中学・後半の部 |
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1 | 北陸 福井県 鯖江市鯖江中学校 (指揮/佐々木和史) ※2年ぶり5回目 | |
2/組曲「仮面舞踏会」より (A.ハチャトゥリャン/仲田守) |
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本日最初の課題曲2。冒頭のアンサンブルは良かったのですが、続くミュートトランペットのフレーズに始まる早い部分のサウンドや表現が重く、この曲の持つ軽快さを出すまでにはもう一つといった印象です。特に流れがテンポだけの問題ではないように思いました。自由曲では一転、非常に明るく軽やかなサウンドで華やかなオープニングでしたね。サックスソロ、クラリネットソロも秀逸。ちょっと真面目すぎる感があり「遊び」も欲しいと思いましたが爽やかな演奏でした。 |
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2 | 関西 兵庫県 加古川市立浜の宮中学校 (指揮/中原淳子) ※2年連続2回目 | |
1/バレエ音楽「シンデレラ」より 序曲、舞踏会の翌朝、オリエンタル、ワルツ〜コーダ、真夜中 (S.プロコフィエフ/大橋晃一) |
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クリアなサウンドで各パートがよく聞こえてきました。よく整理されていてスッキリとしていました。各楽器の発音が明瞭で且つアーティキュレーションがしっかりしているので、合奏体になったときに整然とした音楽に仕上がっています。自由曲では場面転換が上手く、聴衆を飽きさせない音楽運びでした。特にたっぷりと歌いこむテクニックに長けていますね。ラストの「真夜中」での集中力は素晴らしく、このバレエのシーンを感動的に仕上げていました。 | ||
3 | 東京 東京都 足立区立第十一中学校 (指揮/宇野浩之) ※7年ぶり2回目 | |
3/管弦楽組曲「第六の幸運をもたらす宿」より (M.アーノルド/瀬尾宗利) | ||
課題曲は全体としては音楽の流れが良く、細部まで神経の行き届いた演奏でした。ミュートトランペットとオーボエ、EbClの3連符は良く合っていて素晴らしい。中間部ではピッチの不安定なところもありましたが、ラストへ向かう緊張感、高揚感は見事でしたね。自由曲は短い時間の中で第1〜3楽章の抜粋をしているせいか、全体に渡ってテンポが速すぎると思います。特に第2楽章はアッサリしすぎ、第3楽章も落ち着きの無い印象で楽曲の魅力が半減していたように感じました。 | ||
4 | 東北 福島県 南相馬市立小高中学校 (指揮/北野英樹) ※3出明け4回目 | |
1/歌劇「トゥーランドット」より (G.プッチーニ/木村吉宏、安藤一雄) | ||
各パートがクリアに聞こえてくる反面、Tuttiでのサウンドがちょっと硬いかなと感じました。課題曲は細部にわたってアナリーゼの行き届いており、各奏者もしっかりと指揮者の要求に応えているようです。自由曲ではこの難曲をよく吹き切りましたね。冒頭の緊張感、中間部の緩やかな部分での木管群のしなやかで甘美なアンサンブルは特筆。オペラ作品ならではの旋律の歌いこみも素晴らしく、非常に感銘度の高い演奏でした。個人的には金賞でも十分と思いましたが…。 | ||
5 | 西関東 群馬県 榛東村立榛東中学校 (指揮/水出雅基) ※初出場 | |
2/地の精のバラード (O.レスピーギ/山本教生) | ||
大変スムーズな流れで軽快な課題曲でした。フレーズの受け渡しが上手く、音の薄い部分も流れが停滞しない素晴らしい演奏だったと思います。自由曲はシャープでキレのある演奏でしたね。多少、荒く感じる部分もありましたが、終始積極的な音楽作りで色彩豊かな世界を表現できていましたね。個々のレベルが非常に高いですね。とても初出場とは思えない、激戦地区の代表らしい堂々たる演奏だったと思います。 | ||
6 | 九州 鹿児島県 鹿児島市立吉野中学校 (指揮/美座賢治) ※3年ぶり3回目 | |
1/アルプスの詩 (F.チェザリーニ) | ||
課題曲は手馴れた感じでよくアンサンブルできていますね。音にスピード感があり流れも素晴らしく、音楽に推進力があります。また、特にホルンセクションの音抜けが素晴らしくこの曲のよさを引き立てていたと思います。自由曲ではサウンドに色彩感が増し、アルプスの情景をとても上手く表現できています。特にフォルテ以上のときに程よく力が抜けていて豊かに響いているので、この曲のもつ雄大さ、スケール感を表現するのにプラスになっていたと思います。 | ||
7 | 北海道 旭川地区 旭川市立永山南中学校 (指揮/森山直哉) ※3年連続9回目 | |
1/エル・サロン・メヒコ (A.コープランド/M.ハインズレー) | ||
全員暗譜での演奏でした。課題曲では細かい音までしっかりと鳴っていますね。よく練習されてるようで個々人のレベルが非常に高いと思います。Tuttiのサウンドも豊かで安定感抜群、各ソロも表情豊かであり安心して聞けました。完成度の高い課題曲だったと思います。自由曲はトランペットソロも好演、その後に続くFgのデュエットは存在感十分で光っていましたね。明るいサウンドがこの曲によくマッチしていますし、中間部で聞かせた木管セクションの陶酔感のあるアンサンブルは見事でした! | ||
