第60回全日本吹奏楽コンクール 平成24年10月28日(日) /宇都宮市文化会館 |
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職場・一般 前半の部 |
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1 | 東京 東京都 東京隆生吹奏楽団 (指揮/畠田貴生) ※2年連続2回目 | |
4/バレエ音楽「シバの女王ベルキス」より (O.レスピーギ/畠田貴生) | ||
朝イチは思えないほど楽器が鳴り、サウンドに安定感がありました。課題曲は明るく正統派のマーチ。若干安全運転気味でドライブ感に欠けていたようにも感じましたが、それでも完成度の高い演奏であったことは間違いありません。自由曲、冒頭のFL、Ob、オフステージでのTrpのソロは秀逸でした。アグレッシブな演奏である反面、細かい乱れもありましたが、レスピーギの豪華絢爛なサウンドがホールいっぱいに響き渡った秀演でした。2年連続2回目の金賞受賞、おめでとうございます。 | ||
2 | 東北 宮城県 名取交響吹奏楽団 (指揮/近藤久敦) ※3出休み明け17回目 | |
3/エニグマ変奏曲より 7.トロイト、9.ニムロッド、14.E.D.U (E.エルガー/近藤久敦) | ||
落ち着きのあるオープニング。バスドラムを横にセットしていたのは正解で、バンドを良く引き締めています。中間部の自然で大らかな歌い込みは素晴らしかったと思います。自由曲はメリハリのある構成で、特に「ニムロッド」での温かいサウンドが秀逸。「E.D.U」でのバンドの集中力と一体感が際立っています。2曲通して、洗練されたサウンドは前半部門でも随一と感じました。 | ||
3 | 東関東 千葉県 聖徳ウインド・アンサンブル (指揮/進藤初男) ※初出場 | |
1/交響組曲「もののけ姫」より (久石譲/森田一浩) | ||
女子高のOGバンドらしく奏者は全員女性。柔らかい透明感のあるサウンドが課題曲には良く合っています。各ソロも秀逸で初出場とは思えないほど伸びやかな演奏を披露してくれました。自由曲では冒頭の存在感のあるイングリッシュホルンのソロが見事。強奏になってもバランスの崩れないサウンドが素晴らしかったと思います。 | ||
4 | 中国 島根県 出雲吹奏楽団 (指揮/金本克康) ※3年連続14回目 | |
2/ダンシング・イン・レイン (後藤洋) | ||
課題曲のオープニングは金管セクションのバランスが悪く音が響いてきませんでした。マーチも重く推進力に乏しく全体的に雑然としており、作品の魅力を十分に引き出すことができなかったようです。自由曲では一転、軽快で洒落た雰囲気の演奏を聞かせてくれました。各奏者のレベルは高いと思うのですが、全体的に表情に乏しく聞かせどころが不明瞭なまな終わってしまったという印象でした。 | ||
5 | 九州 福岡県 飯塚吹奏楽団 (指揮/谷口宗生) ※初出場 | |
4/オリエントの光芒2012〜ウインドオーケストラのために(片岡寛晶) | ||
柔らかいサウンドでドライブ感のあるマーチでしたが、旋律群の表情がもう一つ。楽器の発音が不明瞭なところが見受けられ、全体的にはメリハリに欠け平板な印象でした。自由曲では美しく透明感のあるサウンドが見事。壮大な作品ですがこじんまりとした演奏になっており、もっと立体的な構成が見えると良かったと思います。派手さはないものの堅実な音楽作りをしているバンドという印象で、今後も九州代表争いに絡んでくる可能性を感じました。 | ||
6 | 北海道 空知地区 滝川吹奏楽団 (指揮/鷲尾昌法) ※初出場 | |
2/歌劇「トゥーランドット」セレクション (G.プッチーニ/真島俊夫) | ||
早めのテンポによるマーチ。オープニングはコンパクトにまとめられ好調な出だしと思いました。旋律群の歌い方も爽やかですが、この作品を演奏するにはサウンドにもっと透明感が欲しいと感じます。ところどころでハーモニーが乱れたのも残念。自由曲は表現に乏しく、技術的にも未消化な部分が露呈していたようです。バンド自体も全体的に委縮した演奏になっていたように感じました。 | ||
7 | 北陸 福井県 ソノーレ・ウィンドアンサンブル (指揮/佐藤正人) ※3年連続8回目 | |
4/交響詩「ローマの祭り」より 十月祭、主顕祭 (O.レスピーギ/佐藤正人) | ||
