第57回全日本吹奏楽コンクール 平成21年10月18日(日) /名古屋国際会議場 |
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職場・一般 後半の部 |
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1 | 西関東 埼玉県 アンサンブルリベルテ吹奏楽団 (指揮/福本信太郎) ※3出休み明け14回目 | |
5/カプレーティとモンテッキ 〜「ロメオとジュリエット」その愛と死〜 (天野正道) | ||
たっぷりと雰囲気をもった流暢な課題曲でした。難しさを感じさせないのがリベルテの凄さかもしれません。自由曲は初めて聞きましたが、ロマンティック且つドラマティックな楽曲で楽しめました。めまぐるしく場面転換する曲でしたが、都度サウンドがガラッと切り替わるところは流石だと思います。2曲通して今年は例年のような横綱的な演奏ではなく、珍しくツメの甘い部分が見受けられましたが、それでも金賞ラインはしっかりキープしているところにバンドの力を垣間見たような気がします。11回目の金賞です。 | ||
2 | 東北 宮城県 名取交響吹奏楽団 (指揮/近藤久敦) ※2年連続15回目 | |
5/宇宙の音楽 (P.スパーク) | ||
課題曲は非常に積極的な表現が印象的です。聞きなれた課題曲が実に新鮮に聞こえます。自由曲は色彩豊かで大人の演奏でした。Tuttiでの深く雄大なサウンドもさることながら、細部に渡って良く練習されているのがわかりました。指揮者の要求にしっかりとバンドが応えているようで、集中力の高さも感じました。この難曲をここまで魅力的に聞かせてくれるバンドはそうそうないでしょう。会場も大いに沸かせましたね。管理人は「金賞」と思いましたが、残念。 | ||
3 | 関西 大阪府 創価学会関西吹奏楽団 (指揮/伊勢敏之) ※3年ぶり13回目 | |
4/バッハの名による幻想曲とフーガ (F.リスト/田村文生) | ||
後半の白眉。課題曲は大変美しいサウンドで躍動感十分の超正統派マーチでした。旋律の歌いこみ、伴奏の安定感、打楽器の正確さなど実に見事でこの名古屋大会では最高のマーチだと思います。自由曲は重厚で鮮烈なサウンドが素晴らしいです。細部にわたって精巧な音楽作りがなされていて、音の厚い部分はもちろん薄い部分にも安定感があり、大変惹きこまれました。他のバンドとはサウンドの「質の高さ」が数段上のクラスにあるようです。3年ぶり12回目の金賞です。 | ||
4 | 四国 高知県 鏡野吹奏楽団 (指揮/弘田靖明) ※3年連続18回目 | |
4/星を釣る海〜吹奏楽のための (中橋愛生) | ||
力みのない明るく軽快なマーチでした。旋律の歌い方も自然ですし緩急の巧くついた好演と思いましたが、もう少し積極性もほしく楽団のカラーが見えませんでした。課題曲とは一転、自由曲は委嘱作品らしく手馴れた感じで、音楽に主張があります。ソプラノサックスやオーボエソロも美しくよく聞かせました。後半はちょっと一本調子になってしまい、聞かせどころを待っているうちに終わってしまったような印象を受けました。 | ||
5 | 北陸 富山県 富山ミナミ吹奏楽団 (指揮/牧野 誠) ※8年ぶり4回目 | |
2/吹奏楽のための交響的印象「海響」 (和田薫) | ||
力が入りすぎたでしょうか、このマーチの爽やかさを出すにはサウンドが硬く重かったようです。ガッチリしすぎた感があります。自由曲は大変熱演でした。冒頭から気合十分でしたが、やはりサウンドが硬く強奏になると音が痛いです。波の音などの効果音も入れて情景描写の工夫を凝らしたり、音作りに対する思いの深さは良く伝わってきました。後半は打楽器奏者が法被に着替えて雰囲気を盛り上げましたが、本番前から法被が見えていたり、着替えるタイミングがバラバラだったりと、演出前に興ざめな感じがしたのが残念です。 | ||
6 | 北海道 北見地区 北見吹奏楽団 (指揮/松田彰光) ※4年ぶり3回目 | |
1/「交響曲第3番」より 第1楽章 (S.ラフマニノフ/高橋徹) | ||
