友人は、父親が心不全で倒れて意識不明になったとき、僧侶である父親が読経している時の録音を聞かせたそうです。自分の声を、しかも日常的に行っている読経を聞くことによって何か反応があるんじゃないかと・・・。
　私も同様のことをしました。

　母親は意識がなく目を閉じたまま横たわった状態で、声をかけても抓っても反応はありませんし、瞳孔に光を当てた際の対光反射もありません。（容体については母親の病名は脳幹梗塞に書きました）
　ですから、聴覚もないのかもしれませんが、やはり「もしかしたら・・・」という気持ちになるものです。

　ＩＣレコーダーに、母親に呼びかける声などを録音しで、イヤホンで聞かせるのです。10本くらいの録音を用意して聞かせました。
　今回そのうちの3つを、それぞれ一部分を取り出して編集し直しました。ただし、動画で流れている映像は静止画です。

　阿部ナカさん、阿部ナカさん起きてください。ナカさん起きてください。常福寺（じょうふくじ）に行って草取りをしてください・・・。
　常福寺は自宅から600ｍ位離れたところにある、先祖伝来の畑です。
　母親が元気なころ、倒れる前日まで、歩いて農作業に出かけていた場所です。

　ばあちゃ～ん、ばあちゃ～ん・・・。
　妹に依頼して、妹の子供や孫の声も録音してもらいました。
　そのうちの一つ、妹の孫と妹が一緒に呼びかける録音です。
　いうまでもなく「妹の孫」は母親のひ孫です。

　ちゅん、ちゅん・・・
　母親が可愛がって飼っていたセキセイインコの鳴き声です。