-ロベリアの部屋- めずらしくロベリアが目を覚ましたのは朝だった。 「ふあ〜〜あああ、、、、うん…朝…か……。」 地下室なので窓はないし、当然日の光もささないのだが、ぼんやりと時計を見たロベリアはそう思った。なぜなら夜だったら自分はもっと元気なはずだからだ。 (…もう一眠りするか…) 起きる理由は別にない。再びベットに横になったロベリアはなんとなく部屋のスミを見やった。 散らかった床、そこには花束があった。昨日はロベリア(サフィール)のレビューだったのだ。その後エリカが両手いっぱいの花束を抱えてやってきたのだ、 「エリカ大感激ですう、エリカもロベリアさんみたく上手におどりたいです、クルッと回ってニャア(^^)(^^)」 「あっ、これ花束です、楽屋から持ってきちゃいました。お客さんからもわたされました。エリカからも『エリカの花(ツツジ科)』を贈りまーす…あいたっ!!!」 ドガシャン?!ガラガラ、ぱりーん!「キャアア…」 …と、わけのわからないセリフと花束とけつまずいて部屋のものをぶっこわしていきやがった。 もちろんすぐに叩き出した、部屋を壊されたからじゃない。バクダンにあたったらあたしまで吹き飛ぶじゃないか!危ねえな。 (…ったくエリカのやつ…あいつとつきあうと命がいくつあっても足りないぜ?ホントにシスターか…?) エリカのことを思い出すとロベリアは眠けがふっとんでしまった。 「ちっ、一杯飲まなきゃやってらんねえ…」 そう思いグラスに手をのばしたとき…… 「!」 ふと、ロベリアは花束の残骸に目をうばわれた。いくつか散らばっているものの一つ…その花々の中に一輪の青い花があった。 ベットから起きたロベリアはそれを手に取り、まじまじと見つめた…。花はごくふつうの花だ…でも…どっからどう見ても青だ、 海の青…空の青……だ…。 それは、一輪の青いバラの花だったのである。 |
それはロベリアが巴里華撃団に加わって、でも花火はまだいないころのことだった。 グランマに呼ばれた大神は支配人室にやってきた。 | |
-支配人室- | |
大神: | おはようございます。お話というのはなんでしょうか、支配人? |
グランマ: | ああ、ムッシュ朝からすまないね。でも、まずはこれをごらん。 |
そう言うとグランマは一つの変わった機械をとりだした。 それは無線機のようなメーターがついた箱型で、上部に望遠鏡のようなスコープがついている。ゴツくて一見しただけでは何の機械かはわからなかった。 | |
大神: | これは何ですか? |
グランマ: | ふふっ…なかなかおもしろい物さ。ジャン班長会心の発明! 「携帯型霊力計測器」だよ。 |
大神: | け、携帯型霊力計測器…? つまり霊力を計る機械ですか? |
グランマ: | そうさ、光武やシミュレーターにあるようなおおがかりなものじゃないけど、コックピットで服につけるチューブ状のつなぎもいらず、計りたい相手に向けるだけでその霊力がわかるんだよ。もっとも正確な数値まではわからないけどさ、強いか弱いか、光武を動かせるかどうかは判別できるからね。 |
大神: | …携帯型というわりにはちょっと大きいような気もしますが? |
グランマ: | まあね、実はまだ試作品なんだよ、ジャンが言うにはもっと小型化できるっていうんだけどさ…。 |
大神: | それで、これをどうするのですか? |
グランマ: | 決まってるじゃないか、捜すんだよ、新隊員をさ… コクリコやロベリアの例をみてもわかるように一般の人々の中にも強い霊力持ちってのがいるのわかったじゃないか。おエライさんたちが推薦する娘(コ)たちは、みーんな書類審査で落ちちゃったのさ、もっともまだ続いちゃいるけどさ、まったくどんな基準で選んでいるのかねえ? 現実には絶対に推薦の対象にならない懲役1000年の大悪党とかサーカスの子どもがさ、巴里華撃団の隊員になっちゃったんだからさ、皮肉なもんだよねえ。 |
大神: | …つまり…オレが捜すんですね、その機械を使って…。 |
グランマ: | (^^)さっしがいいねえ、そのとうりだよ。新隊員の選出は隊長であるあんたが一番の適任じゃないか…なあに、あんたが気に入った霊力の高い娘をつれてくりゃいいのさ、簡単だろう。 |
大神: | (う〜どこが簡単なんだ…) |
グランマ: | ちょっと機械が重くて、見た目が変で、あやしいけど大丈夫だね。Allons!(さあさあ)行っといで、街の見回りもかねてね…ついでに花屋によって花も注文してきておくれ、頼んだよ! |