明るいサウンドで躍動感のあるマーチでした。的確なアナリーゼのもと、指揮者の要求に奏者がしっかり応えていたように思います。ピッコロの男性奏者が非常に上手で存在感がありました。自由曲では重厚なサウンドでしっかり構成された音楽を披露。お馴染みの作品ですが、絢爛な雰囲気を十分に表現した演奏だったと思います。この3年間で見違えるほどバンドが成長したように感じましたし、同楽団としても過去最高のパフォーマンスだったと思います。終曲後、会場は大歓声に包まれました。 | ||
8 | 九州 佐賀県 佐賀市民吹奏楽団 (指揮/南里隆弘) ※3年連続15回目 | |
5/シンフォニエッタ第2番「祈りの鐘」 (福島弘和) | ||
社会人バンドでこの課題曲を選曲したことは頭が下がります。単なるハッタリではなく、各奏者が譜面を消化しており作品として仕上げられていました。自由曲では重厚なサウンドがマッチ。ダブルリード群のソロも秀逸でした。Tuttiでの安定感はもとより、弱奏での安定感は素晴らしいものがありました。かなりレベルの高い演奏をしていると思うのですが、どこか端正で優等生的な印象で、金賞を取るにはむしろバンド特有の「アクの強さ」が足らないのかもしれません…。 | ||
9 | 東海 静岡県 ヤマハ吹奏楽団浜松 (指揮/須川展也) ※3年連続37回目 | |
5/エッセイ (高昌帥) | ||
今年も王者ヤマハは健在で、難曲を難曲と感じさせないほど完成度の高い演奏でした。一見、無機質な音楽になりそうな作品なのに、ヤマハはむしろ情熱的な雰囲気を醸し出しています。自由曲でも他を寄せ付けない高く安定した技術と重厚なサウンドを如何なく発揮し、アマチュアの域を超えた音楽を披露してくれたと思います。3年連続31回目の金賞受賞、3出を3金で飾りました。 | ||
10 | 西関東 埼玉県 伊奈学園OB吹奏楽団 (指揮/宇畑知樹) ※2年ぶり5回目 | |
4/パガニーニ・ロスト イン ウィンド (長生淳) | ||
落ち着きのある端正なマーチでした。クリアなサウンドで各パートが細部までよく聞こえてきます。トリオも美しく後半も破綻せずによくコントロールされた演奏で、弾け過ぎない大人のマーチを披露してくれました。自由曲ではこのバンドの真骨頂。各セクションのハイレベルな技術を「見せつけた」演奏です。A.Saxの麗しいソロは今大会随一、ブラボーです! 派手な作品ではないものの、どんどん作品に引き込まれていくのがわかりました。出場5回目にして初の金賞受賞、おめでとうございます。 | ||
11 | 関西 兵庫県 尼崎市吹奏楽団 (指揮/辻井清幸) ※2年連続28回目 | |
2/大阪俗謡による幻想曲 (大栗裕) | ||
大編成ながらも透明感のあるサウンドでしたが、マーチはかなりテンポが速くもう少し落ち着きが欲しいと感じました。自由曲ではこの作品のもつ雰囲気・空気をしっかり掴んでいるところが見事。関西のバンドにしか出せない「何か」があると思います。勢いだけではなく、大人のバンドならではの深みのある演奏が印象的です。オーボエのソロ、素晴らしかったです。 | ||
12 | 四国 香川県 高松市民吹奏楽団 (指揮/金川公久) ※3年連続6回目 | |
2/ディオニソスの祭り (F.シュミット/鈴木英史) | ||
このバンドも速めのテンポ設定でした。サウンドはクリアで透明感があり、この課題曲にはよくマッチしています。トリオからの美しさ、後半からの一体感は素晴らしかったと思います。自由曲は躍動感あふれる演奏でしたし、各ソロも非常に安定感がありました。2曲通して良く仕上げてきていると感じましたが、どこか模範演奏的でありもう一歩踏み込んだ「何か」が足りないと感じました。 | ||
13 | 関西 滋賀県 大津シンフォニックバンド (指揮/森島洋一) ※2年ぶり12回目 | |
4/響瀬の鹿 (酒井格) | ||
小細工のない正統派なマーチです。安定したイントロダクション、第一マーチからの旋律・対旋律・伴奏群のアンサンブルは最高な仕上がりでした。この2日間で最高の「希望の空」を聞かせていただいたと感じました。自由曲では更に上質な演奏を披露。Tuttiのサウンドの安定感・絢爛さはもちろん、弱奏でのしなやかさは特筆もの。バンドの一体感・高揚感には寒気すら覚えます。昨年の雪辱を果たし4年ぶり9回目の金賞受賞です。 | ||