kobanasi_4 小咄


其の十三 『連邦製一体成型MSにはバリがでる。うそだけど』(林原めぐみ調)  さてさて、つれづれなる話もネタが尽きてきたゆえ、いささか確度の怪しげなものを振ることにし よう。10年ぐらい前に雑誌(MG誌だったか、何かのムックだったかも忘れてしまった)の片隅で 拾った話である。何分、あやふや極まりない記憶なので、誤りがあったら是非教えて欲しい。  連邦製MSと公国製MSの差異として、MSの構造にモノコック形式とセミモノコック形式のどち らを採用しているかという点が挙げられる。どういうことかというと、連邦製のMSは基本的に一つ の大きなブロックを製造し、それを組み立ててゆくのであり、公国製のMSは腕や胴といったブロッ クについても分割して、その後にMSを組み立てるというもののことである。前者をモノコック形式、 後者をセミモノコック形式という。  モノコック形式の利点は、組立に手間がかからないことである。一体成型に近い。欠点としてはア レンジの幅が狭まるということである。些細な変更を行うために機体全体のリフォームが必要になる 場合が多くなる。セミモノコック形式の利点は、重点的に装甲を配置できるので、局所的な防御力が 高いということである。欠点は製造に手間がかかるということ。  もちろん、これらの形式の差異による利点、欠点は相対的なものである。例えばMS-05 ザクは動 力パイプを機体内に内蔵したため動きが鈍いという点が問題になったのを、MS-06 ザク2は外部 にパイプを出すことによって機動性を高めた。これはセミモノコック形式の構造であったから出来た ことであり、ジムではこうはいかない。機体に大穴を開けてしまうし、それを行ったとしてもメリッ トが見えてこない(ジムの体型が変わるわけではないのだ)。その代償としてザク2は動力パイプを むき出しにするという危険を背負うことになったわけである。しかし、ほんとなのかね、この話。初 代だけでの話ならまだ理解できなくもないが、OVA以降のジムって、かなり形が変わっているから なぁ。  このシステムにおいて、この問題は装甲値と二次被害発生において扱われている。概して連邦製の MSは装甲が(少し薄目の値で)一定しており、二次被害は起きにくい。公国製のMSは装甲の厚薄 に差があり(平均すると少し厚めである)、二次被害が起こりやすくなっている。  こうしたデータの違いを出していたのがツクダ社の「ガンダム・ヒストリー」で、公国製MSの一 発撃沈に泣かされたものである。そういえばエルガイムのパワーコンセントも切れると危なかった。 やはりパイプのむき出しは危険だということだろう。
其の十四 『ここまでやっちゃぁMSとは言えませんぜ』(心の中の囁き声)  一年戦争のMSについてはほとんど設定し尽くした観もあるが、やりたくてやれなかったこともあ る。例えばバックパックの交換である。「第8MS小隊」のガンダムを例に引くまでもなく、MSの バックパックはある程度の換装を想定しているものが多い。例えばザクシリーズの場合、地雷(機雷) 散布装置を搭載したものはマインレイヤーと呼ばれ、地雷(機雷)原敷設任務に従事している。また、 ザクキャノンの180mmカノンもバックパックと一体型である。つまり、換装可能だったわけであ る。また、高機動型のR型も、脚部のスラスター以外ではバックパック程度の強化しか行っていない。 つまり、脚部にスラスターを増設することさえ無視できれば、F型からR型への換装はバックパック だけでOKということになる。地上戦装備の特殊仕様(砂漠戦・湿地戦・寒冷地戦etc)も些細な 改造だけでクリアできるだろう。そう考えると、ザクの各型において、根本的な相違は存在しないの である(C型の対核装備は例外)。もちろんこのことは他の型についても大なり小なり言えることで あり、連邦軍についてもそれは同様である。  こうした考えを発展させていくと……汎用性の高いMSのヴァリエーションを局限まで追求する と、すでに原型を留めないシロモノが溢れかえることになる。そこになんとか歯止めがつければルー ル化できるかもしれないのだが……うーむ。気合いの入れ次第では両肩にキャノンを積んだザクやゲ ルググにお目にかかれるかもしれないというのは魅力的だが、両腕からヒートロッドを延ばしている 怪奇なドムというのはちょっと困るなぁ。
もどる G−インデックス