そういって機械といっしょに部屋を追い出されてしまう大神 | |
-秘書室- | |
大神: | (まったく、こんな機械でホントに新隊員なんて捜せるのかな?) |
メル: | どうしたんですか大神さん? |
大神: | ああメルくん・・・いや、支配人にまた雑用をおしつけられてしまってね・・・・新隊員を捜せってね、この機械で。 |
メル: | (渋い顔をするメル)・・・雑用・・・ですか?・・・それは違うと思います。支配人は大神さんだからこそ、その仕事を頼んだのだと思います。 |
大神: | どうしてだい? |
メル: | 雑用、雑用と言いますが、雑用の達人というものは仕事の達人ということです。なぜなら「仕事」とは雑用の積み重ねの結果だからです。 一般的に本来の仕事と関係ないような仕事を「雑用」と呼びますが、仕事には違いないでしょう。 たとえばシーなんて普段はヒューヒュー言ってますけど、売店と司会と秘書の仕事もこなしてるんですよ。趣味はお菓子作りでこれもお店を開けるくらいの腕前です。大神さんからみればそれも雑用ですか? 私は司会と秘書だけですが、そもそも秘書の仕事って雑用の集大成みたいなものです。でも私は好きですし、誇りに思ってますよ。 "新隊員の選出"は重要な仕事(雑用)です。たしかに大神さんにしかできませんよ、戦場で一緒に戦う仲間を選ぶのですから・・・・・。 |
メルに言われて大神は目が覚めた。そのとうりだと思ったからだ。 | |
大神: | ・・・・そうだねメル君、グチを言ってすまなかった・・・きみの言うとうりだ。この巴里を守ることが隊長としての最優先任務だし巴里華撃団を育て上げるのが最重要任務だったんだよね。オレの雑用は情報収集や経験のためだってことを忘れていたよ。 |
(メルを見てふっきれたようにほほえむ大神)(それを見て少し赤くなるメル・・・) | |
メル: | ・・・・大神さんって、間違ってると思ったらちゃんと認めるところがステキです、さっぱりしていてその方が男らしいと思いますよ、わたしは・・・(ぽっ) |
大神: | ありがとうメル君、じゃあしっかりと新隊員を捜してくるよ。 |
メル: | いってらっしゃい、帰ってきたらお茶にいたしましょう。 |
-テルトル広場- | |
ロベリアの胸に付けてる「青いバラ」からZB(ズームバック)人ごみの中である(※)下部豆知識 (人ごみ)ざわざわざわ・・・・・・・ | |
ロベリア: | (ふふん・・今日は仕事がはかどるぜ) |
(人ごみ)ざわざわざわ・・・・・・・ スッたサイフを、お手玉のようにほうり投げながらロベリアは機嫌がよかった。 目の覚めたロベリアは早々とシャノワールから外へ出かけたのだ。 部屋で見つけた「青いバラ」を服に付けて。 ちょっとしたファッションのつもりだった、花にはくわしくないのだが緑の服に青はワンポイントになるだろう。 それに、なんとなく気に入ったのだ、この花が・・・。 | |
-花屋の前- | |
ロベリア: | (大漁、大漁!) |
・・・・パリーン!(落ちて割れる鉢、そのまま上にパンすると、ボーゼンとしてロベリアを見ているコレット)(※) | |
コレット: | ・・・そ、それは!!!?? |
ロベリア: | (んっ?) |
つかつかとロベリアのところへ来るコレット、そしてロベリアの胸に顔を近づけさわろうとする。 | |
ロベリア: | (な・・なんだ・・・この女?!) |
コレット: | ・・・ほ・・・本物・・・だわ、造花じゃない・・・・この茎・・・この花びら・・・・この匂い・・・・。でも・・こんなことって??? |
ロベリア: | ・・・・オイ・・・おまえ!(怒気を含んだ声、右手に霊力が集まる、いつでも発火OKの状態だ) |
ハッ、と気がつくコレット。すぐにロベリアから離れる。 | |
コレット: | す、すいません・・・・失礼しました。 |
ロベリア: | なんなんだ、お前は・・・?女に興味があるのか?・・・あいにくあたしにはそんなシュミはなくってね。 |
コレット: | ・・ち、違いますよ、わたしは普通です。ただ・・・その・・そのお花をよく見ようと・・・近くで・・・よく見ようと・・・思って・・・(たどたどしく弁解するコレット) |
ロベリア: | あん、この花かい?・・・・ただのバラだよ、知ってるだろ、あんた花屋なんだろう? |
