第48回全日本吹奏楽コンクール
平成12年10月21日(土)/東京文化会館

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大学の部
1
九州/福岡県  福岡大学 (尾木恒雄) ※2年連続26回目
銅賞

1/イースト・コーストの風景 (N.ヘス)

課題曲は全体的に淡白な感じでしたし、ソロはもうひと頑張りほしかったですね。自由曲は打って変わって良い演奏でした。各ソロも好演でした。ただ、各セクションがあまり整理されていないのか、Tuttiが非常ににごった感じに聞こえました。もっとはじけてもいいのになと思いましたが・・・。

2
関西/大阪府  近畿大学 (大西道一) ※2年連続20回目
銀賞

3/「リチャード3世」より  (W.ウォルトン/瀬尾宗利)

課題曲は近畿大学にしては詰めが甘いなぁという印象。ところどころでピッチの乱れ等が目立ちました。また全体的にメリハリに欠け、曲の感銘度としてももう一歩の感。自由曲は冒頭のファンファーレは力強く美しく決まりました。弱奏になっても安定感があり、終曲に向かっての勢いは流石でした。


3
関西/京都府  龍谷大学 (若林義人) ※3年連続8回目(3出)
銀賞

3/組曲「惑星」より (G.ホルスト/建部知弘)

しっかりした骨格のあり、メリハリのある演奏でした。ソロもしっかりしているし、何よりも各セクションがクリアに聞こえました。秀逸!
自由曲「惑星」は"名演"の一言に尽きます! ホルンは今大会のベストセクションですね。もちろんホルンだけでなく個々の奏者の技量が非常に高いバンドだと思います。2曲通しての感銘度も高く、この演奏が銀賞というのは納得いかないなぁ・・・。

4
東関東/茨城県 流通経済大学 (喜多原和人)  ※初出場
銀賞

4/交響詩「スパルタクス」  (J.ヴァン=デル=ロースト)

ゆっくりめのテンポでの課題曲でした。Tuttiでのサウンドは素晴らしいと思いました。自由曲、まずはこの強引なカットに驚いてしまいました。(笑) ま、それはさておいて、、。ブラスセクションは良い音がしていましたね。木管群がもうちょっと充実したらもっと良いサウンドになると思います。ホルン、ピッコロ上手でしたね。


5
中国/岡山県  川崎医療福祉大学 (岩田俊哉) ※2年ぶり2回目
銅賞

1/バレエ音楽「青銅の騎士」より (R.グリエール/仲田守)

爽やかな演奏ですが、ちょっと幼い感じです。課題曲ではフレーズが断片的で、音楽の流れを妨げていたように思います。 自由曲ではサウンドが変わりましたね。木管は非常にあたたかいサウンドで好演でしたが、聞かせどころが明確でなかったように思います。


6
東京/東京都  創価大学 (佐川聖二)  ※初出場
金賞

4/管弦楽組曲「第六の幸運をもたらす宿」より 第3楽章 (M.アーノルド/瀬尾宗利)

分厚いサウンドで安定感がありました。サックス、ホルンは好演で、トランペット・ソロも立奏でかっこ良く決まりました。中間部の歌いこみが素晴らしかったです。自由曲は生き生きとした演奏で秀逸。トランペットのベルを左右に振っての演奏、ちょっと微笑ましく思いました。2曲通して良く鳴るバンドでしたが、東京文化会館のホールにはボリュームが大きすぎたようです。初出場で金賞受賞ですね。


7
東北/宮城県  東北福祉大学  (松崎秦賢) ※初出場
銅賞

4/バレエ音楽「中国の不思議な役人」より (B.バルトーク/天野正道)

サウンド作りの方向性はなかなか良いと思います。Tuttiが柔らかくて良い音がしていました。ただ弱奏部分で不安定なのと、表情が乏しいのが残念でした。自由曲のバルトークはもっともっと強烈な表現を期待していたのですが中途半端な感じで残念でした。個々のプレーヤーの技量というよりも、指揮者の力による部分がかなりあったように思います。