今大会最少42人という編成です。小編成ならでは柔らかく透明感のあるサウンドが課題曲によく合っています。とても品のある演奏で耳に心地良かったです。自由曲でも無理をしない自然体の演奏で、特に奇をてらうことはせず、目の前の譜面をしっかり音楽にすることを心がけたようです。もちろん技術的に不安定な箇所もあるのですが、バンドが醸し出す雰囲気が逆に存在感を示していました。 | ||
7 | 東関東 神奈川県 グラールウインドオーケストラ (指揮/佐川聖二) ※2年ぶり6回目 | |
5/アダージョ・スウォヴィアンスキェ (天野正道) | ||
課題曲は緩急や変化に富んだ演奏でした。積極的な演奏なのですが、所々で流れの悪いところがありピリッとしませんでした。自由曲ではどっしりとしたサウンドと音楽の流れが見事です。各ソロは若干固さも見られましたが、情感豊かに演奏する姿勢が感じられました。全体的には大人のバンドならではの魅力の引き出し方だと思いました。終曲に向かっての一体感は見事で、ある意味コンクールには不似合いな雰囲気を漂わせていたのが印象的でした。 | ||
8 | 九州 福岡県 ブリヂストン吹奏楽団久留米 (指揮/小野照三) ※2年連続38回目 | |
1/地の精のバラード (O.レスピーギ/木村吉宏) | ||
名門職場バンドの登場です。落ち着いた柔らかみのあるサウンドは素晴らしく、演奏そのものにも余裕が感じられました。課題曲は全体的には大人の演奏で安心感がありましたが、ミスが目立ったのも残念です。自由曲では一転、重厚なサウンドにキレも加わってスケールの大きい演奏で見事でした。緩急・メリハリがしっかりあります。金賞には届きませんでしたが、一般バンドの中に混じっても存在感はしっかりとありました。 | ||
東京 | ||
4/クァルテッツ (R.シシー) | ||
規定違反により代表剥奪 | ||
9 | 九州 熊本県 玉名女子ウインドアンサンブル (指揮/米田真一) ※初出場 | |
4/森の贈り物 (酒井格) | ||
前団体がオール男性だったのに対して、オール女性バンドの登場は印象的ですね。サウンドも非常に柔らかく厚みがあります。躍動感の感じられるしっかりしたマーチでした。自由曲はこのバンドのサウンドに良く合っていました。コルネットやバリトンサックスのソロも秀逸です。(※中間のコルネットソロがカットされていたのは残念でした。) 全体的には力みのない伸びやかで爽やかな演奏で存在感があります。もっと評価されても良い演奏だと思いましたが…。 | ||
10 | 東関東 神奈川県 横浜ブラスオルケスター (指揮/近藤久敦) ※3年ぶり6回目 | |
1/ブリリアント交響曲 (I.ゴトコフスキー) | ||
各奏者のレベルが高いバンドだと思います。課題曲は出だしに若干安定度を欠きましたが、全体としては申し分ない出来だと思います。特に弱奏部分が上手で、曲想に合わせてサウンドも色を自在に変えていました。自由曲ではTuttiでの一体感・集中力が見事。質の高いサウンドで音楽にスピード感があり、惹きこまれました。十分に金賞クラスと感じましたが。 | ||
11 | 東海 長野県 アンサンブル・ヴィルトゥオーゾ吹奏楽団 (指揮/萩谷克己) ※初出場 | |
5/「アルプス交響曲」より (R.シュトラウス/森田一浩) | ||
初めての全国大会で緊張もあったでしょうか、課題曲ではミスが目立ちました。終始歯車のかみ合わない演奏で、不完全燃焼のまま終わってしまいました。自由曲は一転、伸びやかな演奏となりました。明るく輝かしい金管群のサウンドが素晴らしいと思いました。全体的には勢いに任せた感があり、もっと計算し尽くされたアルプスを聞いてみたいと感じました。 | ||
12 | 中国 岡山県 倉敷市民吹奏楽団グリーンハーモニー (指揮/佐藤道郎) ※2年連続11回目 | |
4/バレエ音楽「道」より (N.ロータ/木村吉宏) | ||
尼崎市吹やBMSと同様、雛壇は打楽器のみで管楽器は全てステージ上に配置されました。課題曲は大変堅実なオープニングで安定感がありましたが、第1テーマからの打楽器が不安定でマーチらしさに欠けたように思います。Tuttiでのサウンドがバランスが悪く雑然としており、旋律も浮き上がってこなかったです。自由曲は積極的な表現でスケールの大きい演奏でしたが、楽器の発音が不明瞭で全体のサウンドが暗めだったのが残念。トランペットのソロは哀愁たっぷりで美しかったです。 | ||