コレット: | そうです・・・・そうですけど・・・・。 |
ロベリア: | 切花を服にさしただけさ、めずらしくもない、そこの店先にもあるじゃないか。(そう言って店を指さすロベリア) |
コレット: | めずらしくないだなんてとんでもない・・・・青・・・ですよ、"青いバラ"なんですよ!!! |
ロベリア: | それがどうした? |
コレット: | そんなバラありません! |
ロベリア: | ありません・・・ってここにあるじゃないか。(胸をみて言う) |
コレット: | バラに青い色なんてないんです! |
ロベリア: | じゃあ外国産だろ・・・ここは巴里だ、世界中から人も物も集まってくる街だ。 |
コレット: | ヨーロッパ中さがしてもそんなバラはありませんよ。 |
ロベリア: | それならアジアかどっかだろ、勉強不足だな、あんたは。 |
コレット: | そ、そうかもしれませんが、花屋としてわたしの知る限り、いえ、生まれて初めてです"青いバラ"を見たのなんて・・・・。 "青いバラ"は園芸家の夢なんです。偉い植物学の先生も言ってます、「自然界に青い色をしたバラはない!突然変異でもできない!つまりはこの世界には存在しえない花なのだ・・・・」って。 |
ロベリア: | じゃあ、これは何だ?? |
コレット: | ・・・奇跡・・・としか言いようが・・・・・。 |
ロベリア: | ・・・ほう・・・・・・(ロベリアのメガネの奥が光った) |
コレット: | ・・あ、あの・・・。 |
ロベリア: | つまりこの花は、世界に一つしかない貴重な花ということか? |
コレット: | はい・・・。 |
ロベリア: | (にやり)いろいろわかって助かったぜ・・・メルシー・・・じゃあな。 |
コレット: | あ、あの、あなたはその花をどうやって・・・・・。 |
ロベリア: | さあな、あたしももらったんだよ、誰のかわからない花束でな・・・・。 |
コレット: | ま、待ってくださーい。 |
ロベリア: | (クククク・・・なかなかいいことを聞いた。たぶん客の誰かが何も知らず、ただのバラだと思って花束に入れたのだろう。こいつはお宝だぜ!) 不敵に笑うロベリア。 |
-公園- | |
大神: | ハアハアハア・・・・・・(息が上がってる) 気合を入れて街に出てきたはいいけど、意外と重いなあ、この機械は。 やはりもう少し軽くしてほしいけど・・・・紅蘭製作じゃないから爆発しないだけマシか?(^^; ふうっ、ちょっと休もう・・・。ドサッ(計測器を下ろす) |
大神: | 暑いなー、でも日本より湿気は少ないから汗はあまりかかないや。なんというかここ(巴里)は季節感がわかないな、 "枯れ葉散るパリ"とかなら絵ハガキにもなるんだろうけど、まだ秋じゃないしなあ。四季がある日本から来たからよけいそう思うのかな? |
よく見るとパリ市内は樹が少ない、緑が少ない、マロニエの樹はあるけど森になってるわけではなく街路樹なのだ。もとはといえば城壁の都市だったのだからあたりまえか、でもヨーロッパというのはみなこのような感じなのだろう、昔のローマあたりからヨーロッパ大森林を切り開き街や国をつくってきたのだから・・・・現に都市の外は緑が多い・・・・・汽車でパリに来るときの風景はたしかそうだった・・・・。 大神はボンヤリとそんなことを思い出していた。ちなみに大神は海軍兵学校首席(トップ)である、世界史の知識もあるのである。 | |
大神: | それなら大昔には、森と共に暮らしてた先住民みたいな人々がいたんだろうなきっと・・・パリと呼ばれる以前のこの場所にも・・(※) ・・・ってよけいなこと考えてないで、とりあえず機械を使ってみるか。(スイッチを入れる) |
ぴゅぴゅる〜ぴゅーぴゅーきゅーんんんんん・・・・・・(うなりをあげる計測器) | |
大神: | おかしいなあ、音はするけど針がぜんぜん動かないぞ・・・・・・ 考えられる原因は2つ、壊れているか?霊力ある人が誰もいないか?のどちらかだ・・・・・・ あれ?そうか、自分を計ってみればいいんだ。(そういって計測器の前に大神は立ってみた) |
ぴゅぴゅる〜ぴゅーぴゅーきゅーんんんんん・・・・・・(計測器の針はピクリと少し動き・・・・止まった) | |