8 | 西関東 山梨県 甲斐市立敷島中学校 (指揮/大島雅彦) ※2年連続3回目 | |
1/「スペイン奇想曲」より 第1・第4・第5楽章 (N.リムスキー=コルサコフ/高橋徹) | ||
クリアでしかも艶のある豪華なサウンドです。課題曲では木管のしなやかさ金管の力強さが随所に出ていて、しかも丁寧な演奏でしたね。中間部の各ソロも秀逸。バランスの良いサウンドで後半では一番素晴らしい演奏だったと思います。自由曲は本日の白眉。素晴らしいサウンドに加えて躍動感があり、音楽が生き生きしていました。Cl、サックス、オーボエソロも非常にレベルが高い!万華鏡を見ているようで最後の音が消える瞬間までステージに釘付けで、前半後半通して個人的には一番素晴らしいと感じました。2年連続2回目の金賞、おめでとうございます。 | ||
9 | 四国 愛媛県 松山市立南中学校 (指揮/柿並陽子) ※2年ぶり5回目 | |
1/「管弦楽のための協奏曲」より IV. 中断された間奏曲 V. 終曲 (B.バルトーク/森田一浩) | ||
音に伸びがありTuttiの安定感が抜群です。非常に積極的な演奏でしたが、強奏で時々バランスが乱れる箇所があったのが残念。自由曲はソリストの皆さんが素晴らしかった。終曲では躍動感のある演奏で好演。Tuttiがちょっと荒いかなと感じる箇所もありましたが、何よりも音楽に勢いがあり爽快感がありました。 | ||
10 | 東海 三重県 鈴鹿市立千代崎中学校 (指揮/中山かほり) ※3年連続3回目 | |
2/歌劇「トゥーランドット」より 残酷な誓いがわしによこしまな掟をまもることを、砥石よ回せ、 氷に包まれた姫君の心も、おいパン!、おお神聖なる父君陛下よ (G.プッチーニ/大橋晃一) |
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各楽器の発音が明確でクリアなサウンドでした。課題曲はまさに一糸乱れぬという感じ。冒頭のアンサンブルの柔軟さ、ミュートトランペットのシャープな演奏を皮切りにドライブ感のある秀演でした。個々のレベルが高く、フレージングの確かさ、一体感の素晴らしさが際立っていました。自由曲では、表情豊かなEuphのスタンドプレイソロでスタート。表現の緩急も上手で中学生としてはかなりレベルの高い音楽を作っており感銘度の高い演奏でした。3出を2年連続2回目の金賞受賞で飾りました。おめでとうございます。 | ||
11 | 東関東 神奈川県 川崎市立東橘中学校 (指揮/高橋祐司) ※初出場 | |
1/「スペイン狂詩曲」より IV. 祭り (M.ラヴェル/八田泰一) | ||
上手ですね。洗練された透明感のあるサウンドです。課題曲は小細工することない自然体の音楽作りで申し分ない演奏でした。中音域のセクションがしっかりしていてサウンドの安定感が素晴らしいと思います。自由曲は名手揃いのバンドによく合っていました。特に木管群のしなやかさは秀逸。色彩豊かな音楽となり、中学生としては申し分ないラヴェルであったことは間違いありません。初出場で金賞受賞、おめでとうございます。 | ||
12 | 中国 島根県 出雲市立第一中学校 (指揮/原田実) ※3出明け36回目 | |
3/バレエ音楽「シバの女王ベルキス」より (O.レスピーギ/小長谷宗一) | ||
サウンドが他のバンドとは違いますね。課題曲は流石によくアナリーゼされていて、この難曲のもつ独特な世界をうまく表現できています。細かい乱れはありましが、それを補うに余るほどの説得力がありました。自由曲はかなり強引なカットで「全楽章ダイジェスト版」になっていたのが残念ですが、バンドから出てくるサウンドはやはり素晴らしいものがあります。色彩感溢れる演奏で非常に圧倒的でした。3出明けを19回目の金賞で飾るとともに、中国代表の連続金賞記録を24年に更新しました。 | ||
13 | 東北 福島県 いわき市立錦中学校 (指揮/佐川匡彦) ※2年ぶり2回目 | |
1/交響詩「ローマの祭」より 主顕祭 (O.レスピーギ/磯崎敦博) | ||
課題曲では音楽に推進力があり、積極的に表現しようとする姿勢が素晴らしいと思います。フレーズの受け渡しにおいて音のリリースが雑な箇所があったのがちょっと残念。長い課題曲の年、「ローマの祭」を強引なカットで無理やりに演奏する団体が多い中、錦中は「主顕祭」をしっかりと演奏する姿勢は好感が持てました。この曲のもつ色彩感・躍動感はよく出ている演奏でしたが、フレーズの取り方が短くて音楽が停滞している印象を受けました。 | ||
14 | 関西 奈良県 生駒市立生駒中学校 (指揮/牧野耕也) ※3出明け7回目 | |
2/小組曲「子供の遊び」より I. ラッパと太鼓 III. こままわし IV. 小さい旦那さんと小さい奥さん V. 舞踏会 (G.ビゼー/仲田守) |
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明るいサウンドでキラキラしてますね。課題曲は軽快さや躍動感はよく表現できていましたが、色々細かいキズが連鎖反応のように起こってしまい完成度という面ではもう一歩という印象の演奏でした。自由曲は大変素晴らしい。変な小細工は一切せず、絶妙なアンサンブルを披露してくれました。柔らかく甘美なサウンドで実力バンドの力を十分に発揮できましたね。課題曲がもう少しよければ金賞もいけたのでは…と思わせるほどで少し残念な気がします。 | ||
※出場回数には、招待演奏、特別演奏を含んでおりません。 |