大学の部 |
||
1 | 東海 静岡県 静岡大学 (指揮/三田村健) ※2年連続6回目 | |
5/リコイル (J.シュワントナー) | ||
サウンドはシャープ。課題曲では強奏時の金管群のアタックが強く、破裂音だけになっている部分があり荒い印象を残しました。この難しい課題曲を集中力を高めて吹ききったのは 見事。自由曲は初めて聴きましたが、神秘的な雰囲気の曲ですね。無機質だけの演奏に終わってしまいそうな曲なので、作り上げるのが難しいと思います。 課題曲と連続で演奏した場合、なんとなく同じような曲が12分続いたな…という印象が大きかったです。 | ||
2 | 九州 福岡県 福岡工業大学 (指揮/柴田裕二) ※3出明け8回目 | |
1/交響曲第1番「指輪物語」より T.魔法使いガンダルフ (J.デ=メイ) | ||
重厚なサウンド。課題曲ではトランペットの旋律を2名で演奏していましたが、吹き方もピッチも良く揃っていて見事でした。(1人で吹くより難しいでしょうね) ただ、その後の各セクションのフレーズの受け渡しがぎこちなく流れが今ひとつでした。 自由曲はよく演奏できてます。みんなソツがないのですが、積極性に欠ける感じで感銘度という点で何かが足りない気がします。 | ||
3 | 関西 京都府 立命館大学 (指揮/篠原康浩) ※3年連続3回目 | |
1/「スペイン狂詩曲」より IV. 祭り (M.ラヴェル/森田一浩) | ||
課題曲は流れもよく音楽に勢いがありました。多少熱くなりすぎてサウンドが硬く耳に痛いところもありますが、そこは積極性のほうを買いたいと思います。中間部の表現力、ラストに向かっての盛り上がりは見事。自由曲は色彩感のあるサウンドで好演。イングリッシュホルンのソロも秀逸でした。フォルテになるとサウンドが分散してしまうのが残念。特に金管群のアタックが痛く、打楽器はこのホールではバランスが悪すぎました。 | ||
4 | 九州 福岡県 福岡教育大学 (指揮/倉橋慎二) ※2年連続5回目 | |
1/「シンフォニエッタ〜水都のスケッチ〜」より III. 湖畔の夕暮れ IV. 未来に向かって (J.ヴァン・デル・ロースト) |
||
他のバンドに比べると技術的には危うい部分が多かったようです。この課題曲はもっと歌える曲だと思うのですが、表情に乏しく、一本調子のまま終わってしまったのが残念。自由曲でも表現が中途半端な箇所があり、全体的に不完全燃焼といった印象です。ホールの特性でしょうか、2曲とも強奏時のサウンドが金属的な感じがしました。 | ||
5 | 東関東 神奈川県 神奈川大学 (指揮/小澤俊朗) ※2年連続36回目 | |
3/残酷メアリー (田村文生) | ||
神大の演奏を先入観無しで聞けというのは難しいのが正直なところ。期待通り個人のレベルは非常に高いバンドですが、今回の課題曲はどこか「もっさり」した感じで流れが悪いと思いました。完璧を期待しすぎているのかもしれませんが、細かい乱れが気になってしまい不満の残る課題曲でした。自由曲は一転。バンドの実力を十分に発揮したと思います。こういった曲をするとすさまじい集中力をみせるバンドですね。2年連続20回目の金賞受賞です。 | ||
6 | 東北 山形県 山形大学 (指揮/吉田 僚) ※8年ぶり3回目 | |
1/アブサロン (B.アッペルモント) | ||
課題曲は「表現する」という意識が希薄に感じる演奏でした。どのフレーズもやけにアッサリしており、もっとアゴーギク等を考えられたら…と思います。ソリストも表情に乏しく、音色や表現に対する追求がもっとほしいですね。自由曲では若干持ち直し、気合の入った演奏でしたが、要所要所でのツメが甘く、ピッチの不安定さやバランスの悪さが露呈したのが残念。 | ||
7 | 北陸 石川県 金沢大学 (指揮/柴山洋輔) ※3出明け12回目 | |