大神: | こ、これは!!オレってこの程度しか霊力がないのか・・・・隊長なんてやってていいのだろうか(トホホ・・) (おちこまないで大神さん、いまは戦闘じゃないからですよ(^^))・・・・ふと・・・天の声、いやエリカの声が聞こえたような気がした。 どうも教会でザンゲをするようになってから、悩むとエリカの声が聞こえる気がするのだ。これも一種の霊力か?それともただのそらみみか?・・・・ううむ(頭をかかえる大神) |
女の人: | あの・・・あなたはいったい何をしているのですか?。 |
大神が気づいてまわりを見ると、女の人がけげんそうに見ていた・・・いや、公園にいる通行人がみなこちらを見ていた。 それも、ヘンなものでも見る目つきでだ。 | |
大神: | (し、しまったあ) |
女の人: | さっきからヘンな音がするヘンな機械でヘンなポーズでかたまっているだなんて・・・・その妙な機械、こちらに向けないでください(-_-メ) |
人々はみなひそひそと小声で耳打ちしている。そのうち誰かがさけんだ。 「おまわりさーん、ここでーす!無許可で奇妙な楽器を持ったさわがしい、もぎり服着た吟遊詩人はここです〜」 | |
大神: | ち、ちがいますよ、自分はシャノワールの・・・・・ |
大神は弁明しようとしたが、これ以上いても話がこじれるだけだ、それに機械のことを言ってもだれも信じちゃくれないだろう。ならば・・・ スタスタスタスタスタッ・・・・大神はいちもくさんに逃げ出した。 (やっぱりあやしく見えるじゃないですかあ!支配人・・・)と毒づきながら。 | |
-街中のバー- | |
バタン------(扉を開けロベリアが入ってくる) | |
バーの主: (あるじ) | ようロベリア、朝からどうしたんだ、開店はまだだぜ。 |
ロベリア: | 一杯いきたいとこだが、やめとくよ、ちょっとあんたに聞きたいことがあってね(そう言ってカウンターに座るロベリア)
|
バーの主: | ほう、こりゃめずらしいな。だがその前に店のツケのほうもたまってるんだがね・・・・。
|
ロベリア: | ふざけんな、条件をつけるのはあたしのほうだろ。(ボワッ、と手に火がともる) 店が燃えちまったらツケも何もなくなるだろうが・・・・ふふん、あたし はどっちでもいいんだけどね。 |
バーの主: | ・・・・(チッ)何が聞きたいんだ・・・? |
ロベリア: | それでいい・・・・・実はな・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
|
バーの主: | ・・・はあっ?植物の裏バイヤーを知らないか・・・だって? |
ロベリア: | ああ、あたしは今まで美術品や宝石が主だったからね、そっちのほうはくわしいんだが他はね・・・。
|
バーの主: | ・・・・ロベリア、おまえついに薬に手をつけるのか・・・? |
ロベリア: | ばかやろう!あたしはたしかに悪人で盗みもするがポリシーはもってるさ・・・・悪には悪の怪盗には怪盗のな。 薬はあたしの美学に反するのさ、人間やめる気はまだないよ。 |
バーの主: | じゃあ毒か?毒草をほしがる売人ってのもなあ・・・・? |
ロベリア: | いや、稀少植物とかめずらしい草花とかを売買するやつがいい・・・とくに花だ。
|
バーの主: | 巴里には世界中からいろいろな売人や商人が来てるからな、中にはいるかもな・・・ だがオレはまだ見たことはねえ。もっとも警察になら売人リストがあるか もしれんが・・・・・。 |
ロベリア: | ・・・そうか・・・警察か!(にやり、と笑い立ち上がるロベリア) |
バーの主: | なにをする気だ、ロベリア? |
ロベリア: | じゃましたな・・・(金貨を一枚ゆびで飛ばすロベリア、キャッチするバーの主) ・・・・情報料じゃない、アドバイス料だ。うまくいったらツケは2倍に して返してやるよ。 |
バタン-----(ロベリア出る) | |
じっさいロベリアにとって花のことは重要ではない、金さえ稼げればいいのだ。しかし警察には恨みがある! | |
ロベリア: | 警察か、ちょうどいい機会だ・・・・・このさいぶっ潰してやるぜ・・・・・クッ、クククククク・・・。
|
-ブルーメール邸玄関- | |
大神: | ハアハアハア・・・・・・(またも息が上がってる大神)なんだか・・ハア・・いつも疲れるような・・・展開に・・・ハア・・・なっ
てる気がする・・ハアハア。
ここまで来ればもう大丈夫だろう、機械をおろそう・・・・・よっこらせ!
