第51回全日本吹奏楽コンクール
平成15年10月19日(日) /宇都宮市文化会館

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職場の部

1
東京 東京都 ソニー吹奏楽団 (指揮/川本統脩) ※2年ぶり4回目
銀賞

3/「天地創造」より ノアの方舟、メインテーマ (黛敏郎/K.フォイットコム)

朝一番でしたが楽器の鳴りには影響なかったと思いました。ソニーらしい上品なマーチでした。欲をいえば、やはりマーチ特有の躍動感がもっとほしかったです。メリハリに欠け雑然とした部分が見られたのは残念。自由曲、出だしは良い雰囲気だったのですが、S.Saxソロがテンポに乗り切れないままに終わってしまい消化不良という印象です。充実した金管群が、少ない木管群をかき消しバランスを欠いており、Tuttiのまとまりがもう一歩というところです。メインテーマのラストは都大会とは違う作りにしていましたね。個人的には都大会のほうが良かったと思うのですが…。


2
北海道 日胆地区 新日鐵室蘭吹奏楽団 (指揮/神 正樹) ※4年ぶり20回目
銅賞

3/スラヴォニックダンス (D.ボルゴ)

7団体中最少人数の26人(Fl.2、Cl.3、ASax.1、TSax.1、BsCl.1、Hr.3、Trp.4、Trb.3、Euph.1、Tu.2、Cb.1、Perc.4)の編成です。個々の奏者の技術力も高いと思いますし、小編成の良さを活かした演奏だったと思います。課題曲ではすっきりとした爽やかな演奏でしたが、先急ぐ感じでもう少し落ち着きがあれば更に良かったです。。自由曲も好演でしたが、ソロはもっと主張がほしいと感じました。少ない木管群に合わせたバランスの良いサウンドで、特にフルート、中低音群が光っていました。銅賞というほど悪い演奏では決して無かったと思います。個人的には銀賞だと思ったのですが…。


3
関西 大阪府 阪急百貨店吹奏楽団 (指揮/秦 和夫) ※3年連続35回目
銀賞

3/バレエ音楽「ラ・バヤデール」より アダージョ、パドドゥ〜フィナーレ (L.ミンクス/亀井光太郎)

骨太でどっしりと安定感のあるマーチでしたが、多少リズムが重めだったのが気になりました。トリオのSax、Euphのメロディは大変美しかったです。自由曲ではアダージョで聞かせた豊かなサウンドと艶のあるObの音色が特筆すべき点。パドドゥも軽快な演奏で楽しい雰囲気も十分伝わってきます。全体を通してピッチのズレ、ハーモニーのにごる部分がチラホラあったのが気になりました。3年連続で来年はお休みですね。


4
東関東 神奈川県 NEC玉川吹奏楽団 (指揮/稲垣征夫) ※お休み明け25回目
金賞

4/ミュージカル「ラ・マンチャの男」より
   我こそはドン・キホーテ、ドルシネア姫、アルドンサ、誘拐、ワルツ、見果てぬ夢 (M.リー/杉本幸一)

すっきりとまとまったオープニング。小細工の無い心地よいマーチで好演です。自由曲では曲の構成が光りました。コンクールを忘れるかのような楽しい演奏に加え、場面展開が上手で聴衆をどんどん惹きつけていきました。各ソリストも上手でしたし、Tuttiでのまとまりの良さ、バランスの良さ、明るいサウンド等、合奏力に長けていると思いました。休み明けを4回目の金賞で飾りました。おめでとうございます。


5
東海 静岡県 ヤマハ吹奏楽団浜松 (指揮/河原哲也) ※2年連続30回目
金賞

1/楓葉の舞 (長生淳)

堂々としたTrpソロに始まり、安定感抜群の序奏でした。マーチという以前に一つの楽曲として見事な仕上がりだったと思います。自由曲も大変素晴らしいです。各セクションがクリアに聞こえてくるのに、合奏体としても見事な一体感があります。後半の木管群とピアノのアンサンブルは美しく、終曲に向かっても感動的な演奏となりました。強奏になっても決して崩れないバランス、安定感は、やはりアマチュアの域を超えた名演であったことは間違いありません。昨年の雪辱を果たすとともに、30回目の出場を25回目の金賞で飾りました。


6
九州 大分県 新日本製鐵大分製鐵所吹奏楽団 (指揮/斉藤哲哉) ※4年ぶり3回目
銀賞

4/「おほなゐ〜1995.1.17 阪神淡路大震災へのオマージュ〜」より  (天野正道)

ソツの無いマーチですが躍動感に欠け面白みがありません。アーティキュレーションやハーモニー等、つめの甘いところが露呈していました。またシロフォンとバンドのピッチも合っていませんでしたね。自由曲ではメカニカルなところは良くさらってありますが、合奏体としてのバランスがもう一つでした。さらに、演奏以外の雑音(足音、持ち替え楽器を置く音、譜面めくり)が目立ち、せっかくの緊張感が台無しとなる箇所が見受けられ残念。フレーズ間(カット等)のつなぎが悪く全体として「流れ」の悪い印象を受けました。


7
東北 山形県 山形市役所吹奏楽団 (指揮/佐藤裕司) ※初出場
銅賞

2/プレリュード、シチリアーノとロンド (M.アーノルド/J.P.ペインター)

34人でしたが楽器の数としては偏りの無いバランスの良い編成でした。しかし、まずは基本的なチューニング、テンポキープ等に問題がありました。「イギリス民謡」という曲想にあわせて、Trp奏者はコルネットに持ち替えて効果を出していましたが、終始バンド内のピッチの悪さが露呈しており競技会においては分が悪すぎました。自由曲では一転し、個々の表現が積極的になり音楽性も感じられましたが、やはりピッチのずれが致命的だったと思います。


金賞2、銀賞3、銅賞2。ヤマハ浜松が昨年の雪辱を果たして金賞受賞。NEC玉川も休み明けを金賞で飾りました。参加団体が7団体しかなくちょっと寂しい部門になってしまいましたが、年々職場部門のレベルは底上げされてきており、来年がまた楽しみです。阪急百貨店が3年連続出場で来年お休みになります。


※出場回数には、招待演奏、特別演奏を含んでおりません。