【 敬老会のあり方 】

ホーム > Aべが考えていること > 現在のページ

  当地域に「地域を支える会」というような、十数名の集まりがあります。
 地域に存在する町内会の会長などが集まって、地域の事を考え議論するという趣旨で、今年の4月から、2か月に一度のペースで開催されています。

 先日は敬老会のことが話し合われました。
  「地域を支える会」を設立した中心的な立場の人が意見を述べ、他の出席者からは特に反対する意見はなかったという印象です。
  その趣旨を簡単にまとめると「高齢者が年に一度集まって話をするのはとても大切なことだ、だからこれまでのようにして敬老会はやるべきだ」という事だったと思います。

 私はそうした方向性とは異なるのですが、余計なことを言うのも悪いと思ったので、意見を求められましたが、特にないと申し上げました。
 私は「会話をしたいと思う高齢者には、敬老会以外にもその機会が十分に用意されている。敬老会を支える世代の人口が減っている現状を踏まえれば敬老会の在り方を再考するべきだ。」と考えています。
 その理由をご理解いただくために、現状を紹介します。

 1 敬老会の現状
 我がK町内で行われている敬老会の現状は次のようなものです。
①市から敬老会対象者1人に対して2000円の補助金が出る。(ただし、記念品を渡すだけでは補助金は出ない。)
②町内会では、それに町内の予算を加えて敬老会を開催する。
③敬老会への出席者数は、対象者の半数程度であり、欠席者には記念品が届けられる。
④敬老会は市街地にある会館で行われ、町内の集合場所から会館までは会館の車で送迎するが、町内では集合場所へ来るのが困難な人のためにコミバスを運行してその人を迎えに行く。
⑤掛かる費用は出席者が5000円、欠席者は2000円と思われる。(そのうちの2000円が市の補助金で賄われ、残りは町内会で負担する。)
⑥敬老会を開催するのは(敬老会世代の人も入っているものの)若い世代の人達である。

このように、敬老会への参加者には手厚い配慮がなされている。一方で、参加者が多いわけではない。

 2 この地域の現状
①2000年には1178人の人口だったが、2015年には782人になった。
②2025年には576人に、2030年には484人になると予想されている。
③敬老会は75歳以上が対象だが、仮に75歳以上の人口を15~74歳の人何人で支えるのかを見ると、2000年:5.2人、2015年:3.2人、2025年(予想):2.8人、2030年(予想):2.3人である。

このように、この地域でも、高齢者を高齢者以前の世代で支えることは年々難しくなっている。

 3 高齢者向けの催し・施策等
①この地域ではデイホームが週3回開催されている。
②市役所が「高齢者学級」という高齢者向けの催しを年4回開催している。
③この域でも老人会の活動が盛んであり会員数は100名を超え、納涼会などを開催している。

このように、年に一度の敬老会でなくても、普段から高齢者には交流の機会が設けられている。

 以上1~3の現状を見れば、K町内が行っているような(他町内も似たようなことだと想像します)、これまでのような敬老会を続けることは支える側に負担が大きくなっているし、一方で敬老会を開催するまでもなく高齢者の会話・交流の機会は十分に設けられていることが分かります。
 敬老会対象者の方も、こうした現状を踏まえれば、「若い世代に負担をかけてまで敬老会をやってもらわなくても良い」と考える人も少なくないのではないでしょうか?

 市役所は、敬老会の補助金を出す必要があるのなら、記念品を贈るだけの敬老会事業も補助対象にするべきだと思います。
 また「地域を支える会」としても、今までのような敬老会にこだわるのではなく、そういうことを市役所に働きかけるべきなのではないでしょうか?
<追記 令和5年9月9日> 当市では令和5年度は「祝い品の贈呈のみ」でも補助金が出ることになりました
 

 私はまだ敬老会の対象世代ではありませんが、敬ってもらうほどの事をしていないことは十分に自覚しているので、その年齢まで存命だとしても敬老会には参加しません。

ホーム > Aべが考えていること > 現在のページ

PAGE TOP