(ドサッ)ふう〜肩がいたくなちゃったよ。
|
タレブー: | オオガミ、そこにいるのは大神ざますか? |
大神: | あっ、タレブーさん、こんにちは。 |
タレブー: | 大きな機械みたいな荷物をもってなにごとざますか。 |
大神: | これは・・・たいしたものではありません。それよりちょっと休ませてください、タレブーさん。
|
タレブー: | ちょっとだけならいいざます。ところでお嬢様をお見かけしませんでしたかオオガミ。
|
大神: | いいえ、シャノワールでは見かけませんでしたが。 |
タレブー: | 今日はたいせつな記念日だというのにどこにもいないざます、困ったざます。
|
大神: | あっ、そうだタレブーさん、ちょっとそこに立っていてください。 |
なんの気まぐれか、大神はタレブーさんに向け計測器のスイッチを入れた・・・・反応は・・・・ | |
大神: | ・・・・・何も・・・起きないな。 |
タレブー: | なんざますかオオガミ、妙な機械を持ち出して? |
大神: | いえ、・・・・何でもありませんタレブーさん、ちょっと機械の調子を見ただけです。
|
タレブー: | わたしはいそがしいざます!仕事にもどるざます。 |
大神: | (そうだよな・・・・まさかタレブーさんに霊力が・・・) |
タレブーが仕事にもどり、大神がそう思った瞬間だった、ぴゅぴゅる〜ぴゅーぴゅーきゅーんんんんん・・・・・・計測器の針が大きくゆれた ! | |
大神: | なにい〜(・0・)!? |
よ〜く目をこらして見ても間違いない、計測器は高い値をしめしていた! | |
大神: | こ、これは・・・・・まさかタレブーさんが新隊員なのか??? |
タレブー: | オオガミ・・・・まだいたざますか? |
大神: | んっ!あれっ、針がゼロにもどっている・・・・?(計測器は0の値) |
タレブー: | いつまでもいるとメイドの仕事をさせるざますよ・・・。 |
大神: | ま、まさかタレブーさん、メイドの仕事してるときだけ霊力があがるとか・・・・そういったタイプでは?
|
タレブー: | 何をわけのわからないこと言ってるざます、いまは猫の手もかりたいほど忙しいざます、オオガミも手伝うざます。
|
大神: | い、いえ、これで失礼しますタレブーさん・・・・(大神は計測器をしょって出て行く)
|
タレブー: | さあさあ(メイドの)みなさん急ぐざます、おや、そことそことあっちの床にほこりが落ちてるざます(5mm程度)、向こうの
柱の裏(30mは離れてる)は汚れが目立つざます、拭くざます。それと
あそこに積んである皿の上から5枚目と12枚目に小さな
キズがあるざますからかえておくように。ところでローラ、今日の朝食デ
ザート皿は出すのが昨日より2.5秒遅かったざますよ・・・。
各メイドの報告は・・・・時間がないので同時に言うざます・・・聞くざ
ます・・・。
|
大神: | す、すげ〜(・0・)(聖徳太子か?)
|
あれが超能力でなくてなんだというのだろう。 後ろでメイドたちが一斉にがやがやしゃべるのを聞きながら、大神は冷や汗 が出た、 タレブーさんはちゃんと理解できてるようだ。だが同時にこの能力は華撃団 的にはどうだろう?・・・・・と考えてしまうのだ。 | |
----大神の想像---- | |
[戦闘中] | |
通信(メル): | ザーッ・・・12時方向、敵ポーン3機、来ます・・・・。 |
大神機: | よし、敵を掃討してくれタレブーさん! |
タレブー機: | 了解ザマス。敵をそうじするザマスー!・・・ゴシゴシゴシ・・・・??
