土」をすれば救われ復活する・・・と思っている人、どのくらいいるでしょうか?目土は、タイミングや目土の質を間違えると、芝草と貴方に多大なストレスをかけるので、間違えないように注意しましょう。
目土の質は、透水性が良ければ床土と同じ物が望ましい。しかし、過湿ぎみ、座るとお尻が土で汚れる、ズボンの裾に土が付く・・・などの問題があるなら、透水性の良い質の土に替えましょう。理想は、床土と火山礫などを混ぜ合わせ序々に土質を変更するのがよい。間違えても、粒子の細かな水を含むとベタベタ、乾くとカチカチに固まる土は論外。
寒地型芝の「目土」には、肥よくな土も使用厳禁。(理由は、本サイト「芝の張り方」で紹介しています。)
目土の量は、沢山の量を目土して、葉っぱまで埋めてしまってはいけません。光合成する工場を埋めてしまって良い訳有りませんよね〜。適正な量は単純明快!茎の部分が埋まる量で、葉の上には目土をのせて放置しない・・これだけ。
バーチカット
垂直に刃を回転させ、芝密度の調整、サッチ層の破壊・かき上げ、ルートマット層を切ることによっての微生物によるマット層の分解促進、透水性・通気性の向上を目的に行う。