1/喜歌劇「こうもり」セレクション (J.シュトラウスII/鈴木英史) | ||
課題曲では特に小細工もなくストレートな演奏で、すっきりしていました。個々の音やフレーズを理性をもって「まとめよう」とする姿勢は素晴らしいですが、平凡な印象が拭えないですね。自由曲は若々しく勢いのある演奏でしたが、この曲のもつ軽快さや洒落た表現に乏しく全体的に野暮ったい雰囲気を残してしまった感がありました。実力は十分にあると思うのですが、もう一つ殻を破れないもどかしさが残念。 | ||
8 | 関西 京都府 龍谷大学 (指揮/若林義人) ※3出明け12回目 | |
5/波の通り道 (酒井格) | ||
決して破綻することのないバランスの取れた課題曲。アナリーゼがしっかりできていて、計算どおりの課題曲だったのではないでしょうか。緊張感のある課題曲の後、実に美しく清清しい自由曲を聞かせてくれました。「森の贈り物」の続編といった感じの曲想でしたが、そこはもう十八番いった感じの手馴れた演奏でしたね。とにかくサウンドが柔らかく耳に心地よいです。ソリストも大変高いパフォーマンスを聞かせてくれました。3出明けを6回目の金賞で飾りました。 | ||
9 | 西関東 埼玉県 文教大学 (指揮/佐川聖二) ※3年連続16回目 | |
3/「交響曲第4番」作品71より (M.アーノルド/瀬尾宗利) | ||
豊かな低音に導かれた安定感のある課題曲でした。流れも秀逸で表情豊かな木管群の旋律が素晴らしい出来でした。このホールはバランスのとり方が難しいようで、うるさく聞こえるバンドが多いのですが、文教はステージの中でサウンドをしっかりまとめていました。自由曲は本領発揮。充実した低音群の上で泉のように湧き上がるような旋律が見事。大変ピッチが良いのでユニゾンが素晴らしく、中盤からラストへ向かうスピード感には圧倒されました。3年連続10回目の金賞受賞です。 | ||
10 | 中国 山口県 山口大学 (指揮/松田和寛) ※4年ぶり2回目 | |
1/マゼランの未知なる大陸への挑戦 (樽屋雅徳) | ||
金管主体のサウンド。木管群がもうちょと鳴ると良いですね。課題曲ではフレーズの受渡しに難があり、全体的には線が細くこじんまりとしてしまいました。自由曲は一転。「この曲をこう表現したい!」という思いがしっかりと伝わる説得力のある演奏だったと思います。曲への思い入れもあるのでしょうか、課題曲に比べると断然良いサウンドでした。 | ||
11 | 北海道 札幌地区 札幌大学 (指揮/今井敏勝) ※3年ぶり5回目 | |
5/メディアの瞑想と復讐の踊り (S.バーバー/木村吉宏) | ||
課題曲では各ソロが絡み合うアンサンブルに乱れがありました。Tuttiサウンドも金属的で硬く、音も開き気味でてブレンド感がありませんでした。自由曲は曲のもつミステリアスな部分や鬼気迫る雰囲気はよく出せていたと思います。ソリストはよく吹けているのものの表情が今ひとつでした。こちらも課題曲同様、サウンドが硬くバランスが悪かったのが残念です。 |
||
12 | 東京 東京都 駒澤大学 (指揮/上埜孝) ※3年連続19回目 | |
3/「幻想交響曲」より 第5楽章 (H.ベルリオーズ/R.M.ロジャース) |
||
課題曲は各パートがしっかり主張をしているのに、合奏体としての違和感はない重厚な駒澤サウンド。好みが分かれるところではありますが、バンドのカラーという意味では一番出ていたでしょう。ラストに若干の不安は残りました。自由曲は昨今の流行とは違う懐かしい選曲でしたが、このバンド特有の油絵のような力強さと骨太なサウンドが随所に見られる名演。おそらく最後のコードには聴衆の誰もがゾクゾクしたことでしょう。3出を3年連続17回目の金賞で飾りました。 |
||