|
大神機: | ポーンをみがいてどーするんですかタレブーさん(>0<) |
タレブー機: | バクハツしたら破片が散らかるザマス、甲冑はきれいにみがいておくものザマス。
|
大神機: | "かっちゅう"じゃありません、敵です、ポーンです〜〜。 |
------------------ | |
・・・・・ダ、ダメだ・・・とても戦闘には向かない。生活的、実用的すぎる・・・・。 | |
ぴゅぴゅるぴゅーぴゅーぴゅーきゅーんんんんん・・・(うなる計測器) | |
だー、わかった、わかったけど・・・とても新隊員にはなれないってば!!(機械にさとすように言いながら去ってゆく大神だった) | |
-ロベリアの部屋- | |
ロベリア: | ・・・拳銃、ナイフ、バズーカ砲、マシンガン---弾はエリカの部屋からガメて(盗って)きた・・・とバクダンしこたま、
火炎放射器は・・・いらない・・・・・・まあ、武器はこんなもんか。
ふふっ、昼休みは警察も警備が手薄になる・・・
これでいい、この装備で正面から警察襲撃だ・・・・ふふふふ・・・・燃
えるねえ。
売人リストを奪ったらあとはみな灰にしてやる!・・・・サツめ・・・・
あたしをあんな特別牢獄なんかに閉じ込めやがって
このお返しは1000倍にして返してやるからな・・・・。
|
-シャノワール・1階客席- | |
グリシーヌ: | なるほど、そういうことがあったのか(カチャ)あのタレブーに霊力があったとは・・・人はみかけによらないものだな。
|
大神: | 霊力というか・・・仕事しているときしか出ないけどね(^^; |
円卓テーブルでレモンティーのカップを皿の上に置きながらグリシーヌが言った。 ここはシャノワール。大神はけっきょく戻ってきた、やみくもに捜しても疲れるだけ だと悟ったので作戦を考えようと思ったのだ。 で、なぜかロベリア以外のみんながいたのでこうしてお茶を飲んでいるのだ。 | |
大神: | ・・・そういえばグリシーヌ、タレブーさんが捜していたよ、どこにいるかって。
|
グリシーヌ: | ほおっておけばよい、貴公が気にすることではない・・・。 |
エリカ: | 朝からたいへんでしたね大神さん。(グリシーヌの右横にいるエリカが言う)
|
コクリコ: | でもイチロー、その格好で歩いてたら・・・・えへっ(^^)サーカスに来ればきっと目だたないよ。(エリカの右横にコクリコ)
|
大神: | そ、そうかな?(コクリコの右横に大神) |
コクリコ: | ねえイチロー紅茶の中のレモン、ボクにちょうだい。レモン、好きなんだ。
|
大神: | ああ、いいよ。 |
聞くが早いか、サッとスプーンで大神が飲んでいた紅茶のレモンを取って食べてしまうコクリコ、それをなぜかうらやましそうに見てるエリカ | |
グリシーヌ: | サーカスに来いとは、遠回しにヘンだと言っているのだ隊長・・・。それからコクリコ、そんなに隊長にベタベタするでない。
|
コクリコ: | ・・・どうして?ボク、イチローのそばがいいんだもん、いっしょにお茶のみたいもん!
|
シー: | そうですよう〜大神さあん、おかわりどうですかあ〜(大神の右横からシーがポットをさしだす、つまり大神の両隣はコクリコとシー)
|
シーは大神の横にぴったりと近づいている、彼女の大きな胸も近づいている、ポットをさしだすたびに胸は大神の腕にふれるのだ・・・ これはわざとやってるとしか思えない。大神は何も言えず顔をまっ赤にしている・・ ・・。 | |
メル: | (ひきつった笑顔のメル、額にあおすじ)・・・シー・・・・仕事は終わったの?(グリシーヌの左横にメル)
|
グリシーヌ: | (同じく後ろで斧に手をかけ震えているグリシーヌ)まあ、隊長のことはとりあえずおいといてだな・・・さきほどから思っていたのだが・・・・・・・
他の者はどうして午前中のシャノワールにいるのだ!?それでいてなぜ
客席で茶会をせねばならんのだ!この状況はいったい何だ?
|
いきおいよくカップを受皿に落としたグリシーヌがズレた質問をした。どうやらこの六人はなりゆきで集まった六人らしい。 | |
コクリコ: | ボクはいつもシャノワールのゴミ出しと昨夜の残飯をもらってるんだよ。ここのはおいしいから動物たちに一番のごちそうなんだ。
そしたらイチローがいるんだもん・・・。
|
エリカ: | わたしは厨房の冷蔵庫に隠しておいたプリンを食べようと(^^) |
メル: | さっき帰ってきたらお茶にしましょうって大神さんと約束してたから、用意したんです。
|
シー: | 売店はすぐそこですう、準備は終わったからいま休み時間ですう。目の前でお茶の用意してたらわたしが来ないわけ
ないじゃないですかあ、それにメルはやけにきげんよく用意してたし。
|
メル: | べ、べつにわたしは・・・・・。 |
グリシーヌ: | ・・・・・・・・・・・。 |
エリカ: | そういえばグリシーヌさんはなんでシャノワールにいるんですか? |
コクリコ: | グリシーヌのレビューは明日じゃなかったっけ? |
グリシーヌ: | ・・・・・・・・・・。 |
シー: | そうですう、いまの時間で一番意外なのはグリシーヌさんですう? |
グリシーヌ: | ・・・わ、わたくしは・・・その・・・館にいると、タレブーが・・・・・・
|
大神: | タレブーさんがどうしたんだい? |
グリシーヌ: | タレブーが・・・わたしに・・・・タタタ、タコ・・・タコ・・・を・・・・食べさせようとねらって・・・・ウオップ(口を押さえる)
|
エリカ: | だいじょうぶですかグリシーヌさん、顔が青いですよ。 |
グリシーヌ: | ・・・うううっ、思い出したくもない。いくら記念日のしきたりとはいえ、あのようなグニャグニャした生き物を・・・生で食べる人間など、
この世にいるとは思えん、現代にいるとは思えん!