8
北陸/石川県  金沢大学 (尾崎慎太郎) ※3年連続8回目(3出)
銅賞

1/「カルミナ・ブラーナ」より (C.オルフ/J.クランス)

課題曲ではバンド全体が緊張しているようで、各パートの小さなミスが悪循環したというか連鎖反応を起こしてしまった感じがしました。ソロ等も決まらず全体的にも寂しい演奏でした。カルミナは低音群が頑張りました。しかし、要所要所でピッチが定まらず、終始濁ったサウンドだったことが残念です。学生指揮者でしょうか、非常に熱血的な指揮だったのが印象的でした。


9
北海道/函館  北海道教育大学函館校 (松代晃明) ※3年ぶり18回目
銀賞

3/バレエ音楽「三角帽子」より 終幕の踊り (M.d.ファリャ/仲田守)

よく吹けているのですが、サウンドに魅力が感じられませんでした。各パートの音がまとまらず、バンド全体の音も分散気味でした。三角帽子はサウンドが引き締まって課題曲よりも好演でした。ただもっともっとアツクなってほしかったですね。クラリネットがまとまった響きで好演でした。


10
東海/三重県  三重大学 (沖 公智) ※3年ぶり27回目
銀賞

1/「優雅で感傷的なワルツ」より (M.ラヴェル/沖公智)

課題曲は自然な流れの中にもメリハリがちゃんとあって素晴らしいと思います。各ソロも良い音と表現で好演でした。自由曲はさらに三重大学の魅力を引き出した演奏で大人のバンドという感じです。個々の奏者の技量が高いので、弱奏になっても安定感がありました。ハープも飾りではなく効果的に使われ、非常に色彩感豊かなラヴェルになりました。金賞だと思いましたが・・・。


11
東京/東京都  駒澤大学 (上埜 孝)  ※4年ぶり14回目
金賞

3/バレエ音楽「中国の不思議な役人」より (B.バルトーク/上埜孝)

課題曲は超個性的。楽譜に忠実かどうかといえば、、「疑問」です。しかし、これが上埜節なのでしょうね。バルトークは駒沢のサウンドにあった強烈な演奏で、トロンボーンも見事。 ただ、サウンド的には一昔前という感じがします。個人的好みかもしれませんが、大音量の連続で耳が疲れました。もっと「ほっ」とする部分も欲しい気がしましたね。14回目の出場で13回目の金賞(うち1回は順位制で3位)。「出れば金」の全国大会連続金賞記録を伸ばしました。


12
西関東/埼玉県  文教大学 (瀬尾宗利)  ※お休みからの復活11回目
金賞

4/交響曲第2番作品40より 第1、4楽章 (M.アーノルド/瀬尾宗利)

例年の女性奏者の胸にコサージュというスタイルではなく、今回は皆さん黒のノースリーブ。会場からは「かっこいい!」なんて声も聞こえていましたね。 サウンドの美しさが群を抜いています。全団体の中でもイチバンでしょう。強奏になっても決してうるさい感じではなく、理性をもった美しい演奏でした。トランペットソロも好演で中間部の歌い方も秀逸でした。 自由曲は見事な一体感と表現力で素晴らしい演奏で、文句無しの金賞!ピッコロが非常に良い音で早いパッセージをこなしていたのが印象的です。

【大学の部を聞いて・・・】
金賞3、銀賞5、銅賞4という結果。金賞は創価大(東京)、駒沢大(東京)、文教大(西関東)でしたが、個人的には龍谷大(関西)、三重大(東海)も十分金賞に値する演奏だったと思います。関西から金賞が出なかったのは、94年以来6年ぶり。 大学生のバンドは本当に良く鳴るのですが、特に東京代表の2団体に関してはあまりの大音量で耳が疲れました。予選会場が普門館だったことが影響しているかもしれませんが、会場に合わせた音ということも考えていただきたいと思います。今年で龍谷大(関西)、金沢大(北陸)が3年連続出場、来年お休みになります。

※出場回数には、招待演奏、特別演奏を含んでおりません。