|
大神: | へえ!グリシーヌにも苦手なものがあったんだ(・・・答えるべきだろうか、オレ日本人でタコ食えるんだけど)
|
他全員: | あはは(^^;それじゃあみんな偶然集まったんですね(・・・よりによって[大神さん/隊長/イチロー]がいるときにこんなに集まることないのに)
|
みな顔は笑っているのだがなんだかギコチない、お互いけん制しているかのようだ。 | |
大神他全員: | 「・・・・・・・・・・・・・・・」(他の4人がいなければ[大神さん/隊長/イチロー]と二人きりのお茶だったのに)
|
"ピキッ!!"一瞬、目に見えぬオーラ(霊力)の閃光がとびかった。 | |
ぴゅぴゅる〜ぴゅーぴゅーきゅーんんんんん・・・・・・ | |
大神: | あれっ、計測器が?・・・何か霊力の乱れがあるみたいだな・・・なんだろう?(計器をいじる大神)
|
メル: | み、みなさんも紅茶をどうぞ(^^;紅茶には鎮静作用があるといわれますから・・・(何だかあわててるメル)
|
大神: | なんで鎮静作用の話になるんだいメルくん? |
エリカ: | そうだったんですか、どうりでヘンだと思ったんですよ(^^)フランスだったらカフェ・オレですよねフツー、お茶飲むのはどこの国でしたっけ?(ノー
テンキなエリカ)
(計器をいじってる大神、そのうちハタ、と気づく)
|
大神: | あっ、キミたちに反応してたのか!そうだよねこれだけ霊力者がいれば当然だよね、アンテナをはずしておくよ(ニブさもここまでくればりっぱである)
|
コクリコ: | もっとドンドン飲んでよイチロー(どばどばと紅茶をそそぐコクリコ) |
エリカ: | 大神さんにもこの「聖なるプリン」をあたえます、賞味期限がちょっとあやしいですけど。
|
シー: | 大神さあん、わたしのケーキの試作品たべてくださあい。 |
この三人はさっきから大神をもてなそう(ちょっかいを出そう)としているのがみえみえである・・・当然、残る二人はおもしろくなさげだ。 | |
グリシーヌ: | ・・・・・・・・・・・・・・(-_-メ) |
メル: | ・・・・・・・・・・・・・・(ー_ー)!! |
ぴゅぴゅる〜ぴゅーぴゅーきゅーんんんんん・・・・・・(目に見えぬオーラ(霊力)の閃光がとびかった。) | |
大神: | おやっ?またもやなにか反応があったぞ・・・・・なんだろう?(計器をいじる大神)
|
グリシーヌ: | ええいっ・・そんなことはどうでもよい。そもそもだな、貴公が皆のいるシャノワールに戻ってきたのが悪いのだ!それが原因だ!
|
耐えきれなくなったグリシーヌが大斧をかまえて言う。 | |
大神: | ええっ?悪いって何で、オレなにかしたかい? |
グリシーヌ: | だまれ!この場の空気を何とかせいっ!(逆切れぎみのグリシーヌ、どうにも感情がゆるさないらしい)
|
メル: | グリシーヌさん落ち着いてください。 |
エリカ: | きっとタコを思いだしてストレスがたまったんですよ。そういうときはこのプリンを見てください、心がおちつきますよ。
ぷるんぷるんゆれててほうらおいしそう、エリカ一日じゅう見ててもあき
ないですう(^^)
|
コクリコ: | それでおちつくのはエリカだけだよ・・・。 |
グリシーヌ: | 貴公が何かしたかだと・・・それは・・・貴公がなぜここにいるのか考えよ。
とにかく間が悪いというか、タイミングがよすぎるというか・・・・ど
うせならもっと少ない(二人の)ときに・・・・。
|
大神: | !!!!!!!!(目を見ひらき止まっている) |
メル: | ・・・大神・・・さん!? |
大神: | ・・・そ、そうか・・・きみたちはなぜここにいるのか?どうしてここにいるのか?そうっだったんだ!
|
コクリコ: | どうしたのイチロー |
エリカ: | 何か気づいたんですね!やはり賞味期限が・・。 |
大神: | ロベリアはなぜここ[華撃団]にいるのか?どうしてここにいるのか?考えてみればいいんだ。
|
グリシーヌ: | はあ?(気勢をそがれるグリシーヌ) |
コクリコ: | なぜって・・・イチローがスカウトしたからでしょう。 |
大神: | それはそうだけど・・・順番に追ってみよう・・・・いいかい、ロベリアは巴里華撃団の中でも霊力が高いほうだ。
|
エリカ: | うんうん、そうですね。 |
大神: | はじめにロベリアは警察に捕まった。 |
コクリコ: | うん、イチローと新聞で見たよね。 |
大神: | 考えてみてくれ、高い霊力者を相手にするならこちらもそれ相応の霊力者が必要になる・・・・
われわれだってサンテ刑務所でロベリアに会ったとき、エリカくんの霊力
で最初の一撃を防げたんだ。
|
グリシーヌ: | まあそうだが・・・・。 |
エリカ: | はーい(^^)・・・・って何がですかあ?エリカ忘れちゃいましたあ。
|
大神: | 拘束衣を着ていてあの威力だ・・・・。 |
他全員: | ・・・・・・? |
大神: | じゃあそのロベリアを捕まえた警察って・・・・? |
グリシーヌ: | なるほどわかった!!貴公は警察の中にロベリアを捕まえるほどの霊力の持ち主がいるかもしれない?・・と、そう思うのだな。
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大神: | ああ、個人とはかぎらないけれどもね・・・・もしくはシリウス鋼を応用した捕獲機を使ったということも考えられるけど・・・
あれは軍機密だろうし、警察が持ってるとも思えないし・・・。
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グリシーヌ: | ・・・うむ、貴公の考えに賛成だ。少なくとも調べてみる価値はあるだろう。
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エリカ: | そういえばそうですね、ロベリアさんを逮捕した人って誰なんでしょうね?
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コクリコ: | ボクだったらマジックを使うけどな。 |
大神: | コクリコらしいね。とにかくオレは警察署の方を調べてみるよ。 |
グリシーヌ: | 貴公、手伝いはいるか? |
大神: | いや、皆で行くときみたちに反応してしまう、オレ一人でいってくるよ。 |
エリカ: | えーっ、ざんねんですー。 |
グリシーヌ: | そうか・・・健闘を祈る。 |
メル: | がんばってください |
コクリコ: | 動物好きな人をつれてきてね、イチロー。 |
シー: | はいはーい、それじゃあわたしがお手伝いしますう、大神さあーん、一緒にいきましょお〜(と言いつつ大神にしなだれかかるシー)
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ばこーん!!!(後方より他4人全員のハリセン攻撃) | |
シー: | いっつた〜〜い/(><)\ |
メル: | シーったら、なに火に油そそぐようなこと言ってるのよ・・・・。 |
シー: | いまメルもまざってたでしょ、ぜったいまざってたでしょ・・・。 |
ぴゅぴゅる〜ぴゅーぴゅーきゅーんんんんん・・・・・・ | |
大神: | おやっ、またもや霊力の乱れが? |
メル: | いいから大神さんは行ってください、早く・・・この場にいると全員が危険です!
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大神: | ど、どういう意味だい? |
メル: | どうもこうも、このままだとバランスが崩れるのです。 |
大神: | わからないよメルくん・・・? |
メル: | わかる必要はないんです、さっさと行ってくださいもう〜(霊的脅威が増している円卓から、大神を追い出すメルだった)
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シー: | あ〜ん、大神さあーん(花組に押さえ込まれてるシーが手をのばし叫んでいた)
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ぴゅぴゅる〜ぴゅーぴゅーきゅーんんんんん・・・・・・(うなりつづける計測器) | |
大神: | やれやれ、わけがわからないな・・・・でも、まあいいか捜す場所はわかったし。
とりあえず・・・またこの機械もっていくのか、はあっ・・・。
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-街の道A- | |
がちゃがちゃがちゃ・・・(計測器を持った大神) | |
大神: | ハアハアハア・・・・やっぱり重いなあ |
-街の道B- | |
がちゃがちゃがちゃ・・・(重武装をしたロベリア) | |
ロベリア: | クククク・・・やってやる、ぶっ潰してやる!・・・・ハアーッハッ、ハッ、ハッ、ハッ
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大神&ロベ: | 「目指すは・・・・警察署だ!!!」 |
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(※)よけいな豆知識 ・ズームバック-----カメラがアップから引いて広い画面になること。 ・パン-----画面が上下左右にスライドして移動すること。上下移動をティルトアッ プ(ダウン)ともいう。 ・パリは紀元前にケルト(ガリア)人の一部族"パリジィ族"がシテ島に定住し始め たのが最初といわれてます。大神くんなかなかいいとこついてます。 | |